JPH028398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は高圧容器内部の加熱炉内に収納した粉末
焼結金属等の被処理品に1500℃程度の高温と2000
気圧の高圧とを作用させて同処理品を加圧成形す
る熱間静水圧プレス装置の加熱ヒータの改良に関
するものである。

前記熱間静水圧プレス装置の高圧容器内に組込
んだ加熱炉内では、品質の安定した成形体を得る
ために、炉内温度を均一にする必要があるが、従
来の熱間静水圧プレス装置では、加熱ヒータに第
１図のものを使用している。同加熱ヒータは、横
断面形状が円形の棒状絶縁材ａと、その外周面の
螺旋状溝ｂに嵌挿した螺旋状発熱体ｃとよりな
り、加熱ヒータのそれぞれでは、被処理品に対す
る面積が狭くて、被処理品を加熱するための発熱
量が少いという問題があつた。

本案は前記の問題点に対処するもので、高圧容
器内にその内周面に沿つて立設した棒状絶縁材
と、同棒状絶縁材の周囲に螺旋状に巻き付けた発
熱体とよりなる熱間静水圧プレス装置用加熱ヒー
タにおいて、前記棒状絶縁材の複数本を１単位と
してその周りに前記発熱体を上方からみた巻き付
け形状が略楕円になるように巻き付けたことを特
徴とする熱間静水圧プレス装置用加熱ヒータに係
り、その目的とする処は、被処理品を加熱するた
めの発熱量を増大できる改良された熱間静水圧プ
レス装置用加熱ヒータを供する点にある。

次に本案の熱間静水圧プレス装置用加熱ヒータ
を第２図乃至第５図に示す一実施例により説明す
ると、第２図の１が高圧容器、２が同高圧容器１
の上部に着脱自在に嵌挿される上部蓋、３が同高
圧容器１の下部に着脱自在に嵌挿される下部蓋、
４，５が上記上部蓋２と上記下部蓋３とに装着し
たパツキン、６が加熱炉で、同加熱炉６が加熱炉
外板７と断熱材８とモリブデン製反射板９とによ
り構成されている。また第２図乃至第５図の１０
が本案で最も特徴とする加熱ヒータで、同加熱ヒ
ータ１０が、モリブデン線の螺旋状発熱体１１
と、棒状絶縁材１２ａ，１２ｂ，１２ｃとにより
構成され、同棒状絶縁材１２ａの外周面には、発
熱材１１の巻付けピツチＰで傾斜溝１３が設けら
れ、これらの傾斜溝１３に螺旋状発熱体１１の一
部が係合して、同螺旋状発熱体１１が棒状絶縁体
１２に保持されて、発熱体１１の上方からみた巻
き付け形状が略楕円形になつている。また２０が
上記各螺旋状発熱体１１の下部端を連結する下部
リングで、これら発熱体１１の上端部は、上部リ
ング２１を介して前記反射板９の頂部に取付けら
れている。また１９が上記下部リング２０から下
方へ延びた電極棒に接触する下部蓋３側の接続端
子、１９′が上記反射板９から下方へ延びた部分
に接触する下部蓋３側の接続端子、１４が前記加
熱炉６のうち下部の断熱材８ａ上に設置した炉
床、１５が前記上部蓋２と前記加熱炉６とを連結
する連結金具、１６が前記上部蓋２を貫通した高
圧ガス供給管、１７が前記加熱炉外板７の下端部
に設けた高圧ガス通路、１８が加熱炉外板７の下
部７ａと断熱材８の下部８ａとを貫通した高圧ガ
ス通路で、同高圧ガス通路１８には高圧ガスの加
熱炉６内への進入のみを許すチエツク弁がある
が、図示を省略した。また前記加熱炉６は、その
一部例えば下部７ａ，８ａが部分的に開閉自在に
なつていて、これを開いたときに、被処理品の炉
床１４上への載置或いは炉床１４上からの取出し
が可能になつているが、この点についても詳細な
説明を省略した。

次に前記熱間静水圧プレス装置の作用を説明す
る。上部蓋２と加熱炉６とが高圧容器１外にある
ときに、加熱炉６の一部を開き、被処理品を炉床
１４上に載置し、加熱炉６の一部を閉じて、本加
圧成形工程に入る。即ち、上部蓋２とそれに吊下
げ支持された加熱炉６とを高圧容器１内へ挿入し
て、高圧容器１の上部を上部蓋２で閉じる。この
とき、下部リング１２ａ，１２ｂの電極棒が下部
蓋３側の接続端子１９，１９に接触し、反射板９
の下端部が下部蓋３側の接続端子１９′に接触す
る。次いで高圧ガスを高圧ガス供給管１６から高
圧ガス通路１７，１８を介し加熱炉６内へ供給し
て、高圧容器１内及び加熱６内を2000気圧程度の
高圧にする。またこれと同時に電力を接続端子１
９→下部リング２０→発熱体１１→反射板９→接
続端子１９′へ供給し、しかも電力供給量をコン
トロールして、加熱炉６の温度を1500℃程度の均
一な状態にする。この結果、被処理品が加圧成形
されるが、加圧成形が終つたら、高圧容器１内及
び加熱炉６内の冷却と高圧ガスの排出とを適宜手
段により行なつて元の状態に戻し、次いで上部蓋
２及び加熱炉６を高圧容器１外へ取出して、加圧
成形品を加熱炉６から取出すようにする。

本案は前記のように高圧容器１内にその内周面
に沿つて立設した棒状絶縁材１２と、同棒状絶縁
材１２の周囲に螺旋状に巻き付けた発熱体１１と
よりなる熱間静水圧プレス装置用加熱ヒータにお
いて、前記発熱体１１の上方からみた巻き付け形
状が略楕円形になるように同発熱体１１を前記棒
状絶縁材１２，１２ａ〜１２ｃの外周面に巻き付
けたので、加熱ヒータ１０のそれぞれは、被処理
品に対する面積が広くなつて、被処理品を加熱す
るための発熱量を増大できる効果がある。

なお第６図は、棒状絶縁材１２ａ〜１２ｄの周
りに発熱体１１を巻き付けて、同発熱体１１の上
方からみた巻き付け形状を楕円形にした他の実施
例、第７図は、棒状絶縁材１２ａ，１２ｂの周り
に発熱体１１を巻き付けて、同発熱体１１の上方
からみた巻き付け形状を楕円形にした他の実施
例、第８図は、棒状絶縁材１２ａ，１２ｂ，１２
ｃの周りに発熱体１１を巻き付けて、同発熱体１
１の上方からみた巻き付け形状を丸味のある三角
形にした他の実施例、第９図は、第３図の各加熱
ヒータ１０を円周方向の仮想線に対し傾けたさら
に他の実施例で、これら実施例のものでも同様の
作用効果を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱間静水圧プレス装置用加熱ヒ
ータを示す側面図、第２図は本案に係る熱間静水
圧プレス装置用加熱ヒータの一実施例を示す縦断
側面図、第３図はその要部を示す平面図、第４図
は同要部を拡大して示す側面図、第５図は横断平
面図、第６図乃至第９図は各実施例を示す平面図
である。 １……高圧容器、１０……加熱ヒータ、１１…
…発熱体、１２……棒状絶縁材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高圧容器内にその内周面に沿つて立設した棒状
   絶縁材と、同棒状絶縁材の周囲に螺旋状に巻き付
   けた発熱体とよりなる熱間静水圧プレス装置用加
   熱ヒータにおいて、前記棒状絶縁材の複数本を１
   単位としてその周りに前記発熱体を上方からみた
   巻き付け形状が略楕円になるように巻き付けたこ
   とを特徴とする熱間静水圧プレス装置用加熱ヒー
   タ。