JPH028399Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、調理器等に使用される埋込発熱体
に関するものであり、より詳細に言うならば、耐
久性が高く、かつその製作が容易な埋込発熱体に
関するものである。

まず、この考案の特徴を明らかにするために従
来の埋込発熱体を第１図に基づいて説明する。こ
の図において、金属製熱盤１に設けられている溝
に、アルミナ、タルク、マグネシア等の絶縁粉末
２を充填し、この絶縁粉末２中に、第１図ｂに示
されるようなコイル状に形成された電熱線３が埋
設されていた。このようなコイル状に形成された
電熱線３を埋設する方法としては、第１図ｃに示
されるように、絶縁粉末２に断面がＵ字状の溝４
を形成し、この溝の中に電熱線３をセツトした
後、上部から別の絶縁粉末５を充填する方法や、
第１図ｄに示されるように、溝内に予め充填され
ている絶縁粉末２中に電熱線３を或る程度、圧入
した後、上部から別の絶縁粉末５を充填する方法
などがあるが、いずれの方法においても電熱線３
の線間およびその中心部に均一に絶縁粉末を充填
することが困難であつた。そのため、絶縁粉末が
十分に充填されていない箇所の電熱線が局部的に
過熱するので、耐久性に問題があつた。

また、第２の方法のように電熱線を圧入するも
のにおいては、第１図ｂに示された電熱線３の線
径ｄ、巻径Ｄ、ピツチＰの相互関係に適切にしな
いと、圧入時に発熱線のコイル形状が変形を受け
るので、その仕様の幅が小さいという問題があつ
た。

この考案の目的は、このような問題を解決する
ために、帯状で、かつ長手方向に波形状に湾曲成
形された電熱線を絶縁粉末内に圧入して作られた
埋込発熱体を提供することである。

次に、この考案の実施例を第２図に基づいて説
明する。この実施例において使用される電熱線６
は、第２図ｂに示されるように帯状の発熱線をそ
の長手方向に波形状に湾曲成形されている。そし
て、第２図ｃに示されるように、金属製熱盤１の
溝内の絶縁粉末２中に、前述の帯状波形電熱線６
を、その厚み方向、すなわち側端部方向から電熱
線の大部分を圧入し、その上部から別の絶縁粉末
５を充填することにより、第２図ａに示すような
形態に仕上げられる。

以上説明したように、この考案によれば、電熱
線が帯状で、かつ長手方向に波形に形成されてお
り、その厚み方向から絶縁材料内に圧入するの
で、圧入抵抗が小さいとともに、圧入方向の機械
的強度が大きく、電熱線の変形が生じないため電
熱線間の接触なども生じない。また、充填された
絶縁材料の充填密度が均一になり、その結果、電
熱線の局部過熱もなくなり、耐久性が著しく向上
する。さらに、電熱線が絶縁材料中に圧入される
ことにより確実に固定されるため、作業中に電熱
線が移動することもなく、従つて、絶縁距離も確
実に保持され、かつ作業が非常にし易くなるな
ど、性能、信頼性並びに作業性が共に著しく向上
するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の埋込発熱体を示す図であつ
て、ａは断面斜視図であり、ｂは電熱線の外観図
であり、ｃおよびｄは電熱線の埋込み方法を示す
図、第２図は、この考案に係る埋込発熱体を示す
図、ａは断面斜視図、ｂは電熱線の外観図、ｃは
電熱線の埋込み方法を示す図である。 １……金属製熱盤、２……絶縁粉末、３……電
熱線、４……溝、５……絶縁粉末、６……帯状波
形電熱線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製熱盤に形成された溝と、この溝の中に充
   填された絶縁材料と、この絶縁材料の中に圧入に
   より埋設された電熱線とからなり、前記電熱線は
   帯状であると共に長手方向が波形に湾曲成形され
   ており、前記溝内に予め充填された絶縁材料中
   に、前記帯状波形電熱線の大部分をその厚み方向
   から圧入して電熱線を固定し、さらにその上に絶
   縁材料を追加充填してなることを特徴とする埋込
   発熱体。