JPH0245914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、構造が簡単で、大きさの異なる楽
器、あるいは被固定部位置が異なる楽器をその楽
器に応じた最適位置に固定し得るようにした楽器
携帯装置に関する。

〔従来の技術〕

従来から、マーチング中の楽器、例えばマーチ
ングベルの安定性、演奏性を向上させるために使
用されるこの種の楽器携帯装置は、演奏者の体に
装着されるもので、楽器が設置固定されるフレー
ムと、このフレームに配設され両肩にかけられる
左右一対の肩かけと、フレームの安定性を向上さ
せるため腹部に当てられる略半円形の腹当てとを
備え、前記フレームに配設した楽器固定用ねじで
楽器を該フレーム上に固定するように構成されて
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の楽器携帯装置はいずれも楽器固
定用ねじがフレームに対して固定的に取付けら
れ、その取付け位置を自由に変えることができな
いため、同じ種類であつても楽器の大きさが異な
るものを使用したりあるいはまた同じ大きさの楽
器でも前記ねじがねじ込まれるねじ孔の位置が異
なるものに対しては、対応できず、演奏者の体、
好みに合つた最適位置に楽器をセツトできないた
め、演奏し難い場合が生じるという不都合があつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る楽器携帯装置は上述したような
点に鑑みてなされたもので、腹当てを有し楽器が
載置されるフレームにスライド板を前後移動自在
に配設し、このスライド板に楽器固定用ねじを配
設し、このねじを前記楽器の被固定部にねじ込む
ようにしたものである。

〔作用〕

この考案においては楽器固定用ねじを前後移動
自在なスライド板に配設しているの、大きさの異
なる楽器さらには同じ大きさでも被固定部位置の
異なる楽器を演奏者の体、好みに合つた位置にセ
ツトすることが可能である。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第１図はこの考案に係る楽器携帯装置の一実施
例を示す斜視図、第２図は第１図−線拡大断
面図である。これらの図において、楽器携帯装置
１は楽器としてのマーチングベル２が載置固定さ
れるフレーム３と、演奏音の腹部に当てがわれる
腹当て４、これらフレーム３および腹当て４を演
奏者の肩より吊り下げる左右一対の吊バンド（図
示せず）等で構成されている。

前記フレーム３は鉄板等の折り曲げ加工によつ
て演奏者側端が開放する略コ字状に形成されるこ
とにより左右一対の側板部３Ａ，３Ｂと、側板部
３Ａ，３Ｂの後端を連結する連結部３Ｃとを一体
に有し、前記側板部３Ａ，３Ｂの前端に略半円形
に湾曲形成された前記腹当て４が配設されてい
る。フレーム３および腹当て４は、その剛性を大
きくするため、上下の幅が大きく設定されてい
る。前記フレーム３と前記腹当て４とで囲まれた
空間内には前後一対のスライド板１２，１３を前
後方向に移動自在に保持する左右一対のレール板
５，６が配設されており、これらのレール板５，
６の前端は前記腹当て４にねじ止め固定され、後
端は前記フレーム３の連結部３Ｃ内側面に同じく
ねじ止め固定されている。

前記各レール板５，６には前後方向に長い前後
一対の長孔８，９，１０，１１が対向して形成さ
れており、これらの長孔８と１０および９と１１
に前記各スライド板１２，１３の両端薄肉部１
４，１５が前後方向に移動自在に挿通保持されて
いる。前記各スライド板１２，１３は滑り易い合
成樹脂等によつて形成され、その中央には上下面
に貫通し、楽器固定用ねじ１６，１７が下方より
それぞれ挿通されるねじ孔１８が形成されてい
る。各楽器固定用ねじ１６，１７は、その上端部
に止め輪１９が嵌着されることにより前記ねじ孔
１８からの抜けを防止されている。

なお、前記フレーム３の側板部３Ａ，３Ｂおよ
びレール板５，６はその長手方向略中央部にて連
結棒２０により連結され、相互間の間隔を一定に
保持されている。また、腹当て４の湾曲内側面、
すなわち演奏者の腹部に当てがわれる面には、ゴ
ム、フエルト等のパツト２１が全長に亘つて接着
固定されている。

前記フレーム３上に載置固定されるマーチング
ベル２の基台部下面で長手方向略中央部には、鬼
目ナツト２２がそれぞれ圧入された前後一対の被
固定部２３が設けられ、さらにこの被固定部２３
の両側には前後方向に長く延在する左右一対のス
ライドガイド２６，２７が前記各レール板５，６
に対応してねじ止め固定されている。

このような構成において、マーチングベル２を
フレーム３上に固定するには各楽器固定用ねじ１
６，１７が前記一対の被固定部２３と対応するよ
うスライド板１２，１３を長孔８，９，１０，１
１に沿つて前後に移動させ、しかる後各ねじ１
６，１７のねじ部１６ａ，１７ａを各被固定部２
３の鬼目ナツト２２にねじ込めばよい。この時、
各スライドガイド２６，２７の下面に形成された
溝３０，３１にレール板５，６の上端部が係合す
ることで、マーチングベル２の左右方向のガタ付
きが防止され、また各楽器固定用ねじ１６，１７
を締付け、スライドガイド２６，２７をレール板
５，６に圧接すると同時に各スライド板１２，１
３の両端薄肉部１４，１５の上面を各長孔８，
９，１０，１１の上側壁に圧接することにより、
該スライド板１２，１３の前後方向の移動が防止
される。したがつて、あらかじめマーチングベル
２の位置を定め、しかる後楽器固定用ねじ１６，
１７を締付けてマーチングベル２をフレーム３上
に固定すれば、演奏者の最も演奏しやすい位置に
セツトすることが可能である。しかも、楽器固定
用ねじ１６，１７はスライド板１２，１３の移動
によりその位置を自由に変えられるため、大きさ
の異なるマーチングベルあるいは同一の大きさで
も前後一対の被固定部２３間の間隔が異なるマー
チングベルに対応でき、マーチング中の演奏性を
向上させることができる。

なお、上記実施例は前後一対の楽器固定用ねじ
１６，１７を用いてマーチングベル２を固定した
場合について説明したが、その数に何ら特定され
るものではなくマーチングベルの前後、左右方向
のガタ付きおよびスライド板１２，１３の前後動
を防止し得るならば１つであつてもよい。その場
合、スライド板も１つでよい。

また、上記実施例はスライド板１２，１３を長
孔８，９，１０，１１で移動自在に保持したが、
これに限らず一対のレール板５，６の代りに、断
面形状が略Ｕ字状のレールを配設し、このレール
に沿つてスライド板１２，１３をスライドさせる
ようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案に係る楽器携帯装
置は、腹当てを備えたフレームにスライド板を前
後移動自在に配設し、このスライド板に配設した
楽器固定用ねじでフレーム上に配設されるマーチ
ングベル等の楽器を固定するように構成したの
で、大きさあるいは被固定部位置が異なる楽器に
対して対応でき、演奏者の体、好みに合つた位置
に楽器をセツトし得る。したがつて、楽器の種
類、大きさ等に拘らず良好に演奏でき、演奏性を
向上させる。また、構造が簡単で、スライド板の
移動調整も簡単かつ容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る楽器携帯装置の一実施
例を示す斜視図、第２図は第１図−線拡大断
面図である。 １……楽器携帯装置、２……マーチングベル、
３……フレーム、４……腹当て、１２，１３……
スライド板、１６，１７……楽器固定用ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 腹当てを有し楽器が載置されるフレームにスラ
   イド板を前後移動自在に配設し、このスライド板
   に楽器固定用ねじを配設し、該ねじを前記楽器に
   ねじ込み該楽器を前記フレーム上に固定するよう
   にしたことを特徴とする楽器携帯装置。