JPH0263158B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、第１の伝熱媒体を通されたまた第２
の伝熱媒体のまわりに流される管状熱交換壁と、
伝熱媒体の流通断面を変化する調整機構とを有す
る、熱交換器に関する。

〔従来の技術〕

このような熱交換器はドイツ連邦共和国特許出
願公開第2243617号明細書から公知である。この
熱交換器では、ハウジング内に設けられる調整機
構により、伝熱媒体の流通断面が閉鎖位置まで変
化される。伝熱媒体の循環がさらに必要かまたは
望まれる場合には、伝熱媒体のため熱交換器に対
するバイパスを設けねばならないが、これには高
い費用が伴う。伝熱媒体の流量したがつて流速は
別として、熱交換器内の熱伝達の変化は調整機構
によつては行なわれない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の基礎となつている課題は、生ずる伝熱
媒体の全量を受入れて異なる熱伝達、したがつて
他の伝熱媒体への異なる熱伝達も可能にする熱交
換器を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による課題は、流通断面が調整機構と熱
交換壁との間にあり、閉鎖方向における調整機構
の終端位置で、熱交換壁に存在する残留流通断面
が維持されることによつて解決される。

〔発明の効果〕

本発明により構成される熱交換器では、公知の
熱交換器と異なり、伝熱媒体の流量が不変でも、
公知のように伝熱媒体の流速と流通断面を表わす
長さとに関係する熱伝達係数を変化することによ
つて、伝達される熱量を変化することができる。
これら両方の値は、熱交換のすぐ近くで調整機構
により変化でき、しかも熱伝達係数したがつて伝
達される同じ向きに影響を及ぼす方向に変化でき
る。したがつて伝熱媒体の流通量を少なくするか
またはこれを迂回させることなく、熱交換器にお
いて伝達される熱量の調整を行なうことが可能で
ある。さらに本発明は、熱交換器が少なくとも１
つの伝熱媒体を通され、したがつて常に残留冷却
が存在するので、耐熱性が比較的低くしたがつて
安価な材料で熱交換器を製造できるという利点を
もつている。

〔実施態様〕

特許請求の範囲第２項に示す特徴により、熱伝
達係数したがつて伝達される熱量をさらに広い範
囲に変化できる。

特許請求の範囲第３項に示す特徴は調整機構の
特に簡単かつ有効な構成を示している。

調整機構の後に小さい流通断面の場合生ずるう
ずの範囲にひれがあるので、特許請求の範囲第４
項の特徴は、さらに熱伝達係数を大きくする。

特許請求の範囲第５項に示す手段によつて、可
能な熱伝達量がさらに高まる。

特許請求の範囲第６項による構成は、熱交換器
の特に有利な使用形態を示す。冷却水の温度が低
く、例えば車両暖房のため冷却水からの熱需要が
高い場合、内燃機関の小さい負荷のため、排気ガ
ス量の少ないことがある。本発明による熱交換器
によつて、絞り弁の大幅な閉鎖により、このよう
に少量の排気ガスから大きい熱量を冷却水へ伝達
できるので、冷却水を急速に加熱して、これから
大きい熱量を取出すことができる。さらに絞り弁
により排気ガスへ及ばされる抵抗は内燃機関の負
荷となつて、その温度上昇に寄与する。絞り弁が
完全に開かれると、排気ガスから少量の熱しか冷
却水へ伝達されない。大きい排気ガス量も熱交換
器を小さい抵抗で通るので、排気ガス用の熱交換
器を迂回する特別なバイパスは不要である。

〔実施例〕

図面に示された実施例により本発明を以下に説
明する。

管状排気ガス導管１を通つて、図示しない内燃
機関の排気ガスが矢印２の方向に流れる。排気ガ
ス導管１の壁部分は熱交換器４の熱交換壁３とし
て構成され、この熱交換器により熱が第１の伝熱
媒体としての排気ガスから第２の伝熱媒体として
の内燃機関冷却水へ伝達可能である。冷却水な冷
却水導管６により矢印方向５に熱交換器４へ流入
し、この冷却水導管は熱交換壁３の範囲で広がつ
て、排気ガス導管１を包囲する室７になつてい
る。熱交換壁３からひれ８が室７内へ突出して、
冷却水への熱伝達を容易にする。

排気ガスの流れ方向２に関して上流にある熱交
換壁３の部分範囲には、熱交換器４において伝達
される熱量の調整機構として役立つ絞り弁１０の
軸９が貫通している。第１図に示す絞り弁１０の
完全に開いた位置では、熱伝達係数したがつて熱
伝達は小さい。なぜならば、周知のように熱伝達
係数を決定する量である排気ガスの流速は小さ
く、軸９と熱交換壁３との間の流通断面を表わす
長さｌは大きいからである。伝達される熱量を大
きくしようとすれば、絞り弁１０が第２図に示す
終端位置または中間位置へ回される。それにより
熱交換壁３に沿う排気ガスの流速が増大し、絞り
弁１０の外縁と熱交換壁３との間隔として流通断
面を表わす長さｌが小さくなる。これら２つの量
の変化は、いずれも熱伝達係数したがつて熱伝達
を増大せる。

排気ガスの流れ方向２に関して絞り弁１０のす
ぐ下流で熱交換壁３から排気ガス導管１内へ突出
するひれ１１によつて、熱伝達がさらに高まる。
第２図に示す絞り弁１０の終端位置では、ひれは
絞り弁により生ずる排気ガス乱流の範囲にあるの
で、大きい熱量を吸収することができる。これに
反し第１図に示す絞り弁１０の開放位置では、ひ
れは絞り弁によりあまり乱されないなめらかな排
気ガス粒中にあり、排気ガス流の方向はひれ１１
の延在する方向に一致している。

絞り弁１０の位置は冷却水の温度および／また
は排気ガスの量により有利に制御される。冷却水
温度が低いと、熱伝達を大きくし、したがつて絞
り弁１０を大幅に閉じる。これは、そのとき生ず
る絞り弁損失による内燃機関の出力損失に関して
不利ではない。なぜならば内燃機関は、冷間運転
状態ではその保護のため通常は小さい負荷で運転
され、したがつてわずかな排気ガスしか発生され
ないからである。これに反して冷却水な内燃機関
の高負荷では内燃機関自体によつて充分加熱され
るもので、熱交換器４における熱伝達を絞り弁１
０を開くことにより小さく保ち、これにより生ず
る流れ抵抗も小さく保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は調整機関を完全に開いた状態における
内燃機関の排気ガスと冷却水との間の熱交換器の
断面図、第２図は調整機構の閉鎖方向終端位置に
おける第１図の熱交換器の断面図である。 １……排気ガス導管、３……熱交換壁、４……
熱交換器、５……冷却水導管、１０……調整機構
（絞り弁）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の伝熱媒体を通されまた第２の伝熱媒体
   をまわりに流される管状熱交換壁と、伝熱媒体の
   流通断面を変化する調整機構とを有するものにお
   いて、流通断面が調整機構１０と熱交換壁３との
   間にあり、閉鎖方向における調整機構１０の終端
   位置で、熱交換壁３に存在する残留流通断面が維
   持されることを特徴する、熱交換器。 ２ 第２の伝熱媒体の流通断面が第２の調整機構
   により変化されることを特徴する、特許請求の範
   囲第１項に記載の熱交換器。 ３ 調整機構が絞り弁１０であることを特徴す
   る、特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   熱交換器。 ４ 調整機構１０に近い方にある熱交換壁３の側
   において、調整機構１０のすぐ下流にひれ１１が
   設けられていることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項に記載の熱交換器。 ５ 調整機構１０から遠い方にある熱交換壁３の
   側にひれ８が設けられていることを特徴する、特
   許請求の範囲第１項に記載の熱交換器。 ６ 管状熱交換壁３を通つて流れる伝熱媒体が排
   気ガスであり、熱交換壁３のまわりに流される伝
   熱媒体が内燃機関の冷却水であり、排気ガスの流
   通断面が、その量または冷却水の温度またはこれ
   ら両者に関係して、調整機構１０の位置の変化に
   より調整可能であることを特徴する、特許請求の
   範囲第１項に記載の熱交換器。