JPH0310049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、誘電体である紙等の記録体上に静電
潜像を形成するための書込み用ヘツドに関し、特
に記録速度の速い静電潜像書込み用ヘツドに関す
るものである。

〔従来の技術〕 従来の静電潜像書込み用ヘツドとしては、第３
図に示すように、イオン流出側が開放された金属
ハウジングａと、このハウジングａ内に張架さ
れ、直流高圧電源ｂに接続されてコロナイオンを
発生するコロナワイヤーｃとから成るイオン発生
器ｄと、このイオン発生器ｄのイオン流出側に配
設され、絶縁板ｅと、この両面に被着形成され、
制御電圧源ｆに接続されて制御電界を形成する制
御電極ｇ，ｇとから成り、かつ上記イオン発生器
ｄにより発生したイオンを通過させるイオン通過
口ｈの開設された記録電極ｉとから構成されたも
のが知られており、例えば誘電体の回転ドラムｊ
の近傍位置に配設されて静電記録装置の書込みヘ
ツドとして利用されている。

そしてこの静電潜像書込み用ヘツドにより上記
回転ドラムｊ上に静電潜像を形成するには、上記
記録電極ｉの制御電極ｇ，ｇ間に、制御電圧源ｆ
より画像信号を印加して上記イオン通過口ｈの内
部に制御電界を形成し、上記イオン発生器ｄから
のイオン流の通過、遮断を制御して行うものであ
る。

尚、回転ドラムｊ上に形成された静電潜像は、
現像器ｋにおいて現像されてトナー像となり、こ
のトナー像が転写コロトロンにより用紙ｐに転
写された後、定着器ｍにて定着されて記録紙が得
られるものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この静電潜像書込み用ヘツドに
おいては、上記イオン発生器により発生するイオ
ンの電流密度に限度があり、かつイオン移動速度
も遅いため上記記録電極のイオン通過口を通過す
るイオンの透過率が低く記録体への記録速度が遅
いという欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は、従来の静電潜像書込み用ヘツドの上
記問題点を解決することを目的とするもので、イ
オン発生器により発生したコロナイオンの移動速
度を速めて、記録速度の速い静電潜像書込み用ヘ
ツドを提供することを目的とするものである。

すなわち本考案は、記録体に対向して配置され
るイオン発生器と、このイオン発生器と記録体間
に設けられ、イオン発生器により発生したイオン
を通過させるイオン通過口の開設された記録電極
とから構成され、この記録電極に印加される画像
信号により上記イオン通過口を通過するイオン流
を制御して上記記録体に静電潜像を形成する静電
潜像書込み用ヘツドにおいて、上記イオン発生器
をコロナチヤンバーと、このコロナチヤンバー内
に張架されたコロナワイヤーとで構成し、上記コ
ロナチヤンバーの記録電極側壁面にはイオン排出
口を開設し、かつその反対側壁面には、圧縮空気
を導入して上記イオン排出口から流出させる空気
導入口を開設すると共に、この導入口には、空気
が通過する複数の開口部を有し上記コロナワイヤ
ーとの間でコロナ放電を起こさせる導電性部材を
設けることにより発生したコロナイオンを上記空
気流にのせてイオン排出口から強制的に排出さ
せ、かつその移動速度を速めることによつてイオ
ン通過口を通過するイオンの透過率を高め、記録
体への記録速度を速めたものである。

〔実施例〕

以下本考案の実施例について図面を参照にして
説明すると、本考案の静電潜像書込み用ヘツドは
第１図に示すように、イオン発生器１と記録電極
２とから構成されるものである。

まずイオン発生器１は、金属板を横断面略四角
形状に形成したコロナチヤンバー３と、このコロ
ナチヤンバー３内に、その長さ方向に沿つて張架
されたコロナワイヤー４とから成つており、かつ
コロナチヤンバー３の下面側壁面には、その長さ
方向に沿つてスリツト状のイオン排出口５が開設
されていると共に、その上面側壁面には同様に空
気導入口６が開設されている。

また上記空気導入口６には、上記コロナワイヤ
ー４との間でコロナ放電を起こさせる金属メツシ
ユ７がその全開口部に亘つて配設されており、か
つコロナチヤンバー３の上面側背面にはその長さ
方向に沿つて上記空気導入口６と連通する横断面
略コ字状の空気案内部８が設けられており、この
背面側にエアーポンプ（図示せず）に接続されて
上記イオン発生器１内に圧縮空気を供給するパイ
プ９が配設されている。

一方記録電極２は、上記イオン発生器１の下方
側にその長さ方向に沿つて設けられており、長方
形状の絶縁板１０と、この両面に被着形成された
制御電極１１，１１とから構成され、かつ上記イ
オン発生器１のイオン排出口５に対向する部分に
はイオン通過口１２が開設されて成るものであ
る。

そして本考案の静電潜像書込み用ヘツドを用い
て記録体上に静電潜像を形成するには、第２図に
示すように、上記イオン発生器１のコロナワイヤ
ー４に高圧の直流電圧を印加してコロナイオンを
発生させると共に、エアーポンプからイオン発生
器１内に圧縮空気を供給して、このイオン発生器
１内に空気導入口６からイオン排出口５に至る空
気流を形成させる。

一方上記記録電極２の制御電極１１，１１間に
は、制御電圧源１３により画像信号を印加してイ
オン通過口１２の内部に制御電界を形成させ、こ
れによつて上記イオン発生器１から排出されるイ
オン流の通過を制御して記録体１４上に所望の静
電潜像を形成するものである。

このとき上記イオン発生器１により発生したコ
ロナイオンは、上記イオン発生器１内の空気流に
のつて強制的にイオン排出口５へと運ばれるため
イオン流量の増加が図れると共に、その移動速度
の向上も図られる。

しかも上記コロナワイヤー４と金属メツシユ７
との間で発生したコロナイオンは、上記空気流内
に存在するため、その一部が金属メツシユ７に流
出せずにイオン排出口５へと運ばれ、これによつ
て上記イオン流量の飛躍的向上が図られる。

従つて従来の静電潜像書込み用ヘツドと較べ
て、上記記録電極のイオン通過口を通過するイオ
ンの透過率が高くなり、その記録速度を著しく速
めることができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、イオン発生器と、記録
電極とから構成され、記録体上に静電潜像を形成
する静電潜像書込み用ヘツドにおいて、イオン発
生器をコロナチヤンバーと、このコロナチヤンバ
ー内に張架されたコロナワイヤーとで構成し、上
記コロナチヤンバーの記録電極側壁面には、イオ
ン排出口を開設し、かつその反対側壁面には圧縮
空気を導入して上記イオン排出口から流出させる
空気導入口を開設すると共に、この導入口には、
空気が通過する複数の開口部を有し上記コロナワ
イヤーとの間でコロナ放電を起こさせる導電性部
材を設けて成るため、上記イオン発生器により発
生したコロナイオンを、イオン発生器内の空気流
にのせて強制的に上記イオン排出口へと運ぶこと
もできる。

しかも、上記コロナワイヤーと導電性部材との
間で発生したコロナイオンは、上記空気流内に存
在するため、その一部を上記イオン排出口へと運
ぶことができ、イオン排出口より流出させるイオ
ン流量の増加が図れると共に、その移動速度をも
速めることができ、これによつてその記録速度を
速めることができる等、本考案の実用上の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る静電潜像書込み
用ヘツドの断面斜視図、第２図はその作用説明図
を示し、又第３図は従来の静電潜像書込み用ヘツ
ドを利用した静電記録装置の概略構成図をそれぞ
れ示す。 符号説明、１……イオン発生器、２……記録電
極、３……コロナチヤンバー、４……コロナワイ
ヤー、５……イオン排出口、６……空気導入口、
７……金属メツシユ、８……空気案内部、９……
パイプ、１０……絶縁板、１１……制御電極、１
２……イオン通過口、１３……制御電圧源、１４
……記録体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録体に対向して配置されるイオン発生器と、
   このイオン発生器と記録体間に設けられ、イオン
   発生器により発生したイオンを通過させるイオン
   通過口の開設された記録電極とから構成され、こ
   の記録電極に印加される画像信号により上記イオ
   ン通過口を通過するイオン流を制御して上記記録
   体に静電潜像を形成する静電潜像書込み用ヘツド
   において、上記イオン発生器をコロナチヤンバー
   と、このコロナチヤンバー内に張架されたコロナ
   ワイヤーとで構成し、上記コロナチヤンバーの記
   録電極側壁面にはイオン排出口を開設し、かつそ
   の反対側壁面には圧縮空気を導入して上記イオン
   排出口から流出させる空気導入口を開設すると共
   に、この導入口には、空気が通過する複数の開口
   部を有し上記コロナワイヤーとの間でコロナ放電
   を起こさせる導電性部材を設けたことを特徴とす
   る静電潜像書込み用ヘツド。