JPH025883A - 植物の普遍的ストレス誘導性調節要素 - Google Patents

植物の普遍的ストレス誘導性調節要素

Info

Publication number
JPH025883A
JPH025883A JP1046340A JP4634089A JPH025883A JP H025883 A JPH025883 A JP H025883A JP 1046340 A JP1046340 A JP 1046340A JP 4634089 A JP4634089 A JP 4634089A JP H025883 A JPH025883 A JP H025883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
stress
gene
regulatory element
inducible regulatory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1046340A
Other languages
English (en)
Inventor
William B Gurley
ウィリアム ビー.ガーレイ
Eva Czarnecka
エヴァ ツァルネッカ
Luis A Mosquera
ルイス エー.モスケラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mycogen Plant Science Inc
University of Florida
Original Assignee
University of Florida
Lubrizol Genetics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Florida, Lubrizol Genetics Inc filed Critical University of Florida
Publication of JPH025883A publication Critical patent/JPH025883A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • C12N15/8237Externally regulated expression systems

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明の分野は、一般に植物の分子生物学の分野であり
、特に組換えDNA技術による植物遺伝子工学に関する
。本発明は9種々の環境ストレスに応答して誘発合成反
応を示す植物遺伝子の5゛側DNA配列の単離、特徴づ
けおよび用途に関する。これらの配列は、植物の普遍的
ストレス誘発性調節要素(plant univers
al 5tress−tnducible regul
atoryelement )を構成し、この要素は次
のような環境ストレスに曝された後、所望の構造遺伝子
を有する植物内での発現を誘発し得る。この環境ストレ
スには、高温(熱ショック)、水ストレス、塩ストレス
、重金属イオン、部分的な嫌気生活、ある種の呼吸器系
阻害物質、アミノ酸類似体、非生理学的に高濃度の植物
成長調節物質(例えば、アブシジン酸、もしくは2.4
−ジフェノキシ酢酸などが高濃度に存在すること)、お
よび創傷が含まれるが、これらに限定されない。
(従来の技術) 真核遺伝子内には、遺伝子発現を制御するDNA配列要
素が存在することが分かってきている。以下に、 RN
Aポリメラーゼ■によって転写される遺伝子について考
察する。mRNA合成の開始を誘発する配列要素が知ら
れており、この要素は、環境の刺激に応答して転写を制
御し、さらに転写のレベルを調節する。
プロモーターはDNA配列の一部であり、遺伝子の最初
の部分にあり、 RNAポリメラーゼに転写を開始させ
てタンパク合成を進行させるシグナルを包含する。真核
プロモーターは、複雑であり、約−30位付近のTAT
Aボックス共通配列を有し、しばしば転写開始部位に対
して5゛側の約−17bp位に。
CAATボックス共通配列をも有し、後者は+1と定義
されティる〔アール・ブレスナツバ(R,area t
hnach )およびビー・チャンポン(P、 Cha
mbon) 、 1981年。
Ann、 Rev、 Biochem、、 50巻、3
49頁;ジエイ・メシングら(J、 Messingら
) 、 1983年、 GeneticEn 1nee
rin  of  Plants、ティ”コスゲ(T、
Kosuge) 。
シー・メレディス(C,Meredith )およびエ
イ・ホランダ−(A、 Ho1laender ) 曙
、 211頁〕。植物では、このCAATボックスが、
メシングら(1983年)がAGGAボックスと命名し
た共通配列によって置換され、この配列はキャップ部位
から同様の距離に位置している。遺伝子の5゛側非転写
領域の他の配列で、下流の遺伝子の発現を調節する配列
が知られている。環境条件(例えば、照明、栄養源利用
率、高温、嫌気生活、または重金属の存在)の応答に関
係する配列がある。発生中、または組織特異的な様式に
おいて、遺伝子発現を制御するシグナルもある。プロモ
ーターは、対応する遺伝子のコード領域の開始点の5゛
側、すなわち上流に通常位置し、そのプロモーター配列
を有するDNA領域部分、および転写の調節もしくは絶
対レベルに影響を及ぼす補助的な配列は、 ioo b
p未満もしくは1 kbpはどで構成されている。
ジー・コーリー(G、 Khoury )およびビー・
ブレス(P、 Gruss)  (Cell、 33巻
、313頁、 1983年)によって定義されるように
、エンハンサ−は、1組の真核プロモーター関連要素の
1つであって。
この要素は、近傍の遺伝子に対する位置や方向に比較的
影響されずに転写効率を増大させる。原形のエンハンサ
−は動物ウィルスSV40に見られる。
一般に、動物のエンハンサ−1または動物ウィルスのエ
ンハンサ−は、5′側の1 kbp程度の距離にわたっ
て、いずれかの方向に機能することが可能であり、遺伝
子の5゛側もしくは3”側のいずれかに作用することが
できる。同定配列のモチーフは一般に繰り返される。S
V40エンハンサ−のコア共通配列に相同性を有する配
列が植物遺伝子内に同定されていたが、植物中における
これら配列の機能の重要性は、まだ決定されていない。
構成的、かつ誘発性を有するある種の植物遺伝子の5゛
側にエンハンサ−様要素があるという報告もある。この
ような報告の1つには、ジエイ・オーデルら(J、 0
dellら) 、 Nature、 313巻、810
頁。
1985年があるが、カリフラワー・モザイクウィルス
(CaMV)の353遺伝子の5゛側の非転写領域の約
100 bpの伸張は、レポーター遺伝子の発現を増大
するのに必要であるとしている。関連する報告では、上
流領域部分のタンデム重複によって、レポーター遺伝子
の活性がさらに増大すると述べている。〔アール・カイ
ら(R,Kay et at、) 、 5cience
236巻、 1299頁、 1987年;デイ・オーら
(D、 Owet al、) 、 Proc、 Nat
、 Acad、 Sci、 USA 、 84巻。
4870頁、 1987年〕。植物内で機能する。2つ
の独特な転写活性化要素は、アグロバクテリウム・ツメ
ファシェンス(A robacteriun  tu+
5efaciens)T−DNAの工遺伝子、およびオ
クトピン・シンターゼ遺伝子から誘発されている〔ダブ
リュ・ブルース(W、 Bruce)およびダブリュ・
ガーリー(匈。
Gurley) 、 Mo1. Ce11. Biol
、、  7巻、59頁、 1987年;ダブリュ・ブル
ースおよびダプリュ・ガーリ+、 Proc、 Nat
l、 Acad、 Sci、 USA、 1987年に
提出;ジエイ・エリスら(J、 Ellis et a
l) 、 EMBOJ、。
6巻、11頁、 1987年〕。調節されたエンハンサ
−様要素は9組織特異的な発現を仲介し、かつ照明に応
答すると考えられる要素を含んでいる〔エム・ティムコ
ら(M、 Timko et al、) 、 Natu
re、 318巻、597頁、 1985年;エイチ・
コーレンら(H,Kauten et al ) 、 
HMBOJ、 、  5巻、1真、 1986年;ジェ
イ・シンプソンら(J、 Simpson et al
) 、 EMBOJ、 、  4巻、 2723頁、 
1985年;ジエイ・シンプソンら、 Nature、
 323頁、551頁;アール・ツルア−ら(R,Fl
uhr et al、) 、 5cience、 23
2巻。
1106頁、 1986年〕。
植物は、細菌、酵母、昆虫または哺乳類と同じように温
度の上昇に反応する。正常細胞のタンパ合成が停止する
か、または劇的に低下し、比較的小規模なタンパクの優
先的な転写および翻訳が続いて起こる。高温によって合
成が誘発されるこのようなタンパクは、熱ショックタン
パク(HSP )として知られている。HSPの大きさ
の分布は、真核細胞と類似しており、各種の類似タンパ
クと。
有意のアミノ酸相同性がある(S、 Linquist
、 Ann。
Rev 、 Biochem、+ 55巻、 1151
頁、 1986年において総括されている)。最も研究
された真核熱ショック系はショウジヨウバエである〔エ
ヌ・アシュバーナー(N、八5hburner)および
ジエイ・ボナー(J、Bonner ) 、 Ce1l
、 17巻、241頁、 1979年)。
大豆では、熱ショックによって、特徴的なHSPの合成
が誘発され、2種類に分類できる。低分子量のHSPは
、 15kDaから27KDaの分子量である;この低
分子+1sPは30〜50種類存在する。分子量が68
〜110kDaの範囲にある高分子量の大豆HSPは数
種類存在する〔ジエイ・ケイら(J、 Key et 
al) 。
Curr、 Top、 in Plant Bioch
em、 and Physiol、、第2巻、デイ−・
ランダルら(D、 Randall et at、)編
、ミズーリーコロンビア大学、コロンビア、ミズーリ;
ジエイ・ケイら、 Proc、 Nat、 Acad、
 Sci。
USA 、 79巻、 3526頁、 1981年〕。
HSPの正確な機能は分かっていないが、これら遺伝子
の優先的な誘発は、大豆苗木の耐熱性獲得と関連がある
〔シー・ワイ・リンら(C,Y、 Lin et al
 ) 、 PlantPhysiol、 74巻、15
2頁、 1984年〕。
他の多くの生物と同様に植物においても、他の環境スト
レス(例えば、浸透圧ストレス、創傷。
重金属へさらすこと、ならびに呼吸阻害物質、アミノ酸
類似体および成長調節の2.4−ジクロロフェノキシ酢
酸(2,4−D)またはアブシジン酸による処理によっ
て1種々の程度に誘発されるHSPが存在する〔イー・
ツァルネッ力ら(E、 Czarneckaet al
、) 、 Plant Mo1.Biol、、 3巻、
45頁、 1984年ニジエイ・ヘイキラら(J、 H
e1kkila et al、) 、 PlantPh
ysol、 76巻、270頁、 1984年)。これ
らの環境ストレスに応答してHSPを誘発させる共通の
シグナルは、異常なもしくは損傷を受けた細胞タンパク
であると仮定されてきた〔ジェイ・アナンサンら(J、
八nanthan et al、) 、 5cienc
e 、 232巻。
522頁、 1986年)。各大豆熱ショック遺伝子の
発現は、環境ストレスによってのみ誘発されるわけでは
ない。それ故、熱ショック遺伝子の発現を誘発するスト
レス全てに対する応答を制御する単一の誘導機構はない
(イー・ツァルネッカら、 1984年)。さらに、い
くつかの熱ショックタンパク質は、検出可能なレベルの
構成的発現を示し、他の系(例えば、ショウジヨウバエ
)では、いくつかの熱ショック遺伝子は9発育中の特定
時期に活性化される。植物の熱ショック遺伝子の調節領
域が。
誘導性エンハンサ−の特性を持っているか否かはまだ知
られていない。熱ショックmRNAの非翻訳のリーダー
領域も、熱ショック遺伝子産物の合成の相対的効率に影
響する調節情報を持っている〔エム・スコツ) (M、
 5cott)およびエム・パーデュ(M、 Pard
ue ) 、 Proc、 Natl、 Acad、S
ci、 USA。
78巻、 3353頁、 1981年;アール・ストル
ティら(R,5torti et al、) 、 Ce
1l、 22巻、825頁 198゜年〕。
他の環境ストレスは、他の遺伝子の組を誘導する。例え
ば、植物の嫌気生活は、いくつかの主要なタンパクの合
成を誘発する〔アール・オキモトら(R,Okimot
o at al、 ) 、 Planta、 150巻
、89頁、 1980年〕。いくつかのこれらタンパク
の機能が確立されている。すなわち、これらの酵素は。
酸素が存在しないことに順応するのに必要なエネルギー
代謝の変化に関係しているのである〔エム・フリーリン
グら(M、 Freeling et al ) 、 
Ann。
Rev、 Genet、 、 19巻、297頁〕。ア
ンチリナム・マジュス(Antirrhinum  シ
山胆)を紫外線に曝らすと、カルコンシンターゼの合成
が誘発される。
この酵素は保護色素の合成において重要な工程を触媒す
る〔エイチ・コーレンら(H,Xqulen etal
、) 、 EMBO,J、、  5巻、■頁〕。真核細
胞中のメタロチオネインの誘発は、環境中で重金属イオ
ンに曝らすことに対する通常の応答である。メタロチオ
ネインは、システィンを多く含有する金属結合タンパク
であり、それ故2重金属中毒に対しである種の保護を行
うと考えられている〔デイ・ハマー(D、 Hamer
) 、 Ann、 Rev、 Biochem、、 5
5巻。
913頁、 1986年において総説されている〕。
植物遺伝子の5”側頭域に位置する配列がいくつかある
が、これらの配列は植物の調節要素として提示されてき
・た。すなわち、これらの要素は1組織の特異性を制御
し、光や嫌気生活のような環境条件に応答すると考えら
れている。例えば、リブロースビスリン酸カルボキシラ
ーゼのサブユニットとクロロフィル結合タンパク遺伝子
との5゛側非転写領域由来のDNA断片は、これらの遺
伝子に光調節を付与する配列情報を有し、エンハンサ−
様要素のいくつかの性質を示すと報告されている〔アー
ル・フルールら(R,Fluhr et al、 ) 
、 5cience。
232巻、 1106頁、 1986年;ジエイ・シン
プソンら(J、 Simpson et al、 ) 
、 EMBOJ、 、 4巻、 2723頁、 198
5年;ジェイ・シンプソンら、 Na ture、 3
23巻、551頁、 1986年;エム・ティムコら、
 Nature。
318巻、579頁、 1985年〕。植物DNAの調
節配列が、異種の植物発現遺伝子上にあるトウモロコシ
のアルコール脱水素酵素遺伝子に嫌気的な誘導性を与え
ることが確認された〔ジエイ・ウォーカーら(J、 W
alker et al、) 、 Proc、 Nat
l、 Acad、 Sci。
tlsA 、 84巻、 6624〜6628頁、 1
987年〕。
調節金属応答要素(MRE )は、メタロチオネイン(
すなわち1重金属イオンと強固に結合し9重金属イオン
に曝されるとその合成が誘発されるタンパクをコードす
る哺乳類の遺伝子の5゛側領域内で同定された。異種遺
伝子の5′側に位置するMREの多重コピーが、これら
の遺伝子に金属調節性を与える。さらに、 MREは、
異種遺伝子の5″側または3′側のいずれかに位置して
いる場合に、転写を誘発するエンハンサ−として作用す
る。哺乳類のMREの共通配列は、 5’ −CPyT
TTGCPuPyPtCG−3’ テあり、 PuはA
もしくはGであり、PyはCもしくはTである〔ジー・
スチュアートら(G、 5tuart etal、) 
、  Proc、 Nat、 Acad、 Sci、l
l5A 、 81巻、7318頁、 1984年〕。植
物内で重金属イオンに応答して調節する特異的DNA配
列に関する報告はないようである。
高温度のストレスに応答して熱ショック遺伝子を直接誘
導する。熱ショック要素()ISE )と呼ばれる配列
モチーフは、細歯、酵母、昆虫、ヒトおよび植物につい
て研究されてきた。ショウジヨウバエでは、このモチー
フに対する共通配列は、5゛−CTxGAAxxTTC
xAG−’3’であり、XはA、T、CもしくはGであ
る〔エイチ・ベルハム(Il、 Pelham) 。
Ce1l、 30巻、517頁、 1982年〕。ショ
ウジヨウバエのHSEは、熱ストレスが印加されている
間に。
下流の熱ショック遺伝子の発現を活性化するのに必要な
タンパク因子と結合する〔シー・バーカー(C,Par
ker )およびジエイ・トボル(J、 Topol)
 。
Ce1l、 37巻、273真、 1984年〕。一般
に、 HSEが機能するには、共通配列に対して10個
のうち8個が一致することが必要であるが9反復してれ
ばさらに一致していなくても活性であることが分かった
〔ニー・アイムら(A、八yme et al、) 、
 J、 Mol。
Biol、 、 182巻、469頁、 1985年;
エム・ビエンッ(M Bienz ) 、 Trend
s Biochem、 Sci、、 10巻。
157頁、 1985年;エイチ・ベルizL、 EM
BOJ、 。
1巻1473頁、 1982年〕。ショウジヨウバエの
IfSBもエンハンサ−要素の性質をいくつか示す(エ
ム・ビエンツおよびエイチ・ベルハム、 Ce1l、 
454J。
753頁、 1986年)。
異種系内の熱ショク遺伝子の発現については。
いくつもの報告がある。エイチ・ベルハム(H。
Pelham)ら(1982年)は、 SV40形質転
換す7LzCO5細胞内のショウジヨウバエhmυが熱
によって誘導され、転写されると記載した。同様な観察
をエム・ミロールトら(M、Mirault et a
l、 EMBOJ、 1巻。
1279真、 1982年))が行い1.転写が熱ショ
ックまたは亜ヒ酸塩処理によって誘発されたと報告して
いる。ショウジヨウバエの熱ショック遺伝子の熱で調節
される転写は、アフリカッメガエル(Xenopus 
)の卵母細胞についても報告されている〔エイチ・ペル
ハムおよびエム・ビエンツ、 EMBOJ、、1巻、 
1473真、 1982年;アール・ボールミイ(R,
Voellmy)およびデイ・ランジー? −(D、 
Runnger) 、 Proc、 Nat、 Aca
d、 Sci、 、 79巻1776頁。
1982年〕。線虫のシーノルハブデイテイス・エレガ
ンス(Caenorrhabditis  ml」lu
)の異なって転写される勧立匝遺伝子対が、マウスの繊
維芽細胞系に形質転換されたが、転写は、熱ショックま
たは亜ヒ酸塩処理による刺激に依存していた(アール・
ケイら、 Mo1. Ce11. Biol、、  6
巻、 3134頁。
1986年)。そΦ研究結果は、 HSEの数がプロモ
ーター強度の決定要素であるということを示唆している
。相違するTATA要素間のあるHSEは、野生型レベ
ルの約10%で転写を調節したが、該TATA間の4つ
の重複H5Hは、野生型レベルより高い転写レベルを与
えた。しかし、 HSEの配列と間隔がプロモーター活
性にどのように影響するのかまだ明確に分かっていない
熱ショック遺伝子の異種発現も、植物について報告され
ている。17.3kDaO熱ショックタンパクをコード
すると考えられる大豆遺伝子(hs6871)の発現が
、 T−DNA介在性形質転換後のヒマワリ胚軸腫瘍組
織で研究された〔エフ・スコツフル(F。
5choffl)およびジー・バウマン(G、 Bau
mann) 。
EMBOJ、  4巻、 1119頁、 1985年〕
。5゛側の約1kbのDNA配列は、熱で誘導される遺
伝子の発現を調節するのに十分な情報を有していた。ダ
ブリュ・ガーレイら(W、 Gurley et al
、)も、 Mo1.Ce1l。
Biol、 、  6巻、559頁、 1986年に報
じているが。
形質転換されたヒマワリ組織内で、大豆の熱ショック遺
伝子が転写を調節のを観察している。転写は、熱ショッ
クのみならず亜ヒ酸塩処理およびカドミウム処理によっ
ても誘発された。デイ・ロチニスターら(D、 Roc
hester et at、 )は、形質転換されたペ
チュニアの葉内でのハイブリッドトウモロコシIf別遺
伝子の発現を研究した(EMBOJ、 。
5巻、451頁、 1986年)。熱ショックによる発
現の誘導が、異種の植物宿主で保持されたので、その転
写は、 1,1 kbの5°側DNA配列内に包含され
る熱ショック応答配列要素によって誘発されると推定さ
れた。
熱ショック遺伝子由来のプロモーターおよび関連のDN
A配列が異種遺伝子の調節された転写を誘導する組み換
え体DNA分子が構築された。エム・ビエンッおよびエ
イチ・ベルハムは、アフリカッメガエルhsp70  
(hμυu勧fυ遺伝子由来の上流の配列が、#乳類細
胞系内のグロビン・レポーター遺伝子の発現を制御する
ことを証明した。ショウジヨウバエの熱シラツクプロモ
ーターが、同様に哺乳類系のレポーター遺伝子の発現を
制御するのに用いられた〔エイ・アイムら1985年;
デイ・ボージーら(D、 Pauli et al) 
、 EMBOJ、  5巻。
755頁、 1986年〕。エイ・スベナら(A、 5
pena etal)は、シラウジヨウバエ熱ショック
調節配列が植物組繊中で正確に機能するということを報
告した(EMBOJ、 、  4巻、 2739頁、 
1985年)。植物内の熱ショック遺伝子の調節作用は
、他の生物内でのこれら遺伝子の調節作用と類似してい
るようである。デイ・ロチニスター(D、Roches
ter)ら(1986)は、転写領域の開始部位の5゛
側のlkbの部分が、熱ショックに依存性の転写を正し
く制御するのに充分なものであると推定した(1986
年)。
エイ・スペナ(A、5pena)らの1985年の報告
では。
258bpのショウジヨウバエのプロモーター配列が。
形質転換されたタバコ組織内では転写を調節するのに充
分であったが、その配列より長いかまたは短いプロモー
ターフラグメントの影響を決定する試みは全く報告され
ていない。ダブリュ・ガーリイ(W、 Gurley)
ら(1986年)は、大豆のGmhs 17.5−E遺
伝子の5゛末端にある。ショウジヨウバエll5E共通
配列と部分的に相同性を有する配列要素を報告した。形
質転換されたひまわりの腫瘍組織における発現の研究に
より、−95位とキャップ部位との間のDNA配列の情
報は熱誘発性転写を命令するのに充分であるが、−95
位と一1175位間の配列は転写の誘発レベルと基底レ
ベルをともに著しく増大させるということが明らかとな
った。
(以下余白) (発明の要旨) 本発明の研究は、植物内で機能する1つのDNA配列で
ある。普遍的ストレス誘導性調節要素の単離と特徴づけ
とについて述べる。この要素は9次のものを包含する広
範囲の環境ストレスの適用に応答して、下流の構造遺伝
子の発現を調節する:環境ストレスとしては、熱ショッ
ク、重金属イオンへ曝らすこと2部分的な嫌気生活、浸
透圧ストレス、塩ストレス、およびある種の呼吸阻害物
質。
酸類または植物成長調節物による処理が包含される。こ
の調節要素は、他に知られている植物の熱ショック調節
配列が示すよりも、より多くの環境ストレスに対する誘
導的応答を示す点が特徴である。
このような植物調節要素の特定例は、大豆のむ石江皿」
遺伝子の5゛側上流領域に見られ、その配列を第2図に
示す。この遺伝子の5゛側領域のヌクレオチド配列の分
析によれば、ストレスによって誘導された発現を正しく
調節し、構造遺伝子の転写と翻訳とを開始するのに必要
な配列情報が主な転写の開始部位から数えて5゛側に約
−720位まで延びる領域内に入っていることを示して
いる。下流の遺伝子の発現レベルに寄与する他の配列は
、 −720から約−1190の上流領域と、この遺伝
子の5゛側非翻訳部分を含む領域(約+1から約+72
まで)とに見られる。釦■と並」遺伝子の普遍的ストレ
ス誘導性調節要素には、3つの重複プロモーター領域が
含まれており、 TATAボックス相同性が存在するこ
とによって示されている。この遺伝子の非転写領域は、
コンセンサス熱ショック要素に対し。
各々50%もしくはそれ以上の相同性を有する配列をも
っている。これらの植物熱ショック要素は。
約−35から約−720まで延びる領域内に存在する。
公知の金属調節応答要素に相同を有する配列もこのDN
A領域に見られる。このような配列は、調節因子がDN
Aに結合する部位を与えることができる。
上記の植物熱ショック配列の1つあるいはそれ以上が、
ストレス反応で機能すると考えられる。この遺伝子の5
′側非翻訳領域のコンセンサス熱ショック要素に約70
%の相同性を有する別の配列が。
約−45位にある。翻訳開始コドン(^TG)まで延び
る5′側非翻訳領域内の配列は、遺伝子発現の効率に寄
与し得る。
本発明の第1の目的は、当業者が1種々のストレス条件
に応答して植物内の構造遺伝子が発現するのを選択的に
促進させることができるようにすることである。この目
的は、植物の普遍的ストレス誘導性調節要素と呼ばれる
DNA配列を利用することによって達成される。この配
列は、非常に広範囲の環境ストレスの条件によって誘導
される。
普遍的ストレス誘導性調節要素には、プロモーター配列
と、プロモーター関連調節配列とが含まれ。
遺伝子発現の調節に・作用をする。普遍的ストレス誘導
性調節要素を構成するDNA配列には、コンセンサス熱
ショック要素に50%もしくはそれを越える相同性を有
する1つあるいはそれ以上の配列モチーフが含まれてい
る。このような配列モチーフは植物の熱シボツク要素に
相当する。
特別な実施態様として、動態り筐」遺伝子の。
普遍的ストレス誘導性調節要素が提供される。
動画り並」遺伝子の約−720から−21まで延びるD
NA配列(第2図に示す)は、植物の普遍的ストレス誘
導性調節要素として作用する。−720から〜21まで
のこのDNA配列には、3つの重複プロモーターが含ま
れているが、このことは、この遺伝子の非転写領域に、
 TATAボックス相同性が存在することと、植物熱シ
ョック要素のすべてが見出されることによって明らかで
ある。植物の普遍的ストレス誘導性調節要素として機能
する釦画り刈」遺伝子のDNAフラグメントは、この遺
伝子の、約−720から約+1(主要な転写開始部位)
まで延びるフラグメント、約−720から約+72(翻
訳開始部位)までのフラグメント約−1190から約−
21までのフラグメント、約−1190から約+1まで
のフラグメント、および約−1190がら約+72まで
のフラグメントを含んでいる。−1190がら+72ま
でのフラグメントを含んでいる。−1190から+72
まで延びる配列を使用することが好ましい。その理由は
、有効なストレスで誘導される発現に寄与し得るすべて
の補助的な配列がそこに含まれてぃるからである。釦■
L皿」フラグメントに少なくとも約90%の相同性を有
し、普遍的ストレス誘導性調節要素として機能するDN
Aフラグメントは。
機能上は動画り邪」フラグメントと同等とみなされる。
本発明は、植物の普遍的ストレス誘導性調節要素と、植
物発現構造遺伝子とを有する組換えDNA分子を提供す
るものであり、該構造遺伝子が、調節要素の3°側で調
節要素の調節制御下に位置するので、ストレス条件が印
加されることにより、構造遺伝子の発現レベルが増大す
る。具体的に述べれば、蝕屓り胆」遺伝子の、普遍的ス
トレス誘導性調節要素を有す4 DNA分子が提供され
る。本発明のDNA分子は、植物の熱ショック遺伝子の
構造遺伝子ではない構造遺伝子を有するのが好ましい。
本発明のDNA分子は、広範囲の環境ストレスの印加に
応答して、植物細胞中の所望の植物発現構造遺伝子の高
レベルの発現を選択的に誘導する方法に有用である。本
発明の方法は、植物の普遍的ストレス誘導性調節要素と
、このストレス誘導性調節要素の調節制御下に位置する
所望の植物発現構造遺伝子とを有する組換えDNA分子
を植物細胞に導入することを包含する方法である。形質
転換された植物細胞に、続いてストレス条件を印加する
と、所望の構造遺伝子の発現がストレスにより誘導され
る。本発明の方法は、双子葉植物と単子葉植物との両方
において遺伝子を選択的に発現するのに、一般に利用す
ることができるので、植物内で発現可能ないずれの構造
遺伝子の発現にも一般に利用できる。この方法は、植物
の熱ショック構造遺伝子ではない構造遺伝子を発現させ
るのに特に有用である。
ここに記載のDNA分子は、植物組織に導入することが
可能であり、導入の結果、ストレス誘導性調節要素/構
造遺伝子の組合せの発現を、植物組織へのストレス条件
の印加により2選択的に増大させることができるDNA
分子である。外因性もしくは外来のDNAによる植物細
胞および植物組織の形質転換は、当該技術分野で公知の
いずれの方法でも達成することができる。具体例を挙げ
れば。
これはT−DNAが介在する形質転換によって達成でき
た。
本発明の他の目的は、ここに記載され、かつここに記載
の方法で調節された組換えDNA分子およびストレス誘
導性キメラ遺伝子を有する植物、植物細胞および植物組
織である。
(以下余白) (発明の構成) 本願における用語の定義を以下に行なうが、明細書と請
求の範囲で用語を用いる際の目的と範囲に対するあいま
いな表現を除くことを目的とする。
ここに記載するGmhsp26−A遺伝子は、大豆の熱
ショック遺伝子である。それは第2図に示す遺伝子配列
によって同定され、約26kOaのタンパクをコードす
ることを示している。にmhsp26−Aは、検出可能
なレベルの構成的発現を行い、植物組織が次のような種
々の環境ストレス条件に曝されると、より高い発現レベ
ルまで誘導される。環境ストレスとしては、高温(熱シ
ョック)、浸透圧ストレス、塩ストレス、重金属イオン
、部分的な嫌気生活、ある種の呼吸阻害物質、アミノ酸
類似物、アブシジン酸もしくは2.4−ジフェノキシ酢
酸のような植物成長調節物質が非生理学的に高濃度存在
すること、および創傷が含まれるが、これらに限定され
ない。
この遺伝子は、このような種々の環境の刺激に応答して
誘導されることによって、植物の他の公知の熱ショック
遺伝子とは区別される。
「植物の普遍的ストレス誘導性調節要素」という用語は
、ここでは、機能的DNA配列を意味し、植物発現構造
遺伝子の上流に位置すると、その構造遺伝子のストレス
誘導性発現を命令することができる。植物の普遍的スト
レス誘導性調節要素の調節制御下にあって構造遺伝子を
誘導する環境ストレスとしては、高温(熱ショック)、
浸透圧ストレス、塩ストレス、重金属イオン、部分的な
嫌気生活、ある種の呼吸阻害物、アミノ酸類似物、アブ
シジン酸もしくは2.4−ジフェノキシ酢酸のような植
物成長調節物質が非生理学的に高濃度存在すること、お
よび創傷がふくまれるが、これらに限定されない。スト
レス誘導性調節要素によって遺伝子発現を誘導する広範
囲の環境ストレスによって、この調節要素は、公知の植
物熱ショック遺伝子に関連する他の調節要素と区別され
る。植物の普遍的ストレス誘導調節要素は、転写開始部
位に関連するプロモーター機能と、ストレスに対する誘
導応答に関連する調節機能とを持っている。
この調節要素の普遍的ストレスに対する応答は、長さが
約20個までのヌクレオチドの大きさの、複数の、不連
続の比較的短い調節配列が存在していることに関連があ
る。これらの不連続の調節配列は、例えば、調節タンパ
クの結合部位として作用することにより、ストレスの印
加に応答して遺伝子発現を誘導する機能をもっている。
このような調節配列は、単一ストレス刺激または多重ス
トレス刺激のいずれにも応答することができる。単一の
個別の調節配列が誘導応答に必要な場合もあれば、2個
または以上のこれらの配列の協働作用が誘導応答に必要
な場合もある。植物熱ショック要素の相同物は、植物の
普遍的ストレス誘導性調節要素がストレス誘導を調節す
る際に機能する。本発明の、植物の普遍的なストレス誘
導性調節要素の例として、大豆のGmhsp26−A遺
伝子のストレス誘導性調節要素が挙げられる。
Gmhsp26−A遺伝子の5゛側領域は、第2図に示
すように、約−1190のヌクレオチドから約+72の
ヌクレオチドまで(すなわち、翻訳開始部位まで)延び
ている。この領域の中には、熱ショックまたは重金属イ
オンのようなストレスに応答して遺伝子発現を誘導する
働きをもつプロモーター関連配列と、転写開始を命令す
るプロモーター配列とが含まれている。約−21(主要
転写開始のTATAボックスが所在する位置)から約−
720までの5′側に延びる領域は、下流の遺伝子のス
トレス誘導調節を行なうのに充分なものである。約−1
190から−720の間の領域と、5°側の非翻訳領域
(約+1から約+72まで)との配列は、発現の効率に
寄与する。Gmhsp26−A遺伝子の5°側の領域に
は、第2図に示すように、コンセンサス熱ショック要素
に少なくとも50%の相同性を有する10個の配列があ
り、3個のTATA相同配列が約−720と約−21と
のヌクレオチド間に認められる。第11番目の熱ショッ
ク要素相同配列が、+45付近のmRNAの非翻訳リー
ダー領域、すなわちキャップ部位約と約+72位の翻訳
開始部位との間に認められる。1個またはそれ以上のこ
れら熱ショック相同要素は、ストレスの印加に応答して
作用する。3個のサブプロモーターが、Gmhsp26
−A遺伝子の5°側領域で同定された。これらのサブプ
ロモーターは、ストレス刺激に対して幾分具なる応答を
示す。Gmhsp26−Aの普遍的ストレス誘導性調節
要素は、ストレス刺激に応答して発現を誘導する機能が
ある熱ショック要素相同物に加えて、不連続の調節配列
をもっている。調節要素配列中のこのような機能的ヌク
レオチドの位置は、遺伝子発現に対する調節領域の変異
誘導体(すなわち、5゛側の欠失変異体、内部欠失変異
体および部位特異的変異体)の機能を通常の方法を用い
て測定することができる(実施例7を参照されたい)。
このような方法は、調節領域の分析にうまく利用されて
いる〔例えば、ブルースおよびガーリイ(Bruce 
and Gurley)の、Proc、 Natl、A
cad、 Sci、USA  へ1988年に提出した
論文、および1987年12月18日出願の米国特許出
願第135.147号〕。
「発現」という用語は、タンパクが生産されるように構
造遺伝子が転写・翻訳されることを意味する。遺伝子発
現は、例えば、タンパク産物の直接検出法、タンパクの
電気泳動分析法または免疫学的方法によって評価するこ
とができる。あるいは、発現は、転写によるmRNA産
物の検出によって評価することもできる(例えば、ノー
ザン・ハイブリダイゼーション法)。この方法は転写調
節配列の試験には特に適切なものであるが、その理由は
、タンパク分解のような転写後のプロセスの影響が排除
されるからである。
「プロモーター」という用語は、転写の開始を命令する
、構造遺伝子の5゛末端に位置するDNA配列を意味す
る。プロモーター配列は、下流の構造遺伝子の発現を開
始させるのに必要であるが、必ずしも充分なものではな
い。プロモーター自体は、天然もしくは合成の2種以上
の起源由来のセグメントの複合体である。真核プロモー
ターは、通常、mRNAの5“末端(キャップ部位+1
)に対し約10〜30bp 5 ’ 側にある、標準形
5’ −TATAAT−3’(TATAボックス)と相
同性を有するDNA配列要素の存在で認識される。TA
TAボックスのもう一つのプロモーター成分の配列に対
して約30bp 5°側の配列が、いつもではないがし
ばしば見出されるが、これは標準形の5′−CCAAT
−3°に相同性を有するDNA配列の存在によって認識
される。ここでは、プロモーターは、転写開始部位の約
100bp 5“側に延びていると考えられる。Gmh
sp26−A遺伝子の場合、3つの重複プロモーターが
存在する。約−100位よりさらに上流に位置するプロ
モーター関連配列は、調節制御に寄与するか、もしくは
その調節制御を行い、遺伝子発現の相対的なレベルを決
定できる。また、−100位と翻訳開始部位との間の領
域における転写レベルもしくは翻訳レベルのいずれかに
、遺伝子調節に寄与する配列要素が存在する。
「構造遺伝子」という用言吾は、タンパク、ポリペプチ
ドまたはその一部分をコードするDNAセグメントを有
する遺伝子の一部分を意味し、おそらくリポソーム結合
部位および/または翻訳開始コドンを含むが、転写を開
始させる5°配列の少なくとも一つの要素を欠いている
ことを意味する。
また、この用語は、細胞内に天然に見出されたものであ
るが、人工的に導入された構造遺伝子のコピーを意味す
る。構造遺伝子は、該遺伝子が導入された植物細胞に通
常は見られないタンパクをコードし得るが、この場合、
この構造遺伝子は外来構造遺伝子と呼ばれる。外来構造
遺伝子は、細菌のゲノムもしくはエピソーム真核生物の
核DNAもしくはプラスミドDNA、 cDNA 、ウ
ィルスDNAまたは化学的に合成されたDNAから全体
もしくは、部分が誘導される。さらに、構造遺伝子は、
発現産物の生物学的活性もしくは化学構造、発現速度も
しくは発現制御の方法に影響すると考えられるコードセ
グメントもしくは非翻訳領域のいずれかに1つまたはそ
れ以上の改変があってもよい。このような改変には、挿
入、欠失、および1つまたはそれ以上のヌクレオチドの
置換が含まれるが、これらに限定されない。構造遺伝子
は、中断されていないコード配列を構成していてもよく
、または植物内で機能する適切なスプライス・接合部で
結合された1つまたはそれ以上のイントロンを含んでい
てもよい。構造遺伝子は、天然もしくは合成の1種また
はそれ以上の起源由来のセグメントの複合体であっても
よい。その構造遺伝子は、融合タンパクも生成できる。
本願では、構造遺伝子は、翻訳終結コドンから下流のポ
リアデニル化シグナルを含むと考えられる。そのポリア
デニル化シグナルによって、通常、ポリアデニル酸部分
が前駆体mRNAの3゛末端に付加される。標準的なポ
リアデニル化シグナルは、転写部分の開裂を起こし、ポ
リアデニル化反応自体を起こさせるものではないといこ
とも知られている〔シー・モンテルら(C,Monte
ll et al)、 Nature、305巻、60
0頁、1983年〕。植物組織に、普遍的ストレス誘導
性プロモーター/構造遺伝子の複合体(発現複合体)を
含む組換えDNA分子を導入することは、構造遺伝子お
よび調節要素が同じ起源由来のものでない構成と、天然
に存在する遺伝子の付加コピーが、ストレス誘導性Gm
hsp26−Aプロモーターの調節制御下で転写される
構成が含まれると考えられる。必要な機能要素を組み合
わせて、植物組織で発現させる方法は、当該技術分野で
は知られている。
「調節制御」という用語は、転写開始部位の上流の配列
要素による遺伝子発現の変調を意味する。
調節によって、転写がスイッチオンもしくはスイッチオ
フされ、または遺伝子発現のレベルが変化する。構造遺
伝子を配列要素の調節制御下に置くということは、業者
には理解されているように、構造遺伝子をこのような配
列要素の充分近くであって、構造遺伝子が、スイッチオ
ンもしくはスイッチオフされ、その発現レベルがかなり
変化するような上記配列要素に対する位置に置くことを
意味する。また、翻訳レベルで遺伝子発現の調節に寄与
するmRNAの非翻訳リーダー領域内に、配列要素が存
在してもよい。
「化学的に合成されたJという用語は、DNAの配列に
ついては、成分ヌクレオチドが、非酵素手段を用いてイ
ンビトロで組立てられたことを意味する。DNAの手作
業による化学合成法は、充分確立された方法を用いて実
施することができる〔すなわち、エム・カルーザース(
M、 Caruthers)、“ズ7 ン(Weiss
man)編、Praeger Publishers 
にューヨーク)、第1章、1983年コし、あるいは自
動合成は、市販されている多数の機械の一つを用いて行
うことができる。
「植物組織」は、植物細胞で構成され、下記のような、
植物の分化した組織および未分化の組織を含んでいる。
これらの組織には、根、若枝、葉、花粉、種子、クラウ
ンゴールのような腫瘍組織、および胚やカルスのような
培養中の植物細胞の種々の形態の集合体が含まれるが、
これらに限定されない。植物組織は、植物状態で(in
 planta)、または器官培養、組織培養もしくは
細胞培養で培養できる。
ここで用いる「相同性Jという用語は、ヌクレオチド配
列が同一であることを意味する。DNA配列間の相同性
の程度は、DNAハイブリダイゼーション法で実験的に
決定することができる。その試験法は、例えばビー・ヘ
イムズ(B、 Hames)およびニス・ヒギンス(S
、旧ggins)の“Nucleic  Ac1dイギ
リス、1985年に記載されている。
グリシン・マックス(大豆)のGmhsp26−A遺伝
子は、熱ショック遺伝子であり、約26kDaのタンパ
クをコードすると考えられるのでこのように命名されて
いる。他の公知の植物熱ショック遺伝子と異なり、Gm
hsp26−Aの転写は、熱ショックに加えて広範囲の
環境ストレスによって誘導さる。Gmhsp26−A遺
伝子のヌクレオチド配列を第2図に示す。この遺伝子は
、約1190bpの5′側配列、72bpの転写された
リーダー領域、388bpのイントロンで中断される2
25コドンの読取り枠、および236bpの3゛側下流
の転写された配列で構成されている。この遺伝子産物の
機能は知られていない。
いくつかの大豆熱ショック遺伝子の誘導パターンが、イ
ー・ツアルネッ力ら(B、 Czamecka et 
al、)によって研究された(Plant Mo1.B
iol、、  3巻、45頁、1984年)。放射標識
したCDNAaを含有する組換えプラスミドを、ノーイ
ンハイブリダイゼーション法において、ポリアデニル化
された対照と、ストレスRNAと に対するプローブと
して用いた。
表1に、対照培養条件下および試験するストレス条件下
での発現の比較結果を示す。pcB54 (Gmhsp
26−A)の熱ショック遺伝子を、さらに研究するため
に選択した。その理由は、この遺伝子が、広範囲の環境
ストレスに応答してより高レベルの発現が誘導されるか
らである。また、この遺伝子の、検出可能な構成的発現
が存在することが見出された。
(以下余白) pcB54内の大豆挿入DNAに相同性を有する配列を
、通常のDNAハイブリダイゼーション法を用いて、ゲ
ノム組換えライブラリーから選択した。約6、2kbの
BglIIフラグメントを選択したが、その後Gmhs
p26−A遺伝子をもっていることが分かった。
この6.2kbのBglIIフラグメントの制限マツプ
を第1図に示す。Gmhsp26−A遺伝子のヌクレオ
チド配列が決定された。−1190位のヌクレオチドか
ら+ 1573位のヌクレオチドまで延びるその配列を
第2図に示す。ヌクレオチド配列分析によって全遺伝子
がクローン化されたことを確認した。このDNA配列は
、1190bpの5”側配列、1335bpの転写され
たDNAおよび転写物の3°末端の下流側にある約23
0bpを有している。転写された領域の読取り枠は、2
25コドンにわたって延びてふり、26.0kDaのタ
ンパクをコードすると考えられる。単一のイントロンが
コドン107と108との間のタンパクコード領域を分
割している。供与スプライス部位および受容スプライス
部分が、代表的な真核コンセンサスに適合している〔ア
ール・パジェットラ(RoPadgett et al
)、 Ann、 Rev、Biochem、 、55巻
、1119頁、1986年〕。
Gmhsp26−A遺伝子の転写の終点を、S1ヌクレ
アーゼ・マツピング法および逆転写酵素プライマー・エ
クステンション法によって研究した。第2図に示すよう
に、1つの主要転写開始部位および、2つの副転写開始
部位(one major and two m1no
rstart 5ites for transcri
ption)が見出された。
保護されたハイブリッドの型は、熱ショックおよび塩化
カドミウム処理によって誘導される多重5゛末端が存在
することを示した。これらの観察結果は、ブライマー・
エクステンション法によって確認された。これらの3つ
の開始部位は、約65bpの間隔をおいて配列され、T
ATAコンセンサス領域(第2図に示す)に順位の配列
から27〜30bp下流に位置している。主要の(すな
わち、最も頻度の高い)転写部位は、タンパク合成の際
の開始部位として働< ATGに対して最も近い5°側
で始まる部位であるが、この主要転写開始部位は、+1
で始まると定義し、TATAボックスと、これと関連す
る補助配列とはサブプロモーター1と称する。二つの他
のサブプロモーターと開始部位との番号は、サブプロモ
ーター1の開始部位に対する位置を示す。サブプロモー
ター2と関連のある、TATA相同配列と他の同定され
た配列とは、サブプロモーター1から次の上流の配列で
あり、+1から5゛側に最も離れているサブプロモータ
ーはサブプロモーター3と称する。ヌクレオチド配列を
、コンピュータを用いて調べたところ、 TATAボックスコンセンサンス配列に類似のATが豊
富な領域が、各転写開始部位から約27〜31bp上流
に存在することを示している。TATA様モチーフは、
サブプロモーター1(こ対しては5’−TATA八A八
へ−へ°、サブプロモーター2に対しは5°−TATA
TAGGTATAT−3゜サブプロモーター3に対して
は5’−AATTAATA−3’である。
5゛−非転写領域も、コンセンサス熱ショック要素(H
3E)配列5°−CTXGAAXXTTCXAG−3°
(XはA、T。
CもしくはG)に相同性を有する配列として分析された
〔エイチ・ベルハム(HlPelham)、 Ce1l
30巻、517頁、1982年〕。このコンセンサス配
列に部分的な相同性を有する配列のいくつかの重複した
コピーが、三つの推定上のTATAボックスの各々の上
流に見出された。コンセンサス配列に対する相同性の程
度は、5/10から7/10まで一致する範囲にある。
−720位と一21位との間のDNA配列のなかに、H
3Bコンセンサス配列に少なくとも50%の相同性を有
する10個の配列があり、また+1位と+72位との間
の、H5Bコンセンサスに対して70%の相同性を有す
る追加モチーフがある。これらのH3B様配列の位置は
、第2図に示しである。動物の系では、一般に一致が不
充分であると、熱ショック応答が不充分になるが、ll
5Bモチーフの繰り返しはコンセンサス配列との不一致
を補うというデータがある。
Gmhsp26−へ遺伝子の5゛側配を、動物で発見さ
れた金属調節要素(MRB)コンセンサス配列5゛−C
PyTTTGCPuPyPyCG−3’ (PuはAま
たはGSPyはCまたはT)に相同性を有する領域につ
いて分析した(ジー・スチュアートら、Proc、Na
t、 Acad、 Sci。
USA 、 81巻、7318頁、1984年)。限定
的な相同性を有するいくつかの領域が見出された。7/
12の一致はサブプロモーター1のH3B様配列に重複
しており、一方サブプロモーター2および3は各々、T
ATAモチーフと転写開始部位との間のMRBコンセン
サスに対し8/12の一致を有する。MRB様配列配列
植物遺伝子の重金属調節に機能する。これらの配列は、
調節因子がDNAに結合する部位を与えることができる
3つのサブプロモーターの各々の相対的な誘導性を、対
照の成長条件下と、熱ショック条件およびカドミウムス
トレス条件下とで試験した。表2のデータは、サブプロ
モーター3の使用量が最も少ないが、試験されたストレ
ス条件下では最も誘導性があることを示している。サブ
プロモーター2からの転写の頻度は中程度である。サブ
プロモーター1から始まる転写は最も頻度が高いが、熱
ストレスもしくは重金属ストレス下の7オールド・イン
ダクションは、サブプロモーター3より少ない。各サブ
プロモーターからの転写の相対的な誘導性は、ストレス
処理によって異なるが、各サブプロモーターが、特定の
組合せのストレス条件に対して特異性を示すことを示唆
している。Gmhsp26−A遺伝子に多重開始部位が
存在するということは、異なるストレス条件下で遺伝子
を誘導させる多重転写因子が存在することを示唆してる
表2 対照のストレス条件下および選択されたストレス条件下
の3つの主要開始部位の各々におけるGmhsp26−
A転写開始率 (以下余白) 植物の普遍的調節要素内のいずれのDNA配列の機能で
も、植物分子生物学の分野の熟練者によって試験するこ
とができる。本発明に利用もしくは開示されている配列
には小さな変動があるかもしれないということは理解さ
れる。しかし、長い配列内のいくつかのDNA配列が9
機能を決定するうえで、他の配列より重要であるという
ことは、当該技術分野ではよく知られていることである
。当該技術分野の熟練者は、以下のような変異試験法に
よって、配列に許容しうる変化を試験することができる
。これらの試験法には、デイ・ジョートルら(D、5h
ortle et al) 、 Ann、Rev Ge
net、、  15巻、265頁、 198.1年;エ
ム・スミス(M、 Sm1th) 。
同上跡、19巻、423頁、 1985年;デイ・ポッ
トスタイン(D、 Botstein )およびデイ・
ジョートル。
5cience、 229巻、  1193頁、  1
985年;ニス・マクナイト (S、 McKnigh
t ) ′J6よびアール・キンゲスバリー(R,Ki
ngsbury) 、 5cience、217巻、3
16頁。
1982年;アール・マイヤースら(R,Myers 
et al) 。
5cience、 232巻、316頁、 1986年
に記載されている方法があり、特に限定はされない。ま
た異なる長さの欠失部を生成させたり分析する方法も知
られている(例えば、ティ・マニアティスら、 “Mo
lecularCloning  、  (Cold 
Spring Harbor Laboratory。
Co1d Spring Harbor、 =ニーヨー
ク)。これらおよび他の変化は、標準の方法で測定でき
るので。
当該技術分野の通常の熟練者は、調節要素と構造遺伝子
の機能単位を操作し利用することができる(実施例7参
照)。
植物内で機能するストレス誘導性プロモーターが行う転
写制御下で、構造遺伝子を発現する遺伝子的に改変した
植物組織の生成は1本願に開示した特別の教示事項と、
当該技術分野で公知の種々の技術が組合わされている。
はとんどの例で、すべての方法の各工程に、好都合な方
法が存在する。方法の選択は1発現複合体を導入し安定
に保持させ漕ベクター系の選択、改質すべき植物種と所
望の再生方法、および使用する特定の構造遺伝子のよう
に変化するものに依存している。通常の熟練者ならば、
適切な代わりの工程を選択・使用して所望の結果を得る
ことができる。例えば1本発明の植物調節要素を得るた
めの最高の出発点は。
本願で例示したグリシン・マックス・Var、コーゾイ
 (Corsoy)のGmhsp26−Aであるが、植
物の普遍的ストレス誘導性調節要素を有するDNAを操
作する手順に適切な改変が行われる限り、また代わりの
配列によって与えられる調節が同等であることが知られ
ているならば、他の植物のストレス遺伝子もしくは他の
異なる起源の相同DNA配列を代わりに用いてもよい。
同様に、 Gmhal126−Aの構造遺伝子は、さら
に適切に手順の改変を行って、いずれかの植物発現性構
造遺伝子と置き換えられる。
構造遺伝子または他の配列の相同体は、それらの核酸が
、当該技術分野でよく知られている適切な厳密性を有す
る条件下で、交差ハイブリッド形成する性質によって同
定することができる。
本発明の主要な特徴は、転写発現が、大豆のGmhsp
26−A遺伝子の調節要素のような普遍的ストレス誘導
性調節要素で制御される。植物誘導性遺伝子を有する組
換えDNA分子である。この発現複合体は、普遍的スト
レス誘導性調節要素のプロモーターおよびプロモーター
関連配列、および植物内で発現可能な構造遺伝子で構成
されている。このプロモーター配列と構造遺伝子は、プ
ロモーターの配列が、構造遺伝子の転写を活性化できる
ように。
互いに、正しく位置し配向していなければならない。構
造遺伝子は、ストレス誘導性調節要素によって制御する
ために、その遺伝子の5°末端が調節要素の3°末端に
隣接するように、調節要素の3゛側に挿入しなければな
らない。ポリアデニル化シグナルは、コード配列の3゛
末端の下流に正しい配向で配置していなければならない
。もうひとつの考慮すべきことは1発現複合体の機能的
要素間の距離である。これらの距離については、かなり
の変化があるようなので、その距離に必要な条件は1機
能性という用語で最もよく示される。
まず第一に1機能要素間の距離は、その要素の起源の遺
伝子の場合と類似している場合に、妥当な操作性が得ら
れる。プロモーター配列と、構造遺伝子の5′末端との
間の距離、または調節制御するのに妥当な上流のプロモ
ーター関連の配列要素と、構造中の他の成分との間の距
離は変えることが可能で、このようにして、下流の構造
遺伝子の発現レベルを変化させることができる。融合タ
ンパクを産生ずる構造の場合に付は加えるべき必要条件
は、二つの遺伝子またはそれらのフラグメントの連結が
、その二つのコードする配列が同じ読取り枠内にあるよ
うな連結でなければならないということであり、この必
要条件は、当該技術分野ではよく知られている。この必
要条件の例外は。
イントロンが、ある遺伝子由来のコードする配列を、他
の遺伝子由来のコードする配列から隔離している場合で
ある。この場合、コードする配列は。
適合性のスプライス部位によって制限されていなければ
ならず、またイントロンスプライス部位は。
転写後の工程によってイントロンが除去された後。
両遺伝子の正しい読取り枠が、融合体内に確立されるよ
うに1位置していなければならない。植物内での遺伝子
の発現させる方法は、当該技術分野では広く知られてお
り、熟練技術者であればすべての必要条件を確実に満た
すであろう。
ストレス誘導性プロモーターの制御下にある所望の構造
遺伝子をもっている組換えDNA分子1例えば大豆のG
mhsp26−A遺伝子由来の分子は、当業者に知られ
ているいずれかの手段で植物組織に導入することができ
る。所定の植物種もしくは特定のタイプの植物組織に使
用する技術は、公知の成功した技術に依存している。異
質の遺伝子を植物細胞に安定に挿入する方法や、改質さ
れた細胞を操作する方法の新規な方法が開発されている
が。
熟練者は、公知の手段から選択して所望の結果を得るこ
とができるであろう。組換えDNAを植物組織に導入す
る手段には、特に限定はないが、形質転換法〔ジエイ・
バツコブスキイラ(J、 Paszkowski et
 al) 、 EMBOJ、、 3巻、 271?頁、
  1984年〕 ;エレクトロポレーション法(el
ectroporation)  Cエム・フロムら(
M、 From et al) 、 Proc、 Na
tl。
Acad、 Sci、 [ISA、 82巻、 582
4頁、  1985年〕 ;マイクロインジェクション
法〔エイ・クロスウェイら(A、 Crossway 
et al) Mol、 Gen、Genet1202
巻。
179頁、 1986年〕 ;またはアグロバクテリウ
ム・ツメファシェンス(Agrobacterium 
tumefaciens)から植物細胞へ、 T−DN
Aを介して転移させる方法がある。アグロバクテリウム
属の天然の宿主に対するT−DNAの形質転換に基本的
な限定はないようである。T−DNAを介する形質転換
の成功例としては、単子葉植物〔シイ・フーイカースー
バン・スログテルンら(G、Hooykaas−Van
 Slogteren et al) 。
Nature、 311巻、763頁、 1984年〕
、裸子植物〔エイ・ダンプカーら(A、  Dande
kar et al) 、  Biotechnol、
5巻、587頁、 1984年〕右よび藻類〔アール・
オージッヒ(R,Au5ich) 、欧州特許願第10
8.580号〕の例が報告されている。代表的なT−D
NAベクター系は、以下の文献に記載されている。すな
わちジー・アンら(G、An et al ) 、 B
MB[] J、、  4巻。
277 L 1985年;エル・ヘレラーエストレララ
(し、  Herrera−Bstrella  et
  al  )  、   Nature、   30
3  巻。
209 頁、 1983年;エル・ヘレラーエストレラ
ら。
BMBOJ、、  2巻、987頁、 1983年;エ
ル・ヘレラーエストレラら、  ”Plant Gen
etic Engineering”ニューヨーク、ケ
ンブリッジ大学出版局、63頁。
1985年である。植物組織に導入した後の、構造遺伝
子の発現は、当該技術分野で公知のいずれかの手段で検
定することが可能で1発現は、転写されたmRNAもし
くは合成されたタンパクとして測定される。植物組織の
インビトロ培養、および多くの場合、全植物体の再生に
関する技術が知られている。誘導された発現複合体を、
商業的に有用な栽培品種に換える方法が、当業者に知ら
れている。
特定の実施態様において、 Gmhsp26−A遺伝子
をT−DNAベースのシャトルベクターpW9に導入し
たが、このベクターは、 Gmhsp26−Aを異種の
植物宿主に転移させることができる。当業者ならば容易
に分かることであるが1発現複合体のGmhsp26−
Aの代わりに、インビトロの操作に簡便な、天然にもし
くは人工的に作製した制限部位を用いて、他の植物発現
遺伝子を組み込んでもよい。考慮すべき大切なことは、
結合部分の配列が、転写および翻訳の機能と適合してい
るということである。遺伝子的に改変された植物組織を
得るための好ましい例の最終工程には9発現複合体をT
−DNA含有ベクターに挿入し1次いで、この改変され
たT−DNAがゲノムの一部として安定に一体化される
ような植物組織に1組換えDNAを転移させる工程があ
る。
下記実施例は、この発明を例示することだけを目的とす
るもので、この発明の範囲の限定を意図するものではな
い。実施例では1組換えDNAを。
植物組織や培養物内で操作したり、形質転換植物を再生
する場合に1分子生物学の分野の熟練者がよく知ってお
りかつ使用できる多くの技術を利用している。酵素は市
販のもので、販売者の説明書または当該技術分野で公知
の他の変法にしたがって用いられる。試薬、緩衝液およ
び培養条件も当該技術分野で知られている。標準の分子
生物学の方法が記載されている文献としては次のものが
しる。すなわち、ティ・マニアナイスら“Molecu
larC1oning″Co1d Spring Ha
rbor Laboratory、 ColdSpri
ng Harbor、  ニューヨーク、  1982
年;アール・つ(RlWu)編集、 Meth、 Bn
zymol、68巻、 1979年;アール・つら編集
、 Meth、Bnzymol、 100巻および10
1巻、 1983年;エル・グロスマン(L、 Gro
ssman)およびケイ・モルデイプ(に、 Mo1d
ave  編集、 Meth。
Bnzymol、 65巻、  1980年;ジェイ・
ミラー(J、 Miller)編集、  ”Exper
iments in Mo1ecular Gneti
cs”Co1d Spring Harbor Lab
oratory、 Co1d Spring Harb
or。
ニューヨーク、 1972年;オールド(Old )お
よびブリムローズ(Pr imrose)  Pr1n
ciples of GeneManipulatio
n  、カリフォルニア大学出版局、バークレイ、カリ
フォルニア、  1981年;アール・シュリーフ(R
oSchlief)およびビイ・ウエンシンク  (P
、  Wensink)  、   “Practic
al  Methods  in  Molecula
rBiology  、 1982年;グローバー(G
rover)編集。
“ONA Cloning″、第■および■巻、 IR
L Press。
オックスホード、イギリス、  1985年:ヘイムズ
(Hames)およびヒギンズ(Higgins)編集
、“NucleicAcid )Iybridisat
ion  、 IRL Press 、オックスホード
、イギリス、  1985年;セットロー(Setlo
w)およびエイ・ホランダー(A、tlollaend
er)  “GeneticBngineering 
: Pr1nciples and Methods”
 、第1〜4巻、 Plenum Press、 ニュ
ーヨーク、 1979年であり、これら文献は、ここに
参照文献として採用する。ここで用いた略号や学名は、
当該分野では標準とみなされ、上記の文献のような専門
誌に通常用いられているものである。
(以下余白) 実施例1 : Gmhsp26−A遺伝子のゲノムクロ
ーンの単離 この実施例では、グリシン・マックスvar、コーゾイ
のGmhsp26−A熱ショック遺伝子のゲノムクロー
ンを単離する工程を簡単に述べる。
cDNAライブラリーは、熱ショックを与えた大豆の胚
軸由来のポリアデニル化されたRNAを、逆転写酵素の
鋳型として、構築した〔エフ・ショッフル(F、 5c
hoffl)およびジエイ・ケイ (J、Key) 。
J、 Mol、 Appl、 Genet、、  1巻
、301頁、 1982年〕。
pFs2005. pFs2019およびpFs203
3は1本願研究で単離した熱誘導性転写部のcDNAコ
ピーを有する三つの組換え体プラスミドである。
次いでイー・ツアルネッ力らは(Plant Mo1.
Biol。
3巻、45頁、 1984年)、ストレス誘導性転写部
に対応する追加のcDNAを単離した。対照と、ストレ
スで誘導されるポリアデニル化RNAとを、大豆の芽生
えまたは成熟胚軸の培養スライスから単離した。ストレ
ス処理としては以下のものが含まれる=40℃の熱ショ
ック; 125mMの塩化カリウムによる塩ストレス;
ポリエチレングリコール−6000による一5バールと
いう低い水ポテンシャル;植物成長調節物質(0,75
mMのアブシジン酸または510μg/dの2.4−ジ
クロロフェノキシ酢酸);0.1mM亜ヒ酸ナトリウム
もしくは1mMジニトロフェノールによる呼吸阻害; 
0.1 mM力ナバニンもしくは1mMのp−フルオロ
フェニルアラニンを用いるアミノ酸類似体による欠損タ
ンパクの合成; 10ppmのエチレンの空気中への散
布;および培養液に窒素ガスを散布することによる嫌気
生活である。放射能で標識したcDNAは、ポリ(A)
 ” RNA試料から作製し、上記cDNAライブラリ
ィをスクリーニングするのに使用した。l1lC[E5
3. pcE54およびpCB75は、 cDNAで。
いくつかのストレス条件からスクリーニングされた際に
、対照のシグナルに比べて、ハイブリッド形成シグナル
が増加したクローンである。pcB54は、対照条件下
で検出可能なレベルの発現を示し。
はとんどのストレス処理条件下で誘導された(イー・ツ
アルネッ力ら、  1984年)。
伝子の発現 pcB54. pCB53. pCE75およびショフ
ルとケイ (1982年)が選択した3種の熱誘導性ク
ローンを放射能で標識し、ノーザンハイブリダイゼーシ
ョン法に用いて、環境ストレスによって誘導された遺伝
子の応答パターンを分析した(イー・ツアルネッ力ら、
  1984年)。pCE54は1発現のパターンが独
特なので、これを選択してさらに研究した。このプロー
ブに相同性のある遺伝子が構成的に発現され、はとんど
すべてのストレス試験条件で誘導された。見掛けの構成
的発現のレベルは9組織試料の処理法によるpCIE5
4を用いて、観察されることがわかった。切除後直ちに
液体窒素内で凍結した対照の組織試料は、切除し分析す
るまで氷上で冷却した組織よりも遺伝子発現のレベルが
著しく低い。このことは1組織の創傷やかなりの冷ショ
ック(氷上での冷却)が、 Gmhsp26−A遺伝子
の発現を誘導する刺激であることを示している。
実施例1.3 pCE54に相同性を有するゲノムクロ
ーンの単離 pcB54を放射能で標識して、ジエイ・スライドム(
J、 Slightom>とワイ・7 (Y、 Ma)
 (AgrigeneticsAdvanced Re
5earch Laboratory、 7ジスン、ラ
イスコンシン)によって構築された。大豆ゲノムONへ
の21059組換えライブラリーをスクリーニングする
際のハイブリダイゼーションプローブとして使用した。
大豆(グリシン・マックスvar、、コーゾイ)の全D
NAをMbo Iで部分的に分解し、λ1059のBa
m旧部位に連結した〔ジエイ・カーノら (J、 Ka
rnet al ) 、 Proc、Nat、 Aca
d、Sci、 USA、 77巻。
5172頁、 1980年〕。このライブラリーがすで
に使用されていたことは、アール・ナガオら(R,Na
ga。
et al)のMo1. Ce11.Biol、、  
5巻、 3417頁、 1985年に記載されている。
本願の研究のスクリーニングでは、 pCB54とハイ
ブリダイズする組換えプラスミドとしてhsY54を得
た。Bgl IIによる分解で。
およそ4kb、  6kbおよび9kbの三つの主要な
挿入フラグメントを得た。pCB54の大豆特異的挿入
物は、  hsY54中の4kbと6.2kbのBgl
 II制限フラグメントとハイブリダイズすることが、
ハイブリダイゼーション法で決定された。約6.2kb
のBglIIフラグメントの制限地図を第1図に示す。
実施例2 : Gmhsp26−A遺伝子のDNA配列
の決定hsY54の6.2kbのBgllI7ラグメン
トをpUcベクターにサブクローン化した〔ジエイ・ビ
エイラ(J、 Vieira)およびジェイ・メシング
(J、 Messing)。
Gene、 19巻、259頁、 1982年〕。配列
決定を行うために重複欠失部を有するクローンを、アー
ル・ゾールら(R,Dale et at ) 、 P
lasmid、 13巻。
31頁、 1985年の方法で構築した。次に大豆挿入
物のDNA配列を、エイ・マクサム(A、 Maxam
)とダブリュ・ギルバー) (W、G11bert)、
 Meth、Bnzymol、。
65巻、499頁、 1980年;およびエフ・サンガ
ーら(F、 Sanger et al ) 、 Jo
Mol、Biol、、  143巻。
161頁、  1980年、のジデオキシヌクレオチド
チェーンターミネーション法の化学的開裂法を用いて決
定した。−420位から+1573Gtまでの配列を両
DNAwAについて決定したが、センス鎖だけは、さら
に上流の領域(−1190位から一420位まで)の配
列を決定した。配列を調べることによって、 G++r
hsp26−Aの全遺伝子が、 hsY54の6kbの
BglIIフラグメントに含まれていることが分かった
。−1190位から+ 1573位までの配列を第2図
に示す。
実施例3 : Gmhsp26−A遺伝子の転写部の地
図化Gmhsp26−Aに相同性を有する転写部の地図
を。
1〜2μgのポリ(A) RNAを用いるS1ヌクレア
ーゼプロテクシヨン法か、または5〜10μgのポリ(
八) RNAを用いるプライマーエクステンション法で
作成した。転写部の81ヌクレアーゼによる地図作成は
、すでに記載した方法(イー・ツアルネッ力ら、 Pr
oc、 Nat、 Acad、 Sci [JSA、 
82巻、 3726頁。
1985年)に述べられたように、ジエイ・フアバロー
ロら(J、Favaloro et al)、 Met
hods Bnzymol、。
65巻、718頁、 1980年の方法にしたがって行
った。
Gmhsp26−A遺伝子の転写部の5°末端の分析に
用いたハイブリダイゼーションプローブは、5“末端旧
nd[[部位に標識した1、 6kbの旧ndI[−3
al Iフラグメント (第1エキソン内)であった。
逆転写酵素ブライマーエクステンション分析は。
+24位から+40位の5°末端から下流の配列に対し
て相補的な1合成オリゴヌクレオチド(5”−GGAA
CAAGTATAG(:TGG−3°)ブライマーを用
いて行った。対照のボIJ (A) RNA 、熱ショ
ックを与えたポIJ (A) RNA 、またはカドミ
ウムで誘導されたポリ(A) RNAを、密閉マイクロ
キャピラリー内で室温にて16時間、5′末端を標識し
たプライマーでアニールした。エクステンション反応混
合物を、200単位のマo=イMLV逆転写酵素(Be
thesda Re5earchLaboratori
es)とともに、1時間、室温でインキュベートした。
このインビトロで合成した産物を。
8%ポリアクリルアミド−尿素ゲルで分離し、−70℃
のスクリーンに曝した。三つの主要開始部位の各々から
始まる1種々の条件下での全Gmhsp26−Aの転写
割合(%)は、 SLヌクレアーゼマツピングゲルから
切り取った。単離されたバンドの放射活性を計数するこ
とによって決定した。
この実施例では、大豆Gmhsp26−A遺伝子の、植
物の普遍的ストレス誘導性調節要素の調節制御下で、大
豆のGmhsp26−A熱ショック遺伝子のような植物
発現性構造遺伝子を発現させる方法について述べる。
実施例4.1 pGmhsp26−Aの構築グリシン・
マックス・var、 、 コーゾイのGmhsp26−
A遺伝子を、λゲノムクローンhsY54から、約3.
2kbのSal I −Pst Iフラグメントとして
単離する。
BgllIリンカ−を添加することによって、上記の7
ラグメントを修飾した後、このフラグメントを。
先に述べたBglIIで切り取ったベクタープラスミド
pW9 (ダブリ1−ガーリイら、 Mol、 Ce1
l、 Rial、6巻、559頁、 1986年)に連
結した。pTi15955のT−レフト由来のDNA配
列が、シャトルベクターを。
アグロバクテリウム・ツメファシェンス中間宿主のTi
プラスミドに相同の組換えをするための部位を提供する
。アグロバクテリウム属の宿主は、 Gmhsp26−
へ発現複合体を植物組織に移入させ1次いで環境ストレ
スの調節制御下で発現を誘導させる。
実施例5.ベクター移入と腫瘍形成 アグロバクテリウム・ツメファシェンス5260 (ダ
ブリュ・ガージーら、 31101.Ce11.Bio
l、、  7巻。
59頁、 1987年)を、 Gmhsp26−Aの誘
導体もしくはキメラ構造体を有する種々の構造のシャト
ルベクターの受容体として用いる。組換え分子が植物組
織に移入されるのは、この菌株からである。
二重遺伝子シャトルベクターを、エシェリヒア・コリ 
(B、coli ) LB392からアグロバクテリウ
ム・ツメファシェンスに、アール・フラリイら(R,F
raley et al)、 Proc、Nat、Ac
ad、 Sci、 USA。
80巻、 4803頁、 1983年に記載された固体
培地上でのトリバレンタル・コンジュゲーション法(t
riparentalconjugation )によ
って移入する。得られた移入接合体のコロニーは、スト
レプトマイシン(250μg/mj2)とカナマイシン
(20μg/d>を合作するへ8最少培地〔エム・チル
トンら(M、Chilton et al) Proc
Natl、Acad、 Sci、 ELS^、71巻、
 3672頁、 1974年〕で、28℃で3〜5日間
、増殖させて選択する。
腫瘍を、ひまわり〔ヒーリアンサス・アヌースcv、ラ
ージグレイ (Helianthus annuus、
 cv、LargeGrey) )の芽生えに発生させ
、このひまわりを。
既述のようにして成育させる(ダブリュ・ガージーら、
6巻、559頁、 1986年)。腫瘍増殖に要する1
4〜16日後、各プラスミドの構築のために平均200
〜300の腫瘍を採取し、直ちに液体窒素で凍結して構
成的発現を分析する。
実施例6:ストレス誘導性遺伝子の発現腫瘍組織は、対
照の構成的遺伝子発現のために28℃で、一方熱ショッ
クで誘導された発現のために40℃で、それぞれ増殖培
地で培養する。他の形態の環境ストレスの条件は、ツア
ルネッ力ら(1984年)の文献に記載されているのと
同じである。組織を回収し、 RNAを抽出して、前記
のノーインハイブリダイゼーション法によって分析する
BglIIフラグメント(pGmhsp26−A 、実
施例4)を単離し1両端を、フレノウDNAポリメラー
ゼで処理して平滑末端とし1次いでそのフラグメントを
Pt1C19のSma I部位に挿入する。その後、当
業者によく知られている技術〔ティ・マニアナイスら(
1982年);デイ・ジートルら(1981年);エム
・スミスら(1985年);デイ・ポットスタインとデ
イ・ジョートル(1984年);マクナイトとキンゲス
バリー(1982年);マイヤースら(1986年)〕
を用いて、上記のpUc19誘導体を処理し、遺伝子の
上流領域に、欠失部とその他の配列の修飾を作製する。
植物の普遍的ストレス誘導性調節要素の突然変異誘導体
は、 pM旧のようなプラスミド系で試験することがで
きる(エル・ヘレラーエストレラら、 Nature、
 310巻、115頁、 1984年) 。pMHlは
、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼの
構造遺伝子を有する。この遺伝子は、そこから上流に挿
入された調節配列とプロモーター配列の機能をモニター
するためのレポーター遺伝子として使用することができ
る。またpM旧は、アグロバタテリウム属のTiプラス
ミドに相同性を有するDNA配列ももっているので1発
現複合体を植物組織に移入することができ、植物組織で
、調節要素の誘導体の機能を、ストレスの負荷に応答し
て測定することができる。
(以下余白) (発明の要約) 植物の普遍的なストレス誘導性調節要素は、種々の環境
ストレス(例えば、熱ショック、浸透圧、塩ストレス、
重金属イオン濃度、部分的嫌気生活など)に応答して誘
導された合成を示す植物遺伝子の5°側DNA配列を有
する。このような調節要素の単離、特徴付け、および利
用が開示されている。植物の普遍的なストレス誘導性調
節要素は、転写開始部位に関連するプロモーター機能と
、種々のストレスに対する誘導応答に関連する調節機能
とを有する。環境ストレスに応答して、植物組織内にお
ける植物発現遺伝子の発現レベルの増大を誘導する方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、Gmhsp26−A遺伝子の、植物の普遍的
なストレス誘導性調節要素を含有する、グリシン・’?
−)クス(Glycine  max)ゲノムの6.2
 kb  Bgl IIフラグメントの制限酵素マツプ
を示す。Gmhsp26−A遺伝子の主要転写部位が、
cDNA pC[!54の位置と共に示しである。Gm
hsp26−Aのイントロンの位置は、次のように示し
である;遺伝子のコード領域はクロスハツチングで示し
、遺伝子の5°側と3°側の非翻訳領域は黒色で示しで
ある。遺伝子の主要転写開始部位の位置は+1で示しで
ある。 第2図は、Gmhsp26−A遺伝子の−1190から
+1573までのDNA配列を示す。コード配列から推
定したアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列の下に示しで
ある。三つの転写開始部位は、ヌクレオチド配列の下に
黒の三角印で示してあり、主要転写部分の開始部位は、
上付き数字の1で示しである。サブプロモーター1.2
および3に対応するTATAボックス様配列のモチーフ
にはアンダーラインを付け、対応する数字を付記しであ
る。コンセンサス熱ショック要素に対して相同性を有す
るDNA配列は、箱でかこみ、そのコンセンサスに相当
する塩基の数(10以外)を各節の上に示しである。直
接の繰り返しは、上に線を引いてrd」の文字をつけて
あり、間接の繰返し配列は、下に矢印を付けて示しであ
る。G+nhsρ26−A遺伝子の3”側領域における
ポリアデニル化シグナルは上に線を引いである。 手続補正書(方式) 平成元年6月21日 平成1年特許願第46340号 2、発明の名称 植物の普遍的ストレス誘導性調節要素 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 住所 アメリカ合衆国 オハイ、t  44092ウィ
クリフ、レークランド ブールバード名称 ルブリゾル
 ジエネティクス インコーポレイテッド   (ばか1名)4、代理人 住所 〒530大阪府大阪市北区西天満5、補正命令の
日付(発送臼) 平成1年5月30日 6、補正の対象 願書の特許出願人および前記以外の特許出願人の代表者
の欄、委任状(訳文添付)および図面(第2図) 7、補正の内容

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、植物の普遍的なストレス誘導性調節要素と、植物発
    現構造遺伝子とを有する組換えDNA分子であって、 該植物構造遺伝子が該植物の普遍的なストレス誘導性調
    節要素の調節制御下にある組換えDNA分子。 2、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が大豆
    の¥Gmhsp26−A¥遺伝子のストレス誘導性調節
    要素であるか、あるいは該植物の普遍的なストレス誘導
    性調節要素が大豆の¥Gmhsp26−A¥遺伝子のス
    トレス誘導性調節要素に対して少なくとも約90%のヌ
    クレオチド配列相同性を有する、特許請求の範囲第1項
    に記載の組換えDNA分子。 3、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が、第
    2図のように、約−720位のヌクレオチドにある開始
    点から、約−21位、+1位、または+72位のいずれ
    かのヌクレオチドより選択された終点までのヌクレオチ
    ド配列、あるいは該ヌクレオチド配列に対して少なくと
    も約90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含む、
    特許請求の範囲第1項に記載の組換えDNA分子。 4、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が、第
    2図のように、約−1190位のヌクレオチドにある開
    始点から、約−21位、+1位、または+72位のいず
    れかのヌクレオチドより選択された終点までのヌクレオ
    チド配列、あるいは該ヌクレオチド配列に対して少なく
    とも約90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含む
    特許請求の範囲第1項に記載の組換えDNA分子。 5、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が植物
    の熱ショック要素のコピーを含み、該植物の熱ショック
    要素がコンセンサス熱ショック要素配列5’−CTxG
    AAxxTTCxAG−3’に対して50%またはそれ
    以上の相同性を有するヌクレオチド配列を含む、特許請
    求の範囲第1項に記載の組換えDNA分子。 6、前記植物発現構造遺伝子が植物の熱ショック構造遺
    伝子ではない、特許請求の範囲第1項に記載の組換えD
    NA分子。 7、環境ストレス条件に応答して植物組織内における植
    物発現遺伝子の発現レベルの増大を誘導する方法であっ
    て、 植物組織内に組換えDNA分子を導入する工程であって
    、該組換えDNA分子が植物の普遍的なストレス誘導性
    調節要素と植物発現構造遺伝子とを有し、該植物発現構
    造遺伝子が該植物組織内において該植物の普遍的なスト
    レス誘導性調節要素の調節制御下で発現されるように位
    置している、工程と、 該調節要素が該構造遺伝子の発現を誘導するように、該
    植物組織にストレスを加える工程と、を包含する方法。 8、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が大豆
    の¥Gmhsp26−A¥遺伝子のストレス誘導性調節
    要素であるか、あるいは該植物の普遍的なストレス誘導
    性調節要素が大豆の¥Gmhsp26−A¥遺伝子のス
    トレス誘導性調節要素に対して、少なくとも約90%の
    ヌクレオチド配列相同性を有する、特許請求の範囲第7
    項に記載の方法。 9、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が第2
    図のように約−720位のヌクレオチドにある開始点か
    ら、約−21位、+1位または+72位のいずれかのヌ
    クレオチドより選択された終点までのヌクレオチド配列
    、あるいは該ヌクレオチド配列に対して少なくとも約9
    0%の相同性を有するヌクレオチド配列を含む、特許請
    求の範囲第7項に記載の方法。 10、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が第
    2図のように約−1190位のヌクレオチドにある開始
    点から、約−21位、+1位または+72位のいずれか
    のヌクレオチドより選択された終点までのヌクレオチド
    配列、あるいは該ヌクレオチド配列に対して少なくとも
    約90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含む、特
    許請求の範囲第7項に記載の方法。 11、前記植物の普遍的なストレス誘導性調節要素が植
    物の熱ショック要素のコピーを含み、該植物の熱ショッ
    ク要素がコンセンサス熱ショック要素配列5’−CTx
    GAAxxTTCxAG−3’に対して50%またはそ
    れ以上の相同性を有するヌクレオチド配列を含む、特許
    請求の範囲第7項に記載の方法。 12、前記植物発現構造遺伝子が植物の熱ショック構造
    遺伝子ではない、特許請求の範囲第7項に記載の方法。
JP1046340A 1988-02-26 1989-02-27 植物の普遍的ストレス誘導性調節要素 Pending JPH025883A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16081888A 1988-02-26 1988-02-26
US160,818 1988-02-26

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH025883A true JPH025883A (ja) 1990-01-10

Family

ID=22578582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1046340A Pending JPH025883A (ja) 1988-02-26 1989-02-27 植物の普遍的ストレス誘導性調節要素

Country Status (9)

Country Link
EP (1) EP0330479A3 (ja)
JP (1) JPH025883A (ja)
KR (1) KR890013187A (ja)
AR (1) AR241655A1 (ja)
AU (1) AU621089B2 (ja)
CA (1) CA1340974C (ja)
DK (1) DK78689A (ja)
IL (1) IL89353A0 (ja)
ZA (1) ZA891178B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5187267A (en) * 1990-06-19 1993-02-16 Calgene, Inc. Plant proteins, promoters, coding sequences and use
GB9200710D0 (en) * 1992-01-14 1992-03-11 Unilever Plc Novel plant gene regulatory element
US6063570A (en) 1997-09-05 2000-05-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Soybean glutathione-S-transferase enzymes
US6168954B1 (en) 1997-09-05 2001-01-02 E. I. Du Pont De Nemours & Company Soybean glutathione-S-transferase enzymes
WO2000018936A1 (en) * 1998-09-30 2000-04-06 E.I. Du Pont De Nemours And Company Soybean glutathione-s-transferase enzymes
CN114921465B (zh) * 2022-04-11 2023-12-01 中国农业科学院生物技术研究所 一种调控元件CsiZ及其在提高萜类化合物合成产量中的应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5447858A (en) * 1984-04-13 1995-09-05 Mycogen Plant Sciences, Inc. Heat shock promoter and gene

Also Published As

Publication number Publication date
KR890013187A (ko) 1989-09-21
AU3070389A (en) 1989-08-31
IL89353A0 (en) 1989-09-10
DK78689D0 (da) 1989-02-21
AU621089B2 (en) 1992-03-05
EP0330479A2 (en) 1989-08-30
ZA891178B (en) 1989-11-29
DK78689A (da) 1989-08-27
CA1340974C (en) 2000-04-25
AR241655A1 (es) 1992-10-30
EP0330479A3 (en) 1991-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8927807B2 (en) Nitrate-responsive promoter
Gasch et al. Redundant ERF-VII transcription factors bind to an evolutionarily conserved cis-motif to regulate hypoxia-responsive gene expression in Arabidopsis
Hattori et al. Regulation of the Osem gene by abscisic acid and the transcriptional activator VP1: analysis of cis‐acting promoter elements required for regulation by abscisic acid and VP1
Kroj et al. Regulation of storage protein gene expression in Arabidopsis
Chauvin et al. A leaf-specific gene stimulated by light during wheat acclimation to low temperature
McCarty et al. The Viviparous-1 developmental gene of maize encodes a novel transcriptional activator
Schmidt et al. Opaque-2 is a transcriptional activator that recognizes a specific target site in 22-kD zein genes.
Kosugi et al. DNA binding and dimerization specificity and potential targets for the TCP protein family
Lee et al. An Hsp70 antisense gene affects the expression of HSP70/HSC70, the regulation of HSF, and the acquisition of thermotolerance in transgenic Arabidopsis thaliana
Schöffl et al. The function of plant heat shock promoter elements in the regulated expression of chimaeric genes in transgenic tobacco
JP3509855B2 (ja) 植物のユビキチンプロモーター系
Llewellyn et al. Structure and expression of an alcohol dehydrogenase 1 gene from Pisum sativum (cv.“Greenfeast”)
Huh et al. ATAF2, a NAC transcription factor, binds to the promoter and regulates NIT2 gene expression involved in auxin biosynthesis
JP2672316B2 (ja) 嫌気的植物調節因子
US5955361A (en) P gene promoter constructs for floral-tissue preferred gene expression
Rastogi et al. Footprinting of the spinach nitrite reductase gene promoter reveals the preservation of nitrate regulatory elements between fungi and higher plants
US6239329B1 (en) Shoot meristem specific promoter sequences
Huang et al. A cotton dehydration responsive element binding protein functions as a transcriptional repressor of DRE-mediated gene expression
JP2710372B2 (ja) T‐dna780遺伝子の転写活性化要素
Velasco et al. Gene structure and expression analysis of the drought-and abscisic acid-responsive CDeT11-24 gene family from the resurrection plant Craterostigma plantagineum Hochst
CN113388618A (zh) 本氏烟分泌型腺毛调控基因NbJAZ3、其表达载体及应用
JPH025883A (ja) 植物の普遍的ストレス誘導性調節要素
CN109295071B (zh) 一种水稻花器官发育调控基因peh1及其编码的蛋白质和应用
WO2004099365A2 (en) Transcription factor gene induced by water deficit conditions and abscisic acid from helianthus annuus, promoter and transgenic plants
AU763645B2 (en) Promoter and regulator sequences Ha ds10 G1: a gene lea of sunflower expressed exclusively in seeds from the maturation phase