JPH0247346B2 - - Google Patents

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JPH0247346B2
JPH0247346B2 JP57121673A JP12167382A JPH0247346B2 JP H0247346 B2 JPH0247346 B2 JP H0247346B2 JP 57121673 A JP57121673 A JP 57121673A JP 12167382 A JP12167382 A JP 12167382A JP H0247346 B2 JPH0247346 B2 JP H0247346B2
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JP
Japan
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foam
layer
test
elongation
temperature
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JP57121673A
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JPS5912838A (ja
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Hiroshi Tonokawa
Yasushi Ueda
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Dow Kakoh KK
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Dow Kakoh KK
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Publication date
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Publication of JPS5912838A publication Critical patent/JPS5912838A/ja
Publication of JPH0247346B2 publication Critical patent/JPH0247346B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明はLNG等の低温タンクあるいはタン
カー等の外側断熱用として好適な低温断熱用複合
板に関する。その目的は、極低温となつても、収
縮による断熱層のクラツクの発生や、目地の拡大
が起らず、形状の安定性が高く、曲面にも添付で
きる断熱性が高い低温断熱用複合板を提案するに
ある。 ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体等の
硬質合成樹脂発泡体を極低温物体に添付し断熱層
を形成した場合、発泡体は低温となつて収縮し、
その収縮応力によつて、発泡体層内に亀裂を生じ
たり、目地間が拡大したりして断熱性が低下する
欠点があつた。また、低温例に水分が凝縮し断熱
材を濡らして断熱性を低下せしめ、さらにこれが
凍結し断熱層を破壊する欠点があつた。 この発明は上記問題点に着目してなされたもの
であり、その要旨は硬質合成樹脂発泡板層の片表
面に、防湿層が接着剤を介して配されている断熱
用複合板であつて、上記発泡板層は、その全層又
は防湿層と反対面側の大部分の層が、密度30〜60
Kg/m2、厚さ方向をY軸、巾、長さ方向をX軸、
Z軸としたとき、Y軸方向の水蒸気透過率Py≦
1.5(g/m2×hr)、X軸、Z軸方向の破断伸び率
(伸度)Ex、Ezが、各々60Ex8、60Ex
8(%)の硬質合成樹脂発泡板層が設けてあるこ
とを特徴とする低温断熱用複合板。 この複合板は硬質合成樹脂発泡板(以下単に発
泡体と呼ぶ)を全層又は大部分の層で断熱層とす
るが、巾、長さ方向の伸度が8〜60%の高伸度の
発泡体層を設けることによつて、極低温となつて
も、低温側に補強層を設けなくてもその収縮応力
を高伸度の発泡体層内で吸収緩和しクラツクが発
生しない。また、防湿層が積層してあり、発泡体
自体の水蒸気透過率Pyは1.5(g/m2・hr)以下で
低いため、断熱性能の低下や凍結による破壊が防
止でき、長期にわたり高い断熱性能を保持する。
さらに、発泡体の高伸度を利用して、亀裂を生じ
ることなく曲加工を施し、円筒形、球形等の曲面
に添付して断熱層を設けることもできる。発泡体
の密度が低いにもかかわらず圧縮強度が高く、従
つて、複合体の重量が軽く、かつ発泡体に柔軟性
があるため取付施工性が優れ、かつクリーブ抵抗
が高く長期高荷重の負荷に耐えることができるの
で、LNGタンク側壁等大面積の断熱層を形成し
ても長期使用期間にわたつて取付部のゆるみ等も
発生せず、長期にわたり信頼性が高く好適であ
る。 以下、この複合板を図面に用い説明する。 第1図の複合板4はポリスチレンからなる発泡
体1の片表面に防湿層2を接着剤3を介し積層一
体化して構成されている。 発泡体1は厚さ方向をY軸、巾、長さ方向を
X、Zとしたとき、X軸、Z軸方向の破断伸び率
(伸度)Ex、Ezはそれぞれ8〜60%となしてあ
る。この複合板を低温物体に発泡体1を接し添付
け断熱したとき、発泡体1の低温物体側は低温に
なり、防湿層2側は高温側となり湿度勾配を生
じ、低温物体側は収縮し、発泡体層内に歪応力が
発生する。しかしEx、Ezは8〜60%と高伸度で
あるので、歪応力を発泡体内で吸収し低温側を補
強しなくても亀裂を発生しない。 発泡体1の厚さ方向の水蒸気透過率Pyは1.5
(g/m2・hr)以下であり、防湿層2を積層し複
合板は構成されてあり低温となつた発泡体層の断
熱性能を低下させたり、凍結して断熱層を破壊す
る恐れがない。また、発泡体1の厚さ方向の圧縮
強度は、低温断熱用発泡体としては軽量にもかか
わらず高圧縮強度を備え、断熱施工した構造物の
形状保持性が優れ、外部衝撃力等による破損を防
止できる。 この複合板は上記の作用効果のほか、発泡体1
の伸度Ex,Ezが高いために、容易に曲げ加工し
て弯曲面を形成し、タンク等の曲面に添付けて断
熱層を設けることができる。第3図は前記第1図
の複合板4を断面円弧形に曲げ加工してタンク等
の円筒形の面に添付け可能となしたものである。
弯曲することにより発泡体1の弯曲外側表層部に
は伸長、内側表層部には圧縮の力が作用するが、
この力は発泡体内で吸収し外側に亀裂を生じた
り、内側に顕著なしわを生じることなく、すなわ
ち、発泡体に欠損部を生じることなく弯曲面を形
成することができる。 第2図に示す複合板4′はこの発明の実施態様
例である。この複合板4′は第1図の複合板4の
発泡体1面に合成樹脂層5を貼着積層してなつた
ものである。この複合板4′も合成樹脂5を低温
物体に接して添付け断熱層を形成し、前記第1図
の複合板と同様の作用効果をもたらすが、さら
に、発泡体1の低温収縮が合成樹脂層5により拘
束され、線膨張率が被断熱体のそれに近づき温度
変化による寸法安定性が向上し、弯曲面を形成し
た際の保形性も向上する。合成樹脂層5にはガラ
ス繊維、合成繊維等の繊維補強材を混入し繊維補
強合成樹脂(FRP)とするならば、強度、寸法
安定性が向上し一層好適である。 第4図は、第2図の複合板4′を断面円弧形に
弯曲せしめてなつたものである。 第5図は、第1図の複合板4を断面球形状に弯
曲せしめたものである。 本発明の硬質合成樹脂発泡板は独立気泡構造の
ものを指し、ビース等の発泡成形体、押出発泡成
形体および反応硬化型発泡体を含み、最も望まし
くは押出発泡成形板を指す。 またこれらの発泡体を構成する合成樹脂とは、
スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタク
リル酸メチル、ナイロン、ウレタン、フエノール
等を主成分とする樹脂あるいは、これらに共重合
可能なものとの共重合体又はブレンドしたものも
含まれるが、LNG等の低温タンクに接する発泡
板の金属又は大部分の層、つまり低温側の発泡体
はポリスチレン系押出発泡体が好ましい。該発泡
体を構成するポリスチレンは、スチレンを主成分
とする樹脂であるが、スチレンの代りにα−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等
他のスチレン系モノマーであつてもよい。 また上記スチレン系モノマーに共重合可能なモ
ノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、無水マレイン酸、アクリルアミド、ビニルピ
リジン、アクリル酸、メタクリル酸等を共重合し
たコポリマーが含まれる。 更に上記スチレン系ポリマーにその特性が損わ
れない程度に他のポリマーをブレンドしたものも
差し支えない。 最も好ましくは、スチレンモノマー単体からな
るポリスチレンである。ポリスチレンの中でも、
スチレン単量体含量が0.3重量%以下で三量体含
量が0.5重量%〜1.5重量%の範囲のものを選定す
ることが好ましい。 これらの発泡体は独立気泡に富み、断熱性、透
湿抵抗、圧縮強度、長期耐圧縮クリープにすぐ
れ、水蒸気透過率も小さい特徴を有するが一般に
破断伸び率は5%以下であり、本発明の複合板に
用いるためには、Ex、Ez方向に8〜60%の伸度
を付与しなくては、極低温下での熱応力を吸収し
たり、円筒形や球面形状への成形が困難である。 本発明の複合板用の断熱板は以下の如く、X軸
(長さ方向)、Z軸(巾方向)に圧縮することによ
つて達成できる。 第7図に示すごとく2組の上下対をなす挟持駆
動ベルト7,8及び9,10との間に、駆動速度
差を設け、この間に発泡体11を送り込み、その
速度差で搬送方向、例えばX軸方向に圧縮加工を
施せば、X軸方向に高伸度の発泡体12が得られ
る。 駆動速度差と加工の回数により、8〜60%の伸
度を付与できる。同様にZ軸方向にも圧縮して本
発明の二軸方向に大きい伸度の発泡体を得る。 発泡体はX、Z軸方向の伸度Ex、Ezは8〜60
%でなければならない。8%未満では低温での収
縮応力の吸収が不充分であり、60%以上は水蒸気
透過率や発泡体の機械的性能の低下が大きくなり
好ましくない。水蒸気透過率Pyは1.5g/m2・hr
以下であり、長期的な断熱性能の維持を重視する
ならばPyは1.0以下がより好適である。圧縮強度
Qyは2.5Kg/cm2以上なくてはならない。これ未満
では複合板を被断熱体に添付後圧着固定する部分
の局部応力で一部にクリープ等が起り、複合パネ
ルが被断熱体と離れたり、外部からの応力で断熱
材として形態の保持性が劣り、損傷を受け易く好
ましくない。より好ましくは3Kg/cm2以上であ
る。発泡体の密度は30〜60Kg/m2である。30Kg/
m2未満では断熱性、水蒸気透過率、圧縮強度を所
望の水準に維持することが困難であり、60Kg/m2
以上は外断熱用としては複合板の重量が増加し、
被断熱体への施工性が低下するので必要としな
い。 この複合板に用いる防湿層はアルミニウム箔等
の金属薄板、ポリエステル等の防湿性フイルムシ
ート類あるいはこれらの複合積層物等から選択で
きる。防湿層と発泡体間の挟着に用いる接着剤は
接着力が高く、耐低温性を有するエポキシ系、ウ
レタン系等の反応型接着剤が好適であり、このほ
か、感熱タイプ、感圧タイプの接着剤を用いるこ
ともできる。 第2図の複合板4′のごとく合成樹脂層5を設
ける場合は、ポリウレタン、エポキシ系等の反応
型樹脂を用いると、未硬化状態で曲げ加工して賦
形し、その状態で硬化し形態保持性が高い曲面を
有する複合板が得られるので好適である。 第1図、第2図の複合板4,4′を曲げ加工し
弯曲面とする場合、防湿層2を弯曲外側とすると
は限らない。防湿層2を内側となし弯曲面を形成
し、同筒形あるいは球形の内側面に添付けて断熱
層を形成することもできる。 この複合板(第1,2及び6図)を円筒形ある
いは、球形の複合板として使用する場合の加工手
段につき以下に記載する。 薄層体として、発泡体との接着性にすぐれ低温
の機械的特性のすぐれた反応型合成樹脂をガラス
繊維メツシユで補強したものを選択する。 第7図で押圧加工した発泡体にウレタン系2液
型接着剤を全面に塗布し次いで、補強層を置き、
その上から同様の接着剤を塗布して上記補強層を
埋め、この補強接着層の未硬化の状態で複合板を
被断熱体の曲率と同様の曲率の円筒あるいは球面
形の型表面に押圧あるいは挟持して、発泡体の熱
変形温度よりやや低めの温度に加熱した条件で合
成樹脂を硬化完了させた後冷却して脱型する。 合成樹脂層の硬化条件によつては、これを冷間
で行ない曲面形成することもできる。しかし発泡
体を加熱する方が硬化時間も短かく、発泡体の曲
げ歪の緩和も完全に行われ、より好適である。 この複合板を構成する発泡体1はすべてが前記
の伸び率のものであることは必ずしも必要ではな
い。例えば、第6図のごとく、発泡体1を低温側
発泡体1aと高温側発泡体1bとをその界面を接
着剤6で接着して構成し、高温側発泡体1bの面
に防湿層2を接着剤3を介し積層し複合板を形成
してもよい。この場合、低温側発泡体1aの伸度
Ex、Ezはそれぞれ8〜60%としなければならな
いが、高温側発泡体1bは必ずしもその必要はな
い。例えば高温側発泡体1b二軸(Ex、Ez)高
伸度(8〜60%)のものと一軸が高伸度で他の一
軸が低伸度(8%未満)のものと、または2軸と
も低伸度のものと組合わせ高温側発泡体1bを構
成してもよい。あるいは一軸のみ高伸度のもの、
または二軸とも低伸度のもののみで構成してもよ
い。また1a,1bは同種でなくても異種の発泡
体であつてもよい。 この複合板を低温物体に添付け断熱する場合、
発泡体厚み方向に温度勾配を生じ、低温物体に近
い位置の発泡体には大きな収縮力が作用するが、
高温側に向い収縮力は低下する。従つて外側部の
発泡体は内側部に比べ低伸度でその応力が吸収で
きる。すなわち、低温側、高温側の発泡体厚さの
分配は、被断熱物体の温度、高温側発泡体の伸
度、要求断熱性能等により設定される。なお、低
温側・高温側発泡体1a,1b間の接着剤6層に
ガラス繊維、天然又は合成繊維等の補強材を配
し、両層間の歪応力の拘束、収縮緩和を図るとよ
り好適であり、発泡体の組合せによる歪応力の多
少により使い分けられる。 第6図の如く、断熱材層が複数層からなる場合
防湿層を有する高温側の発泡体層1bは、低温側
発泡体1aに比べ暴露される温度が比較的高いた
めに熱歪の吸収能が少くてすむので素材と性能の
選択の巾は拡大する。 本発明でいう各特性の測定方法及び評価は、以
下のようにして行つた。 (1) 密度;〔Kg/m2〕 発泡体から50mm×50mm×50mmの立方体を採取
し、重量〔g〕、体積(cm3)から算出し、5個
の平均値を密度(Kg/m2)とする。 (2) 圧縮強度;〔Kg/cm2〕 密度を測定した50mm×50mm×50mmの試験片の
厚さ方向(Y軸方向)でASTM D1621に基づ
き圧縮強度を測定し5個の平均値で表す。 圧縮歪率は5%とする。但し5%以内に降伏
現象が発生する場合は、降伏値は圧縮強度と
し、以下の基準で評価する。
【表】 (3) 破断伸び率〔%〕 引張強度測定法、ASTM D1623B法に基づ
き指定の方向(X、及びZ)に、試験片を引張
り、破断した時の歪量(伸び量)〔mm〕を測定
し以下の式で計算し評価する。 試験片は各方向毎に合計5個を採取。 試験片;50mm×50mm×50mm 破断伸び率(Ex又はEz) =破断時の伸び量〔mm〕/試験片の厚さ〔mm〕×100
〔%〕 (4) 水蒸気透過率;WVTR〔g/m2・hr〕25mm×
80φの試験片3ケを採取し、ASTMC355に準
じて測定する。25mm厚さでのWVTRは次式で
計算する。但し蒸留水を用いる方法で行う。 WVTR(g/m2・hr)=G/A・t G;重量変化〔g〕 t; 〃 Gの生じた時間巾(hr) A;透過面積(m2) (5) 熱伝導率の経時変化率 第7図に示すように押圧加工した製品を上部
より厚さ25mm、巾200mm、長さ200mmの試験片を
採取し、第9図に示す装置を用いて加速吸湿試
験を行つた試験片について熱伝導率λ′を測定す
る。 断熱材14で囲んだ温度調節機15を備えた
容器13に27℃の水16を入れ、該容器の開口
部側を、前記の試料片17により、パツキン1
8を介して閉塞する。この際、試料片の下面と
容器内の水面との間は約30mmの距離を設けるよ
うに配置する。また、試験片17の上面は、循
環水口19及び20から循環される冷却水によ
つて2℃に冷却されている冷却板21に密着し
ている。このような状態を保つて14日間放置し
たのち、試料片の表面をガーゼで軽くふきと
り、ASTM C518に従つてこのものの熱伝導率
λ′を測定し、あらかじめ試験前に同じ条件下で
測定した熱伝導率λとの変化の割合λ′/λを求
め、次表に従つて評価する。
【表】 (6) パネル極低温抵抗性 50mm×300mm×300mmの試験板を採り、上下面
を切削仕上後、第10図のようにX軸、Z軸方
向を明示した試験発泡体23上下面に12mm×
300mm×300mmの合板(JAS規格品)25,26
をポリウレタン系2液型極低温用接着剤(住友
ベークライト社製:スミタツクEA90177)24で
接着し24時間×23℃の条件で0.5Kg/cm2の加圧
下で熟成硬化させて、試験用パネルとし、3枚
を製作、試験する。 (1) 極低温:−160℃テスト 第11図に示すように上記試験用パネル2
2を−160℃±5℃に内部を温調した極低温
槽27の中に急激に入れ、5時間放置後常温
に急激に取り出し1時間放置する。この操作
を繰返し、4回行い、4回目に極低温槽27
から試験パネル22を取り出した直後試験発
泡板23の4つの面を観察しクラツクの有無
と発生した方向を確認する。1時間後に合板
26,27、試験発泡板23の境界面にそつ
てノコ歯型スライサーでスライスし、更に試
験発泡板23の内部に向つて約10mmの厚さ5
分割したスライスサンプルを調整し、各々の
スライスサンプル面に界面活性剤と着色用イ
ンクを混合した水を塗付し、サンプル表面の
クラツクの有無と方向を調査記録する。 なお、極低温槽27内の温度コントロール
は、液体窒素ボンベ28から液体窒素配管2
9を介して槽内頂部の噴出ノズル31に導
き、ここで有孔ジヤマ板32に接触しながら
気化し、ガスは排出口34から出て槽内の温
度を下げる。液体窒素は槽内の温度計33と
タイマーを連動させたコントロール装置によ
り流量自動調節弁30の開閉で液体窒素流量
が調節される。 (2) 極低温:−196℃テスト 第12図に示すように、上記の試験用パネ
ル22を断熱材35で密閉された液体窒素浸
漬装置36で試験する。 ステンレス鋼の深底トレー37に液体窒素
38を液体窒素ポンベから直接、液体窒素配
管29と液体窒素導入弁39を介して導入
後、上記試験用パネル22を急激に液体窒素
38内に充分浸漬するように入れ、鉄製サポ
ート41の上にあらかじめ液体窒素中の冷却
済の鉄製重鍾40をのせ、30分間連続浸漬し
た後、上記試験パネル22をふん囲気中に取
り出し、通風しながら1時間放置する。この
操作を4回行い、極低温−160℃のテストで
行つたと同様の装置と方法で発泡体外面、内
面のクラツクの有無と方向を調査記録する。 (3) 極低温片面冷却テスト 第13図に示すように、50mm×400mm×400
mmの高温側発泡体43b、50mm×400mm×400
mmの低温側発泡体43aを重ねその上下面に
12mm×400mm×400mmの合板(JAS規格品)4
4,45を配し、各層間にポリウレタン系2
液型極低温用接着剤(住友ベークライト社
製:スミタツクEA90177)46を塗布し、24
時間×23℃の条件下で0.5Kg/cm2の加圧下で
熱硬化させて、第13図に示す試験用パネル
42を3枚製作する。第10図の断熱層が単
層構造の試験パネル22と共に以下の試験に
供する。 第14図に示すように、鉄製サポート40
の上に第10図の試験用ネル22又は100mm
〜150mm×400mm×400mmの第13図の試験用
パネル42をのせる。発泡板層が複数層から
なる第13図の試験パネル42の場合は、低
温側発泡体43aの方を上面に置き、この上
部に液体窒素充填用深底トレイ37をのせ、
試験用パネル上部合板44と深底トレイ37
との密着性確保のため重鍾40を深底トレイ
37に適宜配置し、試験用パネルの下部合板
面45のみ大気開放し、深底トレイ及び試験
パネル42の残る全面を断熱材47で完全に
覆つて、極低温片面冷却テスト装置48をす
る。深底トレイ37に液体窒素38を注入
し、常時液体窒素がトレイ内に充された状態
で24時間連続して試験パネル42上面を液体
窒素38で冷却し、一方試験パネル42の下
面は雰囲気温度とする。試験パネル42の断
面4周部と断熱材47の間の目地には、目地
充填材49を入れ外気の対流を防止する構造
で実験を行つた。第10図に示す試験パネル
22(50mm×300mm×300mm)でも同様のテス
トを行う。 実験完了後、試験パネル22又は42を取
り出し、大気中に放置後、合板25,26又
は44,45と試験発泡体43a又は、試験
発泡体43b(試験体22の場合は22)の
境界面にそつてノコ歯型スライサーでスライ
スし、さらに試験発泡板の内部に向つて約10
mm厚さで第10図の試験パネル22では5分
割又は第13図の試験パネル42では10分割
したスライスサンプルを調整し、各々のスラ
イスサンプル面に界面活性剤と着色用インク
を混合した水を塗付し、スライスサンプル表
面及び内面のクラツクの有無と方向を調査記
録する。 各々のテスト温度条件について、3ケの試験
パネルの調査記録の結果をもとに以下の基準に
従つて評価する。
【表】 (7) 耐クリープ性 試験発泡体から50mm×50mm×50mmの試験片を
8ケ採取する。その中から5ケを選び厚さ方向
(Y軸)の圧縮強度をASTM D1621に従つて
測定し、平均圧縮強度(Kg/cm2)を求めこれを
δCとする。残つた3ケタをクリープ測定用試験
片55とし、第15図に示すように厚さ方向の
上下面に厚さ5mmの合板51,52を接着剤5
3,54を介して加圧接着硬化したものをクリ
ープ測定用複合体50とする。あらかじめクリ
ープ測定用試験片55の厚さ方向(Y軸)の厚
さを正確に1/100mmの単位まで計測しこの寸法
をToとする。第16図に示すようにクリープ
測定用複合体50をクリープ測定装置56の重
錘架台58と装置架台60の間に静かにセツト
し、次いで、上記で求めた平均圧縮強度δCの1/
3の値δC/3から求められる5×5×δC/3Kg
から重錘架台58の重量W1を差し引いたW2
(W2=25×δC/3−W1)59を衝撃を与えぬ
ように静かに載荷する。載荷直後にダイヤルゲ
ージ57の目盛をゼロにセツトする。23℃×
1000時間経過後のダイヤルゲージ57の目盛
T4をすなわち100時間のクリープ量(mm)を、
1/100mm単位で読み取り、以下の式に従つて
クリープ量(%)を求め、下記の基準で耐クリ
ープ性を評価する。 クリープ量(%)=T1/T0×100
【表】 実施例 1、比較例 1 密度が、27〜40Kg/m2、セルサイズ0.8〜0.2
mm、厚さ100mmのポリスチレン押出発泡板(旭ダ
ウ(株)社製;スタイロフオーム を第7図に示す押
圧装置で本文記載の製造方法に準じて、初めにX
軸方向(長さ方向)次いで、Z軸方向(巾方向に
押圧加工した。この際、第2表に示す押圧加工条
件の中圧縮率と、加工回数のみを適宜選択し他は
同一条件で行い、密度、圧縮強度、破断伸び率、
水蒸気透過率、熱伝導率の経時変化率、パネル極
低温抵抗性、極低温片面冷却抵抗性、耐クリープ
性等の評価を行うための素材を作成した。(実験
No.1〜12) 比較のために、密度が27〜58Kg/m2、セルサイ
ズ0.8〜0.2mm、厚さ100mmのポリスチレン押出発
泡板(旭ダウ(株)社製;スタイロフオーム )の未
加工のもの及びX軸方向のみ加工したもの、X、
Z軸共に加工したものも製造した。又発泡体素材
の比較のため市販のポリスチレンビーズ発泡板
(No.21、No.22)ポリ塩化ビニル押出発泡板(厚
さ;20mm)(No.23、No.24)の加工したものとしな
いもの及び硬質ポリウレタン(No.25)LNG地下
タンク断熱材料として処方された半硬質ポリウレ
タン(No.26)を加えて評価材料とした。 各々の発泡体について、本文記載の方法で、熱
伝導率の経時変化、Y軸方向の圧縮強度と耐クリ
ープ性、極低温抵抗性(−160℃と−196℃)及び
実用状態に最も近い温度差をパネル上、下面に与
えた片面冷却抵抗性に着目し、本文記載の方法と
基準で評価し、各々の結果とそれらを総合評価し
た結果を第1表に示した。総合評価の基準は、以
下で行つた。 ◎;すべての特性が〇印のもの(最高水準を満た
すもの) 〇;△印はあるが、大部分が〇印のもの(本発明
の目的を満すもの) ×;×印が1つでもあるもの(目的を達しないも
の) 第1表の結果によると、本発明の目的を満たす
発泡体は、密度が30〜60〔Kg/m2〕X軸、Z軸方
向の破断伸び率が8〜60%、Y軸方向の水蒸気透
過率が、1.5〔g/m2・hr〕以下でなければならぬ
ことがわかる。更にLNGタンクの断熱材として
の機能を高め、−196℃の液体窒素の保冷材として
考え他の特性も最高水準にある本発明の発泡体で
は、密度が30〜60〔Kg/m2〕、X軸及びZ軸方向の
破断伸び率Ex、Ezが12〜40%、Y軸方向の水蒸
気透過率が1.0(g/m2、hr〕以下でなければなら
ぬことが判る。 実施例 2 実施例1で第7図の押圧加工装置により加工し
た密度40Kg/m2、X軸、Z軸の破断伸び率が各々
15%の本発明の2軸方向高伸度押出ポリスチレン
発泡板(実験No.10)を選び、この発泡板を第13
図に示す複数層を有する断熱複合板の低温側発泡
板層とし、以下の高温側の発泡板との組合せで、
本文記載の方法で第13図の断熱層が複数の発泡
体からなる断熱複合板を作つた。高温側発泡板層
としては、2軸方向高伸度押出ポリスチレン発泡
板(実験No.10)、1軸方向高伸度押出ポリスチレ
ン発泡板4種類、2軸方向低伸度押出発泡板3種
類、ポリスチレンビーズ成形板の2軸方向高伸度
品と2軸方向低伸度品、2軸方向高伸度塩化ビニ
ル発泡板及び市販の硬質と半硬質のポリウレタン
発泡体等を適宜選定して、高温側発泡板の層数を
1層及び2層と組合せ、第2表−1と2に示す組
合せ(実験No.27〜39)になる複合発泡体層が100
〜150mmの厚さの複合板を各々3枚製作し、本文
記載の方法で、熱伝導率の経時変化率、耐クリー
プ性については、各複合板層を比例的に積層し
各々厚さ25mm、50mmとした試験片で代用評価し、
片面冷却抵抗性は本文記載の方法で評価した結果
を第3表−1及び2に記載した。 この結果、断熱複合板は第1又は2図の如く単
一層の発泡体の必然性はなく、少くとも低温側の
発泡板層として本発明の2軸方向に高伸度を有す
る押出ポリスチレン発泡体を使用すれば、高温側
発泡体としては、厚さと性能を適宜選択すること
により、各種の硬質合成樹脂発泡体が使用できる
ことが判つた。低温側と高温側の発泡体厚さの分
配は、被断熱物体の温度、高温側発泡体の伸度、
要求断熱性能等により設定される。上記の如き断
熱設計条件にもよるが低温側断熱材としては少く
とも50%以上の2軸高伸度押出ポリスチレン発泡
体を使う必要がある。また円弧形又は球形の大型
容器表面に施工するものは、同一の曲率の型に冷
間又は熱間で挟持、押圧することで成形が可能で
あり、2軸高伸度ポリスチレン押出発泡のみから
なる複合体と同様に、合成樹脂層を併用するとよ
り賦形性が良好である。 なお、低温側・高温側発泡体等の接着層にガラ
ス繊維等の補強層を配し、両層間の歪応力の拘束
と収縮の緩和を図るとより好適であることも判つ
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれこの発明になる複合
板の断面図、第3、第4図はそれぞれ第1図、第
2図の複合板を円筒形状に曲げ加工した状態の斜
視図、第5図は第1図の複合板を球面形状に曲げ
加工した状態の斜視図、第6図は第1図の複合板
において、断熱材の厚みを要求される場合、断熱
層を複数層に形成した実施態様を示す断面図、第
7図は発泡体を圧縮し、高い伸び率を付与する状
態を示す模式図、第8図は熱伝導率の経時変化率
測定のためのサンプリング位置と寸法を示す図、
第9図は熱伝導率の経時変化特性を評価するため
の加速吸湿させるための装置の原理図、第10図
は極低温抵抗性評価用パネルを示す図、第11図
と第12図はパネルでの極低温抵抗性を評価する
ための装置の原理図で、第11図はマイナス160
℃の雰囲気でのテスト装置用、第12図は液体窒
素中への浸漬テスト装置を示す模式図、第13図
は発泡板層が複数層からなる極低温片面冷却抵抗
性試験パネルを示す図、第14図は極低温片面冷
却試験装置を示す模式図、第15図はクリープを
測定するための複合体を示す図、第16図はクリ
ープ測定装置を示す模式図である。 1……発泡体、2……薄層体、3……接着剤、
4,4′……複合板、5……補強繊維層、6……
接着樹脂層、7,8,9,10……挾持駆動ベル
ト、12……1軸方向高伸度発泡体、11……発
泡体、13……容器、14……断熱材、15……
温度調節器、16……水、17……試験片、18
……パツキン、19,20……循環水出入口、2
1……冷却板、22……極低温抵抗性試験パネ
ル、23……試験発泡体、24……ウレタン系極
低温用接着剤、25,26……合板、27……極
低温槽、28……液体窒素ボンベ、29……液体
窒素配管、30……液体窒素流量自動調節弁、3
1……液体窒素噴出ノズル、32……有孔ジヤマ
板、33……温度計、34……窒素ガス排出口、
35……断熱材、36……液体窒素浸漬試験装
置、37……深底トレイ、38……液体窒素、3
9……液体窒素導入弁、40……鉄製重鍾、41
……鉄製サポート、42……片面冷却用試験パネ
ル、43a……低温側発泡体、43b……高温側
発泡体、44……上部合板、45……下部合板、
46……接着剤、47……断熱材、48……極低
温パネル片面冷却テスト装置、49……目地充填
材、50……クリープ測定用複合体、51,52
……合板、53,54……接着剤、55……クリ
ープ測定用試験片、56……クリープ測定装置、
57……ダイヤルゲージ、58……重錘架台、5
9……重錘、60……装置架台。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 硬質合成樹脂発泡板層の片表面に、防湿層が
    接着剤を介して配されている断熱用複合板であつ
    て、上記発泡板層は、その全層又は防湿層と反対
    面側の大部分の層が、密度30〜60Kg/m3、厚さ方
    向をY軸、巾、長さ方向をX、Z軸としたとき、
    Y軸方向の水蒸気透過率Py≦1.5(g/m2・hr)、
    X軸、Z軸方向の破断伸び率Ex、Ezが各々60
    Ex8、60Ez8(%)の硬質合成樹脂発泡板
    層が設けてあることを特徴とする低温断熱用複合
    板。
JP57121673A 1982-07-13 1982-07-13 低温断熱用複合板 Granted JPS5912838A (ja)

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DE2437044A1 (de) * 1974-08-01 1976-02-19 Huels Chemische Werke Ag Verfahren zur verhinderung von belaegen bei der herstellung von polymerisaten und copolymerisaten des vinylchlorids durch suspensionspolymerisation

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