JPH0247365A - カーボン繊維成形体の表面処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カーボン繊維成形体等の気孔を塞ぐため、塗
布、含浸、付着した有機化合物の被覆層を、外部から加
熱することにより硬化していた従来法を改め、ジュール
熱によりカーボン繊維成形体内部から被覆層を硬化する
カーボン繊維成形体の表面処理方法に係わる。

〔従来の技術〕

カーボン繊維やカーボン繊維成形体の表面または空隙、
間隙等の気孔に種々の有機化合物を適宜の方法で含浸、
硬化する工程に於いては、フラン樹脂、フェノール樹脂
、メソフェーズピッチ、タールピッチ等を表面に塗布、
または減圧−加圧工程により気孔内に含浸し、表面に被
覆層を形成し、これを調整された雰囲気の中や、ホット
プレス等を用いて加圧下で加熱硬化する方法が採られて
いる。

この方法によれば、外部より加えられた熱が被処理体の
外側から内部に向かって伝えられるため、硬化が被覆層
外表面から始まり、当該部位に不浸透被膜が形成される
ので、不純物が閉じ込められる等の諸々の弊害、問題点
が存在した。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記方法によれば、加熱が外部より行われるため被覆層
の有機化合物表面から内部に向かって熱が伝えられるこ
とになりカーボン繊維成形体の温度よりも被覆層の温度
が高くなり、硬化が有機化合物表面より開始され、その
結果、被覆層表面に不浸透被膜が形成される。

当該被膜は硬化時に発生する水、メタン、−酸化炭素、
二酸化炭素、水素等のガスの揮散を阻害するので硬化時
の加熱昇温速度を極めて小さく制御せねばならなかった
。

加熱昇温速度が速い場合には、被覆層の硬化速度が大き
くなり、硬化体が膨張したり、カーボン繊維成形体と被
覆層の界面で剥離現象が発生したり、結果として基材の
機械的特性の劣化を来す等の問題点が存在する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、本発明ではカーボン繊維
成形体等の表面温度を、塗布または含浸した有機化合物
の温度より高くし、有機化合物の硬化を付着面から進行
させてその外表面の硬化を遅らせ不純物ガスの放出を当
該外表面より促す制御方法を開発した。

即ち、カーボン繊維成形体等（１）に含まれる気孔等の
空隙、間隙および外表面に、フルフリルアルコール等の
アルコール類、ヘンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ピレン等の多環芳香族炭化水素、グリコー
ル類、Ｉｌ！類、五員環炭化水素、およびタール、ピッ
チ等からなる有機化合物類よりの一つ、または複数の混
合物を含浸もしくは付着させ、当該カーボン繊維成形体
（１）を電極として、支持電解質を含む電解溶液（２）
中に浸漬して電流を通じ、上記含浸もしくは付着した有
機化合物の重合を行って表面に被覆層を形成して後、当
該カーボン繊維成形体を電流を通じたまま、電解槽（３
）の電解液（２）中より引き上げ、液上の当該引き上げ
部分が通電によるジュール熱により内部から加熱され、
当該ジュール熱の前記被覆層への拡散で当該被覆層の硬
化を付着面から進めると同時に化学反応により発生する
不純物等ガスを被覆層外表面から放出揮散し、カーボン
繊維成形体の良質な組成形成とその均質化を達成する。

具体的方法としては、カーボン繊維成形体（１）を陽極
として、支持電解質、およびモノマーとしての有機化合
物を含む電解液（２）中に浸漬し、電流を通じることに
より繊維表面上での電解重合を行い、基材表面の気孔等
の空隙、間隙および外表面に均一に塗布あるいは含浸し
て重合体被覆層を形成してから、電流を通じたままで電
極としてのカーボン繊維成形体（１）を徐々に上方へス
ライドさせることにより電解液上に引き上げ、当該引き
出し部（４）に発生するジュール熱がカーボン繊維成形
体（１）内部から熱を放散し、その結果、重合体被覆層
は、外表面からではなく、基材との界面にあたる内表面
から硬化を開始し、不純分ガスは遅れて硬化する被覆層
外側へ押し出されて、被覆層の硬化とともにこれを含む
カーボン繊維成形体（１）全体が均質化される。

引き出し部（４）の最下端が電解液（２）中から引き上
げられたら、カーボン繊維成形体（１）全体を回転し、
上下を反転して再び電解液（２）中に浸漬し、同様の操
作を行うことにより基材全体が均一に硬化する。

尚、電解重合の完了したカーボン繊維成形体（１）全体
を電解液（２）より抜き出して電解槽（３）外で通電し
て、ジュール発熱させても重合体・被覆層の厚さが十分
であれば同様の結果が得られる。

〔作用および実施例〕

第１図に示す如く、電極としてカーボン繊維成形体（１
）を用い、電解槽（３）中に立てたスライドレール（５
）に噛ませた状態で、９５％の水溶媒電解液（２）に七
ツマ−としてフルフリルアルコール５％と支持電解質と
して塩化カリウム等の無機塩、または硫酸等の無機酸、
または酢酸等のカルボン酸を１％溶解した電解液（２）
中に全体を直立させて浸漬し、電解槽（３）の底部のヒ
ーター（６）により電解槽（３）中を２５℃に保って、
電極に密度１０Ａ／ｄｎ−ｒの電流を通じて電解重合を
行い、カーボン繊維成形体表面でフルフリルアルコール
を重合させてこれを層状に付着させる。

ここで前もって、支持電解質として硫酸等の無機塩を含
む電解液中でカーボン繊維成形体を電極として電解を行
い、カーボン繊維成形体の表面積を増大する前処理を行
うと電解重合反応にとって好ましい結果が得られる。

フルフリルアルコール重合物は電極として用いたカーボ
ン繊維成形体（１）の微細表面に堆゛積し、結合力の強
い良好な被膜を形成する。

被覆層が目的に沿う十分な厚さで形成された後、電極と
してのカーボン繊維成形体（１）を電流を通じたまま、
スライドレール（５）に沿って徐々に上方にスライドさ
せ電解液（２）より引き出すと、当該引き出し部（４）
がジュール発熱し、カーボン繊維成形体（１）と重合被
覆層の界面から重合被覆層外表面に向かって熱が移動し
、溶媒としての水分を蒸発するとともに被覆層を硬化さ
せる。

電解液からの引き出し工程では、電流の一時的中断があ
っても、重合反応継続もしくは熱硬化に影響しなければ
、その是非は問われない。

硬化現象は発生不純物ガスを外部に追い出しながら、被
覆層内部より進捗する。

以上の方法により製造されたカーボン繊維成形体は、硬
化時に不純物ガスを被覆層内に巻き込む現象が抑制され
るので、巣の少ない高強度複合材料を与える。

ここで　引き出し部（４）の最下端が電解液（２）中か
ら引き上げられたら、カーボン繊維成形体（１）全体を
回転し、上下を反転して再び電解液（２）中に浸ｔｉ　
Ｌ、同様の操作を行うことにより基材全体が均一に硬化
する。

尚、電解重合の完了したカーボン繊維成形体（１）全体
を電解液（２）より抜き出して電解槽（３）外で通電し
て、ジュール発熱させても同様の結果が得られる。

当該製法工程の繰り返しにより重合有機化合物を増加し
、必要ならば炭化処理における炭化収率を目的に沿うよ
う高めることもできる。

〔発明の効果〕

本発明の表面処理方法により製造されたカーボン繊維成
形体は、硬化時の加熱昇温速度を緩慢に制御する必要が
無いため、製造サイクルを短縮することが可能で生産効
率が高まるとともに、表面に形成された被覆層が剥離す
る現象が抑えられ、また不純物ガスが内部に閉じ込めら
れることがないので巣の少ない良好な硬化体が得られ、
従来以上の高強度複合材料を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のカーボン繊維成形体の表面処理方法に
係わる一実施例の概略図を示す。 電解槽 引き出し部 スライドレール 電解槽保温用ヒーター 温度調節計 電極 出願人　東芝セラミックス株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. カーボン繊維成形体等に含まれる気孔等の空隙、間隙お
   よび外凹凸表面に、フルフリルアルコール等のアルコー
   ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
   素、ピレン等の多環芳香族炭化水素、グリコール類、糖
   類、五員環炭化水素、およびタール、ピッチ等からなる
   有機化合物類よりの一つ、または複数の混合物を含浸も
   しくは付着させ、当該カーボン繊維成形体を電極として
   、支持電解質を含む電解溶液中に浸漬して電流を通じ、
   上記含浸もしくは付着した有機化合物の重合を行って表
   面に被覆層を形成して後、当該カーボン繊維成形体を電
   解液中より引き上げ、液上の当該引き上げ部分を通電に
   よるジュール熱により内部から加熱し、当該ジュール熱
   が前記被覆層に放散されることにより重合体が付着面か
   ら熱硬化することを特徴とするカーボン繊維成形体の表
   面処理方法。