JPH026098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は生態系を形成し保持するための護岸用
等の積みブロツクに関するものである。

（従来技術） この種のブロツクは内部に水を滞留させること
ができかつ水の出入りが円滑に行なわれることが
必要であるが、そのため型構成が複雑になりコス
ト高になつたり構築できる法面の形状が制約を受
ける問題がある。

（技術的課題） 本考案は前記の問題を解決するものでその目的
は内部に水が出入りし易くしかも法面に適合させ
て彎曲面等の構築も容易に行なえブロツクの製造
も容易な生態用積みブロツクを提供することにあ
る。

（技術的手段） 前記目的は、背面板１と側面略Ｌ字型に配置さ
れた底面板２の前縁に逆Ｔ字型の正面部材３を配
置し、背面板１と正面部材３との間に上に開いた
切欠４を有する隔板５を設けて全体を一体に成形
し、下位のブロツクの隔板５上に設けられた前後
一対の係合凸部６ａ，６ｂ…と係合する前後一対
の係合凹部７…を底面板２の左右下辺部に夫々設
け、各係合凹部７の前後長を係合凸部６ａ，６ｂ
よりやや大きく形成することにより、係合時、間
隙１１が設けられるように構成したことにより達
せられる。

このブロツクは前記構成を基本として隔板５部
分で半分にしたもの、或いは前記を一単位として
二連、三連…としたもの及び天板から成る一群の
ブロツクとともに護岸等の形成に使用される。

（実施例） 図示実施例におけるＡは基本となるブロツクで
あり、側面略Ｌ字型に配置された背面板１及び底
面板２は共に板状とし、底面板２の左右には切欠
８，８′を形成し、ブロツクＡ同士を連設したと
き上下に水の流通が保たれるよう図つている。正
面逆Ｔ字型を有する正面部材３は上部の左右両脇
に水の出入り部９，９′を有し、隔板５を介して
背面板１と対置され、隔板５に形成してある上向
きの切欠４の前後に横長の係合凸部６ａ，６ｂを
有する。これらに係合する底面板２の左右下辺部
に設けた係合凹部７の後側係合面１０は、傾斜を
急としかつ係合部分の前側に間隙１１が形成され
るようにして、係合が余裕をもたせ、彎曲した法
面の形態に適合した壁面の構築を容易化し、土圧
に対抗可能としている。

A′は前述の基本となるブロツクＡを単位とし
て２個分側方へ延長した大型のブロツク、A″は
基本ブロツクＡを隔板５部で縦断し半分の形状と
したもののうち正面左に配置されるもの、Ａは
同じく正面右に配置されるもの、Ｂは基準となる
天板、B′はＡと同じく半分の大きさで右に配
置されるものであり同様に左側のものも用意され
る。

（作用） 本考案は以上の如く構成されており、例えば護
岸の構築を行なう場合、被施工箇所の自然地形の
整形と基礎工事を行ないかつ基礎ブロツクＤを施
工した上最下位に位置するブロツクＡ〜Ａを積
み、切土面ａとブロツクとの間に栗石ｂを詰め、
下位ブロツクの左右に上位ブロツクを半分ずつ支
持させるよう所謂破れ目地式に積み上げ、最上位
のものに天板Ｂを載せ、必要に応じ入口地盤Ｃを
形成する。

その際各ブロツクＡは栗石ｂ又は必要に応じ補
強上打設される裏込コンクリート面ｄに背面板１
が接しているのでブロツクＡの荷重は該面ｄにも
かかる。そして各ブロツクＡは前後一対の係合凸
部６ａ，６ｂと係合凹部７，７が係合して整然と
構築され、ブロツク一個に付き４箇所の凹凸で係
合するのでずれ止めの作用も大きい。この係合凹
部７は凸部６ａ，ｂより大きいため嵌合作業が容
易であると同時に、施工の際各ブロツクを少しず
つずらせることができるからカーブの構築が容易
で、しかも係合下に行なえる。

また各係合凹部７は後側係合面１０が前側係合
面１１よりも急傾斜に設定されているため、組積
作業が緩傾斜で誘導されて容易化し、かつまた係
合後、後側へかかる荷重を急傾斜で受けるのでず
れるおそれがない。そして水面下にあるブロツク
間は切欠８，８′を通つて水が通うので、生物の
移動も確保される。

（効果） 従つて本考案によれば背面板１と底面板２、そ
の前縁に立設された逆Ｔ字型正面部材３及び切欠
４を有する隔板５により非常に水の出入りがし易
いブロツクが形成されるので、内部空所に水や土
砂の溜りが形成され易くかつ水がひけば速やかに
排水されるから水が古くなつたり腐敗することが
なく生態系上好環境が維持でき、しかも正面部材
３は逆Ｔ字型であるから彎曲法面の構築に使用し
ても凹凸が少なく滑らかな壁面を構築でき、ブロ
ツク形状も複雑でないから製造も容易である。ま
た本考案によれば、前後一対の係合凸部６ａ，６
ｂと凹部７，７の係合により各ブロツクが係合し
ているので、前後のずれがなくなり、壁面として
の安定性が向上すると同時に、この凹凸係合部は
間隙１１を有するので組積作業が容易化し、かつ
カーブの構築も容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る生態用積みブロツクの実施
例に関するもので第１図は正面図、第２図は右側
面図、第３図は平面図、第４図は積重ブロツクの
係合部拡大断面図、第５図は本案ブロツクを用い
た護岸の一例を示す正面図、第６図は同上施工構
造の説明図である。 １……背面板、２……底面板、３……正面部
材、４……切欠、５……隔板、６ａ，６ｂ……係
合凸部、７……係合凹部、１１……間隙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 背面板１と側面略Ｌ字型に配置された底面板
   ２の前縁に逆Ｔ字型の正面部材３を配置し、背
   面板１と正面部材３との間に上に開いた切欠４
   を有する隔板５を設けて全体を一体に成形し、
   下位のブロツクの隔板５上に設けられた前後一
   対の係合凸部６ａ，６ｂ…と係合する前後一対
   の係合凹部７…を底面板２の左右下辺部に夫々
   設け、各係合凹部７の前後長を係合凸部６ａ，
   ６ｂよりやや大きく形成することにより、係合
   時、間隙１１が設けられるように構成したこと
   を特徴とする生態用積みブロツク。 (2) 各係合凹部７は、前後に、傾斜した係合面を
   有し、後側係合面１０が前側係合面１１よりも
   急傾斜に設定されている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の生態用積みブロツク。 (3) 底面板２に、底面板２を上下に貫通するよう
   な切欠８，８′を設けた実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の生態用積みブロツク。