JPH0248759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、マンシヨン、公団住宅等のような集
合住宅における冷房装置（冷房システム）に関す
るものである。

［従来技術とその欠点］ 集合住宅において冷房を行なうシステムとして
は第２図に示すように室内機（フアン式放熱
器）０５用のコンプレツサー０２とフアン０３付
の凝縮器０４を有する室外機０１を各住戸ごとに
設置する例と各住戸の各部屋にヒートポンプ式
のエアコンを設置する例と住棟の屋上等に冷温
水機と冷却塔を設置し、冷温水を各部屋に設置し
たフアン式放熱器内に循環せしめて冷暖房を行な
う方式が一般的である。

しかし、上記及びの方式は室外機を各住戸
の例えばベランダ等に設置するため、この室外機
からの騒音とか冷房時における熱風が近隣へ迷惑
を及ぼし又室外機は大型になるためベランダ等の
スペースを大きくとり、更に美観を損ねるという
問題があつた。又の方式は室外機によるスペー
スや騒音の問題等はなくなるが、各住戸と住棟上
の冷却塔の間に配管を設けると共にこの配管はす
べて保温被覆を施こす必要があるため、イニシヤ
ルコストが高く、かつランニングコストも高いと
いう問題があつた。

［本考案の目的］ 本考案は斯かる点に鑑みて提案されるもので、
室外機を従来の1/3程度に小型化することによつ
て前記及びの方式による室外機の設置スペー
スに関する問題と騒音、排熱の問題を解決し、更
にの方式に比しイニシヤル及びランニングコス
トの安い集合住宅における冷房装置を提案するの
が目的である。

［本考案の構成］ 本考案は上記目的を達成する手段として次の如
き構成を採用するものである。

各住戸共用の冷却塔を巡る放熱回路を設けると
共に、各住戸の室内に設置されたフアン式放熱器
（室内機）に対して冷媒を循環せしめるコンプレ
ツサーユニツトを各住戸ごとに備え、このコンプ
レツサーユニツト内の凝縮用熱交換器を前記冷却
塔を巡る放熱回路に対して各住戸ごとに並列に配
管された分岐配管に接続して成る集合住宅におけ
る冷房装置。

上記装置においては住棟の屋上等に設置された
冷却塔を各住戸において共用するため、各室に置
かれたフアン式放熱器からの戻り冷媒はコンプレ
ツサーユニツト内のコンプレツサーにより加圧さ
れ、凝縮用熱交換器において冷却塔を巡る放熱回
路内を循環している放熱用熱媒に熱を与えて凝縮
し、フアン式放熱器に至り、気化潜熱を室内の空
気から奪つて冷房を行ない、再びコンプレツサー
ユニツトに戻るものである。

［実施例］ 第１図は上記本考案の一実施例を示し、１は住
棟の屋上に設置された放熱用熱交換器２とフアン
３から成る冷却塔、４は前記冷却塔１内の放熱用
熱交換器２を介して住棟内に配管された放熱回路
にして、５はこの放熱回路４内に取り付けられた
循環ポンプ、６は膨脹タンクである。

７は各住戸のベランダ、パイプシヤフト内、下
駄箱内、押し入れ等に設置することのできる室外
機（コンプレツサーユニツト）にして、この室外
機７内にはコンプレツサー８、凝縮用熱交換器
９、アキユムレータ１０、キヤピラリーチユーブ
１１が組み込んである。

１２は前記凝縮用熱交換器９と前記放熱回路４
を結ぶ分岐配管にして、放熱回路４内を循環して
いる放熱用熱媒はこの分岐配管１２から室外機７
内の凝縮用熱交換器９を循環する。１３は分岐配
管１２に取り付けられた制御弁である。

１４は各住戸の部屋内に設置されたフアン式放
熱器（室内機）にして、１５は熱交換器、１６は
フアンである。

１７は前記熱交換器１５、キヤピラリーチユー
ブ１１、凝縮用熱交換器９、コンプレツサー８、
アキユムレータ１０そして熱交換器１５と循環す
る冷房回路である。

次に上記実施例についてその作用を説明する。
冷房運転に際し、放熱回路４内の放熱用熱媒は循
環ポンプ５により循環しており、室内機１４のス
イツチがONにされると室外機７のコンプレツサ
ー８が運転を開始すると同時に制御弁１３が開い
て室内機１４からの冷媒をコンプレツサー８で圧
縮した後、凝縮用熱交換器９によつて熱を冷却塔
を巡る放熱回路４内の放熱用熱媒に与え、液状で
再び室内機１４へ戻り、熱交換器１５で気化潜熱
を周囲の空気から奪つて室内を冷房する。

なお、実施例の場合、冷却塔１内は常時一定量
の放熱用熱媒が循環している。但し、負荷に応じ
てその循環量及び冷却塔１の能力は調整してい
る。

室内機１４のスイツチがOFFにされると室外
機７のコンプレツサー８が止り、制御弁１３が閉
じる。

［本考案の効果］ 本考案は以上のように室外機内にはコンプレツ
サーと凝縮用熱交換器を組み込み、放熱用熱交換
器とこのフアンは住棟全体において放熱回路を経
由して共用するようにしたので、次の如き効果が
ある。

ａ 室外機内から大型化の主たる原因となつてい
た放熱用熱交換器とこのフアンを排除したた
め、従来の室外機に比較してその大きさを1/3
程度に小型化できる。

この結果、室外機をベランダに設置してもス
ペースを占めないことは勿論、室外機からは放
熱がないので、室外機をそのままパイプシヤフ
ト或いは下駄箱、押し入れ、天井、床下内等に
納めることができ、省スペース化に寄与すると
ころ大である。

ｂ 室外機から大きな騒音や放熱がないので、近
隣に迷惑を及ぼす心配がない。

ｃ ベランダ等から室外機を排除することによつ
て建物の美観を高めることができる。

ｄ 放熱回路は特別に保温を必要としないため、
設備費が安く、又冷却塔を住棟全体で共用する
ため省エネ対策上有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る冷房装置の実施例図、第
２図は従来の集合住宅における各住戸の冷房装置
の説明図である。 １……冷却塔、２……放熱用熱交換器、３……
フアン、４……放熱回路、５……循環ポンプ、６
……膨脹タンク、７……室外機（コンプレツサー
ユニツト）、８……コンプレツサー、９……凝縮
用熱交換器、１０……アキユムレータ、１１……
キヤピラリーチユーブ、２……分岐配管、１３…
…制御弁、１４……フアン式放熱器（室内機）、
１５……熱交換器、１６……フアン、１７……冷
房回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各住戸共用の冷却塔を巡る放熱回路を設けると
   共に各住戸の室内に設置されたフアン式放熱器に
   対して冷媒を循環せしめるコンプレツサーユニツ
   トを各住戸ごとに備え、このコンプレツサーユニ
   ツト内の凝縮用熱交換器を前記冷却塔を巡る放熱
   回路に対して各住戸ごとに並列に配管された分岐
   配管に接続して成る集合住宅における冷房装置。