JPH0256625B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0256625B2
JPH0256625B2 JP14392981A JP14392981A JPH0256625B2 JP H0256625 B2 JPH0256625 B2 JP H0256625B2 JP 14392981 A JP14392981 A JP 14392981A JP 14392981 A JP14392981 A JP 14392981A JP H0256625 B2 JPH0256625 B2 JP H0256625B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
light
reference signal
signal
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP14392981A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5845522A (ja
Inventor
Shuichi Kinoshita
Koji Kushida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP14392981A priority Critical patent/JPS5845522A/ja
Publication of JPS5845522A publication Critical patent/JPS5845522A/ja
Publication of JPH0256625B2 publication Critical patent/JPH0256625B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/2889Rapid scan spectrometers; Time resolved spectrometry

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、時間相関単一光子計数法による時
間分解分光方法および装置に関し、特にピコ秒な
いしナノ秒領域の時間分解能を得るための改良に
関する。
ここで時間分解分光法(time−resolved
spectroscopy)とは高速で変化する分子過程ある
いは分子運動を、各瞬間における蛍光、吸収また
は散乱の強度を測定して解析する方法である。一
般に、化学反応はいくつかの素反応過程を経て起
こるが、これらに応じた反応中間体やその濃度の
時間変化を吸収、蛍光、ラマンス散乱などによる
分光学的手段で直接とらえることができる。この
時間分解分光法は第2次大戦後R.G.W.Norrishと
G.Porterによつて開発された閃光光分解法(一
閃光法)によるマイクロ秒(10-6s)領域の時間
分解スペクトルの測定から出発して、その後レー
ザー開発によりナノ秒(10-9s)およびピコ秒
(10-12s)領域の時間分解スペクトルの測定が可
能になつた。時間分解スペクトルの有利な点は、
動的過程で生ずる化学種の状態、構造などを明ら
かにすることによつて、過程の解析に重要な情報
を与えることである。
時間分解分光装置には、位相法、ストリークカ
メラ法、光シヤツター法、光ゲート法、および時
間相関単一光子計数法などが通常良く用いられて
いる。このうち、位相法は測定時間が短かく精度
も高いが、試料セルからの二次光の複雑な緩和過
程の測定では時間分解能が足りずその解析が困難
となる欠点をもつている。またストリークカメラ
法、光シヤツター法および光ゲート法ではいずれ
もピコ秒或いはそれ以上の時間分解能を有する
が、一般的に感度が低いため信号対雑音比も悪
く、複雑な発光過程を持つような系には適用し難
い。これに対して時間相関単一光子計数法は感度
が極めて高いのが特徴で、時間および計数値のダ
イナミツクレンジも広いので、微弱な発光や多成
分の発光過程を持つような系にも適用でき、従つ
てその応用は極めて広範囲に有効である。
しかしながら今日までに実用化された時間相関
単一光子計数法による時間分解分光システムでは
その時間分解能がナノ秒ないしサブナノ秒程度に
しかならず、そのため測定対象も限られたものに
ならざるを得なかつた。
一般に、時間相関単一光子計数法による時間分
解分光装置は、パルス光源、試料セル、参照信号
を得るための検出手段、これら試料セルと検出手
段とに光源からの光パルスを分けて与えるスプリ
ツター、試料セルからの二次光を分光する分光手
段、分光された二次光を計数するために検出する
光電子増倍管、光電子増倍管の出力を波高弁別す
ると共にピーク位置を検出するピーク検出回路、
ピーク検出回路出力と参照信号との時間差を計測
する時間差測定器などを具備してなる。パルス光
源は有限のパルス巾を持ち、また光電子増倍管お
よび電気回路の応答速度も有限であるため、光源
の光パルスで励起された試料から放出される二次
光の真の緩和曲線を求めるためには、測定によつ
て得られた緩和曲線を装置自体の応答関数でデコ
ンボルーシヨンする必要がある。しかしながらこ
の場合、パルス光源の発光時間幅、発光強度およ
びパルス形状などのゆらぎ、光電子増倍管のジツ
ター、電気回路のジツターおよびドリフトなどの
存在によつていわゆる装置固有の応答関数の幅と
時間変動が拡大すると前記デコンボルーシヨンが
困難となり、時間分解精度が悪化する。
近年、この種の分光システムの光源としてレー
ザーシステムの適用が進められ、CWモード同期
レーザーからの安定でかつ時間幅の狭い光パルス
が容易に得られるようになり、また光電子増倍管
のジツターも100ピコ秒近くにまで抑えられるこ
とが可能になり、従つて電気回路のジツターとド
リフトがデコンボルーシヨンを困難にし、分光シ
ステムの時間分解精度を悪化させる最大の要因と
なつている。
この発明の目的は、前述の信号処理用電気回路
のジツターやドリフトの影響を減らし時間分解能
を向上することであり、光源強度のゆらぎ、参照
信号検出系のドリフト、計数用電気回路のジツタ
ーやドリフト等々による、時間プロフアイル中の
時間原点のずれを補正することのできる時間分解
分光方式を提供することである。
すなわちこの発明の時間相関単一光子計数法に
よる時間分解分光方式では、光源からのパルス光
をジツターの極めて少ない多光子の状態で抜きと
つて時間基準信号として用い、これを光学的又は
電気的に単一光子信号と混合し、同じ電気回路を
通過させることにより時間分解プロフアイル中に
時間の内部基準を与えるようにした点に特徴を備
えるものである。
この発明を、いくつかの実施例を示す図面と共
に説明すれば以下の通りである。
まずはじめに、この発明の前提となる単一光子
計数法による時間分解分光システムについてその
基本構成例を第1,2,3,4図により説明す
る。
第1図はこの発明の前提となる従来の時間相関
単一光子計数法による時間分解分光装置のシステ
ム構成の一例を示すブロツク図で、1はパルス光
源、2はビームスプリツター、3はレンズ、4は
ミラー、5は試料セル、6はレンズ、7はアパー
チヤー、8は分光単色器(モノクロメータ)又は
フイルターなどの分光手段、9は出射スリツト、
10は光電子増倍管、11は該光電子増倍管の高
圧電源、12は光電子増倍管10からの出力であ
る陽極電流パルスの波高を予じめ定められた設定
基準値に対して比較弁別すると共にピーク位置を
検出するピーク検出回路、13はレンズ、14は
フオトダイオード等の光電変換器、15は増巾
器、16は前述と同様なピーク検出回路、17は
遅延回路、18は時間差波高変換器、19は多チ
ヤンネル波高分析器であり、ビームスプリツター
2以降のレンズ3から試料セル5および分光手段
8を経てピーク検出回路12までの一連の系で第
1チヤンネル系(起動チヤンネル)を構成し、レ
ンズ13から光電変換器14およびピーク検出回
路16を経て遅延回路17までの系で第2チヤン
ネル系(停止チヤンネル)を構成し、時間差波高
変換器18および多チヤンネル波高分析器19に
よつて信号処理部を構成しており、これら変換器
18および分析器19には図示しない記録装置な
いし表示装置を含むデーター処理装置が接続され
るものである。
パルス光源1としては好ましくは安定で発光時
間幅の狭いパルス光を発生する光源を用い、さら
にできうれば任意の波長を選択できる光源が好ま
しい。一般的にはこの種分光システムには従来よ
り放電ギヤツプフラツシユランプがパルス光源と
して用いられてきたが、この発明では、パルス幅
が狭くできること、パルス繰返し周期を速くでき
ること、パルス形状が安定であること、ビームの
単色性および方向性に優れることなど、ピコ秒な
いしナノ秒領域の時間分解特性に鑑みて、特に
CWモード同期レーザーをパルス光源として用い
ることが望ましく、例えば単一波長パルス光源と
してCWモード同期ガスレーザーを、或いは波長
可変パルス光源としてCWモード同期色素レーザ
ーを用いるのがよい。第2図はパルス光源1とし
て用いて好適なCWモード同期レーザーシステム
の一例を示すブロツク図で、CWモード同期Arイ
オンレーザーからなる単一波長パルス光源1a
と、同じレーザー光を利用したCWモード同期色
素レーザーからなる可変波長パルス光源1bとを
構成しており、必要に応じていずれかの光源が選
択的に用いられるようになつている。
CWモード同期Arイオンレーザーパルス光源1
aは、CWアルゴンイオンレーザー101の出力
ミラー103を共振器長が約180cmになるように
設置して457.9〜514.5nm波長の全アルゴンレー
ザーラインのモード同期CWレーザービームを得
るようにし、この共振器の中に、水晶発振器11
7からの一定周波数例えば40.666MHzの発振出力
で励振される80MHz音響光変調器102を介装す
ることにより、前記CWレーザービームを所望周
波数のパルス光ビーム119として出力するよう
にしてなり、このパルス光ビームの一部はビーム
スプリツター104およびミラー114を介して
光電変換器115に導びかれ、該変換器115の
出力電流によつてレーザー電源116に帰還をか
けてレーザー出力およびパルス幅を安定化してい
る。前記音響光変調器102は、例えば石英ガラ
スの六面体の両側面をブリユースター角度にカツ
トしてその一面の金被膜上にLiNbO3結晶を262μ
mの厚さで振動子として取付けてなるもので、そ
の温度によつて中心周波数40MHzの周囲に約
150KHzおきに20程度の共振周波数を選べるよう
になされており、第2図で符号118はこの温度
制御のための温度調節器である。
CWモード同期色素レーザーパルス光源1b
は、前記パルス光ビーム119をビームスプリツ
ター105およびミラー106,107,108
で導びいて前記CWアルゴンイオンレーザー10
1の共振器と同じ長さの共振器内に形成されたロ
ーダミン6Gなどの色素ジエツト流110を同期
的に励起し、複屈折フイルター112で波長選択
をして例えば540〜640nmの所望波長のパルス光
120を得るようにしてなるものである。尚、1
13は出力ミラー、109,111は出力ミラー
113と共振器を構成するミラーである。
ちなみに前述の例によるCWモード同期Arイオ
ンレーザーパルス光源1aの514.5nm波長の平均
出力は100mW、パルス幅は約200ピコ秒、また
CWモード同期色素レーザーパルス光源1bの出
力のパルス幅は約10ピコ秒が得られている。
勿論、光源1として前記の例のほかに別のガス
レーザー、色素レーザーを用いたり、或いは二倍
波、三倍波を用いることによつて励起光の波長を
選択するようにしてもよいことは述べるまでもな
い。
試料セル5は、通常のラマン散乱あるいは螢光
測定用のものであればよいが、特にミクロセルや
フローセルが好んで用いられる。分光手段8は例
えば分光単色器(モノクロメータ)であり、フイ
ルターで置きかえることも可能である。また光電
変換器14はPINフオトダイオードが最適である
が、その他のフオトダイオード或いは光電管や光
電子増倍管で置きかえることも可能である。増巾
器15、ピーク検出回路12,16、遅延回路1
7、時間差波高変換器18および多チヤンネル波
高分析器19などは、通常の放射線検出装置に用
いられているものから選択することが可能で、
IC化も容易である。このうちピーク検出器は低
い波高のノイズ信号を除去し、入力のピーク位置
を検出するために用いられる。
光電子増倍管10は例えばそれ自身が内部に光
電子集束電極をもつヘツドオン形のもの或いは後
述するようなサイドオン形のものを使用し、クー
ラー20によつて−20℃以下に冷却して用いるこ
とが暗電流ノイズの低減の面からも好ましい。
第3図はこの光電子増倍管10としてサイドオ
ン形のものを用いる場合に特に好適な付加光学
系、すなわちスリツト結像用レンズ21の配置の
様子を分光手段8の出射スリツト9との関連で模
式的に示している。サイドオン形光電子増倍管は
ヘツドオン形のものに比べて構造が複雑であるた
め、その光電陰極22の全面に入射光をあてるよ
うにすると電子の走行時間が大きくばらつくとい
う欠点がある。そして光電陰極面の長軸方向と短
軸方向のそれぞれに関する位置に対する入射光パ
ルスのピーク点位置とパルス幅との関係について
は、相対的なピーク点位置は長軸方向に関しては
どこでも10ピコ秒以内で一定となるのに対し短軸
方向に関しては大きく変化し、またパルス幅は短
軸方向の両端位置を除いて長短軸いずれの方向の
どの位置でも一定である。そこで光電子増倍管1
0にサイドオン形のものを用いる場合には、分光
手段8の出射スリツト9の後にレンズ21又は凹
面ミラーを置き、細巾のスリツト像23を光電陰
極面のほぼ中央付近の最適位置に該光電陰極22
の長軸方向に平行に結像させ、これによつて試料
セルからの二次光を有効にサイドオン形光電子増
倍管10に入射せしめ、普通なら1ナノ秒ほども
あるジツターを大幅に減少して高い時間分解能を
得るようにするのが好ましい。
またサイドオン形光電子増倍管はヘツドオン形
のものに比べて小形であるので、印加電圧を高圧
にするほど電子の走行時間を短かくでき、入射光
パルスの立上りにおけるタイミングの変動は全印
加電圧1000V以上、好ましくは1200V以上で約
100ピコ秒以下の範囲内に納まる。特に光電陰極
と第1ダイノードとの印加電圧を300V以上好ま
しくは400V以上として次段以降に通常用いられ
る程度の電圧を印加することにより、光電子増倍
管にダメージを与えることなしに光電陰極面と第
1ダイオード間の電子走行時間を短縮させ、また
入射光の波長に依存する電子の走行時間の差を極
めて小さくすることができる。
このような光電子増倍管の各ダイノード間の印
加電圧は、高圧電源11によつて全印加電圧およ
びブリーダ抵抗値を調整することにより所望に設
定可能である。
以上の構成を備えた時間分解分光装置では、ま
ず光源1からのパルス光はビームスプリツター2
で第1チヤンネル系への励起光と第2チヤンネル
用の参照光とに分けられ、励起光は試料5を照射
励起し、参照光は光電変換器14で検出されて時
間差測定における時間基準を与える。ここで“参
照光”とは、パルス光に同期する信号を与えるた
めに、各パルス光の一部が取出された光を言い、
またこの参照光を検出器で検出して得られる信号
を“参照信号”という。励起された試料5から放
出される二次光は分光手段8によつて分光され、
分光手段8の出射スリツト9から出た二次光は光
電子増倍管10の光電陰極面に入射される。分光
手段8の入射側のアパーチヤー7は、励起光の1
パルスに対して該光電子増倍管で検出される二次
光の光子数が1個以下になるように二次光を弱め
て単一光子信号にするために使用される。ここ
で、“単一光子信号”とは上記記載のように、単
一のパルス光に起因して生じる光(1次光あるい
は2次光)の一部を検出器で検出して得られる信
号に関して、入射する光の量が光子一個を越えな
い場合、その信号を単一光子信号という。光電子
増倍管10から得られた陽極電流パルスは、ピー
ク検出回路12で暗電流パルスを消去して波形整
形されたのちに時間差波高変換器18に起動をか
け、一方、前述の光電変換器14で検出された参
照光により生成される参照信号がピーク検出回路
16および遅延回路17を介して該時間差波高変
換器に停止をかけることにより、参照光と二次光
との時間差に対応した値の電圧出力が変換器18
からとり出される。参照信号で起動をかけ単一光
子信号で停止をかけるのではなく、多くの場合で
逆にする理由は、単一光子信号が発生する時だけ
時間差波高変換器18に起動をかけることができ
る点で都合がよいためである。この電圧出力は光
電子増倍管10で検出される光子毎に多チヤンネ
ル波高分析器19によつて解析され、その結果、
時間差対光子放出頻度を表わす時間分解プロフア
イルが図示しない記録装置ないし表示装置に得ら
れることになる。すなわちこのプロフアイルは励
起パルス光が試料に照射された時間と二次光が放
出された時間の差と、二次光の強度との関係を示
しており、第4図には、その一例として、得られ
た散乱光強度(破線)と螢光強度(実線)の時間
分解プロフアイルが示されている。散乱光に対す
る強度の時間分解プロフアイルは、試料セル5の
位置に試料に代つてすりガラス等の既知散乱体を
配置し、励起光の波長に分光手段8の分光波長を
一致せしめて得られたものであり、これは光源パ
ルス光の時間幅および強度変動、光電子増倍管の
ジツター等で決まる装置関数に相当する。螢光強
度緩和の真の時間分解プロフアイルは、螢光強度
の実測の時間分解プロフアイルを散乱光強度の時
間分解プロフアイルすなわち装置関数でデコンボ
ルーシヨンして求められ、これは例えば多チヤン
ネル波高分析器19の出力をマイクロコンピユー
タでデータ処理するようにすればよい。
この発明においては、以下の実施例に示す方法
で光源からのパルス光をジツターの極めて少ない
多光子の状態で検出して光源パルス光と一定の時
間関係をもち、しかも光源パルス光の発生頻度よ
り低い頻度で発生する時間基準信号を作り、この
時間基準信号を第1チヤンネル系中の単一光子信
号と混合し、これら信号を同じ電気回路を通過さ
せて時間差測定を行なうことにより、得られる時
間プロフアイル中に時間の内部基準を与えるもの
であり、これによつて、光源のパルス光強度のゆ
らぎ、参照信号検出用の素子のドリフト、電気回
路のジツターやドリフトによる時間プロフアイル
の時間原点のずれを完全に近く補正し得るもので
ある。ここで時間分解プロフアイル中に時間の内
部基準を与えることの技術的意義を説明する。
時間相関単一光子計数法による時間分解分光シ
ステムにおいて分解能を決める要因は、光源、光
電子増倍管、光電変換素子、電気回路のジツター
やドリフトである。
第1図において、動作温度や動作電源電圧など
の変動による遅延回路17、ピーク検出回路1
2,16、時間差波高変換器18などの遅延時間
のごくわずかな変動が、電気回路のジツターやド
リフトの発生源として考えられる。
これらの変動の影響を除くためには、時間基準
信号と単一光子信号を同一の電気回路に通せばよ
い(この場合、時間基準信号は遅延回路17を通
さない)。同一の電気回路に通すことによつて、
時間基準信号の遅延時間の変動と単一光子信号の
遅延時間の変動の大きさが同じになるため、得ら
れた単一光子信号の時間プロフアイルを時間基準
信号の時間プロフアイルを用いてデコンボルーシ
ヨンによつて補正することができる。このように
して、光源パルスの幅だけでなく上記遅延時間の
変動が差し引かれることになり、分解能悪化の要
因を除去する技術的効果を有する。第5図はこの
発明の一実施例を示すブロツク図で、第1図と同
一符号のものは同効のものを示す。
第5図において、第1チヤンネル系の試料セル
5より光源側において時間基準信号を抜きとるた
めの超音波光偏向器24が光路中に介装され、こ
の超音波光偏向器によつて80MHzの光源パルス光
から例えば2KHzの時間基準信号が多光子状態の
まま別の光路へ抜きとられ、ミラー25,26,
27およびレンズ28とビームミキサー29とか
らなる光学系により分光手段8の出射光路上で分
光手段8からの単一光子信号と光学的に混合され
るようになされている。前記超音波光偏向器24
は、第2チヤンネル系からの光源パルス光に同期
した信号を分周器30で例えば2KHzの6ナノ秒
幅の制御パルスに変換し、この制御パルスによつ
て高周波バースト信号発生器31を制御すること
によつて駆動回路32を介し2KHzで同期駆動さ
れるものであり、これにより第1チヤンネル系で
は試料セル5への80MHzのパルス光とは別に2K
Hzのパルス光が時間基準信号としてミラー25,
26,27およびレンズ28を介してビームミキ
サー29へ導びかれ、該ミキサー29で分光手段
8からの単一光子信号と光学的に混合され、同じ
光電子増倍管10で多光子状態の時間基準信号と
単一光子信号とを共に検出して時間プロフアイル
中に時間の内部基準を与えるようになされてい
る。ここで時間基準信号と混合された単一光子信
号と、参照信号との時間差測定を行うことが、時
間分解プロフアイル中に時間の内部基準を与える
ことになることを説明する。
時間相関単一光子計数法においては、単一光子
信号毎に“単一光子信号”から“遅延された参照
信号”までの時間差を測定し、時間差を横軸(時
間差が小さい方を右にとる)にとり、縦軸にその
頻度を取ると時間分解プロフアイルが得られる。
単一光子信号は、一つの光源パルスに対して一
以下の低い頻度で発生する。一方、時間基準信号
も一つの光源パルスに対して一以下の低い頻度
(実施例では2KHz/80MHz)で発生する。したが
つて、一つの光源パルスに対して単一光子信号と
時間基準信号の両方が発生する確率は極めて低
い。
その結果、時間基準信号を単一光子信号に混合
した信号で得られる時間分解プロフアイルは、時
間基準信号の発生頻度と単一光子信号の発生頻度
を加えたものになり、時間基準信号が時間の内部
基準を与えることになる。この場合、時間基準信
号の光子数をあまり多くすることはむづかしい
が、この実施例ではピーク検出回路12以降の電
気回路だけでなく光電子増倍管10のジツターや
ドリフトをも打ち消すことができる。
第6図はこの発明のもうひとつの実施例を示す
もので、この例では前述の混合を電気的に行なつ
ている。
すなわち超音波光偏向器24によつて抜きとら
れた2KHzの時間基準信号はミラー25を介して
別の光電子増倍管33(勿論、フオトダイオー
ド、光電管などに置き換えてもよい。)によつて
電気回路として検出され、単一光子信号も光電子
増倍管10で電気信号に変えられたあとでパルス
混合器35により両者が電気的に混合され、この
混合されたパルス信号と第2チヤンネル系の遅延
回路17からの参照信号との時間差を変換器18
で検出し多チヤンネル波高分析器19で分析する
ようになつている。尚、34は高圧電源である。
第7図にはこのような混合を含むこの発明の分
光法によつて得られた散乱光強度(破線)と螢光
強度(実線)の時間分解プロフアイルの一例が示
されている。この時間分解プロフアイルは、時間
内部基準を原点に時間を測定することにより、長
時間にわたつて数ピコ秒以内の範囲で再現するこ
とがわかる。さらにデコンボルーシヨンによつて
ピコ秒領域で充分信頼性の高い時間分解プロフア
イルを得ることができるものである。
第8図はこの発明のさらに別の実施例を示すも
ので、時間基準信号を第2チヤンネル系の参照信
号から抜きとるようにした点を除いて第6図の例
と同様である。すなわち第8図において、増巾器
15から参照信号をゲート回路36へ分岐させ、
ピーク検出回路16の出力の一部を分周器30で
分周して、この分周器30の出力でゲート回路3
6を制御することにより、例えば80MHzの参照信
号から2KHzの時間基準信号を抜きとり、これを
混合器35へ与えているものである。
以上に述べたようにこの発明によれば、時間分
解プロフアイルが数ピコ秒以内の範囲で再現でき
るようになり、精密なデコンボルーシヨンが可能
になる。このため従来法では不可能なほどに速い
緩和過程の精密な測定ができるようになり、ラマ
ン散乱スペクルトや螢光強度の緩和の測定など、
物理および化学面のみならず医学ないし生物学等
の各分野での精密測定に寄与するところが極めて
大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の前提となる従来の時間相関
単一光子計数法による時間分解分光システムの一
例を示すブロツク図、第2図はその光源のシステ
ム構成例を示すブロツク図、第3図はサイドオン
形光電子増倍管とその入射光のスリツト結像手段
との様子を模式的に示す斜視図、第4図は第1図
のシステムで得られた時間分解プロフアイルの一
例を示す線図、第5図はこの発明の一実施例に係
るシステム構成を示すブロツク図、第6図は同じ
く別の実施例に係るシステム構成を示すブロツク
図、第7図はこの発明によつて得られた時間分解
プロフアイルの一例を示す線図、第8図はこの発
明のさらに別の実施例に係るシステム構成を示す
ブロツク図である。 1:パルス光源、2:ビームスプリツター、
5:試料セル、7:アパーチヤー、8:分光手
段、10:光電子増倍管、14:光電変換器、1
7:遅延回路、18:時間差波高変換器、19:
多チヤンネル波高分析器、24:超音波光偏向
器、28:レンズ、29:ビームミキサー、3
0:分周器、33:別の光電子増倍管、35:パ
ルス混合器、36:ゲート回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光源からのパルス光の列に起因して被測定体
    より生じる2次光のうちから単一光子状態で取り
    出された光を検出して単一光子信号を作り、前記
    光源からのパルス光の列から、このパルス光と一
    定の時間関係を持ち、且つパルス光の発生頻度よ
    り低い頻度で発生する電気的な時間基準信号を作
    り、この電気的時間基準信号を前記単一光子信号
    に電気的に混合した単一光子信号を作り、別に前
    記光源からのパルス光の列を多光子状態で検出し
    て参照信号を作り、前記時間基準信号の混合され
    た単一光子信号と参照信号との時間差測定を行う
    ことにより、時間分解プロフアイル中に時間の内
    部基準を与えることを特徴とする時間相関単一光
    子計数法による時間分解分光方法。 2 光源からのパルス光の列から超音波光偏向器
    を介して光を抜き取り、この抜き取つた光を光電
    変換して電気的な時間基準信号を得ることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載の時間相関単
    一光子計数法による時間分解分光方法。 3 光源からのパルス光の列から光電変換器を介
    して参照信号を作り、この参照信号から電気的に
    時間基準信号を抜き取ることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の時間相関単一光子計数法
    による時間分解分光方法。 4 光源からのパルス光の列に起因して被測定体
    より生じる2次光のうちから単一光子状態で取り
    出された光と、前記光源からのパルス光の列から
    多光子状態で抜き取られた光であつて、且つ前記
    パルス光と一定の時間関係を持ち、しかもパルス
    光の発生頻度より低い頻度で発生する光とを光学
    的に混合し、次にこの混合された光を検出して時
    間基準信号の混合された単一光子信号を作り、別
    に前記光源からのパルス光の列を多光子状態で検
    出して参照信号を作り、前記時間基準信号の混合
    された単一光子信号と参照信号との時間差測定を
    行うことにより、時間分解プロフアイル中に時間
    の内部基準を与えることを特徴とする時間相関単
    一光子計数法による時間分解分光方法。 5 パルス光源、第1チヤンネル系、第2チヤン
    ネル系、信号処理部によつて構成され、前記第1
    チヤンネル系には、前記光源からのパルス光の列
    によつて励起される被測定体と、この被測定体か
    ら放出される2次光を分光する分光手段と、この
    分光された2次光を単一光子状態で検出する光電
    子増倍管とを含み、前記第2チヤンネル系には、
    前記光源からのパルス光の列から参照信号を得る
    光電変換器を含み、前記光電子増倍管からの出力
    信号をピーク検出回路で処理したのち前記信号処
    理部で参照信号との時間差を測定する時間相関単
    一光子計数法による時間分解分光装置において、
    前記パルス光の列から時間基準となる光を多光子
    状態で光学的に抜き取る超音波光偏向器と、この
    超音波光偏向器で抜き取られた多光子状態の光を
    単一光子状態の前記2次光と光学的に混合する光
    学的混合手段とを備え、前記光電子増倍管によつ
    てこの混合された光信号を検出することを特徴と
    する時間相関単一光子計数法による時間分解分光
    装置。 6 パルス光源、第1チヤンネル系、第2チヤン
    ネル系、信号処理部によつて構成され、前記第1
    チヤンネル系には、前記光源からのパルス光の列
    によつて励起される被測定体と、この被測定体か
    ら放出される2次光を分光する分光手段と、この
    分光された2次光を単一光子状態で検出する光電
    子増倍管とを含み、前記第2チヤンネル系には、
    前記光源からのパルス光の列から参照信号を得る
    光電変換器を含み、前記光電子増倍管からの出力
    信号をピーク検出回路で処理したのち前記信号処
    理部で参照信号との時間差を測定する時間相関単
    一光子計数法による時間分解分光装置において、
    前記パルス光の列から時間基準となる光を多光子
    状態で光学的に抜き取る超音波光偏光器と、この
    超音波光偏向器で抜き取られた光を多光子状態で
    検出する光電変換器と、前記光電子増倍管の出力
    信号と光電変換器の出力信号とを電気的に混合す
    るパルス混合器とを備え、この混合器の出力をピ
    ーク検出回路で処理したのち前記信号処理部で参
    照信号との時間差測定を行うことを特徴とする時
    間相関単一光子計数法による時間分解分光装置。 7 パルス光源、第1チヤンネル系、第2チヤン
    ネル系、信号処理部によつて構成され、前記第1
    チヤンネル系には、前記光源からのパルス光の列
    によつて励起される被測定体と、この被測定体か
    ら放出される2次光を分光する分光手段と、この
    分光された2次光を単一光子状態で検出する光電
    子増倍管とを含み、前記第2チヤンネル系には、
    前記光源からのパルス光の列から参照信号を得る
    光電変換器を含み、前記光電子増倍管からの出力
    信号をピーク検出回路で処理したのち前記信号処
    理部で参照信号との時間差を測定する時間相関単
    一光子計数法による時間分解分光装置において、
    前記参照信号から時間基準信号を電気的に抜き取
    る信号抽出回路と、この信号抽出回路により抜き
    取られた時間基準信号と前記光電子増倍管の出力
    信号とを電気的に混合するパルス混合器とを備
    え、この混合器の出力をピーク検出回路で処理し
    たのち前記信号処理部で参照信号との時間差測定
    を行うことを特徴とする時間相関単一光子計数法
    による時間分解分光装置。
JP14392981A 1981-09-14 1981-09-14 単一光子計数法による時間分解分光方法および装置 Granted JPS5845522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14392981A JPS5845522A (ja) 1981-09-14 1981-09-14 単一光子計数法による時間分解分光方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14392981A JPS5845522A (ja) 1981-09-14 1981-09-14 単一光子計数法による時間分解分光方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5845522A JPS5845522A (ja) 1983-03-16
JPH0256625B2 true JPH0256625B2 (ja) 1990-11-30

Family

ID=15350363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14392981A Granted JPS5845522A (ja) 1981-09-14 1981-09-14 単一光子計数法による時間分解分光方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5845522A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8401672D0 (en) * 1984-01-21 1984-02-22 Univ Strathclyde Measuring fluorescence decay characteristics of materials
DE102011055330A1 (de) * 2011-11-14 2013-05-16 Leica Microsystems Cms Gmbh Verfahren zum Messen der Lebensdauer eines angeregten Zustandes in einer Probe
CN103090971B (zh) * 2013-01-24 2014-12-31 中国科学院空间科学与应用研究中心 一种超灵敏时间分辨成像光谱仪及其时间分辨成像方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5845522A (ja) 1983-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
James et al. Excitation pulse‐shape mimic technique for improving picosecond‐laser‐excited time‐correlated single‐photon counting deconvolutions
Ware et al. Performance characteristics of a small side‐window photomultiplier in laser single‐photon fluorescence decay measurements
Spears et al. Subnanosecond time‐correlated photon counting with tunable lasers
KR100793517B1 (ko) 혼탁한 약제학적 시료들의 분광 분석을 위한 방법과 장치
Lang et al. Broadband ultraviolet-visible transient absorption spectroscopy in the nanosecond to microsecond time domain with sub-nanosecond time resolution
Kinoshita et al. Subnanosecond fluorescence‐lifetime measuring system using single photon counting method with mode‐locked laser excitation
Ushida et al. Implementation of an image intensifier coupled with a linear position‐sensitive detector for measurements of absorption and emission spectra from the nanosecond to millisecond time regime
JPS5811567B2 (ja) バツクグラウンドホセイオトモナウゲンシキユウシユウブンコウブンセキオヨビ ゲンシキユウシユウブンコウコウドケイ
Kuhl et al. Flame-fluorescence detection of Mg, Ni, and Pb with a frequency-doubled dye laser as excitation source
JPH0222334B2 (ja)
US20220113190A1 (en) Short pulsewidth high repetition rate nanosecond transient absorption spectrometer
Holtom Artifacts and diagnostics in fast fluorescence measurements
US5148031A (en) Device for obtaining spatial and time characteristics of a weak optical radiation from an object
JP2003035665A (ja) 時間分解過渡吸収測定装置
JPH0256625B2 (ja)
JP2004309458A (ja) 時間分解蛍光顕微鏡
US5071249A (en) Light waveform measuring apparatus
Magde et al. Excited singlet absorption in blue laser dyes: measurement by picosecond flash photolysis
US20210164841A1 (en) Systems and Methods for High-Speed, Spectroscopic, Gas-Phase Thermometry
KR20030054084A (ko) 레이저 유기 플라즈마 원자 발광 분광방법 및 그 장치
JPH04143638A (ja) 時間分解吸収測定装置
Ippen et al. Subpicosecond pulse techniques
JPH01187435A (ja) 時間分解分光方法および装置
Resartus Experimental Techniques and Data Analysis
RU2429454C1 (ru) Спектрометр когерентного антистоксова рассеяния с контролем спектра широкополосной накачки