JPH0256599B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、外缶中に加熱又は被加熱媒体送通の
中空ドラムを内蔵して、外缶中と、中空のドラム
中との熱交換を行うものにおいて、とくに中空ド
ラムの周面に加熱又は、被加熱媒体流路の回転翼
を設けた熱交換器における回転翼構造に関するも
のであり、たとえば、各種産業において排出され
る固体分を含む被処理体の処理、特に産業廃液処
理、屎尿処理、汚泥処理等に用いることができる
減圧蒸発分離機等の回転翼構造に関する。

(ロ) 従来技術 従来、外缶中に被加熱物を収納し、外缶内部に
内蔵した蒸気流通の回転ドラムにより、被加熱物
との間に熱交換を行う構造のものにおいては、回
転ドラムからの熱伝達を効率よく行うために、翼
体を突設したもの、或は攪拌アームを突設したも
の等があるが、これらの翼体或は攪拌アーム中に
も蒸気を送通することは、飼料、肥料等のクツキ
ングにおけるクツカー構造として周知のものであ
つた。

(ハ) 本発明が解決しようとする問題点 かかる構造においては、単にドラムと翼体等と
を連通したのみであるため、翼体、アーム等の内
部で蒸気が流通しにくく蒸気が滞留して、翼体等
の内部蒸気が冷却されてドレン化し、ドレンが中
空翼体等に貯溜されていき翼体の有効伝熱面積を
減少し、かえつて熱効率を低下させる原因となつ
ていた。

(ニ) 問題を解決するための手段 本発明の目的は、外缶中に、中空ドラムを内蔵
し、中空ドラムに連通した回転翼中に中空ドラム
からの加熱又は、被加熱媒体が円滑に流通し、蒸
気及びドレンの滞留を防止することにあり、次の
ように構成している。

すなわち、外缶内部に加熱又は、被加熱媒体を
送通可能とした中空ドラムを回転自在に収納し、
同中空ドラムの外周にデイスク状の中空の回転翼
を多数連設し、しかも中空のドラムのの内部に隔
壁をもつて媒体供給空間と媒体排出空間とを形成
すると共に、回転翼の内部に仕切壁を設け、同媒
体供給空間と媒体排出空間とを仕切壁で仕切られ
た回転翼の内部に連通せしめてなる熱交換器にお
ける回転翼構造を提供せんとするものである。

(ホ) 作用 本発明では、外缶中に収納した加熱又は被加熱
物は、中空ドラム及び回転翼のそれぞれの表面と
接触し、中空ドラム及び回転翼の内部に送通した
加熱又は被加熱媒体により熱交換されるものであ
り、とくに回転翼中には中空ドラムの媒体供給空
間から、回転翼内部の仕切壁で仕切られた空間の
一端に同媒体が流入し、回転翼中を循環して仕切
り空間の他端から中空ドラムの媒体排出空間に排
出されることになり、回転翼中を円滑に媒体が流
通し、媒体の滞留を防止し、かつ回転翼と共に回
転する仕切壁により、同翼内下部に滞留するドレ
ンをすくい上げて媒体と共に媒体排出空間に排出
することにより、同翼内部のドレン滞留を防止
し、回転翼の有効伝熱面積を初期状態に維持せし
めることにより高熱交換効率を維持させるもので
ある。

(ヘ) 実施例 本発明の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
Ａは本発明の熱交換器における回転翼構造を用い
たデイスク型減圧蒸発分離機を示しており、この
分離機Ａは外缶としての蒸発缶１内に複数のデイ
スク状の回転翼２をドラム３を介して回転自在に
軸架すると共に、蒸発缶１の下部に被処理流体４
の導入口５を開口し、また蒸発缶１の中途高さ位
置に固体分貯溜槽６に繋がる固体分排出口７を開
口し、また蒸発缶１の上部に凝縮器８を介した真
空ポンプ９に繋がる蒸気排出口１０を開口し、し
かも固体分排出口７に位置して掻落し板１１を配
設して構成しており、真空ポンプ９にて蒸発缶１
内を減圧状態とすると共に、蒸発缶１内下部に貯
溜せしめた固体分１２を含む被処理流体４にその
下部を浸漬せしめた回転翼２の回転にて、回転翼
２表面に付着した被処理流体４の液体分をフラツ
シユ蒸発せしめ、液体分は凝縮器８にて回収し、
回転翼２表面に残溜した固体分１２は掻落し板１
１を介して固体分貯溜槽６に回収するものであ
る。

ドラム３は、内部を中空としており、左右側に
はドラム３内と連通する温水又は蒸気等の供給パ
イプ１３、温水又は蒸気等の排出パイプ１４をそ
れぞれ突設してドラム３内に温水又は蒸気を供給
し、かつドラム３内から温水又は蒸気を排出しう
るように構成している。かかるドラム３内は、横
方向に張設した隔壁Ｍにてドラム３内を二つに仕
切り、隔壁Ｍの一側縁を供給パイプ１３の連通開
口部１３′と相対すべく折曲すると共に、隔壁Ｍ
の他側縁を排出パイプ１４の連通開口部１４′と
相対すべく折曲することにより、ドラム３内を温
水又は蒸気等の供給空間Ｓと温水又は蒸気等の排
出空間S′とに区画している。また、ドラム３は前
記両パイプ１３，１４を蒸発缶１の左右側壁１
５，１６にそれぞれ支承せしめて回転自在とする
と共に、排出パイプ１４に連設した連動プーリー
１７を、蒸発缶１に連設したモータ１８の駆動プ
ーリー１８′に連動ベルト１９を介して連動連結
して、モータ１８の動力にてドラム３を回転駆動
しうるよう構成している。

また、回転翼２はドラム３の周側面３′から放
射状に突設し、しかも同回転翼２はドラム３の軸
方向に互いに一定間隔を保持して複数枚並設状態
に配設して、ドラム３と一体に回転しうるよう構
成している。

かかる回転翼２は中空に形成し、内部に前記隔
壁Ｍを同一平面上に位置する仕切壁ｍを形成し、
かつ同仕切壁ｍの仕切空間における両端位置にお
いて、ドラム３の周側面３′に供給空間Ｓと連通
する供給口２６、及び排出空間S′と連通する排出
口２７をそれぞれ形成している。即ち、ドラム３
内の供給空間Ｓの温水又は蒸気が供給口２６より
回転翼２内に供給され、回転翼２内で均一に万遍
なく拡散された後、排出口２７から排出空間S′内
に排出されるべく構成され、ドラム３周側面３′
並びに回転翼２の表面２′が温水又は蒸気にて均
一に万遍なく加熱されるべく構成している。

しかも、蒸気を使用する場合は、回転翼２中に
おいて凝結するドレンは、仕切壁ｍの回転にとも
ないすくい上げられていき、排出口２７から蒸気
と共に排出空間S′に排出されていくものである。

かかる回転翼２の下部は、蒸発缶１の下部に形
成した流体貯溜部２０に侵入しうるよう構成し
て、被処理流体４の一部が回転翼２の表面２′に
付着しうるように構成すると共に、回転翼２の回
転を介して同被処理流体４の一部を被処理流体４
の液面上に引出しうるよう構成している。

また被処理流体４の液面上の蒸発缶１内は凝縮
器８と真空ポンプ９にて減圧状態にせしめられて
おり、回転翼２の表面２′に付着した被処理流体
４の一部は減圧雰囲気と回転翼２の加熱温度との
作用にて、液体分がフラツシユ蒸発せしめられ、
回転翼２の表面２′に、固体分１２が残存しうる
よう構成されている。

また、掻落し板１１は、基端を固体分排出口７
に位置して枢支２１せしめ、同枢支２１を中心に
起伏自在として同起伏作動は、蒸発缶１外部より
操作可能としている。かかる掻落し板１１には前
記回転翼２を摺動自在に嵌入せしめるための、先
端開口状の嵌入溝２２を複数個形成して、掻落し
板１１倒伏状に回転翼２の表面２′に残存した固
体分１２を掻落しうるよう構成している。また、
掻落し板１１は倒伏状態で先端から基端に向けて
下り傾斜状に構成して、掻落した固体分１２を固
体分排出口７にガイドしうるよう構成している。
また、同掻落し板１１は起立状態で、回転翼２と
接触せぬ状態としうるよう構成して、固体分１２
の乾燥速度が遅い場合には、回転翼２表面２′に
付着した固体分１２を回転翼２の回転を介して被
処理流体４中をくぐらせながら数回減圧雰囲気下
で乾燥し、その後掻落し板１１の倒伏操作にて掻
落し板１１を回転翼２表面２′と接触する状態と
して、固体分１２を充分に乾燥せしめた状態で回
収しうるよう構成してる。また、掻落し板１１は
起立終端位置で固体排出口７を閉塞しうるよう構
成している。更に掻落し板１１は倒伏終端位置で
先端縁１１′がドラム３の周側面３′に当接して、
ドラム３の周側面３′に付着した固体分１２をも
掻落しうるよう構成し、かつ、回転翼２表面２′
の付着固体分も掻落されるべく構成しているの
で、回転翼表面の熱交換効率の低下を防止できる
ものである。

尚、図中２３は被処理流体導入パイプ、２４は
固体分排出パイプ、２５は凝緒器８への冷却水ポ
ンプである。

なお、上記の実施例では、デイスク型減圧蒸発
分離機ついて説明したが、本発明の熱交換器にお
ける回転翼構造は、固液分離機能を有した分離機
以外にも他の種々の熱交換器、たとえば、飼料、
肥料製造用クツカー、食品用乾燥機、ヒーターを
利用した空調用熱交換器、海水淡水化装置、地熱
発電、海洋温度差発電等の発電用熱交換器等にも
応用できるものである。

(ト) 発明の効果 本発明によれば、加熱又は被加熱物に熱伝達を
行う回転翼中に媒体が万遍なく循環流通し、回転
翼の熱交換を促進すると共に、蒸気媒体使用の場
合には回転翼中で凝縮するドレンも蒸気と共に排
出され、ドレンの回転翼内滞留を防止し、更に回
転翼の熱交換効率を大きく向上できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の縦断面正面図、第２図
は−断面図、第３図は−断面図、第４図
は−断面図、第５図は要部の一部切欠斜視図
である。 Ａ：デイスク型減圧蒸発分離機、１：蒸発缶、
２：回転翼、２′：表面、３：ドラム、３′：周側
面、４：被処理流体、７：固体分排出口、１１：
掻落し板、１２：固体分、２０：液体貯溜部、２
６：供給口、Ｍ：隔壁、Ｓ：媒体供給空間、S′：
媒体排出空間、ｍ：仕切壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外缶内部に、加熱又は被加熱媒体を送通可能
   とした中空のドラム３を回転自在に収納し、同中
   空のドラム３の外周に、デイスク状の中空の回転
   翼２を多数連設し、しかも中空のドラム３の内部
   に隔壁Ｍをもつて媒体供給空間Ｓと媒体排出空間
   S′とを形成すると共に、回転翼２の内部に仕切壁
   ｍを設け、同媒体供給空間Ｓと媒体排出空間S′と
   を仕切壁ｍで仕切られた回転翼２の内部に連通せ
   しめてなる熱交換器における回転翼構造。