JPH024657Y2

JPH024657Y2 -

Info

Publication number: JPH024657Y2
Application number: JP1985016012U
Authority: JP
Priority date: 1985-02-08
Filing date: 1985-02-08
Publication date: 1990-02-05
Also published as: JPS61133031U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、特に寝たきりの失禁患者や老人に最
適なマツトレスに関する。

（従来の技術）寝たきりの失禁患者等にとつて、排尿の問題は
深刻である。通常ではおしめをしているが、取り
替えが大変であるばかりか、おしめの蒸れと圧迫
によつて、皮膚がただれる欠点がある。そこで局
所にカツプ形状や袋形状をなす受尿部材を当て、
この受尿部材で受けた尿を管を介して排出する方
法も採用されている。

（考案が解決しようとしている問題点）しかし、上記排尿方法の場合、受尿部材から尿
が漏れてマツトレスカバーやマツトレス等を濡ら
すことがあり、これらを交換する作業が大変であ
つた。また、尿が患者の腰や背中に回つて衣類を
濡らすため、皮膚がただれる欠点もあつた。

（問題点を解決するための手段）本考案は上記問題点を解消するためになされた
もので、その要旨は、人体の腰部を支持する腰部
支持部が、他の支持部に対して分離可能に構成さ
れ、この腰部支持部は、上面が傾斜する下部構成
体と、上面が上記他の支持部の上面とほぼ面一を
なす上部構成体とからなり、下部構成体の上面は
撥水機能を有し、上部構成体は透水機能を有し、
下部構成体の周縁部には上記上部構成体の側面お
よび上面周縁部を囲む防水枠が形成され、下部構
成体における傾斜した上面の下位部には導尿装置
が接続されていることを特徴とするマツトレスに
ある。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。図中１はベツドに敷かれるマツトレスであ
る。このマツトレス１は、人体Ａの腰部を支持す
る腰部支持部２と、人体Ａの上半身を支持する上
半身支持部３と、人体Ａの下半身を支持する下半
身支持部４とに３分割されている。

腰部支持部２は、第２図、第３図に示すよう
に、下部構成体１０と上部構成体２０とによつて
構成されている。

下部構成体１０は、例えばスポンジ１１をビニ
ル系樹脂シート１２により包囲することによつて
構成されている。下部構成体１０の上面１０ａ
は、足元に向かつて低くなるように傾斜してい
る。この上面１０ａは上記シート１２によつて被
われているので撥水機能を有している。下部構成
体１０は四辺に防水枠１３を有している。この防
水枠１３は、シート１２と一体化されており、上
方に延びる立ち上がり部１４と、この立ち上がり
部１３の上端縁から内側に水平に延びる鍔部１５
とにより構成されている。この防水枠１３は柔ら
かくてもよいし硬くてもよい。

上部構成体２０は、サラン製のマツトによつて
構成され透水機能を有しており、水切れもよい。
また、この上部構成体２０の上面２０ａは前述し
た他の支持部３，４の上面とほぼ面一になつてお
り、下面２０ｂは上述した下部構成体１０の上面
１０ａに対応して傾斜している。

そして、上部構成体２０を下部構成体１０の防
水枠１３にはめ込むとともに、下部構成体１０の
上面１０ａに載せることによつて、上記腰部支持
部２が得られる。

下部構成体１０および上部構成体２０には、足
元側の縁部、換言すれば傾斜した上面１０ａの下
位部において、開口１６，２６が形成されてお
り、下部構成体１０の開口１６には導尿装置３０
が接続されている。この導尿装置３０は、上記開
口１６に挿入固定された漏斗形状の集尿部材３１
と、この集尿部材３１の底部に管３２を介して接
続された尿タンク３３とを有している。

なお、図中４０は、自動採尿器であり、この自
動採尿器４０は、人体Ａの局所に当てられるカツ
プ形状または袋形状の受尿部材４１と、この受尿
部材４１に管４２を介して接続される尿タンク４
３とを有している。

上記構成において、採尿器４０の受尿部材４１
を人体Ａの局所に当てておく。この受尿部材４１
で尿を受けた時、これをセンサーで検知しモータ
（図示しない）の駆動で尿を吸引して尿タンク４
３に送る。この場合、上記受尿部材４１を人体Ａ
の局所に緊密に装着すると、局所の周囲の皮膚が
圧迫されてただれる原因になる。そこで、幾分緩
くあてがうと、寝返り等した場合に尿が漏れるこ
とがある。本考案ではこの漏れた尿を迅速に処理
できる。すなわち、漏れた尿は、まず腰部支持部
２において透水機能を有する上部構成体２０に落
ち、この上部構成体２０を通過して下部構成体１
０の上面１０ａに達する。この場合、上部構成体
２０の側面および上面周縁部が防水枠１３によつ
て囲まれているので、上部構成体２０に落ちた尿
は、上部構成体２０の周側面から他の支持部であ
る上半身支持部３や下半身支持部４に漏れ出るこ
とがなく、ほとんど全ての尿が下部構成体１０に
達する。下部構成体１０に達した尿は、下部構成
体１０の上面１０ａが傾斜するとともに撥水機能
を有しているので、尿はこの上面１０ａに沿つて
足元側へ流れ、導尿装置４０の集尿部材４１に達
する。そして、集尿部材４１から管４２を通つて
尿タンク４３に送られる。

上記のように漏れた尿が即座に排除され、人体
Ａの腰や背中に回ることがないので、これら部位
の皮膚がただれるのを防止できる。

また、下部構成体１０の防水枠１３により、尿
が上部構成体２０の側面から漏れるのを防止でき
る。

腰部支持部２は他の支持部３，４に対して分離
できるので、汚れた腰部支持部２だけを清潔な腰
部支持部２と交換することができる。この際、人
体Ａを他の支持部３，４の上に寝かしたまま、交
換できるので、交換作業は容易である。また、汚
れた腰部支持部２は水洗いして自然乾燥するだけ
で清潔になる。

本考案は上記実施例に制約されず種々の態様が
可能である。例えば、第４図に示すような上部構
成体６０を用いてもよい。この上部構成体６０は
樹脂製の剛性を有する枠６１と、この枠６１に網
状に張られた太目の化学繊維フイラメント６２と
から構成されている。この上部構成体６０につい
ては、下部構成体１０の上面１０ａとの間に空間
が形成された状態で、その周縁部を下部構成体１
０に支持させるようにする。このようにすると、
もれた尿は上部構成体６０の網目を通つて直接下
部構成体１０の上面１０ａに落下する。また、大
便も同様に直接下部構成体１０の上面１０ａに落
下するので処理するることができる。なお、大便
も処理する場合には、導尿装置は尿と大便を排出
できる構成とする。

さらに、下部構成体を空気袋の形態にしてもよ
い。

（考案の効果）以上説明したように、本考案によれば、漏れた
尿を、透水機能を有する上部構成体を経て下部構
成体の上面に沿つて流し導尿装置に送るようにし
たから、尿を迅速に排除でき、この尿によつて失
禁患者等の皮膚がただれるのを防止することがで
きる。また、防水枠により尿が腰部支持部から他
の支持部に漏れ出すのを防止することができるの
で、他の支持部は常に清潔な状態に維持すること
ができる。しかも、腰部支持部を他の支持部に対
して分離可能にしているので、腰部支持部を頻繁
に交換することが可能である。したがつて、マツ
トレス全体を常に清潔に維持することができ、病
人等の使用者に快適な生活を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のマツトレスの側面図、第２図
は腰部支持部の縦断面図、第３図は腰部支持部の
分解斜視図、第４図は上部構成体の他の態様を示
す斜視図である。１……マツトレス、２……腰部支持部、３，４
……他の支持部、１０……下部構成体、１０ａ…
…下部構成体の上面、１３……防水枠、２０，６
０……上部構成体、２０ａ……上部構成体の上
面、３０……導尿装置、４０……採尿器。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

人体の腰部を支持する腰部支持部が、他の支持
部に対して分離可能に構成され、この腰部支持部
は、上面が傾斜する下部構成体と、上面が上記他
の支持部の上面とほぼ面一をなす上部構成体とか
らなり、下部構成体の上面は撥水機能を有し、上
部構成体は透水機能を有し、下部構成体の周縁部
には上記上部構成体の側面および上面周縁部を囲
む防水枠が形成され、下部構成体における傾斜し
た上面の下位部には導尿装置が接続されているこ
とを特徴とするマツトレス。