JPH026181B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、多数の可動平行接点アームを持つた
低圧多極限流遮断器に関し、各アームは電流の急
増作用による電気力学的自動反撥力によつて高速
度で開路され、前記自動反撥位相中の開路時間が
前記トリツプ・ユニツトの応答時間より大である
ように、前記開路行程の終期において前記接点ア
ーム（複数）と協動する制動構成部分を持つてい
る。

上記形式の限流装置は、米国特許第4118681号
明細書に記載されており、その各極は、アイドル
行程の機械的リンクによつて前記可動接点に機械
的にリンクされ、かつ前記可動接点に対して或る
制限された運動を行なうことのできる予め決めら
れた重量のそれ自身の慣性ブロツクを持つてい
る。そこには、機械的リンクに関連された１個の
押圧ばねと、開路位置に前記可動接点に圧着する
第２の圧力接ばねとがある。可動接点の開路位置
への高速運動は、少なくも１本の電流流通導体を
包囲する狭い間隙を持つた補助磁気回路によつて
達成される。例えば1000Aなどの高定格用の限流
遮断器であつて、各極の電気力学的自動反撥力に
よる高速開路する多数の可動接点を有するととも
に、かような制動構成部分を使用することは、多
くの機能上の問題と、遮断器絶縁箱内の空間の問
題を生じる。

本発明の目的は、簡単で信頼性のある慣性形の
制動構成部分を備えた高定格の限流遮断器を得る
ことである。

本発明によれば、制動構成部分は、１個の接点
アームによつて形成された慣性ブロツクを持ち、
この接点アームは、第２の隣接する接点アームに
対して空動き行程の機械的リンク装置によつて結
合され、前記第２アームが開路位置以上に動くこ
とを阻止し、かつ前記第１隣接アームが機械的リ
ンク装置のアイドル行程の終点に達するまで前記
第１隣接アームが継続運転することを許容するよ
うに配置されたストツプと前記開路位置において
協動し、そのときに、前記接点アーム（複数）
が、前記トリツプ・ユニツトの動作する前に直ち
に再閉路することを、阻止するために、前記第１
アームの慣性は、前記第２アームと前記ストツプ
とが接触したときの衝撃を相殺する。

少なくも１個の可動接点アームの慣性が、前記
制動構成部分の慣性ブロツクを構成するように使
用される。

本発明の一実施例によれば、前記機械的リンク
装置は、前記ストツプと関連する第２接点アーム
に固着され、前記アイドル行程中に制限された運
動をすることができる第１隣接慣性ブロツク・ア
ームと間隙によつて協動する駆動部分を持つてい
る。

本発明の他の実施例によれば、機械的リンク装
置の駆動部分は、第２接点アームに固着され、第
１隣接接点アームに設けられた開孔に通る横方向
に位置するロツク・ピンを有し、この開孔の直径
はピンの直径より大であつて前記アイドル行程を
提供する。このロツク・ピンは、有利には、同一
設計の第１および第３接点アームの間に挿入され
た中間第２接点アームに固着されている。その他
の利点および特徴は、添付図面に例示された構成
態様を以下説明することによつて更に明瞭となる
であろう。

第１図および第２図において、例えば1000A程
度の大電流定格用の低電圧、多極の限流遮断器
は、成形された絶縁箱１１内の標準的の遮断器ユ
ニツト１０と、それと同一寸法の基板を持つた成
形絶縁箱１３内の下方の限流ユニツト１２とから
成り、前者は後者の上に置かれている。これらの
箱１１，１３が、例えば固着ねじによつて組立て
られるときには、中間の後部開放した板１４は、
２つのユニツト１１，１３間の分離板を形成し、
接続導体が通ることのできる孔１５を持つてい
る。

遮断器ユニツト１０は、通常設計のものであつ
て、各極の上に固着した接点１６は、後部パネル
１４の近くに配置され、ゲージ２１に固定された
多数の枢動フインガ２０によつて担持された対応
可動接点１８と閉路位置において協動する。遮断
チヤンバ１９は、各極に設けられ、接点１６，１
８が離れるときに両接点間につながるアークを消
するための金属セパレータの積み重ねを持つてい
る。動作機構２２は、トグル機構２４および蓄勢
ばね２３を有し、箱１１の中心部分に装着され、
外部ハンドル２６の手動動作により、或は機構２
２と関連するトリツプ・レバー２９を自動解除さ
せるトリツプ・ユニツト２８の相互作用によつて
接点フインガ２０の開閉を制御し、故障の場合に
遮断器を開路する。トリツプ・ユニツト２８は、
磁気・熱形式または電子形式の可調整のトリツプ
限界を持ち、過負荷または短絡電流に対して敏感
である。それは、遮断室１９に対して機構２２の
両側に長手に置かれる。すべての極に共通の横棒
３０は箱の横方向に横たわり、手動または自動的
の制御が行なわれるときに、多くの隣接するケー
ジ２１を同時作動させるために動作機構２２と協
動する。連結可撓線３２は、各接点フインガ２０
の後部とトリツプ・ユニツト２８を横切る導体片
３４との間の電気的接続を形成する。１０などの
遮断器は、当業者に周知であるので、その設計お
よび動作の詳細な説明は、ここでは行なわないで
あろう。

中間の後部パネル１４に圧着して装架された制
限ユニツト１２は、各極に対して３個の隣接した
接点アーム３６ａ，３６ｂ，３６ｃを持ち、各ア
ーム３６は、箱１３の長手方向に位置する細長い
形状を持ち、かつ上部の遮断器ユニツト１０の接
点フインガ２０に対して平行である。各アーム３
６ａ，３６ｂ，３６ｃの端部のうちの一つは、箱
１３の後部パネル４１に平坦に位置する固定導体
４０に装架された固定接点３８と閉路位置に協動
する可動接点３７を坦持する。これらのアーム３
６ａ，３６ｂ，３６ｃの反対端部は、アーム３６
に対し横方向に位置する回転ピン４２に連結され
ていて、導体４０とトリツプ・ユニツト２８の下
方部分との間に箱１３内に収容されている。導体
４０は、端部板４３の方向に固定接点３８より先
に延びている。この端部板４３は、遮断器ユニツ
ト１０の遮断チヤンバ１９の下方に設けられた消
イオン板４６を持つた消弧チヤンバ４４の一部分
である。延びた導体４０の反対端部は、後部パネ
ル１４内の孔１５を貫通して、トリツプ・ユニツ
ト２８を横切るストリツプ３４に固着される。制
限ユニツト１２の接点３７，３８が、閉路位置に
あるときには、各接点アーム３６ａ，３６ｂ，３
６ｃは、平行にかつ導体４０に閉路して、短絡電
流が生じたときに電気力学的の反撥力をうける大
電流ループを形成している。反対チヤンバ４４に
置かれた圧縮ばね５８は、接点３７，３８を閉じ
るように各アーム３６ａ，３６ｂ，３６ｃに作用
する。ばね５８の作用線は、回転ピン４２の横方
向に実際的に直交しているので、ばね５８の復帰
力は、可動接点３７に反対のアーム３６端部に加
えられる。

連結可撓線５２は、後部パネル４１に設けた孔
を通る直交導体５４によつて、第１接続端子５０
と各可動接点アーム３６ａ，３６ｂ，３６ｃとの
間の電気的接続を形成する。下部の導体４０は、
導体５４の中を縦に通過する。第２の接続端子４
８は、接点３７，３８間につながるアークを吸引
するための消弧チヤンバ４４の消イオンプレート
４６の後を通るＣ形の連結導体５１に固着してい
る。連結導体５１は、中間後部パネル１４内の孔
１５を通つて、遮断器１０の対応する極の固定接
点１６に結合する。この限流遮断器の各極の２個
の接続端子４８，５０は、箱１１の側板を通る電
流導入を避けるように、制限ユニツト１２の後部
基板の下に装架されていることに注意されたい。

制限ユニツト１２の各極は、慣性形式の制動装
置を具備し、これは、接点アーム３６ａ，３６
ｂ，３６ｃの開路行程の終期において動作状態に
入り、遮断器ユニツト１０がトリツプするまでは
接点３７，３８の再開路を妨げることによつてそ
れらの接点アームが閉路状態に落ちることを制動
する。中央接点アーム３６ｂは、この目的のため
にロツク・ピン６０を有し、このピンは、前記ア
ーム３６ｂの両面に置かれた２個のロツク・ワツ
シヤ６２，６４によつて円形孔６１の中に保持さ
れている。このロツク・ピン６０は、箱１３の横
方向に回転ピン４２に平行に位置し、その両端部
は中央接点アーム３６ｂの両側に位置する２個の
他の隣接アーム３６ａ，３６ｃにそれぞれ設けら
れた円形の孔６６，６８に挿入される。各孔６
６，６８は、ロツクピン６０の直径よりも大きい
直径を持つている。このピンの長さは、また一極
の長さより短かい。中間後部パネル１４から突出
した隆起部分（当接装置）７０は、中央接点アー
ム３６ｂがその開路行程の終期に達したときに中
央接点アーム３６ｂのための衝撃吸収体として作
用する。

本発明による限流遮断器の各極の動作は、下記
の通りである。

限流遮断器が閉路位置にあるときには、各極の
電流は、例えば接続端子４８から入り、制限ユニ
ツト１２の連結導体５１を通り、遮断器ユニツト
１０の閉路した接点１６，１８、接点フインガ２
０、連結片３４の連結可撓線３２、次に導体４
０、閉路した接点３８，３７、制限ユニツト１２
の接点アーム３６ａ，３６ｂ，３６ｃ、可撓線５
２、後部パネル４１を通る導体５４、そして接続
端子５０を通つて出て行く。遮断器ユニツトの動
作機構２２は負荷位置にある作動ばね２３によつ
てロツクされている。

過負荷または軽い短絡電流の場合に、制限ユニ
ツト１２は、動作せず、接点３７，３８は、接点
アーム３６と導体４０との間の弱い電気力学的反
撥力と比較して、接点圧力ばね５８の優勢な作用
によつて閉じたままである。その故障は、トリツ
プ・ユニツト２８によつて検出され、機構２２内
のトリツプ・レバー２９の解除を制御し、つづい
て遮断器ユニツト１０の接点１６，１８を開ら
き、遮断チヤンバ１９内でアークが消される。

著しい短絡電流が生じると、制限ユニツト１２
の電気力学的トリツプ限界が越えられ、回転接点
アーム３６に作用する電気力学的反撥力は、ばね
５８の作用に打勝つ。その結果、接点３７，３８
は、急速に開らき、遮断器ユニツト１０の動作機
構２２が動作に入る以前に、電流を制限する。遮
断器ユニツト１０の接点１６，１８が最終開路す
る以前に短絡中に制限ユニツト１２の接点３７，
３８が再閉路することは、この慣性形式の制動装
置の反作用によつて防止される。この反作用は、
中央接点アーム３６ｂ（第１図に鎖線で示す）が
中間後部パネル１４の隆起部分７０に撃突すると
きに作用する。しかし第１開路位相の終期におけ
る中央アーム３６ｂのスイングの停止は、第２の
開路位相中に始められたアイドル行程ｄの間は、
側部アーム３６ａ，３６ｃの連続運動を阻止しな
い。このアイドル行程は、側部アーム３６ａ，３
６ｃ（第１図に破線で示す）の孔６６，６８が中
央アーム３６ｂのロツク・ピン６０に係合すると
きに終る。中央アーム３６ｂが、隆起部分７０に
衝突したときに生じた衝撃は、中央アーム３６ｂ
を閉路位置に後退させるように作用する。ロツ
ク・ピン６０は孔６６，６８に弛く機械的連結し
ているので、中央アーム３６ｂの落下は、相殺慣
性ブロツクとして作用する側部アーム３６ａ，３
６ｃの慣性のために制動され、そして逆行され
る。ばね５８の装備によつて、接点アーム３６
ａ，３６ｂ，３６ｃが閉路位置に復帰行程を開始
するときに、これらの接点アームに加わる低いト
ルクを生じる。接点アーム３６ａ，３６ｂ，３６
ｃの開路持続時間は、トリツプ・ユニツト２８の
応答時間よりも長いので、制限ユニツト１２が再
閉路する前に、故障は遮断器ユニツト１０によつ
て確実に除去されるであろう。

本発明は、上記の構成態様に制限されるもので
はなく、等価的の電気技術術装置を有するすべて
の変形構成態様を同様に包含し、特に、制限ユニ
ツト１２に異なる個数の接点アーム３６ａ，３６
ｂ，３６ｃ……を採用したもの、および慣性形式
制動装置用の弛い機械的リンク装置を異なる設計
によつて行なうものなどを包含している。この制
動装置は、自動トリツプ機構２８を持つた別個の
遮断器ユニツト１０に関連状態にある基準の制限
ユニツト１２について説明したけれでも、本発明
による制動装置は、全く同一の装置内に電流制限
および電流遮断の両機能を兼備する任意他の限流
遮断器に適用できることは当然である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による制動構成部分を備えた
限流遮断器の縦断面図、第２図は、第１図の線
―に沿う断面図である。 １０…遮断器ユニツト、１１，１３…絶縁箱、
１２…限流ユニツト、１４…中間後部パネル、１
５…導体貫通孔、１６…固定接点、１８…可動接
点、１９…遮断チヤンバ、２０…枢動フインガ、
２１…ケージ、２２…動作機構、２３…蓄勢ば
ね、２４…トグル機構、２６…手動ハンドル、２
８…トリツプ・ユニツト、２９…トリツプ・レバ
ー、３０…横棒、３２…可撓線、３４…導体片、
３６…接点アーム、３６ａ，３６ｃ…側部アー
ム、３６ｂ…中央アーム、３７…可動接点、３８
…固定接点、４０…固定導体、４１…後部パネ
ル、４２…回転ピン、４３…端部板、４４…消弧
チヤンバ、４６…消イオン板、４８…第２接続端
子、５０…第１接続端子、５１…Ｃ形連結導体、
５２…可撓線、５４…直交導体、５８…圧縮ば
ね、６０…ロツク・ピン、６１…円形孔、６２，
６４…ロツク・ワツシヤ、６６，６８…円形孔、
７０…中間パネルの隆起部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動トリツプユニツトをもつた多極限流遮断
   器において、各極は、 複数個の可動平行接点アームと、 電流の急激な増加作用により前記接点アームの
   各々にほぼ等しい開路力を与え前記接点アームの
   各々が同時に反発するようにする電気力学的反発
   装置と、 前記接点アームを閉路位置に強制するばね装置
   と、 前記接点アームの一方を前記接点アームの他方
   と結合し、かつ、横方向に突出し、前記一方の接
   点アームの円形孔内へ間隙をもつて延びるように
   前記他方の接点アームに取付けられたロツクピン
   からなる空動き機械的リンク装置と、 当接装置とからなり、 この当接装置は前記他方の接点アームとのみ協
   働して前記他方の接点アームが所定位置を越えて
   移動しないようにし、前記一方の接点アームは前
   記空動き機械的リンク装置により前記当接装置を
   越えて開路運動を続けて、前記自動トリツプユニ
   ツトが始動される時まで、前記各接点アームが再
   閉路しないようにすることを特徴とする多極限流
   遮断器。 ２ ３個の平行接点アームをもち、前記ロツクピ
   ンは前記平行接点アームのうち中央接点アームに
   固着されて、両側に突出し、２個の他の側部接点
   アームと協働するようにしたことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載の多極限流遮断器。 ３ 前記接点アームと直列に電気的接続された過
   負荷接点を有し、前記自動トリツプユニツトは、
   予め決められた過負荷を生じたときに前記過負荷
   接点の開放を行ない、前記接点アームの再閉路
   は、前記過負荷接点の開放後まで遅延されること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の多極
   限流遮断器。