JPH0248321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はコンバインの穀粒タンクにおけるシヤ
ツターに関する。

(ロ) 従来技術 従来、穀粒タンクの下部の漏斗状の取出部の下
部に筒体からなる取出口を連設し、該取出口に昇
降するシヤツター筒を嵌挿して該シヤツター筒を
下降すると穀粒が流出し、上昇させると穀粒が流
出しなくなるようにした穀粒タンクにおけるシヤ
ツターは既に知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の穀粒タンクにおけるシヤツターは、
穀粒袋の高さ及び穀粒タンクの高さは略一定であ
るので、案内筒を長くすると穀粒タンクの容量が
小さくなり、また、シヤツター筒は案内筒よりは
るかに長いのでそれを昇降させるとき、該シヤツ
ター筒が傾動し、昇降操作時に該シヤツター筒と
案内筒との間にこじれが生じ、シヤツター筒の昇
降が不円滑になると共に大きな操作力を必要とし
た。更に、シヤツター筒が機幅から突出しない状
態で穀粒タンクの外側に設けると、シヤツター筒
の上部及び両側が無駄なスペースになつて穀粒タ
ンクの容量が著しく小さくなるという問題点があ
つた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は本体の下面に筒状の取出口を設け、該
取出口の上方の本体内に下部が拡開するように傾
斜した覆体を設け、一側上部に上下方向の板体を
立設してなるシヤツター筒を、上記取出口に上下
摺動可能に嵌合すると共に上昇させると上端が前
記覆体に嵌合するように構成し、該覆体の内面に
前記板体に当接する規制体を装着して該規制体と
本体内側面との間に、シヤツター筒の一側上部の
前記板体が一定の姿勢で上下動する規制間隙を設
けることにより、穀粒タンクの容量を大にすると
共にシヤツター筒を昇降させる時、その傾動を規
制して前述の問題点を解決した。

(ホ) 作用 穀粒を穀粒袋に充填する時はシヤツター筒を下
降させてその上部の開口部を覆体から下方へ離間
させていくと、揚送されて穀粒タンクに投入され
た穀粒は穀粒袋に流入し、穀粒袋が満杯になつて
交換する時、シヤツター筒を引き上げるとその上
端開口部が前記覆体に嵌合して閉鎖され、シヤツ
ターが閉じた状態になるから穀粒袋を交換する。

このように前記シヤツター筒を昇降させる時、
その上部は該シヤツター筒の外側に立設した板体
を規制体と本体の内側面との間の規制間隙で規制
し、下部は取出口が規制する。即ち、シヤツター
は上部と下部の２ケ所で規制案内される。

また、覆体６は下部が拡開するように傾斜して
いるので、穀粒の流下がスムーズでありかつ残留
することがない。

(ヘ) 実施例 以下、図面に示す実施例について本考案を更に
詳細に説明すると、１はコンバインの機台上の一
側寄りに搭載した脱穀装置１ａの揚穀筒であつ
て、その吐出口は機台の他側寄り上部に設けた穀
粒タンク２の後方上部内に開口しており、該穀粒
タンク２の本体の下部には内外一対の漏斗状の取
出部３，３を前後に３対設け、各取出部３，３の
下端に連設して固定した角筒状の取出口４，４は
外側部に上部が本体と一体になつた平面視でコ字
状をなす立上部４ａ，４ａを有し、この取出口
４，４には外側上端部に板体５ａを立設してなる
シヤツター筒５を上下摺動自在に挿入してあり、
シヤツター筒５を上昇させるとその上端が両側板
６ａ，６ａと傾斜部６ｂとからなる覆体６に嵌合
して穀粒の流下路を閉じる。

また、前記取出部３の外側壁及び前記取出口４
の立上部４ａには、シヤツター筒５の外側面に突
設したコ字状の金具７を突出せしめて案内する切
欠窓８が設けてあり、前記金具７に穿設されてい
る長孔７ａ，７ａに遊嵌した横杆９の両端には一
対の支持腕１０，１０の基部を固定し、それらの
先端部には一端が一方の支持腕１０から突出し、
他端が割ピンで止着された把握部１１ａが弾機１
２により突出端側へ弾圧付勢された把杆１１がそ
の軸芯方向に移動し得るように貫挿されている。

また、取出部３の外側面には、前記把杆１１の
突出部と対向すると共に下向傾斜面を有するガイ
ド体１３を装着し、このガイド体１３の下向傾斜
面はシヤツター筒５を上昇させると、把杆１１の
突出部に摺接し、弾機１２に抗してそれを押込
み、該把杆１１の突出部がガイド体１３の上端を
通過すると把杆１１は弾機１２によつて押し出さ
れ、その突出端はガイド体１３の上端上に係止さ
れる。

更に、突出部３の背部の斜面３′に中間折曲部
を回動自在に支持すると共に巻スプリング１４，
１４により外端が上昇回動するように付勢された
Ｓ字状の揺動アーム１５，１５の外端は前記横杆
９の両端にそれぞれ嵌合せしめてあり、内側の取
出部３と外側の取出部３とに装着されている前記
揺動アーム１５，１５の内端部にはそれぞれ連杆
１６で連動連結されているので外側のシヤツター
筒５を昇降させると内側のシヤツター筒５，５を
上昇させる時各揺動アーム１５，１５の折曲部は
前述のように巻スプリング１４，１４により外端
が上昇するように付勢されているので、軽快に上
昇させることができる。

而して、前記覆体６の傾斜部６ｂの下面（内
側）にはコ字状をなす板体からなる規制体２２を
ねじ２３，２３によつて上下移動調節可能に装着
してあり、その先端部と取出部３の外壁と一体な
前記立上部４ａの間は前記シヤツター筒５の上端
に立設されていて両側部を内側に向けて折曲した
板体５ａが通過し得る規制間隙に形成されている
ので、シヤツター筒５は取出口４より長く形成さ
れていて傾動し易いにも拘らず、その昇降操作時
に下部が取出口４に嵌合した状態で前記板体５ａ
が規制体２２に規制されるので傾動することがな
く、スムーズに昇降操作することができ、かつ前
記規制間隙は規制体２２を前記傾斜部６ｂに沿つ
て上下移動することにより広狭に調節することが
でき、板体５ａの厚さに適合せしめてシヤツター
筒５が穀粒袋１８の吊杆１９の長さ方向に傾斜す
るのを防止しながら円滑に昇降させることができ
る。

２４は上下方向に偏位した部位に一対の孔を有
する矩形状の調節板であつて、前記シヤツター筒
５に金具７が取付けられている下方に着脱自在に
螺着してあり、シヤツター筒５を下降させた時、
調節板２４の下端は切欠窓８の下側縁上に当接す
る。

従つて、小麦又は濡れた籾のように比重の大な
る穀粒を一袋の重量が一定になるように少なめに
充填せんとする場合は第６図ｂに示すように調節
板２４を螺着すると、シヤツター筒５は穀粒袋１
８内に深く入り、良く乾燥した籾のように比重の
比較的小さな穀粒を充填する場合は第６図ａに示
すように螺着部より下側が長くなるようにすると
シヤツター筒５が穀粒袋１８内へ浅く挿入され比
較的多量の穀粒を充填することができる。

また、調節板２４を取外すとシヤツター筒５を
更に深く挿入することができる。

１７はシヤツター筒５の下端の昇降ストローク
より短い可撓筒、２０は穀粒充填量を感知する検
出器、２１は移送螺旋である。

なお、前記調節板２４はそれに長孔を穿設して
上下移動調節可能に螺着しても良く、要は調節板
２４をシヤツター筒５に対し上下移動調節してシ
ヤツター筒５の穀粒袋１８への挿入長さを調節す
ることができれば良い。

本考案は前述のように本体の下面に筒状の取出
口４を設け、該取出口４の上方の本体内に下部が
拡開するように傾斜した覆体６を設け、一側上部
に上下方向の板体５ａを立設してなるシヤツター
筒５を、上記取出口４に上下摺動可能に嵌合する
と共に上昇させると上端が前記覆体６に嵌合する
ように構成し、該覆体６の内面に前記板体５ａに
当接する規制体２２を装着して該規制体２２と本
体内側面との間に、シヤツター筒５の一側上部の
前記板体５ａが一定の姿勢で上下動する規制間隙
を設けたので、長いシヤツター筒５は短い筒から
なる取出口４に貫挿されているにも拘らず、シヤ
ツター筒５を昇降させて取出口４を開閉する時、
シヤツター筒５の下部は取出口４により規制さ
れ、上部はその側板上に立設した板体５ａが規制
体２２と本体側の内側面との間の間隙により規制
されて傾動することがなく、それによりシヤツタ
ー筒５を小さな操作力で迅速かつ容易に昇降操作
することができ、頻繁に行なう袋交換作業を高能
率に行なうことができる。

また、シヤツター筒５及びそれを閉じた状態に
しておくための覆体６等が、穀粒タンク２内に設
けてあるのでそれらの上方及び両側部まで穀粒収
容スペースとして活用することが可能になり穀粒
タンクの容量を著しく増大することができる。

しかも、覆体６は下部が拡開するように傾斜し
ているので穀粒を円滑に流出させることができる
と共に覆体６上に穀粒が残留することがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの穀粒タンクの側面図、第２
図は同上背面図、第３図はシヤツターの斜視図、
第４図は把杆係止部の断面図、第５図は要部の斜
視図、第６図ａ，ｂは同上縦断面図である。 ４……取出口、５……シヤツター筒、５ａ……
板体、６……覆体、６ａ……側板、６ｂ……傾斜
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の下面に筒状の取出口４を設け、該取出口
   ４の上方の本体内に下部が拡開するように傾斜し
   た覆体６を設け、一側上部に上下方向の板体５ａ
   を立設してなるシヤツター筒５を、上記取出口４
   に上下摺動可能に嵌合すると共に上昇させると上
   端が前記覆体６に嵌合するように構成し、該覆体
   ６の内面に前記板体５ａに当接する規制体２２を
   装着して該規制体２２と本体内側面との間に、シ
   ヤツター筒５の一側上部の前記板体５ａが一定の
   姿勢で上下動する規制間隙を設けたことを特徴と
   する穀粒タンクにおけるシヤツター。