JPH0247821B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 この発明は、陰極線発光スクリーンに対して懸
架された周辺フレームに取付けられたシヤドウ・
マスクを有する陰極線管に関するものであり、さ
らに詳しく言えば、陰極線管の動作期間中にシヤ
ドウ・マスクのドーム形成を少なくするための新
規なマスク−フレーム構体の形状に関するもので
ある。

〔従来技術・その問題点〕

これらのカラー映像管では、電子銃から発射さ
れる電子ビームが個々の画素の陰極線発光スクリ
ーン領域を衝撃する精度は、大部分、管の動作期
間中に画素スクリーン領域とシヤドウ・マスクの
開孔との整列の精度に依存している。映像管の初
期動作期間中は、電子ビームの衝撃によつてシヤ
ドウ・マスクはより重い周辺フレームよりもはる
かに速い速度で加熱される。このような加熱に差
があるために、シヤドウ・マスクはフレームより
も大きな割合で膨張する。シヤドウ・マスクはそ
の周辺がフレームに溶接されているので、シヤド
ウ・マスクがこのようにより速く膨張すると、フ
レームがマスクの膨張を妨げ、それによつてマス
クのドーミング（ドーム形成）が生じる。このよ
うなマスクのドーミングが生ずると、それを通過
する電子ビームは関連する画素スクリーン領域と
不整列になり、それによつてスクリーン上の色に
好ましくないずれを生じさせる。

このドーミングの問題は幾つかの従来特許で提
起されている。1968年２月６日付けの米国特許第
3368098号明細書には、映像管の動作のウオーム
アツプ期間中にシヤドウ・マスクの負の歪が生ず
るのを防止または減少させるために限られた数の
マスク−フレーム間溶接を使用する方法が開示さ
れている。1971年６月15日付けの米国特許第
3585431号明細書には周辺に凹凸形状を有するマ
スク・スカートを形成する方法が示されており、
この方法ではウオームアツプ期間中にマスクが半
径方向にフレームの周辺から離れる方向に移動し
得るように上記マスクはフレームに溶接されてい
る。また、1975年１月21日付けの米国特許第
3862448号明細書には、マスクの加熱によつて生
ずるマスク中の応力を減少させるためにマスク・
スカートに質量の減少されたクツシヨン領域を使
用する考え方が示されている。さらに1978年７月
４日付けの米国特許第4099086号明細書には、角
部に舌片を形成するためにマスク・スカートの角
部の近くに切取部分を有するマスク・スカートの
構造が示されている。舌片は彎曲しており、マス
ク・フレームに溶接されている。一実施例では、
舌片は蝶番効果を与えるためにさらに凹みまたは
波形を有している。

これらの特許明細書に示されている技術はすべ
て、その技術が適用されている形式の管に付帯す
る特有の問題を解決することができるが、最近の
管の設計ではマスクの膨張によつて生ずる問題を
解決するための他の解決手段の発展を必要とす
る。最近の管の設計に係る映像管では、平坦な、
より真の長方形に近いシヤドウ・マスクが使用さ
れている。

〔発明の概要〕

この発明によれば、長軸と短軸をもつた長方形
のフエースプレート・パネルを持つた排気された
外囲器を含むカラー映像管を改善することがで
き、管の中心を通る長手軸は上記長軸と短軸に対
して垂直にフエースプレートの中心を貫通する。
フエースプレート・パネルは、その中に取付けら
れた周辺フレームに角部を含む幾つかの点で溶接
されたシヤドウ・マスクを含んでいる。フレーム
は中心を通る長手軸とほぼ平行なフランジをもつ
ている。またシヤドウ・マスクは中心を通る長手
軸とほぼ平行な周辺スカートをもつている。改良
された映像管は、先端の切断された隅部を有する
シヤドウ・マスクを有し、隅部におけるスカート
部は直線的で且つ平坦であり、長軸および短軸の
双方に対して鋭角をなし、直線状で平坦なスカー
ト部のほぼ中心部でフレームに溶接されている。

好ましい実施例では、フレームは切断された隅
部を有し、フレーム隅部の各々におけるフランジ
は直線的で且つ平坦であり、長軸および短軸の双
方に対して鋭角をなしている。シヤドウ・マスク
の周辺部分はフランジの形状と一致しており、そ
れとテレスコープ状に摺動関係にある。シヤド
ウ・マスクをフレームに取付けるための隅部の溶
接は切断された隅部の直線上で平坦な部分のほぼ
中心に位置している。

〔詳細な説明〕

第１図および第２図はフアネル２６によつて結
合された長方形のフエースプレート・パネル２２
と管状ネツク２４とからなる排気されたガラス外
囲器２０を有するカラー映像管１８を示す。フエ
ースプレート・パネル２２は２本の直交軸、すな
わちその広い側の寸法（通常水平）に平行な長軸
Ｘ−Ｘと、その狭い側の寸法（通常垂直）に平行
な短軸Ｙ−Ｙとを含んでいる。長軸および短軸
は、ネツク２４の中心およびパネル２２の中心を
通る映像管の中心長手軸Ｚ−Ｚと垂直である。パ
ネル２２は観察用フエースプレート２８と、フリ
ツト材２７によつてフアネル２６に封着されたフ
ランジまたは側壁３０とからなつている。３色陰
極線発光スクリーン３２はフエースプレート２８
の内面上に形成されている。スクリーン３２は映
像管の短軸Ｙ−Ｙに実施的に平行に伸びる螢光線
のアレーからなつている。スクリーン３２の一部
はこの発明の属する技術分野で知られた方法で光
吸収材料によつて覆われている。新規なＬ形フレ
ーム３５に取付けられた新規な有孔色選択電極す
なわちシヤドウ・マスク３４からなるマスク−フ
レーム構体３３は、４個のスプリング４２によつ
てスクリーン３２に所定の間隔を保つてパネル２
２内に着脱自在に取付けられている。マスク３４
は実質的に平行な列をなして配列された多数のス
リツト形開孔を有し、各列中のスリツトはウエブ
（桁）によつて分離されている。Ｌ形フレーム３
５は２個のフランジ３６および３７を有してい
る。第１のフランジ３６は中心の長手軸Ｚ−Ｚと
ほぼ平行にスクリーン３２に向つて伸びている。
第２のフランジ３７は中心の長手軸Ｚ−Ｚに対し
てほぼ直角をなす方向に向側に向けて伸びてい
る。マスク３４はフレームのフランジ３６に対し
てテレスコープ状に嵌合する周辺スカート４１を
有している。

概略的に示すインライン電子銃３９はネツク２
４内に設けられていて３本の電子ビーム３８Ｂ，
３８Ｒおよび３８Ｇを発生し、これらの電子ビー
ムをマスク３４を通過してスクリーン３２に向う
共通平面集中路に沿つて導く。

映像管１８は、ネツク２４とフアネル２６とを
取囲んでこれらの接続部近傍に設けられた外部磁
界偏向ヨーク４０と共に使用するように設計され
ている。ヨーク４０に適当な電圧が印加される
と、３本のビーム３８Ｂ，３８Ｒおよび３８Ｇは
直角をなす２つの磁界を受け、ビームはスクリー
ン３２上に長方形のラスタを形成するように走査
する。

第３図は、周辺フレーム３５′に取付けられた
有孔シヤドウ・マスク３４′を含む従来のマスク
−フレーム構体３３′の一形式の隅部を示す。マ
スク３４′およびフレーム３５′の隅部は丸みを帯
びており、マスク３４′は隅部の点４４において
フレーム３５′に溶接されている。マスク３４′は
隅部で曲つているから、このマスク３４′は隅部
で比較的硬直しており、極めて柔軟性に乏しい。
この発明の実施例は、従来のこの形式の構成より
も大きな隅部の柔軟性を与え、しかも従来のある
種の他の形式で用いられている切取り部およびタ
ブを必要としないものである。

〔本発明の実施例の説明〕

第４，５，６図は映像管１８中の新規なマスク
−フレーム構体３３の詳細を示す。この新規なマ
スク−フレーム構体３３が第３図に示す従来のマ
スク−フレーム構体３３′と最も著しく相違して
いる点は、側部は直線的であり、隅部は側部に対
して切取られている点である。フレーム３５の第
１のフランジ３６の隅部は直線状で且つ平坦であ
り、長軸Ｘ−Ｘおよび短軸Ｙ−Ｙの双方に対して
鋭角をなしている。シヤドウ・マスク３４の周辺
部分は第１のフランジ３６の形状と一致してお
り、それとテレスコープ状に嵌合している。マス
ク３４の各々の角度をなす隅部のスカート４１
は、直線状で且つ平坦なフレーム隅部のほぼ中心
部に位置する点４６においてフレーム３５の切断
された隅部に溶接されている。溶接部はまた半径
方向に最大の柔軟性が得られるように、スカート
４１の末端近くにも設けられている。

第３図に示す従来技術のマスク・フレーム構体
３３′においては、隅部を廻る周辺でマスクの末
端に対する溶接４４の位置はある程度厳密でなけ
ればならない。所定の設計位置から僅かでも変化
するとマスクの膨張やドーミングに大きな影響を
与える可能性がある。しかしながら新規なマス
ク・フレーム構体３３では、切断隅部における溶
接部４６の位置はそれ程厳密ではなく、そのため
マスクとフレームとの溶接が変化することによつ
て生ずる管毎の変化は少ない。このような効果は
切断された隅部におけるマスク・スカート４１の
直線状平坦部分の柔軟性が大きいことによつて得
られるものである。このような柔軟性によりマス
クの膨張に対する抵抗力が小さくなり、従つてマ
スクのドーミングは小さくなる。

切断隅部におけるマスク・スカートの柔軟性は
隅部の直線状平坦部の長さＡを変えることによつ
て調整される。長さＡが短かくなる程柔軟性は小
さくなり、長さＡが長くなる程柔軟性は大きくな
る。

ある種の適用例では、マスク−フレーム構体の
隅部を切断すると、その隅部の柔軟性のためにマ
スクの好ましくないマイクロフオニツクが生ずる
ことがある。このようなマイクロフオニツクは第
７図に示すようにマスク・フレーム構体４８の切
断された隅部を変形することによつて制御され
る。マスク・フレーム構体４８はＬ形周辺フレー
ム５２に取付けられたシヤドウ・マスク５０を含
んでいる。マスク−フレーム構体４８の各隅部は
３個の連続する直線状平坦セグメント５４，５
６，５８を含み、これら各セグメントはすべて長
軸および短軸に対して鋭角をなしている。マスク
５０は中央セグメントのほぼ中心点６０において
フレーム５２に溶接されている。セグメントの長
さまたは角度を適当に調整することによつて特定
のマイクロフオニツクの問題を制御することがで
きる。

上述のマスク−フレーム構体３３はフレーム上
にテレスコープ式に嵌合されたマスクと共に示さ
れているが、切断隅部は第８図に示すようにマス
ク３４″がフレーム３５″内にテレスコープ状に嵌
合されたマスク−フレーム構体３３″にも使用す
ることができる。マスク−フレーム構体３３″で
は、マスク３４″はフレーム３５″よりも僅かに小
さい寸法に作られており、そのためマスク３４″
とフレーム３５″との間に間隙６２が存在する。
間隙６２の目的はマスクが膨張するための場所を
設けるためである。マスク３４″は、それからフ
レーム３５″に向つてこれに接触するように伸び
るマスク・スカートの縦溝すなわち打出し部６４
によつてフレーム３５″に取付けられている。あ
るいはマスクに向つて内方に伸びるタブあるいは
打出し部を有するフレームを使用することもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による有孔マスク陰極線管の
軸に沿う断面を示す図、第２図は第１図の陰極線
管の２−２線方向に見たフエースプレートおよび
マスク−フレーム構体の背面図、第３図は従来の
マスク−フレーム構体の隅部の一部切断平面図、
第４図は第１図の陰極線管のマスク−フレーム構
体の隅部の一部切断平面図、第５図は第４図の５
−５線方向に見たマスク−フレーム構体の隅部の
断面図、第６図は第１図の陰極線管のフレームの
隅部の斜視図、第７図はこの発明による他のマス
ク−フレーム構体の隅部の一部切断平面図、第８
図はこの発明による更に他のマスク−フレーム構
体の隅部の一部切断平面図である。 １８……映像管、２０……外囲器、２２……フ
エースプレート・パネル、３４……シヤドウマス
ク、３５……フレーム、３６……フランジ、４１
……周辺スカート、４６……周辺スカート、Ｘ−
Ｘ……長軸、Ｙ−Ｙ……短軸、Ｚ−Ｚ……中心長
手軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長軸と短軸を有する長方形のフエースプレー
   ト・パネルを有する排気された外囲器を有する映
   像管であつて、該映像管の中心長手軸は上記長軸
   および短軸に対して垂直に上記フエースプレー
   ト・パネルの中心を通過し、 上記フエースプレート・パネルは、その中に設
   けられた周辺フレームにその隅部を含む幾つかの
   点で溶接されたシヤドウ・マスクを有し、 上記フレームは上記中心長手軸とほぼ平行なフ
   ランジを有し、 上記シヤドウ・マスクは上記中心長手軸とほぼ
   平行な周辺スカートを有し、 上記シヤドウ・マスクは、隅部におけるスカー
   ト部が直線状で平坦であり且つ上記長軸および短
   軸の双方に対して鋭角をなすように切断された隅
   部を有し、且つ直線状で平坦なスカート部分のほ
   ぼ中心部で上記フレームに溶接されている、カラ
   ー映像管。 ２ 長軸と短軸を有する長方形のフエースプレー
   ト・パネルを有する排気された外囲器を有する映
   像管であつて、該映像管の中心長手軸は上記長軸
   および短軸の双方に対して垂直に上記フエースプ
   レート・パネルの中心を通過し、 上記フエースプレート・パネルは、その中に設
   けられた周辺フレームにその隅部を含む幾つかの
   点で溶接されたシヤドウ・マスクを有し、 上記フレームは上記中心長手軸とほぼ平行に伸
   びるフランジを有し、 上記フレームは、その各隅部における上記フラ
   ンジが直線状で平坦であり且つ上記長軸および短
   軸の双方に対して鋭角をなす少なくとも１つの部
   分を有するように切断された隅部を有し、 上記シヤドウ・マスクの周辺部は上記フランジ
   の形状と一致し、且つそれとテレスコープ状に嵌
   合し、上記シヤドウ・マスクを上記フレームに取
   付ける隅部の溶接は上記切断された隅部の少なく
   とも１つの直線状で且つ平坦な部分のほぼ中央部
   に位置している、カラー映像管。