JPH027977Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バツクホウ装置を左右揺動可能に取
付けたスライドブラケツトを、車体側のフレーム
に車体横巾方向に摺動のみ自在に取付け、前記ス
ライドブラケツトに、その上下両縁部の左右夫々
に位置させて前記フレームに対する抱込み部材を
備えさせると共に、そのスライドブラケツトを固
定すべく前記フレームに押圧作用するプツシヤー
を備えさせ、前記フレームの左右夫々に、前記抱
込み部材に作用するストツパーを設けたバツクホ
ウ作業車のスライドブラケツト構造に関する。

従来、上記バツクホウ作業車において、第６図
に示すように、スライドブラケツト１２の車体側
フレーム１１に対する支持性を良くするために、
左右の抱込み部材１６a′，１６b′をスライドブラ
ケツト１２の左右両端部に、それらの支持スバン
を大きくした状態で取付けていたのであるが、ス
ライドブラケツト１２を車体側フレーム１１の横
一側端まで移動させた場合、抱込み部材の一方に
作用するストツパー１５ａの接当作用点と、スラ
イドブラケツト１２の左右中央に連結される。バ
ツクホウ装置１０の連結点との間の距離だけ、車
体側フレーム１１長さよりもバツクホウ装置１０
の左右摺動巾が短かくなつていた。

又、機体の横巾制約上、車体側フレーム１１の
長さが制限されるための、上述のことと相俟つて
バツクホウ装置１０の機体横巾方向における作業
範囲が実質的に小さくなつて作業性が低下する問
題があつた。さらに、スライドブラケツト１２を
車体側フレーム１１の横一側端まで移動させた状
態で屈折状態のバツクホウ装置１０を機体横方向
に沿わせて格納する場合に格納横巾スペースも小
さくなるために、バツクホウ装置１０をコンパク
トに格納できなくなつたり、あるいは、その格納
スペースに合わせてバツクホウ装置１０を小型化
しなければならなくなる等の問題も合わせてあつ
た。

本考案の目的は、上述実情に鑑みて、スライド
ブラケツトに対する簡単かつ合理的な改良によ
り、スライドブラケツトの車体側フレームに対す
る支持性及び固定性能を十分に維持しながら、バ
ツクホウ装置の機体横方向における作業範囲を大
きくし、かつ、極力大型のバツクホウ装置をコン
パクトに格納できるようにする点にある。

本考案のスライドブラケツト構造の特徴構成
は、冒記バツクホウ作業車において、前記スライ
ドブラケツトは、前記バツクホウ装置の左右揺動
中心となる縦向き軸芯から左右夫合の端縁までを
左右略等幅に構成してあるとともに、前記抱込み
部材のうち左右での一方の側の抱込み部材はその
一方の側のスライドブラケツトの端縁に沿つて配
置し、かつ、他方の側の抱込み部材はその他方の
側のスライドブラケツトの端縁から離れた中央側
寄りに配置してあることを特徴構成とする。

上記特徴構成による作用・効果は次の通りであ
る。

すなわち、スライドブラケツトは、バツクホウ
装置の左右揺動中心となる縦向き軸芯から左右
夫々の端縁までを左右略等幅に構成してあるか
ら、スライドブラケツトで受けるバツクホウ装置
からの作用力を、車体側のフレームに対するスラ
イドブラケツトの摺動面において左右で均等に受
け止め得るようにできて、スライドブラケツト
を、バツクホウ装置を左右揺動支持し得る状態で
のその設定支持力に対して左右幅を最も小さく図
ることができるとともに、抱込み部材のうち左右
での一方の側の抱込み部材はその一方の側のスラ
イドブラケツトの端縁に沿つて配置し、かつ、他
方の側の抱込み部材はその他方の側のスライドブ
ラケツトの端縁から離れた中央側寄りに配置して
あるから、このスライドブラケツトをその他方の
端縁側の車体側フレームでの横一端側まで移動さ
せると、その他方側の抱込み部材が端縁から離れ
た分だけ横一端側への移動が可能となり、逆にい
えば、スライドブラケツトの車体横方向での移動
可能範囲を従来と同じにしながらも、車体側のフ
レームの車体横方向での長さを短くでき、ひいて
は車体の横幅寸法をコンパクトにすることが可能
となつた。

従つて、バツクホウ装置を左右揺動可能に十分
支持できるように構成してありながら、その作業
範囲の拡大を図れ、一方、車体のコンパクト化を
図ることもできるとともに、バツクホウ装置の格
納スペースも拡大できて、掘削能力に優れた極力
大型のバツクホウ装置をコンパクトに格納できる
状態で装備することができ、全体として、コンパ
クトでありながらも極めて機能性に優れたバツク
ホウ作業車を提供し得るに至つた。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右一対の駆動前車輪１
を備えた前部車体２と、左右一対の駆動後車輪３
を備えた後部車体４とを、縦向き軸芯P₁周りで
相対揺動自在に連結し、それら両車体２，４に亘
つて架設した油圧シリンダ５によりステアリング
ハンドル６の操作量に応じた量だけ両車体２，４
を相対駆動揺動させて機体操向を行なうように構
成すると共に、前部車体２に昇降操作自在なフロ
ントシヨベル装置７を装備し、かつ、後部車体４
に、搭乗運転部８、原動部９、並びに、バツクホ
ウ装置１０を装備し、もつて、土砂等の運搬作業
並びに掘削作業を行なう土工車を構成してある。

前記バツクホウ装置１０の後部車体４に対する
取付け構造を構成するに、第１図ないし第３図に
示すように、後部車体４の後端部に、上下一対の
２本の左右横向きフレーム１１ａ，１１ｂを機体
横巾の略全巾に亘る状態で平行状に配置して固定
すると共に、バツクホウ装置１０を縦向き軸芯
P₂周りで左右揺動自在に枢支連結したスライド
ブラケツト１２を、上下フレーム１１ａ，１１ｂ
に案内された機体横巾方向への摺動のみが自在な
状態で、それら上下フレーム１１ａ，１１ｂに亘
らせて抱き込み連結してある。尚、スライドブラ
ケツト１２は、第２図、第４図及び第５図に示す
ように、前記縦向き軸芯P₂から左右夫々の端縁
１２ａ，１２ｂまでを左右略等幅に構成してあ
る。

そして、油圧操作によりピストンロツド１３を
下側フレーム１１ｂの後面に押圧接当させてスラ
イドブラケツト１２の上下フレーム１１ａ，１１
ｂに対する摺動を適当摺動位置で阻止する２個の
プツシヤー１４を、スライドブラケツト１２に付
設すると共に、バツクホウ装置１０による掘削作
業時に機体を対地支持する左右一対の油圧操作式
アウトリガー装置１５のシリンダーケース１５ａ
を、スライドブラケツト１２の横摺動の左右両端
位置を規制するストツパーとして兼用利用する状
態で、上下フレーム１１ａ，１１ｂの左右夫々の
横端部どうしに亘つて連結固定し、もつて、スラ
イドブラケツト１２の横摺動機能並びに摺動固定
機能により、バツクホウ装置１０の機体横巾方向
における作業範囲を広くして掘削作業性を向上す
ると共に、バツクホウ装置１０の格納時には、ス
ライドブラケツト１２を上下フレーム１１ａ，１
１ｂの横一側まで移動させ、かつ、屈折状態にし
たバツクホウ装置１０を機体横巾方向に沿うよう
に前記縦向き軸芯P₂周りで回動させて、機体横
巾寸法内に略納まる状態でバツクホウ装置１０を
コンパクトに収納できるように構成してある。

前記スライドブラケツト１２の上下フレーム１
１ａ，１１ｂに対する連結構造について更に詳述
すると、第２図ないし第５図に示すように、スラ
イドブラケツト１２の上端縁と上側フレーム１１
ａの上端縁とをそれらの上方側を回つて抱き込む
側面視断面形状下向き開口「コ」の字状の部材１
６ａ，１６ｂの一対、及び、スライドブラケツト
１２の下端縁と下側フレーム１１ｂの下端縁とを
それらの下方側を回つて抱き込む側面視断面形状
上向き開口「コ」の字状の部材１７ａ，１７ｂの
一対をスライドブラケツト１２に取付けるに、ス
ライドブラケツト１２の上端側及び下端側の夫々
において、左右一方側の上下抱き込み部材１６
ａ，１７ａをそれらの外側面がスライドブラケツ
ト１２の横一方側の端縁１２ａを成す端面と面一
となる状態に配置して、かつ、左右他方側の上下
抱き込み部材１６ｂ，１７ｂをスライドブラケツ
ト１２の横他方側の端部１２ｂよりも離れて上下
共にスライドブラケツト１２の左右中央寄りに配
置した状態で、夫々スライドブラケツト１２にボ
ルト連結すると共に、前記ストツパーとしてのア
ウトリガー装置１５のケース１５ａを、それがス
ライドブラケツト１２本体とは接当せずに上下抱
き込み部材１６ａ，１７ａ，１６ｂ，１７ｂのフ
レーム１１ａ，１１ｂ側端部における外側面にの
み接当作用するように、平面視においてケース１
５ａの後面が上下フレーム１１ａ，１１ｂの機体
側外面と面一となる状態でそれら上下フレーム１
１ａ，１１ｂに連結してある。

つまり、スライドブラケツト１２の上下夫々に
おいて、左右の抱き込み部材１６ａ，１７ａ，１
６ｂ，１７ｂの配置巾を極力大きくしてスライド
ブラケツト１２の上下フレーム１１ａ，１１ｂに
対する左右支持スパンを大きくし、スライドブラ
ケツト１２の支持性能を可及的に向上しながら
も、スライドブラケツト１２の左右中央寄りに配
置した上下抱き込み部材１６ｂ，１７ｂ側の上下
フレーム１１ａ，１１ｂ横端部までスライドブラ
ケツト１２における端縁１２ｂがわを摺動させた
時に、スライドブラケツト１２の外側端部が上下
抱き込み部材１６ｂ，１７ｂをスライドブラケツ
ト１２の左右中央側に寄せた分だけ前後方向にお
いてストツパーとしてのアウトリガー装置１５の
ケース１５ａにラツプする状態となるまでスライ
ドブラケツト１２を横摺動できるようにし、バツ
クホウ装置１０の左右摺動巾を大きくしてその作
業範囲を一層広くすると共に、バツクホウ装置１
０の格納時に横巾スペースを広くし、極力大型の
バツクホウ装置１０をもコンパクトに収納できる
ように構成してある。

又、２個のプツシヤー１４を、それらの配置ス
パンを大きくした状態でスライドブラケツト１２
の左右中心に対して左右振分状に配置してスライ
ドブラケツト１２に取付け、前記抱き込み部材１
６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂとの協働によるス
ライドブラケツト１２の固定を強固に行なえるよ
うに構成してある。

尚、スライドブラケツト１２の横摺動を案内す
る車体側フレーム１１は、平行状の２本のフレー
ム１１ａ，１１ｂで構成するに代えて、一本のフ
レームで構成する等、その具体的構造は種々の改
良が可能であり、又、抱き込み部材１６ａ，１６
ｂ，１７ａ，１７ｂの具体的形状、並びに、車体
側フレーム１１に対する具体的抱き込み構造も
種々の改良が可能である。

更に、スライドブラケツト１２の一端縁１２ｂ
から離れた位置に配置する抱き込み部材１６ｂ，
１７ｂの具体的寄せ寸法は適宜変更が可能であ
り、又、抱き込み部材１６ａ，１７ａ，１６ｂ，
１７ｂに作用するストツパー１５ａは、アウトリ
ガー装置のケースを兼用利用するに代えて、専用
のストツパー部材を車体側フレーム１１の取付け
る等、種々の構成変更が可能である。尚、実用新
案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にす
る為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るバツクホウ作業車のスライ
ドブラケツト構造の実施例を示し、第１図は全体
側面図、第２図はスライドブラケツト取付構造を
示す一部省略斜視図、第３図は同拡大断面図、第
４図及び第５図は、スライドブラケツトの移動状
態を示す平面図及び後面図、第６図は従来構造を
示す第４図に相当する図である。 １０……バツクホウ装置、１１……フレーム、
１２……スライドブラケツト、１４……プツシヤ
ー、１５ａ……ストツパー、１６ａ，１６ｂ，１
７ａ，１７ｂ……抱込み部材、１２ａ，１２ｂ…
…端縁、P₂……縦向き軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクホウ装置１０を左右揺動可能に取付けた
   スライドブラケツト１２を、車体側のフレーム１
   １に車体横巾方向に摺動のみ自在に取付け、前記
   スライドブラケツト１２に、その上下両縁部の左
   右夫々に位置させて前記フレーム１１に対する抱
   込み部材１６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂを備え
   させると共に、そのスライドブラケツト１２を固
   定すべく前記フレーム１１に押圧作用するプツシ
   ヤー１４を備えさせ、前記フレーム１１の左右
   夫々に、前記抱込み部材１６ａ，１６ｂ，１７
   ａ，１７ｂに作用するストツパー１５ａを設けた
   バツクホウ作業車において、前記スライドブラケ
   ツト１２は、前記バツクホウ装置１０の左右揺動
   中心となる縦向き軸芯P₂から左右夫々の端縁１
   ２ａ，１２ｂまでを左右略等幅に構成してあると
   ともに、前記抱込み部材１６ａ，１７ａ，１６
   ｂ，１７ｂのうち左右での一方の側の抱込み部材
   １６ａ，１７ａはその一方の側のスライドブラケ
   ツト１２の端縁１２ａに沿つて配置し、かつ、他
   方の側の抱込み部材１６ｂ，１７ｂはその他方の
   側のスライドブラケツト１２の端縁１２ｂから離
   れた中央側寄りに配置してあることを特徴とする
   バツクホウ作業車のスライドブラケツト構造。