JPH024632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は衣料用ハンガーに関し、更に詳しく
は型崩れを防止して衣服を容易に体裁よく吊掛け
するネツク部とシヨルダ部とよりなるハンガー本
体に、ズボン掛けを着脱自在に装着できるように
した適時衣服とともにズボン掛けもできる衣料用
ハンガーに関するものである。

従来、商店の店内やウインド等に陳列する衣服
をかけておくハンガーには衣服の種類に対応して
各種形態のものがある。その一般的なハンガーと
しては例えば第１図に示す様に、衣服を掛けるハ
ンガー本体１と、このハンガー本体１を形成する
両側シヨルダ部４，４の両端間に架設された支持
バー２とよりなり、ハンガー本体１の中央部に引
掛け用フツク３を設けた形態であつて、ハンガー
本体１は衣服の両肩部に跨がる長さで、且つその
上面側を湾曲させ、また両シヨルダ部４，４の厚
さは薄いものから衣服の肩部に合せた厚いものま
で各種のものがあつた。そしてこのようなハンガ
ーはハンガー本体１に衣服をかけた後にフツク３
を店内の陳列バー（図示せず）に引掛けて衣服の
陳列を行つていた。

ところが上記従来のハンガーの場合は、衣服の
両肩部をハンガー本体にて支持しているだけであ
り、衣服の胸部や背部はそのまま下方に垂れてし
まつていた。これがため陳列衣服は立体感に乏し
く、商品価値を低下していた。

それでこれを防ぐために背広の上着等のように
肩部にパツドを挿入したり裏生地を用いたりして
全体に膨らみを持たせたりしており、甚だ面倒で
あつた。また、衣服においても、長時間に亘つて
吊下げた状態にしておくと型崩れを生じて商品価
値が損なわれるといつた欠点があつた。

また、衣服の型崩れを防止すると共に立体感を
与えて衣服の陳列等を行なうものとしては、例え
ば人体を象つたマネキン人形等がある。しかし、
この場合はマネキン人形等の形状が大きく、その
ために陳列のための占有スペースを大きく確保し
なければならないばかりでなく取扱いが不便で汎
用性に乏しかつた。

なお、またこれら従来のハンガー或はマネキン
はいずれも衣服のシヨルダ部全面を滑面に仕上げ
ているから衣服は不用意に床面に滑り落ち易く、
これがため汚れを生じる等の欠点があつた。

この考案は上記欠点を除去したものであつて、
衣服の型崩れを確実に防止すると共に立体感を持
たせて商品価値を向上せしめ、吊下げ衣服が脱落
したりすることなく常に良好な体裁のよい外観を
保持し、而もズボン掛けも兼用できるようにした
取扱いの容易な衣料用ハンガーを提供するもので
ある。

以下、この考案の構成を図面に示す実施例につ
いて説明する。

第２図乃至第６図に示すように、この考案のハ
ンガー本体５はほぼ円筒形に形成した中空のネツ
ク部６と、上記ネツク部６の下部両側に延びるシ
ヨルダ部７，７と、上記両側シヨルダ部７，７と
ネツク部６に連らなり、これらの前後部下方に延
びて胸部と背部とを膨出形成した膨出部８，９を
一体に形成した中空形状とする。

ネツク部６は図示の如く垂直面に対して若干傾
斜させ、その上部を若干小径になすと共に上端面
１０を傾斜させてある。そして上端面１０の中央
部にフツク３を取付けるための小孔１１を穿設
し、更に上端面１０の内面に前記小孔１１を曲率
中心とし、且つ小孔１１より大径の案内筒１２を
形成してある。この案内筒１２は上端面１０に対
して直交せずハンガー本体５の使用時に垂直とな
るように形成する。

ネツク部６からシヨルダ部７，７への移行部１
３は緩やかな円弧状となし、更にシヨルダ部７，
７は第２図及び第３図に示すように斜下方に緩や
かに傾斜させる。また、シヨルダ部７，７は衣服
の肩部と近似的に合致する外形に湾曲させてあ
る。

ネツク部６から前部下方に延びる胸部８は中央
部１５を最も下方に延ばし、両側１６，１６を短
尺にしてシヨルダ７，７へ連ならせ、且つ、両側
よりも中央部の方が、上部よりも下部の方が夫々
膨らむように湾曲させ、下縁１７をほぼＵ字形の
湾曲線に形成する。また、ネツク部６から後方に
延びる背部９は下縁１８を水平のほぼ直線にして
シヨルダ部７，７に一体に接続形成し、且つ両側
よりも中央部の方が、また上部よりも下部の方が
僅かに膨らむように湾曲させてある（第３図乃至
第６図参照）。

これによりハンガー本体５のシヨルダ部７，７
及び胸部８、背部９等は人体の肩部及び胸部、背
部等の湾曲形状に近似的に合致した外形となり、
装着した衣服に着衣状態の立体感を与えることが
できる。

そしてここでこの考案は、第２図乃至第５図に
示す如く、ネツク部６下部の後側及び背部９の上
の部分から両シヨルダ部７，７のみの表面を粗面
イとし、その他のネツク部６の上部、頂面及び胸
部８の前面、並びに背部９の下部等の表面を滑面
としたハンガー本体とし、更にシヨルダ部７，７
の両側端面板に近くその内部に夫々プレートを胸
部８と背部９に接続させて形成し、このプレート
を条線等よりなるズボン掛けを係止孔２０，２０
に着脱自在に装着できる取付板１９，１９となし
たハンガーａとする。上記取付板１９，１９はズ
ボン掛けを装着するのみならず胸部８と背部９と
にほぼ直角に接続して形成されているから薄板の
合成樹脂板でつくられているために比較的脆弱な
胸部８、背部９並びにシヨルダ部７の補強作用を
してハンガーの強度を増す。

以上のようにしてハンガーａは衣服の襟から突
出するネツク部６の両側にシヨルダ部７，７を形
成し、且つネツク部６の前後にシヨルダ部７，７
に連なる膨出状の胸部８と背部９を形成し、シヨ
ルダ部７，７の上面を粗面イとし、ネツク部６の
上面中央部にフツク取付用小孔１１を形成し、取
付板１９，１９にズボン掛けを着脱自在に装着し
得るようにしたものであつて使用目的により、ハ
ンガーａのみ、またこれにズボン掛けを取付けて
使用する。なお、ズボン掛けはズボンのみに使用
するものではなく、スカート等衣服の組合せ部品
の吊掛けに使用できる着脱自在の素材、構成のも
のを含む。

つぎにこのハンガーａの使用例について説明す
る。

ハンガーａはネツク部６の上端面１０に設けら
れた小孔１１及び案内筒１２を利用して二通りに
使用することができる。即ち、その一例は第７図
及び第８図に示すように、フツク２２の下部を小
孔１１から案内筒１２を貫通させ、突出下端にワ
ツシヤー２３と止めピン２４を取付けて案内筒１
２の下端に係止させ、フツク２２上部を陳列レバ
ー等に係止し、ハンガーａを吊り下げして使用す
る。他の例としては第９図及び第１０図に示すよ
うにスタンド２５の上端支持部２５ａを下方から
ハンガーａ内に挿入し、更に先端の小径の上端支
持部２５ａを案内筒１２内に嵌挿してハンガーａ
を支持するもので、陳列台上に設置して使用す
る。上記２つの使用例において、いずれの場合も
ネツク部頂面の小孔１１につづく案内筒１２は垂
直状態となつており従つて膨出形成した胸部８と
背部９はともに適当に前方或は後方に張出した状
態となる。

従つて何れの使用によつても陳列する衣服は、
ハンガーａの背部９からシヨルダ部７，７へ被せ
てこれに密着させ、続いて衣服の襟部からネツク
部６を突出させると共に衣服の前部をハンガーａ
の胸部８に合わせてボタン等を止めてハンガーａ
に衣服を着衣させた状態でフツク２２を利用して
陳列バーに吊下げたり、或いはスタンド２５を利
用して陳列台上に陳列する。

また、ズボン掛け２１を併用する場合は第７図
乃至第１０図の鎖線にて示すように、これを予め
ハンガーａの取付板１９，１９に取付けておき、
上記使用例のようにハンガーａを陳列バーに吊下
げするか又はスタンド２５にて支持し、ハンガー
本体５に衣服を装着するとともにズボン掛け２１
にズボンを掛け下げすればよい。これにより衣服
とズボンは同時に陳列される。

以上説明したようにこの考案は中空円筒体の上
端面にフツク取付用小孔並びに該上端面で上記円
筒体を支えるべくしたスタンドの上端支持部を挿
入し得る案内筒を上記小孔の下に垂下形成したネ
ツク部と、胸部及び背部を一連に膨出させて上記
ネツク部の下部両側に形成し、上面のみを粗面に
した中空のシヨルダ部とよりなるハンガー本体
と、上記シヨルダ部の両側内面にこの両面と直交
状に胸部及び背部に亘つてプレート状に形成し、
ズボン掛けを着脱自在に装着し得る取付板とを一
体形成したからハンガーは従来と同様に衣服を掛
けて陳列できるとともにズボン掛けも併用できて
極めて便利であり、陳列効果を高めることができ
る。

而もこの考案によればハンガーに掛けられた衣
服はハンガーのシヨルダ部及び胸部、背部等に沿
つて立体感が付与されるので陳列時の商品価値を
高めるばかりでなく、衣服の荷重が直接加わり且
つ接触面が大で密着状の衣服の肩部に対応するハ
ンガーのシヨルダ部の上面のみを粗面に形成して
あるから従来のシヨルダ部上面を他の部分ととも
に滑面にしたハンガー、マネキンの場合発生して
いた衣服のずり落ちはもとより洋服をハンガーに
着せかける時に下方の抵抗で上部に皺の出来るこ
と等は完全に防止され長時間に亘り陳列しても衣
服の型崩れのない状態を十分に保持することがで
きる。更にこの考案によればズボン掛けを装着す
る取付板はシヨルダ部の両側内部にプレート状に
一体形成して胸部、シヨルダ部及び背部にほぼ直
角に接続しているのでこれら一枚板の各部はフラ
ンジ等を形成することなくこの取付板により十分
に補強されハンガーは少ない素材で簡単な構造に
つくつて優れた強度を具有し、その耐久性を高め
ることができる。

この考案のハンガーはネツク部の上端面に形成
した小孔及び案内筒を利用してフツクにより陳列
バー等へ吊下げて使用したり、或いはスタンドに
より陳列台上へ設置して衣服及び衣服とズボン或
は婦人服の場合スカート等の陳列に使用すること
ができ、しかもハンガーは小型・軽量に形成さ
れ、取扱いが容易であつて衣服の着せ替えやズボ
ンの掛け替え及び持ち運びが容易で、汎用性に富
み、耐久性に優れた実用的効果の大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的な衣料用ハンガーを示す
正面図、第２図はこの考案に係る衣料用ハンガー
の正面図、第３図はハンガーの背面図、第４図は
ハンガーの側面図、第５図はハンガーの平面図、
第６図はハンガーの底面図、第７図乃至第１０図
はハンガーに衣服又は衣服とズボン等とを掛けて
使用する例であつて、第７図はその一使用例を示
す正面図、第８図はその使用例の従断側面図、第
９図はハンガーの他の使用例を示す正面図、第１
０図はその使用例の従断側面図である。 ５……ハンガー本体、６……ネツク部、７……
シヨルダ部、８……胸部、９……背部、１０……
上端面、１１……小孔、１２……案内筒、１９…
…取付板、イ……粗面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空円筒体の上端面にフツク取付用小孔並びに
   該上端面で上記円筒体を支えるべくしたスタンド
   の上端支持部を挿入し得る案内筒を上記小孔の下
   に垂下形成したネツク部と、胸部及び背部を一連
   に膨出させて上記ネツク部の下部両側に形成し、
   上面のみを粗面にした中空のシヨルダ部とよりな
   るハンガー本体と、上記シヨルダ部の両側内面に
   この両面と直交状に胸部及び背部に亘つてプレー
   ト状に形成し、ズボン掛けを着脱自在に装着し得
   る取付板とを一体成形したことを特徴とする衣料
   用ハンガー。