JPH029668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、蚊取線香を使用するに際し用いら
れ、かつ或る期間使用した後に使い捨て可能とし
得る構造を備えた蚊取線香燻煙器に関する。

［従来の技術］ 従来より、蚊取線香を燻煙する器としては、蚊
取線香のパツケージである缶体を用いたもののほ
か、陶器や金属缶を用いたものが知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、専用品すなわち陶器や金属缶か
らなる蚊取線香燻煙器は比較的高価である。よつ
て、或る期間使用し、洗浄しても汚れが完全に落
ちなくなつたとしても気軽には廃棄し難い。した
がつて、煤等が強固に付着して汚い印象を与える
燻煙器を使い続けなければならなかつた。

他方、商品としての蚊取線香のパツケージであ
る缶体からなる燻煙器では、該缶体に収納されて
いた蚊取線香を使いきつた後に捨て去ればよい。
よつて、個装された一定数量の蚊取線香を使いき
るごとに、新しい蚊取線香燻煙器に換えることが
できる。しかしながら、パツケージに用いられて
いる缶体を利用するものであるため、宣伝・広告
文字等が大きく表わされており、美観の点で難が
ある。

さらに、従来の蚊取線香燻煙器では、金属ネツ
ト等の上に蚊取線香を載置して用いるものである
が、蚊取線香の上方空間を覆うものは何ら存在し
ない。よつて、風等により灰が飛び散りやすいと
いう問題があつた。

同様に、灰を捨てるときにも燻煙器を裏返した
りする必要があるため、灰が飛び散りやすかつ
た。また、１の蚊取線香を使用した後に、その都
度、灰を捨てなければ汚い印象を与えるものであ
つた。

よつて、この考案の目的は、一定期間使用後に
使い捨てることが可能な安価な材料よりなり、か
つ灰の飛び散りにくい美観に優れた蚊取線香燻煙
器を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ この考案の蚊取線香燻煙器は、金属箔よりな
り、上方に開口を有し、該開口周縁にマツト取付
部が形成された灰受容器と、マツト取付部に載置
され、１以上の灰落とし用孔が形成された蚊取線
香載置マツトと、上下に開口を有する筒状の金属
箔材からなり、灰受容器の上方に取付けられる風
防部材とを備える。灰受容器および風防部材の一
方には、相手方に組合わされる側の開口周縁にフ
ランジ片が形成されており、他方には該フランジ
片を抱くようにかしめられた固定片が設けられて
いる。

［作用および考案の効果］ この考案では、灰受容器および風防部材がアル
ミ箔等の金属箔よりなる。よつて、安価であるた
め、一定期間使用後に使い捨て可能な燻煙器とす
ることができる。

また、蚊取線香の載置される蚊取線香載置用マ
ツトの上方空間は上下に開口を有する筒状の金属
箔材からなる風防部材により覆われているので、
風等により灰が飛び散るおそれが少ない。

さらに、蚊取線香載置用マツトには１以上の灰
落とし用孔が形成されており、該蚊取線香載置用
マツトの下方に灰受容器が組合わされているの
で、使用済みの蚊取線香の灰を該灰落とし用孔か
ら下方に落下させ灰受容器に収納することができ
る。よつて、蚊取線香を使用した都度灰を捨て去
る必要がない。また、蚊取線香を載置する部分を
比較的清浄に保つことも容易である。

［実施例の説明］ 第１図に斜視図で示すように、この実施例の蚊
取線香燻煙器１は、灰受容器２、蚊取線香載置用
マツト３および風防部材４からなる。灰受容器２
および風防部材４は、たとえばアルミ箔のような
安価な金属箔より構成されている。他方、蚊取線
香載置用マツト３は、その上に蚊取線香を載置し
燻煙するものであるため、たとえばガラス繊維を
集合してなるガラス繊維不織布のような難燃性ま
たは不燃性材料により構成されている。

次に、第１図実施例の個々の構成の具体的形状
につき説明する。

第２図に示すように、灰受容器２は、その内部
に蚊取線香の灰を収納するためのものであり、風
防部材４を組合わせるために上方に向かつて開か
れた形状とされている。

第２図に示されているように、灰受容器２の上
方開口５の周縁には外側にマツト取付部６が延設
されている。マツト取付部６は、その上に蚊取線
香載置用マツト３を載置させることが可能であれ
ばよいため、開口５の外周縁全体にわたり形成さ
れている必要もなく、部分的に複数のマツト取付
部が開口５の外周縁に延設されていてもよい。

マツト取付部６の外側には、固定片７が一体に
形成されている。固定片７は上方に向かつた立設
されており、この実施例ではマツト取付部６と同
様に環状に形成されている。固定片７は、後述す
る風防部材４のフランジ片９を抱くようにして風
防部材４を固定するものであるため、固定片７で
形成される環の内径は該フランジ片９よりも大き
な径を有するように構成されている。

マツト取付部６上に載置される蚊取線香載置用
マツト３は、第４図に示すように複数の灰落とし
用切欠部１１を有する。この灰落とし用切欠部１
１は、使用後の蚊取線香の灰を灰受容器２内に落
下させるために形成されているものであり、第１
図に示すように、組込んだ後には灰落とし用孔１
１ａを構成する。

風防部材４は、上下に開口４ａ，４ｂを有する
筒状の金属箔材からなり、下方の開口４ｂの周縁
に環状のフランジ片９が形成されている。該フラ
ンジ片９は、灰受容器２の固定片７により風防部
材４を固定するために設けられているものであ
る。すなわ、第３図に示されているように、固定
片７の一部がフランジ片９を抱くようにかしめら
れて、灰受容器２に対して風防部材４が固定され
ている。フランジ片９は、固定片７によりかしめ
るために設けられているため、固定片７の設けら
れている部分に対応して設けられておりさえすれ
ばよく、この実施例のような環状のフランジ片９
に換えて複数の独立したフランジ片を形成しても
よい。

使用に際しては、第２図に示すように、灰受容
器２のマツト取付部６上に蚊取線香載置用マツト
３を載置する。次に、想像線Ａで示す蚊取線香を
蚊取線香載置用マツト３上に載置する。最後に、
風防部材４を上から被せ、固定片７の一部を第３
図のように曲げ、フランジ片９を抱くようにかし
めて風防部材４を固定する。蚊取線香Ａが燃え尽
きた後には、灰受容器２を持つてゆすり、蚊取線
香載置用マツト３の灰落とし用切欠部１１（第４
図）から落下させ灰受容器２内に収納する。した
がつて、灰を周囲に飛び散らさずに蚊取線香載置
用マツト３の上面を清浄とすることができる。

上記実施例では、蚊取線香載置用マツト３に第
４図の灰落とし用切欠部１１が形成されていた
が、第５図に示すように灰落とし用孔１２を形成
してなるマツトを用いてもよく、灰落とし用孔の
形状および数については特に問わない。

また、第１図実施例では灰受容器２側に固定片
７が設けられており、風防部材４側に設けられた
フランジ片９を該固定片７でかしめて固定してい
たが、逆に灰受容器２側にフランジ片が設けられ
ており、該フランジ片をかしめる固定片が風防部
材４側に設けられていてもよい。その場合、灰受
容器側に形成されるフランジ片を、マツト取付部
６を兼ねるように構成してもよい。

さらに、第３図に示したように蚊取線香載置用
マツト３の外周端近傍は風防部材４をフランジ片
９および灰受容器２のマツト取付部６との間に挾
持されていたが、両者の間に挾持されておらずと
もよく、単にマツト取付部６上に載置されている
だけであつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例の蚊取線香燻煙
器を示す斜視図、第２図は第１図実施例を組立て
る工程を説明するための断面図、第３図は第１図
実施例の蚊取線香燻煙器の断面図であり、第４図
は蚊取線香載置用マツトの平面図であり、第５図
は蚊取線香載置用マツトの他の例を示す平面図で
ある。 図において、１は蚊取線香燻煙器、２は灰受容
器、３は蚊取線香載置用マツト、４は風防部材、
５は灰受容器の上方開口、６はマツト取付部、７
は固定片、１１は灰落とし用孔を構成するための
切欠部、１２は灰落とし用孔を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 金属箔よりなり、上方に開口を有し、該開口
   周縁にマツト取付部が形成された灰受容器と、 前記マツト取付部に配置され、１以上の灰落
   とし用孔が形成された蚊取線香載置用マツト
   と、 上下に開口を有する筒状の金属箔材からな
   る、前記灰受容器の上方に取付けられる風防部
   材とを備え、 前記灰受容器および風防部材の一方には相手
   方に組合わせられる側の開口周縁にフランジ片
   が形成されており、他方には該フランジ片を抱
   くようにかしめられた固定片が設けられてい
   る、蚊取線香燻煙器。 ２ 前記フランジ片は前記灰受容器側に形成され
   ており、前記マツト取付部は該フランジ片を兼
   ねている、実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の蚊取線香燻煙器。 ３ 前記マツト取付部は灰受容器の上方開口の外
   周縁に一体に形成された水平載置部よりなり、
   該水平載置部の外周縁において前記固定片が立
   設されている、実用新案登録請求の範囲第２項
   記載の蚊取線香燻煙器。