JPH0247659B2 - Juryokenshutsukinotsukikanetsuchoriki - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は被加熱物の重量を測定し、その重量に
応じた加熱出力、パターン、時間を自動的に制御
可能とする加熱調理器に関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図に従来の重量検出機能付加熱装置の一例
についての右側からの部分断面図である。

１は被加熱物３を納出するための開閉自在のド
アである。被加熱物３は回転皿５の上に載置され
る。導波管４を介して導波管４の終端に取付けら
れたマグネトロン（図示せず）より高周波エネル
ギーが加熱室２内に供給され被加熱物は加熱され
る。被加熱物３および回転皿５を一体に支持する
回転載置台７は加熱室底面の開口８を貫通しモー
ター軸９と直結され、加熱中、回転し被加熱物は
均一に加熱される。板バネ１０の一端はモーター
取付け板１１およびバネ固定板１２と一体となつ
てブロツク１３に固定されモーター軸９のスラス
ト方向に移動自在な自由端となつている。また板
バネ１０の他端も同様にバネ固定板１２およびブ
ロツク１３に固定されロバーバル機構を構成しさ
らに加熱室２の底部に取付けられたロバーバル固
定材１４に固定される。

今、被加熱物３を載置するためドアー１が開か
れるとドアー１と連動して、励振軸１５が図面矢
印方向に回転する。その結果励振軸１５と結合し
一体に駆動する励振バネ１６はモーター取付け板
１１に取付けられた磁石取付け板１８を押さえロ
バーバルの自由端を下方に押し下げた状態で、ド
アの連動と切り離されその状態を維持する。次に
被加熱物が回転皿５に載置されドア１が閉められ
るタイミングと同期して励振バネ１６は復帰バネ
１７によつてドア１が閉められていた時の状態に
復帰し、ロバーバルの自由端は上下に振動を開始
する。その振動を磁石２１による磁界の振動とし
て重量検出回路によつて検出し検出した振動の振
動数より被加熱物の重量を算出する構成としてい
る。重量検出回路は第２図ａに示すような構成で
あり、各部の信号は第２図bA〜Ｅのようになる。
Ｄ点の信号の立ち上がりＰから次の立ち上がりＱ
の間の基準パルスを演算装置で計数することによ
り、振動周期を検出し被加熱物の重量を算出して
いる。

ところが被加熱物の重量が増加すると、ロバー
バル機構の自由端が本体底面に接近し、振動領域
は減少するため、振動は微弱となり、ドア閉時の
振動あるいは外部の振動の影響を受けやすく、被
加熱物の重量に対応した固有振動数とは異なつた
振動状態となり重量検出回路は誤つた重量を算出
する。

また、本体底部が外部からの力によつて容易に
たわみ弾性力をもつような材質で構成されている
場合、過大重量の被加熱物が載置されロバーバル
機構の自由端が本体底部に接触すると本体底部は
ロバーバル機構に対して、ある弾性定数をもつた
弾性体として働く、そのため、ロバーバル機構は
実際の被加熱物に対応した固有振動とはまつたく
異なつた振動を生じ測定重量も、大きく異なつて
くる。

第３図ａがこの現象を表わしたモデル図で第３
図ｂ、がこの時の振動数および測定重量の変化を
表わした特性図である。以上のように弾力性のあ
る材質で振動領域が制限される場合も重量を低く
検知して誤つた重量を算出する。

発明の目的 本発明は上記従来の欠点を解消するもので、載
置台の微弱振動を検知し微弱振動時に生じる重量
の誤測定を阻止し正確な重量測定を実現すること
を目的とする。

発明の構成 上記目的を達成するため、本発明の重量検出機
能付加熱装置は、被加熱物、載置台を弾性体によ
つて一体に支持し、載置台あるいは弾性体の振動
数より、被加熱物の重量を検出すると同時に前記
振動の振幅に対しあるしきい値をもつて微弱振動
に対して感応せず測定を不能とする機能を有した
構成とする。さらに重量の大きなものに対し、抑
止板を設け振動を制限する構成とする。これによ
り微弱振動時に生じる重量の誤測定は解消され、
正確な重量測定を行なえると同時に過大重量の被
加熱物が載置されたことが認知できるという効果
を有するものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について図面に基づい
て説明する。

第４図は本発明による重量検出機能付加熱装置
の右側面からの部分断面図である。

第４図において、加熱室２の前面にはドアー１
を開閉自在に設けている。加熱室２内にはマグネ
トロン（図示せず）から高周波エネルギーが導波
管４を通つて伝達され、回転皿５の上に載置され
た被加熱物３を加熱する。回転載置台７はモータ
ー軸９に固定され回転皿５、被加熱物３と一体と
なつてモーター取付け板１１に取付けられたモー
ター６により同時回転駆動する。板バネ１０の一
端はモーター取付け板１１およびバネ固定板１２
と一体でブロツク１３に固定され、自由端となつ
ておりモーター軸９のスラスト方向に移動自在と
なつている。また板バネ１０の他端もブロツク１
３、バネ固定板１２で固定されロバーバル機構を
構成しさらに加熱室２の底面に固定されたロバー
バル固定材１４に取り付けられ固定端となつてい
る。

以下本発明における構成について説明する。ド
アー１と連動して駆動する励振バネ１６はドアー
を開く際にモーター６に取り付けられた磁石取り
付け板１８を押し下げる。次に回転皿５の上に被
加熱物３を載置し、ドアー１を閉じるのと同期し
て励振バネ１６は瞬間的に復帰しロバーバル機構
は振動を開始する。当然、被加熱物の重量が大き
くなるとロバーバル機構の自由端は下方に変位し
抑止板１９との間隔が狭められるため振動領域は
制限され振動は微弱になる。また抑止板１９にロ
バーバル機構が、完全に接触した場合も抑止板１
９は弾性力をもたない強固な材質より構成されて
いるが、第３図ａに見られるようなf₂というまつ
たく異質の非常に微弱な振動が生じる可能性があ
る。

ロバーバル機構の振動は磁石２１により、検出
コイル２０近傍の磁界振動となり重量検出回路で
電気信号へと変換され波形整形、演算処理され、
重量が算出される。第５図Ａに重量検出回路のブ
ロツク図をＢに部分的な回路図を第６図ａ〜ｄに
第５図ｂの回路の各部の波形を示す。

検出コイル２０にはロバーバル機構の単振動と
１／２π位相のずれた第６図ａに示す正弦波信号が
発生する。信号は第５図Ａの信号増幅回路によつ
て増幅され次段のコンパレータ回路に第６図ｂの
信号が入力される。このコンパレータ回路の参照
電圧はコンパレータ回路の出力電圧第６図ｄを帰
還させたものでｃのように変化する。このコンパ
レータ回路の動作は第７図で示すように入力電圧
e_iがA₃以下の場合はA₃が参照電圧となるが一度
A₃をこえ出力電圧e_pのレベルもＬにおちるため
参照電圧も同時にA₄に変化するものである。A₃，
A₄の値は第５図のR₃，R₄，E_sおよびコンパレー
タの出力電圧によつて決定し、R₃R₄、およびE_s
を適当に選ぶことにより、E_sを中心に振幅（A₃
−A₄）以下の信号に関して感応しない機能をも
つた回路を構成することができ所望の振幅規制が
実現可能となる。

例えば、本重量検出機能付加熱装置が第８図の
太い実線で示されるような重量測定の特性をもつ
ており、かつその時のコンパレータ回路の入力電
圧が点線で示されるようであつたとする。この場
合、重量の測定範囲を０〜Wmaxとして、コン
パレータ入力電圧のしきい値をV_Rとし、Wmax
以上の被加熱物をすべて重量オーバーとみなす構
成とすれば、第８図の斜線部にみられる被加熱物
の重量を実際の重量より低く検出するという誤動
作は解消される。

また本発明による重量検出回路は外来ノイズの
影響を受けにくいという特徴をも備えている。第
９図ａのような外来ノイズの重畳した信号をE_sを
参照電圧としたコンパレータ回路に入力した時、
出力波形はｂのように重畳ノイズの影響を直接受
け立ち上り、立ち下り付近で不安定にレベルが反
転する。従つてそのノイズによつて発生したパル
スの周期から演算回路は重量を算出してしまい誤
測定を生じる。しかしｃ斜線部に示すように不感
帯を持たせ弁別感度を落とすことによつてノイズ
による影響はうけにくく、ｄに示すようにきれい
な方形波パルスを得ることができる。

このように本発明によれば、簡単な構成で容易
に振動についての振幅規制を持たせることが可能
で微弱振動による誤動作は生じない。また不感帯
幅をもち振幅規制を行なう方式をとることによつ
て外来ノイズによる影響も低減され、精度のよい
装置が実現することができる。

発明の効果 (1) 被加熱物の重量に対応して振動する弾性体の
振動数より重量を算出する際、振動の振幅にあ
るしきい値を設け微弱振動に感応しない構成と
することによつて、外部振動の影響を受けやす
い微弱振動を検出せずにすみ信頼性の高い装置
を実現することができる。

(2) 被加熱物の重量が大きくなると弾性体の変移
は大きくなり、本体底部あるいは振動領域を制
限するために設けられた抑止板に接触し重量と
振動数の相関関係は変化しかつ微弱振動とな
る。この振動をそのまま検出し重量を算出する
と誤測定となるが、振副規制によつてこのよう
な振動に関しては感応しない構成となつている
ため誤測定は生じない。

(3) 弾性体に、振動を与える装置が故障した場
合、振幅規制の機能を有する装置であれば容易
に、故障を察知できる。

(4) 不感帯幅をもつて振幅規制を行なつているた
め信号に重畳したノイズに対して感応し誤動作
を生じるということはない。

(5) コンパレータの参照電圧は出力電圧を抵抗に
よつて分圧・フイードバツクさせているが、抵
抗を可変抵抗にすることによつて参照電圧を任
意に調節することができ検出の感度を調節する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の重畳検出機能付加熱装置の側面
断面図、第２図ａは従来の重量検出回路のブロツ
ク図、ｂは回路各部の波形図、第３図ａは重量検
出機能付加熱装置の振動系のモデル図、第３図ｂ
はその場合の振動数および測定重量の被加熱物の
質量に対する相関図、第４図は本発明の一実施例
である重量検出機能付加熱装置の側面断面図、第
５図Ａは本発明の重量検出機能付加熱調理器の重
量検出回路のブロツク図、第５図Ｂはその部分的
な回路図、第６図は第５図Ｂの各部の信号波形
図、第７図はコンパレータ回路の動作説明図、第
８図は本重量検出機能付加熱調理器の振動の振幅
および測定重量の被加熱物の質量に対する特性
図、第９図ａ，ｂはコンパレータ回路の参照電圧
をある基準電圧に固定した場合のノイズによる影
響を示す説明図、第９図ｃ，ｄは本発明におけ
る、基準電圧を中心に不感帯幅を設けて振幅規制
を行なうコンパレータ回路のノイズによる影響を
示す説明図である。 １……ドアー、２……加熱室、３……被加熱
物、４……導波管、５……回転皿、６……モータ
ー、７……回転載置台、８……開口、９……モー
ター軸、１０……板バネ、１１……モーター取付
け板、１２……バネ固定板、１３……ブロツク、
１４……ロバーバル固定材、１５……励振軸、１
６……励振バネ、１７……復帰バネ、１８……磁
石取付け板、１９……抑止板、２０……検出コイ
ル、２１……磁石。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被加熱物を収納する加熱室と前記被加熱物を
   加熱する加熱手段と、前記被加熱物を載置するた
   めの載置台と前記被加熱物と載置台を一体に支持
   しかつ前記被加熱物の重量に応じて振動数が変化
   する弾性体と、前記弾性体の振動数より前記被加
   熱物の重量を検出する重量検出手段とを備え、前
   記重量検出手段は前記載置台が所定の振幅以下で
   振動する場合については感応しない構成とした重
   量検出機能付加熱調理器。 ２ 重量検出手段に載置台の振動を電気的振動と
   して検出し、前記電気的振動の振幅より前記載置
   台の振幅の大小を判断する電子回路を用いる構成
   とした特許請求の範囲第１項記載の重量検出機能
   付加熱調理器。 ３ 被加熱物が所定の重量をこえると載置台の振
   動領域を制限し振動を減衰させる抑止装置を備え
   た特許請求の範囲第１項記載の重量検出機能付加
   熱調理器。 ４ 抑止装置による振動の減衰を重量検出手段に
   よつて検知し被加熱物の重量が所定の重量に達し
   抑止装置に接触していることを検知する機能を有
   する特許請求の範囲第１項記載の重量検出機能付
   加熱調理器。