JPH026622Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主プリント板とこれにコネクタを介
して接続される装着プリント板相互間の電源供給
実装構造に関するものである。

例えば、前方より複数枚のプリント板ユニツト
（装着プリント板）を収納保持可能な箱形状シエ
ルフの場合は、その背面にバツクボードプリント
板（主プリント板）が固設され、このバツクボー
ドプリント板に前記プリント板ユニツトがコネク
タを介して接続され、そして前記各プリント板ユ
ニツトはこのバツクボードプリント板を介して電
源供給されると共に相互間が電気的に接続される
のが一般的である。

〔従来の技術〕

従来のプリント板電源供給実装構造は、主プリ
ント板から装着プリント板に電源を供給する場
合、これら両者に設けられた電気的接続用のコネ
クタを利用して構成されている。すなわち、これ
らコネクタ内に配設された多数個のコンタクトの
うちの数個を必要に応じて電源ラインに接続する
ことにより、主プリント板から装着プリント板に
電源が供給されるように構成されている。また、
主プリント板及び装着プリント板それぞれに変形
防止用の補強部材が配設され、かつこれと別個に
前記両者のコネクタを互に円滑に嵌合させるため
のコネクタガイド手段が設けられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記構成のものにあつては、コネクタのコンタ
クトの一部が電源供給用に使用されるので、その
分だけ信号用のコンタクト数が減少されることに
なり、この結果信号容量が低減されるという問題
がある。また、補強部材及びコネクタガイド手段
は、単に補強のみの役割と、単にコネクタガイド
のみの役割とをそれぞれ個別に果すように設けら
れている。このため、これら両者の配設スペース
を個別に設ける必要があり、両者の占めるスペー
スが大となる問題や、組立が煩雑になるという問
題がある。本考案はこれらの問題点を解消するた
めに案出されたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記問題点を解消したプリント板電
源供給実装構造を提供するもので、その手段とし
て、本考案に依れば、主プリント板と、該プリン
ト板にコネクタを介して電気的に接続される装着
プリント板相互間における電源供給実装構造であ
つて、前記プリント板又は装着プリント板のいず
れか一方の補強部材に複数個の電源供給用の雄形
コンタクトをそのプリント板のコネクタに隣接し
て所定間隔をもつて設けると共に、他方の補強部
材に前記各雄形コンタクトにそれぞれ対応してこ
れを嵌入案内するためのガイド穴をそのプリント
板のコネクタに隣接して設けかつ該各ガイド穴内
部に前記雄形コンタクトと嵌合接続するための雄
形コンタクトを設けたプリント板電源供給実装構
造が提供される。

そして、この一具体例としては、前記主プリン
ト板が電子装置を構成する箱形状シエルフの背面
に固設されたバツクボードプリント板であり、前
記装着プリント板が前記シエルフの前面側からシ
エルフ内に挿入収納される複数枚のプリント板ユ
ニツトであり、前記バツクボードプリントの補強
部材に前記雄形コンタクトが設けられ、前記プリ
ント板ユニツトの補強部材に前記ガイド穴と雌形
コンタクトが設けられたものが好ましい。

〔作用〕

上記プリント板電源供給構造は、プリント板の
補強部材にコネクタと別個に電源供給用の雄形及
び雌形コンタクトを設けることにより、コネクタ
のコンタクトを電源供給用に使用する必要がなく
なるため信号容量の低減化を防止することができ
る。また雄形コンタクトとガイド穴とにより補強
部材にプリント板の補強と共にコネクタガイド機
能をも兼有させることができ、コネクタガイド手
段を補強部材と別個に設けることが省略できる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図から第３図は本考案の一実施例を説明す
るための図である。尚、これらの図において、図
に向かつて左手側を本実施例の後方側、右手側を
前方側と呼ぶことにする。

第１図は主プリント板側部分イと装着プリント
板側部分ロとを分離して示す側面図であり、第２
図は第１図のA₁−A₂線断面図である。これらの
図において、板面が垂直状に配置された主プリン
ト板１１の前面１１ａ上に上下方向に延在して絶
縁体製の補強部材１２が配置される。補強部材１
２には先端が前方向に突出し、基端側が埋設固定
された導体ピン（雄形コンタクト）１３が設けら
れる。導体ピン１３の基端部には軸線方向のねじ
穴１３ａが形成される。そして、補強部材１２と
主プリント板１１とにこのねじ穴と同心の挿通穴
１１ｃと１２ａがそれぞれ形成される。このねじ
穴１３ａに導体から成るボルト１４が主プリント
板１１の後面１１ｂ側からねじ込み締結されるこ
とにより、ボルト頭部１４ａの端面が主プリント
板後面１１ｂ上に設けられた導体パターン（図示
なし）に当接して導体ピン１３がボルト１４を介
して主プリント板１１と導通されると同時に、補
強部材１２が主プリント板前面１１ａ上に固定さ
れる。他方、装着プリント板１５の上面１５ａ上
にその後端縁に沿つて左右方向に延在して絶縁体
製の補強部材１６が配置される。補強部材１６に
は前記導体ピン１３に対応して該導体ピン１３を
嵌入案内するためのガイド穴１６ａが前後方向に
穿設形成される。ガイド穴１６ａの左右両側内面
に雌形コンタクト１７用の逃げ溝１６ｂがガイド
穴１６ａの軸線と平行にそれぞれ設けられる。補
強部材１６の前端側には前記ガイド穴１６ａと直
交して連通する上下方向の挿通穴１６ｃが穿設形
成される。この挿通穴１６ｃに対応して装着プリ
ント板１５に挿通穴１５ｃが形成される。挿通穴
１６ｃの上端部には埋込みナツト１８が同心状に
配置され、その外周部が補強部材１６内に埋め込
まれている。雌形コンタクト１７は、第２図に示
すように、弾性を有する導電体からふたまた形の
フオーク状に形成され、その基端部にねじ穴１７
ａが設けられる。さて、第１図ロと第２図に示す
ように、補強部材１６と雌形コンタクト１７は次
のようにして装着プリント板１５に配設される。
先づ、補強部材１６を装着プリント板１５上にそ
の後端縁に沿つて配置する。次に、雌形コンタク
ト１７を補強部材１６の前方（矢印Ｂ方向）から
逃げ溝１６ｂに沿つて挿入し、ねじ穴１７ａを補
強部材１６の挿通穴１６ｃと整合させる。次に導
体から成るボルト１９を装着プリント板１５の下
面１５ｂ側から挿通穴１６ｃに挿入し、引きつづ
き雌形コンタクト１７のねじ穴１７ａと螺合さ
せ、さらにねじ込んでナツト１８と螺合させて締
付ける。これにより、ボルト１９はその頭部１９
ａの内端面が装着プリント板下面１５ｂに設けら
れた導体パターン（図示なし）に当接して導体パ
ターンと導通され、一方、ねじ部を介して雌形コ
ンタクト１７と導通される。このようにして、雌
形コンタクト１７はボルト１９を介して装着プリ
ント板１５と導通される。これと同時に補強部材
１６は埋込みナツト１８を介して装着プリント板
１５上に固定される。

そして、第１図において、装着プリント板１５
を矢印Ｃ方向に移動させ、その補強部材１６のガ
イド穴１６ａに主プリント板１１の導体ピン１３
を嵌入させて押し込むと、導体ピン１３はガイド
穴１６ａに案内されて雌形コンタクト１７と円滑
に嵌合され、これら両者が導通される。これによ
り、主プリント板１１と装着プリント板１５が導
通されることになり、主プリント板１１から装着
プリント板１５への電源供給が可能となる。

第３図は第１図の矢印Ｄ方向からみた全体平面
図である。この場合、主プリント板１５は、例え
ば、電子装置を構成する箱形状シエルフ（図示な
し）のバツクボードプリント板に相当する。主プ
リント板１１には複数個（この場合は３個）のコ
ネクタ（プラグ側）２１が配設され、これらのコ
ネクタ２１に隣接して補強部材１２及び導体ピン
１３が前述（第１図）の如く配設されている。各
コネクタ２１には複数個の信号用雄形コンタクト
２１ａが内設されている。装着プリント板１５
は、例えば、前記シエルフの前方から挿入される
プリント板ユニツトに相当する。装着プリント板
１５の後端縁に沿つて、前記主プリント板１１の
コネクタ２１にそれぞれ対応するコネクタ（ジヤ
ツク側）２２が配設され、これらのコネクタ２２
に隣接して補強部材１６が配設されている。コネ
クタ２２には複数個の信号用雌形コンタクト（図
示なし）が内設されている。尚、符号２２ａはリ
ード端子を示している。そして、このコネクタ２
２に主プリント板１１側のコネクタ２１全体が嵌
入される。補強部材１６はコネクタ２２に隣接し
て突出する突出部１６−１が設けられ、この突出
部１６−１に第１図ロと第２図で説明した、ガイ
ド穴１６ａ及び雌形コンタクト１７が設けられて
いる。すなわち、第３図ロにおける中心線αは、
第１図ロに示すガイド穴１６ａの中心軸線に相当
するものである。第３図において、装着プリント
板１５を矢印Ｃ方向に移動させることにより、前
述した第１図の場合と全く同様にして主プリント
板１１に装着プリント板１５が装着される。この
とき、導体ピン１３は、コネクタ２１に先だつて
ガイド穴１６ａに挿入されるので、コネクタ２１
のガイドの役割も果す。また、導体ピン１３相互
間のピツチP₁〜P₃を機能の異なる装着プリント
板１５ごとに変化させることにより、装着プリン
ト板１５の誤挿入を防止することができる。この
ように、本実施例は、補強部材１２，１６を巧み
に利用して装着プリント板の電源供給構造を形成
したもので、コネクタ２１，２２のコンタクトを
すべて信号用に使用することができ、コネクタガ
イド機能をも同様に有するものであり、組立も容
易化されるものである。

〔考案の効果〕

以上、説明したように本考案に依れば、コネク
タのコンタクトを電源供給用に使用する必要がな
くなるためコネクタのコンタクトのすべてを信号
用に使用することができ信号容量の低減化を防止
することができる。また補強部材にコネクタガイ
ド機能をも兼有させることができ、このため、コ
ネクタガイド手段を別個に設けることが省略でき
組立を容易化することができると共に、補強部材
とコネクタガイド手段の配設スペースを縮小化す
ることもできる。また電源供給用の導体ピンのピ
ツチを適宜に変化させることにより、装着プリン
ト板の誤挿入を防止することができる等の効果大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は主プリント板側部分イと装着プリント
板側部分ロとを分離して示す側面図、第２図は第
１図のA₁−A₂線断面図、第３図は第１図の矢印
Ｄ方向からみた全体平面図であつて、主プリント
板１１イと装着プリント板ロとロの矢印Ｅ方向か
らみた側面図ハとを示す図である。 １１……主プリント板（一例として、箱形状シ
エルフのバツクボードプリント板に相当）、１２，
１６……補強部材（絶縁体）、１３……導体ピン
（雄形コンタクト）、１３ａ……ねじ穴、１４，１
９……導体から成るボルト、１５……装着プリン
ト板（一例として、箱状シエルフに挿入収納され
るプリント板ユニツト）、１６ａ……ガイド穴、
１６ｂ……逃げ溝、１６ｃ……上下方向の挿通
穴、１７……雌形コンタクト、１７ａ……ねじ
穴、１８……埋込みナツト、２１……コネクタ
（プラグ用）、２２……コネクタ（ジヤツク側）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 主プリント板と、該プリント板にコネクタを
   介して電気的に接続される装着プリント板相互
   間における電源供給実装構造であつて、前記主
   プリント板又は装着プリント板のいずれか一方
   の補強部材に複数個の電源供給用の雄形コンタ
   クトをそのプリント板のコネクタに隣接して所
   定間隔をもつて設けると共に、他方の補強部材
   に前記各雄形コンタクトにそれぞれ対応してこ
   れを嵌入案内するためのガイド穴をそのプリン
   ト板のコネクタに隣接して設けかつ該各ガイド
   穴内部に前記雄形コンタクトと嵌合接続するた
   めの雌形コンタクトを設けたことを特徴とする
   プリント板電源供給実装構造。 ２ 前記主プリント板が電子装置を構成する箱形
   状シエルフの背面に固設されたバツクボードプ
   リント板であり、前記装着プリント板が前記シ
   エルフの前面側からシエルフ内に挿入収納され
   る複数枚のプリント板ユニツトであり、前記バ
   ツクボードプリントの補強部材に前記雄形コン
   タクトが設けられ、前記プリント板ユニツトの
   補強部材に前記ガイド穴と雌形コンタクトが設
   けられた実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   のプリント板電源供給実装構造。