JPH0285201A

JPH0285201A - 動植物標本の製造法

Info

Publication number: JPH0285201A
Application number: JP23626388A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Yamazaki; 茂山崎; Takao Momose; 孝夫百瀬
Original assignee: NIPPON F D KK
Current assignee: NIPPON F D KK
Priority date: 1988-09-22
Filing date: 1988-09-22
Publication date: 1990-03-26

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、長期間に亘って色沢、形状に変化のない美麗
な動植物標本を製造する方法に関するものである。

（従来の技術）従来の動植物標本の製造法としては、例えば、■標本に
しようとする動植物を瓶に入れ、防腐液を注入して保存
する方法、■植物を透明な合成樹脂中に封入して保存す
る方法、■いわゆる「押し花標本」として、植物を紙に
挟んで加圧脱水して乾燥し、これを厚紙などに貼着して
保存する方法、■ドライフラワーとして自然乾燥して保
存する方法等がある。

上記■の方法においては、動植物の形態は判るが、天然
の色相は褪色し、全く異なった色となる。

上記■の方法としては、（イ）植物体を有機溶媒で置換
脱水し、真空凍結乾燥などにより水分を除去した後、植
物体に樹脂モノマーを含浸させて、これを透明な合成樹
脂中に封する方法、（ロ）植物体を脱水することなく、
温かい乾燥空気などで表面のみをかわかし、直ちに透明
な合成樹脂中に封入する方法、（ハ）植物体を風乾その
他の単純乾燥をして、これを透明な合成樹脂中に封入す
る方法であるが、これの改良法として、特公昭５１−３
４３３０号、特公昭５１−３４７６８号、特公昭５２−
１９４９５号、特公昭５７−５７４４１号、特公昭５９
−３７５０７号等がある。これらの植物を透明な合成樹
脂中に封入して保存する方法においては、保存性は良好
であるが、合成樹脂中に封入してしまうので、植物を取
り出して観察することができない。

上記■の方、法においては、押し花のため偏平となり、
変色が甚だしい。この欠点を改良する方法として、特公
昭５７−３４８０１号に原色押し花の製造法が開示され
ている。これは、花を含水アルコール溶液に浸漬し、該
溶液を花に浸透させた後、花を取り出し押し板で押して
花の型を整形し、これを乾燥して透明フィルムに挟み密
封する方法であるが、長期間に亘って色沢を保持させる
ことは困難であり、偏平な標本となることはまぬがれえ
ない。

上記■の方法においては、容器内でな（、外気にさらさ
れているため、天然の色相は褪色し、かつ■の方法のも
のと同様に毀れやすい欠点があり、これを容器に入れる
場合は、口の大きさに制限される欠点がある。改良方法
として、特公昭５２−２６１７４号に乾燥花の製造法が
開示されている。

これは、セシルアルコールとアククチツクポリプロピレ
ンを混合加熱して均一に相溶させ、これに溶剤を加えて
約６０〜８０°Ｃにおいて溶液状態にあるものを調整し
、これに脱水した草花を投入して加熱を続けた後取り出
し、空気乾燥炉中で予備乾燥後、引き続き１１０〜１３
０°Ｃ程度に上げて短時間乾燥する方法であるが、セシ
ルアルコールとアタクチックポリプロピレンの混合溶液
を草花に含浸させるものであるから、草花の天然の色相
を充分に保持させることが困難である。

（発明が解決しようとする課題）上記のように、従来の動植物標本の製造法は、かなり改
良されてきているが、本発明は、従来法のような欠点が
なく、さらに、長期間に亘って色沢、形状に変化のない
美麗な動植物標本を製造する方法を提供しようとするも
のである。

（課題を解決するための手段）本発明者らは、上記の課題を達成するため鋭意研究を重
ねた結果、動物または植物に対し、凍結と真空下の加熱
乾燥を適用したところ、あらゆる面からして優れた動植
物標本が得られることを知り、本発明を完成するに至っ
た。

すなわち、本発明は、大気と遮断できる密封可能な容器
中に動物または植物を入れ、容器ごと凍結させた後、真
空下で加熱乾燥し、乾燥直後に容器を密封することを特
徴とする動植物標本の製造法である。また、本発明は、
該方法において、容器を密封する前に乾燥剤、脱酸素剤
、芳香剤のうち１種または２種以上を容器中に封入する
ことを特徴とする動植物標本の製造法である。

本発明は、昆虫類、魚類、植物の茎葉、花類等を標本と
して、教材、鑑賞用などに提供するものであるが、でき
るだけ天然の状態を保持している標本を得る方法として
、本発明は、防腐液や置換脱水用の有機溶媒などの液を
使用しないで、乾式で行う方法である。

まず、標本にしようとする動植物を大気と遮断できる密
封可能な容器に入れて、これを容器ごと凍結させる。容
器はガラス製あるいはプラスチック製で透明なものが好
ましい。このように動植物を生のしなやかなときに容器
に入れると、乾燥物を入れるのと異なって、破損するこ
とな（、入口が狭くて内部の広がった容器中でもセット
することができるので有効である。凍結は一５°Ｃ以下
の温度で行えばよいのであるが、急速冷凍などにより短
時間で凍結するのが好ましい。

上記のように凍結させた後、３ｍ＋ｎ１１ｇ〜０．０１
柵Ｈｇの真空下で、８５′Ｃ〜１５°Ｃの温度で加熱乾
燥する。このように真空凍結乾燥法により乾燥すると、
動植物の色沢、形状にほとんど変化がな（、美麗な標本
が得られる。乾燥直後に容器を密封して保存する。

上記の動植物標本は、保存過程において変化を起こす要
因を排除する処理を施すことが望ましいのであるが、そ
のためには、前記の方法において、容器を密封する前に
乾燥剤、脱酸素剤、芳香剤のうち１種または２種以上を
容器中に封入するのがよい。乾燥剤としては、シリカゲ
ル、石灰等一般の乾燥剤が用いられ、この乾燥剤を容器
に入れてお（と、例えば、ねじ蓋で密封する容器の場合
、ねじ蓋の密封部分より入る極く微量の湿気を吸収し、
また、標本中の過剰の水分も吸収することによって、標
本の変色変質に関与する酵素の活動を抑止し、長く安定
した色調品質を保持できる。さらに、水分が少なく保持
されるので、虫害や微生物の繁殖も抑止でき、防腐剤を
使用する必要がない。脱酸素剤としては、エージレス（
商品名）、タモツ（商品名）等が用いられ、この脱酸素
剤を容器に入れておくと、容器内の酸素を吸収するので
、酸素による変色変質が防止されると共に、虫害の防止
にも役立つものである。芳香剤としては、フラワーフレ
ーバーなど適宜に用いられる。

（実施例）次に、本発明の実施例を挙げて説明する。

実施例１ゼラニュームの花のついた茎葉を切り取り、２００ｃｃ
のガラス環に挿入すると共に、ガラス環の底に予め乾燥
剤シリカ３ｇを入れておく。ガラス環には蓋をしないで
、そのまま皿に横倒しに置き、２０°Ｃの冷凍庫に５時
間放置して、ゼラニュームを凍結させる。凍結ゼラニュ
ーム入りガラス環を冷凍庫より取り出し、真空凍結乾燥
機の乾燥庫に入れ、乾燥庫の蓋を閉じ、真空度０．　１
ａｎｌ！ｇで加熱乾燥する。この際、加熱温度５５°Ｃ
の場合３時間、４５°Ｃの場合１７時間で乾燥が終了す
る。

乾燥終了直後、エージレス（商品名）およびフラワーフ
レーバーの小袋（２ｇ）をガラス環の内部に挿入し、続
いて、バッキング付蓋をねし廻して装着し、ガラス環を
密封する。

実施例２金魚を２００ｃｃのガラス環に挿入すると共に、ガラス
環の底に予め乾燥剤シリカ３ｇを入れておく。ガラス環
には蓋をしないで、−２５°Ｃの冷凍庫に入れ、１夜放
置して金魚を凍結させる。凍結金魚入りガラス環を冷凍
庫より取り出し、真空凍結乾燥機の乾燥庫に入れ、乾燥
庫の蓋を閉じ、真空度０．２ｍｍＨｇで加熱乾燥する。

この際１、加熱温度５５°Ｃの場合１０時間、４０°Ｃ
の場合１５時間で乾燥が終了する。

乾燥終了直後、エージ（商品名）の小袋（２ｇ）をガラ
ス環の内部に挿入し、続いて、バッキング付蓋をねし廻
して装着し、ガラス環を密封する。

（発明の効果）本発明によれば、自然に近い動植物の色が保持され、ま
た、自然に近い立体形の乾燥標本が得られると共に、口
が狭く内部の広がった壜の中へ葉、花などは撓めて入れ
、内部で拡張することができる。そして、保存期間が長
く、かつ、品質の劣化が極めて少ない。

手続補正吉昭和６３年１０月１９日

Claims

【特許請求の範囲】

（１）大気と遮断できる密封可能な容器中に動物または
植物を入れ、容器ごと凍結させた後、真空下で加熱乾燥
し、乾燥直後に容器を密封することを特徴とする動植物
標本の製造法。
（２）特許請求の範囲第１項記載の方法において、容器
を密封する前に乾燥剤、脱酸素剤、芳香剤のうち１種ま
たは２種以上を容器中に封入することを特徴とする動植
物標本の製造法。