JPH028171Y2 - - Google Patents

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JPH028171Y2
JPH028171Y2 JP5427779U JP5427779U JPH028171Y2 JP H028171 Y2 JPH028171 Y2 JP H028171Y2 JP 5427779 U JP5427779 U JP 5427779U JP 5427779 U JP5427779 U JP 5427779U JP H028171 Y2 JPH028171 Y2 JP H028171Y2
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permanent magnet
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は互いに直線的に相対運動をする永久磁
石と強磁性磁気抵抗効果素子とを利用した無接点
変位検出器に関するものである。
無接点変位検出器としては、永久磁石と感磁素
子とを組合せ、互いの相対的変位を感磁素子に作
用する磁界の変化として検出し、これを駆動検出
回路によつて電気信号に変換し、出力する構造の
ものが知られている。こうした無接点変位検出器
は従来の摺動抵抗器やリードスイツチを利用した
ものに比し、機械的接点を持たないので接点摩耗
やチヤタリングが無く、信頼性が高いという特徴
があり、往復運動するピストン等の位置検出装置
や、また無接点キースイツチや近接スイツチ等の
無接点スイツチとして応用されている。更に、単
に距離的な変位を検出するだけでなく、圧力や流
量や温度、歪等の各種物理量を一旦直線的変位に
変換してこの無接点変位検出器で検出することに
より、それらの物理量の検出装置やスイツチとし
ても広い応用が考えられている。
感磁素子としては、半導体ホール素子、半導体
磁気抵抗効果素子、強磁性磁気抵抗効果素子等が
あるが、このうち、強磁性磁気抵抗効果素子(以
下MR素子と略す)は磁界の強度や方向に応じて
電気抵抗が変化する強磁性磁気抵抗効果薄膜(以
下MR膜と略す)を主要部分として持つ磁束応答
型の感磁素子で、MR膜の膜面と平行な成分の磁
界のみに感応し、しかも感度が高く、その抵抗変
化量は一定の飽和量に達し、また、高抵抗化すれ
ば低消費電力化できる等の特徴を有している。
従来、永久磁石と感磁素子を用いた無接点変位
検出器では両者が互いに直線的に変位することか
ら、両者が近づいた時に強い磁界がかかり、遠ざ
かつた時に殆んどゼロになる様に、つまり磁界の
強弱の変化を検出する様に構成されていた。しか
し、感磁素子としてMR素子を使用する場合には
磁界強度の強弱の変化を検出する方法よりも、磁
界の方向の変化を検出する方法の方がより適して
いることがわかつてきた。すなわち、MR膜の抵
抗値を磁界の強弱によつて変化させる方法では、
第1に、いわゆるバルクハウゼンノイズが生じて
抵抗値が不連続に変化したり、ヒステリシスが現
われたりして無接点変位検出器としては検出すべ
き変位量と出力との対応関係が乱れたり、またチ
ヤタリングを生ずることになる。第2に、MR膜
が磁気異方性のない分散的なものの場合や、それ
に流す電流の方向が直交する複数のMR膜で差動
構成やブリツジ構成をしたMR素子では、全体と
しての抵抗変化の効率が低下していわゆるダイナ
ミツクレンジが小さくなるので、駆動検出回路に
よつて電気信号に変換する際のSN比が本来得ら
れる値よりも低下して誤動作の可能性が増加して
しまう。第3に、MR膜は磁界に対する感度が高
いため、永久磁石が遠ざかつて磁界強度が弱くな
つている状態の時に外部からの雑音磁界が加わる
と抵抗変化をおこしてしまい、無接点変位検出器
として誤動作し易い等の欠点がある。
一方、MR素子と永久磁石とを近接対向させて
MR素子にかかる磁界の方向を変化させている例
が実開昭51−18146号公報に示されているが、そ
こでは磁界の方向は永久磁石の対向面に垂直な面
内で回転しているのでMR膜を永久磁石の対向面
と垂直に配置せねばならず、十分な強度の磁界を
作用させることは困難である。すなわち、よく知
られている様に、永久磁石の磁極から離れるに従
い、磁界強度は急激に減少するので十分な磁界強
度を得るためにはMR膜を十分近接させなければ
ならない。しかしMR素子は基板上にMR膜が形
成されたものであり、MR膜と平行方向の大きさ
はMR膜そのものの大きさやその周辺部、外部と
電気的に接続するための電極部等によつてかなり
大きなものとなつてしまい、十分近接させること
が困難である。尚、上に挙げた実開昭51−18146
号公報の第5図Cには永久磁石とMR膜とを平行
に配置した例及びその出力特性が示めされてい
る。しかし、その例でも磁界の方向はあくまでも
永久磁石の対向面と垂直な面内で回転しており、
MR膜が感応する磁界の方向は決して回転してい
ない。すなわち、本考案者等が同様の構成、配置
によつて実験を行なつて測定結果は第6図に示す
様に、上記引例公報に示された出力特性と異な
り、x=0付近では十分な出力が得られず、飽和
変化量の1/2以下であり、またヒステリシスのた
めに変化量(つまりx)と出力との対応関係がく
ずれ、バルクハウゼンノイズも生じて不連続的変
化を示している。(ここで、縦軸はMR素子の飽
和出力値で規格化した値を示す)。これは磁界の
方向の回転を検出しているのではないことによる
ものであり、x=0の付近では磁界方向がMR膜
と垂直になつていてMR膜には全く磁界が加わつ
ていないのと同じ状態になつていることによる。
つまり、その構成は単に磁界の強弱の変化を検出
しているのに他ならない。
この様に従来の無接点変位検出器では磁界の強
弱の変化を検出する様に構成されていてMR素子
に適していなかつたり、MR素子に十分な強度の
磁界を加えられなかつたりしてその特性を有効に
使えていなかつたため、本来得ることの出来る信
頼性が低下してしまつていた。
本考案の目的は上記欠点を解決してMR素子を
利用した信頼性の高い無接点変位検出器を提供す
ることにある。すなわち、本考案は互いに直線的
に相対的変位をする永久磁石とMR素子、及び駆
動検出回路とを含んで構成され、MR膜に作用す
る磁界はその強度をMR膜の磁化回転に要する強
度以上に保ちながら、MR素子と永久磁石との相
対的変位に伴ない前記磁界の方向がMR素子に対
向する永久磁石の対向面と平行な面内で回転して
いく様に、永久磁石の対向面は、両者の相対的変
位の方向と平行なある仮想的な線にほぼ45度で交
わる互いにほぼ垂直な2つの直線状の辺を有する
領域から成るか、又は該領域を単位として、これ
を相対的変位の方向に複数個くり返し、隣接する
該領域を互いに反対磁極としており、更にMR膜
の膜面及び永久磁石の対向面及び相対的変位の方
向がすべてほぼ平行になるように配置したことを
特徴としている。
以下本考案を図面に従つて詳細に説明する。
第1図a及びbは本考案の無接点変位検出器の
基本構成を模式的に示したものである。これは基
本的にはMR素子1と永久磁石2及び駆動検出回
路3とで構成されており、永久磁石2とMR素子
1とが直線的に相対的変位をする時にその変位に
応じた電気信号を出力するものである。MR素子
1と永久磁石2のうち、どちらが変位しても全く
等価であるので、以下MR素子1がx方向に変位
するとして説明する。
MR素子1は基板6上に主要部分をなすMR膜
7と、駆動検出回路3へ接続するための電極端子
8が形成されているものである。MR素子1の抵
抗値、すなわちMR膜7の抵抗値Rはそれを流れ
る電流Iの方向とその磁化Mの方向との間の角度
θによつて変化し、良く知られている様に、 R=R0−△RsSin2θ …(1) と表わすことができる。ここでR0は電流Iの方
向と磁化Mの方向とが平行になつた時の抵抗値で
あり、△Rsは抵抗変化量の飽和値である。MR素
子1は永久磁石2と接触せずにx方向に変位線5
上を変化する。永久磁石2は後に述べる様に磁極
を構成することにより、MR素子1に対向する対
向面と平行な面の磁界成分4(以下これを面内成
分磁界ということにする)の方向が変位線5に沿
つて回転する様にしておく。駆動検出回路3は
MR素子1すなわちMR膜7に電流Iを供給し、
その抵抗値Rの変化をそれに応じた電気信号に変
換し、必要であれば更に適当な信号処理を施して
出力する回路である。
次にこの無接点変位検出器の動作を説明する。
永久磁石による磁界の強度は距離の2乗から3
乗に反比例して減衰し、特に微少変位を検出する
様な場合には反対磁極間の距離を小さくしなけれ
ばならないので磁界強度はよけい小さくなつてし
まう。一方MR素子1は図に示す如く、MR膜7
が基板6上に形成されたものであり、永久磁石2
の対向面に対してMR膜7が垂直になる様に配置
するよりも、平行になる様に配置する方がより近
接できることは明らかである。MR膜7と永久磁
石2の対向面とを近接するのに必ずしも両者を完
全に平行にする必要はないのであるが、ここでは
簡単のため、完全に平行としておく。
MR素子1が変位線5上を変位すると、MR膜
7に作用する面内成分磁界4の方向はその変位に
応じて回転する如く変化する。MR膜7の磁化M
を変化させるのはMR膜7と平行な成分の磁界だ
けで、それに垂直な成分は全く寄与しない。この
例では面内成分磁界4はMR膜7と平行になつて
いるので、面内成分磁界4そのものがMR膜7の
磁化Mの変化に寄与する。こうして面内成分磁界
4がMR膜7の磁化Mを回転させるのに要する強
度以上でありさえすれば、磁化Mの方向は面内成
分磁界4の方向の変化に追随する。ここでMR膜
7の磁化Mの回転に要する強度とは磁界の回転に
伴なつて磁化Mがなめらかに回転するために必要
な強度のことであり、MR膜7の材質、膜厚や幅
によつて異なるが、磁界を電流方向にかけた場合
と、電流に直交する方向にかけた場合の抵抗値の
差が飽和変化量△Rsの70%程度になる強度であ
れば十分である。MR素子1が変位線5上を動く
とその変位に応じて磁化Mの方向と電流Iの方向
との間の角度θが変化し、抵抗値Rが角度θにつ
いて180度を周期として変化する。この時、MR
膜7の磁化Mの方向の変化も磁化回転でおこるた
め、いわゆるバルクハウゼンノイズは発生せず、
抵抗値Rは変位に応じて連続的になめらかに変化
する。またMR素子1の変位に応じて角度θが0
度から90度まで、つまり電流Iの方向と磁化Mの
方向とが平行から垂直まで変化する間に、抵抗値
Rは少くとも飽和変化量△Rsの70%以上に達し、
しかも磁気異方性の有無によらない。つまり、分
散的なMR膜でも、また互いに電流方向が直交す
る複数のMR膜で差動構成やブリツジ構成をした
MR素子の場合でも、単に磁界の強弱の変化を利
用する場合(この場合には弱い磁界の時、それぞ
れのMR素子内には多くの磁区が出来、そのため
外部からの強い磁場によつて単磁区形にそろつた
状態より抵抗変化が小さい。)よりも大きく抵抗
変化をさせることができる。更に、MR膜7には
常に磁化回転に要する強度以上の磁界がかかつて
いるため、外部から小さな雑音磁界が加わつても
抵抗値Rへの影響は受けにくい。本発明による無
接点変位検出器は相対運動に伴なうこの様なMR
素子1の抵抗値Rの変位の大きさや変化の周期の
回数を駆動検出回路3で検出し、対応する電気信
号に変換して出力するものであるから、従来の同
種変位検出器に比し、MR素子1の抵抗値Rが連
続的になめらかに変化し、かつ変化量を大きく利
用できる構成となつていてダイナミツクレンジが
大きいのでSN比が高く、しかも雑音磁界の影響
を受けにくいので、チヤタリングが無く、より誤
動作の少ない無接点変位検出器となつている。こ
れはより強い磁界でMR膜の磁化Mをなめらかに
回転させる様に面内成分磁界の方向を回転する如
く変化させているためであり、後述の様に永久磁
石2の磁極を構成し、MR素子1をそれに合わせ
て配置することにより実現できるのである。
尚、検出しようとする変位の大きさが比較的小
さい場合には磁化Mと電流Iとの間の角度θが0
度から90度まで変化する様にしておけば変化の量
と抵抗値の変化量とは1対1に対応するので駆動
検出回路での電気信号への変換はより簡単にでき
る。
また、上記の説明で面内成分磁界4の方向が変
位線5に沿つて回転するとしたが、ここでいう回
転とは必ずしも同方向へずつて回転していくこと
だけではなく、ある角度の範囲でなめらかに振動
する様に変化していくことも含めたものであり、
MR素子への効果は全く同様である。
更に、以上の説明では簡単のためMR膜と対向
面とが完全に平行であるとしてきたが、面内成分
磁界の方向とが回転していく様にしていると、両
者が互いにほぼ平行、すなわち±30度以内程度の
傾きなら磁界強度さえ十分であればMR膜の磁化
を回転させることができる。従つて空間的制約等
で両者を平行に配置できない場合でも、磁界強度
はある程度減少するのであるが、同様にして誤動
作のより少ない無接点変位検出器を構成すること
ができる。もちろんMR膜と永久磁石の対向面と
を平行にした場合に両者を最も近接できてより効
果的であることはいうまでもない。
次に、面内成分磁界の方向がMR素子の変位線
に沿つて回転する様にするための永久磁石の磁極
の構成について述べる。一般に永久磁石からの磁
界は対向面の辺や、対向面上の反対磁極間の境界
線に直交する方向になつている。従つてMR素子
の変位線の近傍で対向面の辺や境界線の方向が、
90度程度変わる様に磁極を構成し、変位線を設定
することにより、面内成分磁界の方向を回転させ
ることができる。
第2図は本考案の実施例を示す図で、aは平面
図、bは斜視図で、面内成分磁界の方向を90度回
転させるものであり、MR素子41と永久磁石4
2との相対的変位の方向をx軸方向とする。MR
素子41に対向する永久磁石42の対向面46は
x軸方向の仮想的な線50に45度で交わり互いに
垂直な2つの直線状の辺、47,48を有してお
り、対向面46全体がN極(又はS極)となつて
いる。これにより、面内成分磁界は図の様に扇状
となる。こうしてMR素子41のMR膜49の中
心が変位線43上に変位すれば、面内成分磁界の
方向は点43Aから点43Bまで連続的に回転す
る如く90度の変化をする。なお、本実施例の場合
MR膜79の電流方向をx軸の方向に対して45度
にしたときが抵抗変化量が最大となり効果的であ
る。また、永久磁石42は単一の磁極面になつて
おり、より小さく、より簡単に構成できるという
利点もあわせ持つている。
第3図は面内成分磁界の方向を90度以上にわた
つて回転させる他の実施例を示す平面図で、永久
磁石52は第2図に示した永久磁石42の相対的
変位の方向、つまりx軸方向へくり返し、それぞ
れ交互にN極、S極としたものである。これは
MR膜58の中心が変位する変位線53にそつて
永久磁石52の対向面の辺、つまり第2図aの辺
47,48に相当する辺が90度方向を変える様に
なつている。こうしてMR素子51、つまりMR
膜58の変位に伴ない。面内成分磁界54の方向
は図に示す様に変位線53に沿つて連続的になめ
らかに回転し、例えば点53Aから点53Bまで
の間で720度回転する。この場合、MR素子51
のMR膜58の電流方向はどの様であつても面内
成分磁界54の方向は完全に回転していくので利
用できる抵抗変化量の大きさは同じであるが、相
対的変位の方向に対し、平行か垂直か、又は45度
になる様に配置することにより、相対的変位の大
きさに対応するMR素子51の抵抗変化をより対
称性のよいものにすることができる。
次に、第2図に示した実施例の構成について実
測されたMR素子の出力特性を説明する。実験は
第4図に示したブリツジ型のMR素子を使用して
行なつた。これは基板91上に電流方向が直交し
ている4本のMR膜ストライプ92と電極端子9
3,94,95,96が形成されているもので、
基板91の大きさは1.5mm角であり、またMR膜
ストライプ92は1mm角内に位置している。各
MR膜ストライプ92は厚さ500Å、幅20μmの
Ni・Fe合金から成つている。電極端子93と9
4の間に電圧を印加して電流を流すと電極端子9
5と96の間の電位差φとして出力が得られる。
無接点変位検出器としてはこの出力を更に駆動検
出回路で増幅したり電気的に処理して出力とする
のであるが、前述の様にMR素子の出力が無接点
変位検出器の信頼性を決定する最も大きな要因で
あり、以下ではこのMR素子そのものの出力を示
す。まずこのMR素子の特性を簡単に述べる。
MR膜ストライプ92は上記の材料、膜厚、幅に
なつていて、その磁化を回転させるのに要する磁
界の強度は約30エルステツドであつた。磁界Hを
角度θの方向に印加すると各MR膜ストライプ9
2の抵抗値は前述の(1)式の様に変化し、MR素子
の出力、つまり電位差φはよく知られている様に φ(θ)=V0a/2cos2θ …(2) となる。ここでaは(1)式のR0と△Rsを使つて△
Rs/R0で表わされる抵抗変化率であり、V0
MR素子に印加する電圧である。また、角度θは
1本のMR膜ストライプの電流方向を基準(以下
では基準方向と略す)としたものである。(2)式か
らもわかる様に電位差φを最も大きく変化させる
にはθ=0度からθ=90度まで磁界の方向を変化
させればよく、電位差はV0α/2から−V0α/2まで変 化する。尚、磁界Hが全くない場合には電位差φ
はほぼゼロ(実際にはMR膜のヒステリシスのた
めランダムにゼロから多少ずれている)であり、
従つて磁界の強弱を変化させる場合には電位差φ
はせいぜいゼロからV0α/2まで、またはゼロから −V0α/2まで程度しか変化せず、いわゆるダイナ ミツクレンジは半減してしまうのである。
また、実験に使用した永久磁石は、板厚方向に
磁化したゴム磁石をそれぞれの構成に合わせて裁
断し、配置したもので、板厚は2mmである。更に
MR素子と永久磁石の対向面との間隔は1.5mmに
した。
第5図bは第2図の実施例と同様の構成による
MR素子出力を示したもので、永久磁石の磁極4
6とMR素子41の変位線43は第5図aの様に
とり、MR素子41の基準方向はx軸方向と45度
にしている。第5図bの横軸と縦軸はそれぞれx
方向の距離と、V0α/2で規格化したMR素子出力 である。図に示すように、ヒステリシスもバルク
ハウゼンノイズもなく、なめらかに+1.0から−
1.0まで最大限の変化をしている。
更に、特にグラフは示さないが、第5図aに示
した永久磁石と同じものを、N極、S極を交互に
変えて横に7mmのピツチで並べた構成、つまり第
3図の構成例と同様の構成ではヒステリシスやバ
ルクハウゼンノイズがなく、7mmを周期とする正
弦波状のなめらかで最大限に変化している出力が
得られている。
この様に、永久磁石の対向面と平行な面内で磁
界の方向が回転していく様に永久磁石の磁極を構
成したことにより、MR素子のMR膜を永久磁石
の対向面と平行に、しかも磁界の方向が回転して
いく様に、つまり言いかえると、磁界強度が均一
でより強い回転磁界をかけられる様になつたた
め、MR素子出力はヒステリシスやバルクハウゼ
ンノイズが全くなく、なめらかで最大限の変化を
するので、無接点変位検出器の信頼性を極めて高
くしている。
一方、従来の磁界強度の変化を検出する様に構
成されたものでは前にも述べた様に出力はほぼゼ
ロからV0α/2まで、またはほぼゼロから−V0α/2ま でしか変化しないのでダイナミツクレンジは半減
してしまつており、また磁界が弱くなる部分、つ
まりゼロ付近ではヒステリシスのために出力が不
安定だつたり、外来の雑音磁界の影響を受け易く
なつていた。また、前に述べた様に実開昭51−
18146号公報ではMR膜にかかる磁界の方向を変
化させている例が示されているが、本考案のもの
と異なり、磁界の方向は対向面に垂直な面内で回
転しているのでMR膜を対向面に垂直に配置せね
ばならない。ところが本願第4図から明らかな様
にたとえMR膜自体が小さかつたとしてもMR素
子の基板はかなり大きくなつており、更に、この
図では省略しているが一般には通常のIC等の様
にパツケージに納めたり、モールドしたりするの
で余計に大きくなる。従つてMR膜の部分部分で
磁界強度が大きく異なつたり、十分な強度の磁界
をかけられなかつたりして出力の低減やSN比の
低下をおこしがちであり、また必然的により大き
な永久磁石を使わざるを得なくなつてしまつてい
た。更に、同じく実開昭51−18146号公報には
MR膜を永久磁石の対向面と平行に配置した例と
その時の出力が示されているが、本考案者等が同
様の構成、配置で実験を行なつた結果(第6図
b)とは異なつている。本考案者等の行なつた実
験はMR素子98として第4図に示したMR素子
を使用しているがこれは実開昭51−18146号公報
のMR素子と同等のものであり、また永久磁石9
9、及び両者の配置は全く同じである。第6図b
のMR素子出力は本考案を実施した構成による
MR素子出力(第5図)と異なり、V0α/2から− V0α/4程度しか変化しておらず、ダイナミツクレ ンジは3/4程度に低減している。更にx=0近傍
ではバルクハウゼンノイズやヒステリシスが現わ
れ、不安定な出力となつてしまつている。これは
第6図aの構成が磁界の方向の回転を検出してい
るのではないことを示すものである。つまり、こ
の場合にも磁界の方向の変化は永久磁石の対向面
に垂直な面内で変化しているのであり、一方MR
膜が感応するのはあくまでもその面内成分のみで
あつてMR膜の膜面に垂直の磁界成分は何等の影
響も与えないため、この配置は単に磁界の強弱の
変化(つまり、x=0近傍が弱い状態に対応す
る)を検出しているのにすぎないためである。
以上から明らかな様に従来のものはMR素子が
磁界の強弱の変化を検出するか、又は永久磁石の
対向面に垂直に配置せねばならず、均一で十分な
強度の磁界を得ることができなかつたのに対し、
本特許を実施した無接点変位検出器では永久磁石
の磁極を適当に構成することによつて、MR素子
に対して均一で十分な強度の磁界の方向がなめら
かに回転していく様にできるので、ヒステリシス
やバルクハウゼンノイズがなく、なめらかでより
大きなMR出力を得ることができ、無接点変位検
出器をより誤動作しにくい信頼性の高いものとす
ることができた。
尚、実測に使用したMR素子はMR膜がブリツ
ジ構成されているものであるが、単一のMR膜か
ら成つているものでも、又電流方向が直向する2
本のMR膜で差動構成されているものでも、全く
同様であることは言うまでもない。
本考案の無接点変位検出器は手による永久磁石
の変位を検出することによれば無接点キースイツ
チに応用でき、またこれを温度や圧力に応じて変
位する様にすればそのまま感温スイツチや感圧ス
イツチとすることができる。又例えばプロパン、
都市ガス等の気体や水等の液体の単位流量毎に永
久磁石が1往復変位する様にしてその回数をデジ
タル的に計数することにより流量計とすることも
でき、また流量や温度や圧力等を変位の大きさに
対応させてその変位量をアナログ的に検出し、そ
の大きさを表わす電気信号に変換して出力するこ
とでそれらを測定するメーターも容易に構成する
ことができる。
永久磁石の材料としてはフエライトや希土類磁
石等が利用でき、それらを所定の形状に着磁する
か、又は既に着磁されているものを組合わせて本
考案を実施するに適当な磁極を構成することがで
きる。MR素子は表面に絶縁膜を形成したシリコ
ンやガラスやセラミツクの様な十分平滑な絶縁基
板上に、鉄、ニツケル、コバルト等の単体やそれ
らを主成分とする合金のMR膜を周知の蒸気、ス
パツター、メツキ等の薄膜形成技術、又はレジス
ト処理及びエツチング技術等によつて形成して作
製される。MR膜の代表的な形状を挙げると、膜
厚が200〜1000Å、幅が数μm〜100μm程度のス
トライプ、又はこれを複数回折り返したもの、又
はこうしたストライプをその方向が互いに0度か
ら90度の間の角度をなす様に複数個配置したもの
であり、それらの具体的な数値、及び長さ等は使
用する永久磁石の大きさや必要とする抵抗値等に
合わせて決定される。尚、駆動検出回路がIC作
製技術によつてMR膜と同一基板上に形成された
MR素子の場合には基板はシリコンを使用する。
駆動検出回路はMR素子に電流を供給する部分と
MR素子の抵抗変化を検出する部分とこれを適当
に処理して永久磁石とMR素子の相対的変位の大
きさに対応した電気信号を出力する部分とを有す
る。最も簡単な例はMR素子の抵抗値に比例した
電圧又は電流を出力するアナログ信号出力の場合
で、MR素子に一定の電圧又は電流を供給する電
源部とMR素子のMR膜の両端の電圧又は電流の
変化を検出し増幅する増幅器とで構成される。別
の例としては永久磁石とMR素子との相対的変位
をある点を境としてデジタル的に出力する場合が
あり、MR膜の抵抗変化というアナログ信号をあ
らかじめ設定した値と比較する比較回路が駆動検
出回路に含まれる。更に上で述べたアナログ信号
出力の場合にこれをアナログ−デジタル変換を行
なつて2進コードやBCDコード等のパルス列で
出力することもでき、この時には周知のアナログ
−デジタル変換回路が含まれる。又、第4図に示
した構成例の様にMR素子の抵抗の周期的変化の
回数を検出する場合や、気体や液体の単位流量毎
に1往復の相対的変位をする様に構成した流量計
の場合には、駆動検出回路はそれらの回数を数え
る計数回路を含む。
以上説明した様に、本考案によればMR膜の抵
抗変化は連続的でなめらかであり、又磁気異方性
の有無によらず大きな抵抗変化量が得られ、しか
もより強い強度の磁界が常にかかつているので雑
音磁界の影響を受けにくく、チヤタリングや誤動
作がない、より信頼性の高い無接点変位検出器を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の無接点変位検出器の基本構成
を示した模式図でaは平面図、bは斜視図、第2
図は本考案の実施例を示す図でaは平面図、bは
斜視図、第3図は面内成分磁界方向が90度以上に
わたつて回転する他の実施例を示す平面図、第4
図は実験に使用したMR素子を表わす平面図、第
5図はMR素子出力を実測した例を示す図でaは
具体的構成図、bは出力曲線、第6図は磁界の方
向の回転を検出しているのではない構成について
MR素子出力を実測した図で、aは具体的構成
図、bは出力曲線を示す図である。 図において、1,41,51,98はMR素
子、2,42,52,99は永久磁石、3は駆動
検出回路、5,43,53,100は変位線、
6,91はMR素子の基板、8,93,94,9
5,96は電極端子、43A,43B,53A,
53Bは変位線上の点、54は面内成分磁界、4
6は永久磁石の対向面、40,50はMR素子と
永久磁石との相対的変位の方向と平行な仮想的な
線、47,48は永久磁石の対向面の一辺、7,
49,58,92はMR膜、97はMR素子の基
準方向を表わす。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 互いに直線的に相対的変位をする永久磁石と強
    磁性磁気抵抗効果素子、及び前記相対的変位を電
    気信号として出力する駆動検出回路とを含んで構
    成された無接点変位検出器において、前記永久磁
    石によつて前記強磁性磁気抵抗効果素子の強磁性
    磁気抵抗効果薄膜に作用する磁界の強度を該強磁
    性磁気抵抗効果薄膜の磁化回転に要する強度以上
    に保ちながら、かつ前記相対的変位に伴い前記磁
    界の方向が前記強磁性磁気抵抗効果薄膜に対向す
    る前記永久磁石の対向面に平行な面内で回転する
    様に、前記永久磁石の対向面は、両者の相対的変
    位の方向と平行なある仮想的な線にほぼ45度で交
    わる互いにほぼ垂直な2つの直線状の辺を有する
    領域から成るか、又は該領域を単位として、これ
    を前記相対的変位の方向に複数個くり返し、隣接
    する該領域を互いに反対磁極としており更に前記
    強磁性磁気抵抗効果薄膜の膜面及び前記永久磁石
    の対向面及び前記相対的変位の方向がすべてほぼ
    平行になるように配置したことを特徴とする無接
    点変位検出器。
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