JPH027527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は色覚検査器における色混合部の構造に
関するものである。

〔従来の技術〕

人の色覚を検査するには、各種の方法があり、
例えば、色盲検査図表のような着色サンプルを用
いる方法、光透過性の着色ガラスフイルタ（色彩
検査板）を使用する方法、或は、スペクトル光を
ナーゲル氏型等の色覚異常検査装置（アノマロス
コープ）で混合させ混合色の内容を基準色と比較
する方法等がある。

このうちナーゲル氏型のアノマロスコープによ
る方法では、赤色−緑色視覚に関する色視度が測
定される。即ち、赤色及び緑色のスペクトル光よ
り成る２成分混合色と単色の黄色光とを比較し、
赤色と緑色の混合比及び基準黄色の整定輝度から
赤色−緑色視覚に関する正常色視ないしは異常色
視の種類及び程度が検出される。

而して、上記アノマロスコープをも含め、色覚
の検査に用いられる検査器には、被検者に２色以
上の単一色を混合させ、この混合割合を可変と
し、その混合色を基準色と比較するものであり、
このような検査器における色混合部の構造として
は、例えば、ハーフミラーを用いて単一色の２色
の光軸を一致させて混合色を造る構造のもの、或
は、積分球を用いた構造のもの等がある。

このうち、色混合部に積分球が用いられるの
は、理論上、この球の内壁が一様な反射面をもつ
完全拡散反射面であるためであり、例えば、２種
類の単一色を発する点光源をほぼ球心に位置付
け、これら単一色の光量を調節することにより両
色を混合し、理論上、完全な中間色を作ることが
できると考えられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記積分球に点光源を用いることは実
際上困難であり、また、内面塗料も完全拡散にす
ることができないことや、光源の支持棒や遮光板
が球内に存在することなどに起因して製作上、或
は、光学上の不都合がある上に、製造コストも高
価につくといつた問題がある。また、積分球によ
らない上記ハーフミラー等の光学系を用いた構造
の色混合部もその構造が複雑であるという問題が
ある。

〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本考案では、色覚検査器における色混
合部の構造を著しく簡素化して低コストでしかも
容易に製造でき、また、積分球による色混合部に
遜色のない色混合部を提供することを目的として
なされたもので、その構成は、内面が光の反射散
乱面に形成された筒状体の先端部に、２又は３種
類の単一色の発光体が適宜混合状態で散点させら
れた光源部を、上記発光体に筒状体の内部を臨ま
せて設ける一方、上記筒状体の後端部をスリガラ
スのような半透明体で閉塞したことを特徴とする
ものである。

〔作用〕

光源部の発光体から出た２又は３種類の単一色
光は、主に筒状体の内面の反射散乱面により反射
散乱されて混合し、混色された中間色となつて半
透明体に到達表示される。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図に拠り説明する。

第１図は本考案色混合部の一例の縦断側面図、
第２図は光源の一例の要部の正面図である。

図に於て、１は内面が光を反射して散乱させる
ように、例えば鏡による反射散乱面１ａに形成さ
れた筒状体による光ガイド、２はそのガイド１の
一端側に当てがつて設けた光源で、一例として第
２図々示のように構成されたものを用いる。尚、
反射散乱面１ａは、鏡面によらなくてもよい。

第２図に於て、２ａは遮光板、２ｂ，２ｃは、
この板面に、一例として等ピツチ、且つ、等分布
度合で点在させた２種類の単一色を発する発光体
で、発光体としては、フアイバーグラスの先端や
発光ダイオードなどが用いられ、これら２ａ〜２
ｃにより光源２の一例が構成される。

尚、発光体２ｂ，２ｃの光量は、個別に調整す
ることができ、例えば、発光体２ｂ，２ｃに単一
色の発光ダイオードを用いた場合は、ボリユーム
等により供給電源を調整し、発光体２ｂ，２ｃの
光量を増、減することができる。

３は上記光ガイドの他端部に当てがつて設けた
スリガラス等による半透明体である。

以上１〜３の部材により、本考案の色混合部の
一例を構成するが、この色混合部により各発光体
群２ｂ，２ｃを出た２種類の単一色の光は、光ガ
イド１内を直進し直接半透明体３に到達するもの
もあるが、光ガイド１の内の反射散乱面１ａによ
つて反射散乱されたものが半透明体３に到達する
から、２種類の単一色はこの反射散乱する間に混
色されて半透明体３に達することになり、従つ
て、この半透明体３を外側から観る者は、該半透
明体３に２種類の単一色が混色された中間色を見
ることができることとなる。

而して、上記の色混合部は、色覚検査器におい
て基準色を発する基準色部の近傍に配設される
が、この色混合部を有する色覚検査器において
は、被検者が自ら上記色混合部の発光体２ｂ，２
ｃの光量やその混合割合を調整することにより半
透明体３の外側に表示される中間色を基準色部に
表示される輝度調整可能な基準色と比較し、被検
者自身が自ら作つた前記中間色と基準色が一致し
たと認識したところで、その中間色を検者に提示
し、検者が正常色視ないし異常色視の種類及び程
度を検査するものである。

〔考案の効果〕

本考案は色覚検査器の色混合部を、内面が光の
反射散乱面に形成された筒状体による光ガイド
に、２種又は３種類の単一色を発する発光ダイオ
ード等の発光体を散点させて面状に形成したもの
を光源として上記ガイドの一端側に当てがうと共
に、このガイドの他端側にスリガラス等による半
透明体を当設することにより構成したから、従来
の積分球を用いた色混合部に比べ構造が簡略にな
り、この結果、製造が容易且つ低コストに作製で
きる利点がある。

また、２種又は３種の単一色の発光体は、これ
らをほぼ均等な分布状態で散点させて面状に形成
したから、構造が簡略化されても、混色時の色ム
ラを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施の一例を示す色混合部の
縦断側面図、第２図は発光体の要部の正面図であ
る。 １……光ガイド、１ａ……反射散乱面、２……
光源、２ａ……遮光板、２ｂ，２ｃ……異なる単
一色の発光体、３……半透明体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内面が光の反射散乱面に形成された筒状体の後
   端部に、２又は３種類の単一色の発光体が適宜混
   合状態で散点させられた光源部を、上記発光体に
   筒状体の内部を臨ませて設ける一方、上記筒状体
   の先端部をスリガラスのような半透明体で閉塞し
   たことを特徴とする色覚検査器の色混合部。