JPH02862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電気コネクタに関し、特に回路基板の
孔に弾性的に圧入されて該孔内に固定されるプレ
スフイツト型の接触ピンを一端に有する雄型電気
コネクタの構造に関する。

（従来技術） 導電性金属板を打抜き加工して形成され、プリ
ント回路基板の孔に圧入されて該基板に電気的に
接続されるプレスフイツト型の電気接触ピンは、
例えば特公昭58−41633に開示され公知である。
この公知電気接触ピンはプリント回路基板の孔内
に固定される取付部分を有し、該取付部分は孔内
に挿入されて互に弾性的に変形し得る少なくとも
一対の脚部を具えている。この一対の脚部の横方
向長大距離は基板の孔の直径よりも大きく形成さ
れており、したがつて、一対の脚部が基板の孔内
に圧入されると脚部は相互に内方に変形すると共
に孔の壁面に対して弾性的に偏圧し続け、この結
果、取付部分が孔内に固定されるようになつてい
る。この接触ピンは更に取付部分の延長部に外部
回路に接続される棒状接触子を具え、この接触子
には例えばワイヤラツピング法によつて外部回路
の接続用導体が巻きつけられ、電気的に接続され
る。

接触ピンの前記接触子は外部回路との接続態様
によつてその形状を異にし、外部回路の接続子が
例えば小径の管状雌型接触子である場合には、こ
れと組合う形状の雄型接触子に形成されなければ
ならない。一般に、雌型接触子が管状である場合
の雄型接触子は雌型接触子と相補形の管状に形成
されることが要求されている。

ところで前記プレスフイツト型の取付部分を具
える接触ピンにおいては、脚部に強弾性力を付与
するために脚部の断面積をある程度大きくとる必
要があり、したがつて、かかる接触ピンを形成す
るためには素材である金属板が前記脚部を提供し
得るだけの十分な肉厚をもつことが必要条件とな
つている。しかしながら、かかる肉厚の金属板を
曲げ加工により小径管状の雄型接触子に成形する
と、管状部分の曲率半径が小さいために管状表面
に亀裂が生じ、事実上、接触子として使用できな
いという問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記事情に鑑みなされたもので、一端
にプレスフイツト型の接触ピンを具えると共に他
端に小径の管状雌型接触子と嵌合可能な雄型接触
子を具え、しかも製作容易で確実な電気的接続を
保証する電気コネクタを提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、導電性金属板を打抜いて形成され一
端に接触ピンを具えると共に他端に管状の雌型接
触子と組合う雄型接触子を具え、前記接触ピンが
回路基板の孔に弾性的に圧入されて該孔内に固定
される取付部分を有する回路基板用の電気コネク
タにおいて、前記雄型接触子が前記接触ピンと同
一の板厚をもつて形成された非円筒形の接触部を
具えると共に該接触部に該接触部の一部を切起し
て形成した弾性接触片を具えることを特徴とする
ものである。

（実施例） 以下添付図面を参照して本考案の好ましい実施
例について説明する。

第１図は回路基板と電源部間を電気的に接続す
る給電用電気コネクタとして構成された本考案に
よる電気コネクタ１０を示す。電気コネクタ１０
は一連の均一な肉厚の導電性金属板を打抜き加工
して形成され、その中間部分に矩形の環状基部１
１を有する。環状基部１１の対向する壁部１２，
１３の下端面（同図において）から複数の接触ピ
ン１４が下方に延出し、該接触ピン１４は回路基
板Ｐ上に縦横に等間隔に形成された孔３０に対応
し相互に等間隔に配置されている。

各接触ピン１４は回路基板Ｐの孔３０内に圧入
されて該孔内に固定される取付部分１５を有す
る。取付部分１５は相互に弾性的に変形し得る少
なくとも２つの脚部１５ａ，１５ｂを有し、該脚
部１５ａ，１５ｂの横方向長大距離は回路基板の
孔３０の直径よりも大きく形成されている。した
がつて、該脚部１５ａ，１５ｂを回路基板の孔内
に圧入すると脚部１５ａ，１５ｂは相互に内方に
変形すると共に孔の壁面に対して弾性的に偏圧し
続け、この結果取付部分１５が孔内に固定され
る。

環状基部１１はまた壁部１３の上端面から上方
に延出する雄型接触子１８を一体的に具えてい
る。雄型接触子１８は壁部１３の壁面に沿つて延
びる垂直部分１９と壁部１３の内方に向つて傾斜
する傾斜部分１７および垂直部分１９と平行に延
びる尖頭部分２０とから成る。垂直部分１９のほ
ぼ中央部から尖頭部分２０にかけて垂直部分１９
を切起して形成した細長い弾性接触片２１が延在
し、該弾性接触片はその自由端両側に突出片２３
を具える。弾性接触片２１は垂直部分１９からや
や斜めに立上りその後垂直部分１９と平行に延び
る背面２１ａを提供して自由端近傍で傾斜部分１
７に向けて折曲されている。弾性接触片２１の自
由端は通常状態においては、ほぼ材料の厚さ分だ
け傾斜部分１７から離隔しているが管状の雌型接
触子３５の嵌合によつて背面２１ａが押圧される
と傾斜部分１７に当接する。弾性接触片２１の前
記背面２１ａと垂直部分１９の両側縁１９ａは弧
状に面取りされ、第２図に示すように、雄型接触
子１８に嵌合される管状の雌型接触子３５の内壁
面と３部分で面接触するようになつている。

雄型接触子１８に雌型接触子３５が嵌合される
と、雄型接触子１８は前記３部分、すなわち、弾
性接触片２１の背面２１ａと垂直部分１９の両側
縁１９ａが雌型接触子３５の内壁面と弾性的に接
触する。このとき、弾性接触片自由端の突出片２
３が傾斜部分１７と当接し、弾性接触片２１に高
いばね性を付与する。この結果、雌・雄接触子は
適正な接触圧のもとに電気的に接続される。

上記電気コネクタ１０は回路基板上に単体で搭
載することができるが、また一方ハウジングに収
容して用いることもできる。特に複数の電気コネ
クタを必要とする給電容量の大きい回路基板で
は、複数の上記電気コネクタ１０を一つのハウジ
ングに収容して単一の電気コネクタとすれば、取
扱いが簡便であり、接続作業を容易に行えるとい
う利点をもたらす。このため、本考案の電気コネ
クタ１０はハウジング内に固定するための係止用
の切起しランス２４および２５を具える。第３図
は３つの電気コネクタ１０を単一のハウジング４
０内に収容した状態の断面図である。各電気コネ
クタ１０は第３図においてハウジング４０の下方
より略Ｔ字型の底壁開口３１内（第４図）に挿入
される。このとき弾性接触片２１は小幅の開口部
分３１ａをまた切起しランス２４を含む垂直部分
１９は大幅の開口部分３１ｂを通過する。切起し
ランス２４は開口部分３１ｂを通過中該開口部分
３１ｂを形成する対向する壁面によつてその切起
し部分が直線状に変形するが電気コネクタがハウ
ジング内に完全に挿入されたとき、すなわち環状
基部１１の上端面がハウジングの底壁３２に当接
したときに切起しランス２４は開口部分３１ｂか
ら解放され弾性的に復元してその自由端が底壁３
２の上面と係合する。この結果、電気コネクタ１
０はハウジング４０内に保持される。一方、もう
一つの切起しランス２５は開口部分３１ｂの側壁
３３と弾性的に係合し電気コネクタ１０がハウジ
ング４０内で遊動するのを防止する。また、ハウ
ジング底壁３２の開口部に設けられた弾性支柱３
４は電気コネクタ１０の垂直部分１９の背面と係
合し垂直部分１９を常時嵌合方向に垂直に保つ作
用をする。

（考案の効果） 本考案によれば、上述のとおり、管状の雌型接
触子と嵌合可能な雄型接触子を管状に曲げ加工す
る必要がない構成としたため、材料の厚さに関係
なく形成べきると共に製作が容易であるという利
点を有する。また、雌型接触子との接触が３面接
触である上、弾性接触片がその運動範囲内で雌型
接触子の直径の誤差を吸収し得るので確実な電気
的接続が保証される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電気コネクタの一実施例
を示す斜視図、第２図は第１図の電気コネクタの
平面図、第３図は第１図の電気コネクタをハウジ
ング内に複数個収容した状態を示す断面図、第４
図は第３図のハウジングの一部平面図である。 １４……接触ピン、１５……取付部分、１８…
…接触部、２１……弾性接触片、３５……雌型接
触子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電性金属板を打抜いて形成され一端に接触ピ
   ンを具えると共に他端に管状の雌型接触子と組合
   う雄型接触子を具え、前記接触ピンが回路基板の
   孔に弾性的に圧入されて該孔内に固定される取付
   部分を有する回路基板用の電気コネクタにおいて
   前記雄型接触子が前記接触ピンと同一の板厚をも
   つて形成された非円筒形の接触部を具えると共に
   該接触部に該接触部の一部を切起して形成した弾
   性接触片を設けたことを特徴とする電気コネク
   タ。