JPH0245603B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0245603B2
JPH0245603B2 JP57122174A JP12217482A JPH0245603B2 JP H0245603 B2 JPH0245603 B2 JP H0245603B2 JP 57122174 A JP57122174 A JP 57122174A JP 12217482 A JP12217482 A JP 12217482A JP H0245603 B2 JPH0245603 B2 JP H0245603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
patients
isosorbide nitrate
present
fev
bronchial asthma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57122174A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5925322A (ja
Inventor
Takashi Takishima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eisai Co Ltd filed Critical Eisai Co Ltd
Priority to JP57122174A priority Critical patent/JPS5925322A/ja
Publication of JPS5925322A publication Critical patent/JPS5925322A/ja
Publication of JPH0245603B2 publication Critical patent/JPH0245603B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規な気管支喘息治療・予防剤に関
する。 更に詳しく述べれば、次の化学構造式 で表わされる1,4:3,6―ジアンヒドロ―D
―グルシトールジニトレートと有効成分とする気
管支喘息治療・予防剤に関する。 気管支喘息の治療薬としては、従来より主とし
てテオフイリンなどのキサンチン系薬剤、アドレ
ナリン、エフエドリンなどのβ受容体刺激薬など
の気管支拡張剤が繁用されている。しかしなが
ら、これらの気管支拡張剤は、心臓脈管系を興奮
させ、心拍数および心筋酸素消費を増加せしめる
作用を有する。したがつて、高血圧症および虚血
性心臓症の如き心臓脈管系の疾患を有する患者
に、これらの薬剤を使用することは適切ではな
い。 一方、ニトログリセリンの如き亜硝酸塩は、非
特定的平滑筋弛緩剤であり、心筋酸素消費および
全身血圧を減少させること、麻酔犬に気管支拡張
を生じ、切採モルモツト気管支筋を弛緩させるこ
とが報告され、アドレナリンの発見前は気管支喘
息の治療に用いられていた。したがつてニトログ
リセリンのような亜硝酸塩は、心臓脈管系の疾患
が共存する喘息患者に利用できる可能性がある
が、その効能については大いに議論のあるところ
である。例えば、ミラー(Miller)及びシユルツ
(Shultz)は、ニトログリセリンは、臨床的に安
定した喘息患者の10名中8,9名にとつて気管支
拡張剤として無効であると報告しており〔Miller
WC;Shultz TF:Failure of nitroglycerin as
a bronchodilator,Am Rev Respi Dis 120:
471―472(1979)〕,またケネデイ(Kennedy)ら
は最近ニトログリセリンは急性喘息の治療に無効
であると報告している〔KennedyT,Summer
WR,Sylrestar J,etal.JAMA,246,145〜
147(1981)〕。 上述の如き実情に鑑み、本発明者は、気管支喘
息の治療に有効な亜硝酸塩について長年にわたり
鋭意研究を重ねてきたが、次の構造式を有する
1,4:3,6―ジアンヒドロ―D―グルシトー
ルジニトレートが缶管支喘息に効果があることを
見い出し本発明を完成したものである。 したがつて、本発明の目的は、新規な気管支喘
息治療剤を提供するにある。 本発明の有効成分である1,4:3,6―ジア
ンヒドロ―D―グルシトールジニトレートは一般
名硝酸イソソルビドであり,従来,狭心症、心筋
梗塞、冠硬化症の治療・予防に用いられているも
のである。 物理化学的性状は下記のとおりである。 白色の結晶または結晶性の粉末で、においはな
いか、わずかに硝酸臭がある。アセトンまたはジ
メチルホルムアミドに極めて溶けやすく、氷酢
酸、クロロホルムまたはトルエンに溶けやすく、
メタノール、エタノールまたはエーテルにやや溶
けやすく、水にはほとんど溶けない。 次に、本発明化合物の効果を詳細に説明するた
め臨床例をあげる。 臨床例群 1 (1) 患者:30才かる64才の範囲の20名の喘息患者
で、その内わけは、男性14名、女性6名であつ
た。これらの患者は、米国胸部学疾患会
(American Thoracic Society)の定義により
診断されたスワインフオード(Swineford)の
3つのタイプ、すなわちアトピー型、感染型お
よよび混合型が含まれており、FEV1/VCの
前処置の値は80%以下(53.3±10.4%)であつ
た。9名の患者は投薬を受けておらず、他の11
名はβ受容体刺激薬、キサンチン系薬などの維
持投薬を受けていたが、全員処置の24時間前に
は投薬しなかつた。患者の臨床の特徴を表にす
ると表1の如くである。
【表】 (2) 方法 患者は、2つの別の日にランダムな順序で、本
発明化合物である硝酸イソソルビドを5mg含有す
る舌下錠を1錠舌下に投与するか、メタプロテレ
ノールの3回の吸入(1吸入音につき1.5mg)の
いずれかをおこなつた。試験と試験の間は少なく
とも一日間以上の経過をおいた。最初一秒間の強
制呼出気量(FEV1)の基線値が、2回の試験日
で20%より多く変化しないことを確かめた。も
し、20%より多く変化した場合は、最初の試験か
ら1週間以内に再度式験をした。 投与後15分後に、呼吸機能検査、建血圧、脈拍
数の測定をおこない、更に主観的症状および副作
用についても検討をおこなつた。 呼吸機能検査は次の方法によつた。 まず呼吸抵抗(Rrs)を安静呼吸時、口での3
Hzにおける強制振動法により測定し、Hyatt等に
よる電気的アナログ回路により自動的に計算し
た。更に肺活量(VC)および最初の1秒間の強
制呼出気量(FEV1)をベネデイクト―ロス
(Benedict―Ross)型のレスピロメータを用いて
得た。 (3) 結果 20名の患者における硝酸イソソルビドおよびメ
タプロテレノールの投与前および投与後における
Rrs,VC,FEV1およびFEV1/VCの平均値およ
び変化%(処置後の値/処置前の値)を表2に示
す。第2から明らかな如く、硝酸イソソルビド
は、平均Rrs(p<0.02)を減少し、平均VC(p<
0.01),FEV1(p<0.001)およびFEV1/VC(p
<0.01)を増加した。 患者の平均収縮期、拡張期圧および心拍数を表
3に示す。表3から明らかな如く、本発明の硝酸
イソソルビドは有意的に平均収縮期圧(p<
0.001)および拡張期圧(p<0.001),血圧は低
下し、平均心拍数(p<0.001)は増加した。
【表】
【表】 次に、硝酸イソソルビドおよびメタプロテレノ
ールの投与前および投与後のRrs,VCおよび
FEV1の個別の値を図1,図2および図3に示
す。 図1から明らかな如く、5名の患者(表1のNo.
6,7,10,11,15の患者)のRrs値は硝酸イソ
ソルビド投与後、明らかに1cmH2O/l/秒よ
り多く減少した。呼吸はこれらの患者のすべてに
おいて主観的にも改善をみた。また12名の患者に
おいて1cmH2O/H2O/l/秒を超える変化で
はなかつたがRrs値は減少をみた。これら患者の
うち数名はVCおよびFEV1が有意に増加した。 図2から明らかな如く、VCは20名の患者中19
名が増加し、特に7名の患者は200mlより多く増
加した。また本発明の硝酸イソソルビドはメタプ
ロテレノールを用いて肺機能が改善されなかつた
数名の患者の肺機能を改善した。気管支喘息の三
つのタイプ、アトピー型、感染型および混合型の
間には肺機能改善の明白な差は存しなかつた。 また硝酸イソソルビド投与後、投与前に軽い呼
吸困難を訴えた11名の患者中7名はその症状を改
善し、呼吸困難を訴えなかつた9名の患者中5名
では呼吸が一層楽になつたと訴えた。更に痰喀出
の困難を訴えた4名の患者中3名は喀出が改善さ
れた。 臨床例群 2 5名の気管支喘息患者(男性4名、女性1名)
に、本発明化合物である硝酸イソソルビドを5mg
を含有する1錠舌下錠を舌下に投与した。投与前
および投与後の痰の粘度を比較した。その結果を
表4に示す。
【表】 表4から明らかな如く、本発明化合物の投与に
より著しい粘度の低下がみられた。そして、各患
者とも痰喀出が著しく改善された。 臨床例群1および2から明らかな如く、喘息患
者の肺機能、呼吸困難および痰喀出の主観的症状
を改善した。FEV1の改善は強制呼気の間におけ
る気道の拡張を意味する。また、気道、肺組織お
よび胸壁抵抗を含むRrsも改善された。亜硝酸塩
は奇妙なことに平滑筋以外の組織に対する作用を
欠いているので、硝酸イソソルビドは胸壁に作用
しないであろう。それ故、静かな呼吸の間におけ
るRrsの減少は気道および肺組織の抵抗の減少を
示すことになるものと考えられる。VCの増加は
遅く深い吸気の間における流れの増加を意味す
る。したがつて、本発明に用いられる硝酸イソソ
ルビトは優れた気管支拡張剤といえる。 そして、副作用についていえば、軽度の頭痛と
低血圧を経験したが、それらはがまんでき、制禦
できるものであつた。それ故、本発明で用いる硝
酸イソソルビドは、気管支喘息に対し臨床的に高
度に適用可能であり、とりわけ、β―興奮剤を使
用することが困難であつた心臓脈管系の疾患が共
存する患者に対し良好に適用できるものであり、
その意味で本発明で用いる硝酸イソソルビドは理
想的な気管支喘息治療剤といえる。 次に、本発明で用いる硝酸イソソルビドの急性
毒性〔LD50(mg/Kg)〕を次の表5に示す。
【表】 本発明化合物を気管支喘息の治療・予防剤とし
て患者に投与する際の投与量は、症状の程度、年
齢などにより異なり特に限定されないが、通常成
人1日あたり約1mg/50mg、好ましくは5mg/20
mgを経口、若しくは非経口的に投与する。経口投
与する場合は、舌下投与が好結果を与える。投与
剤型としては、例えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠
剤、カプセル剤、注射剤、軟膏などの外用剤など
があげられる。製剤化の際は、通常の製剤担体を
用い、常法により製造する。 すなわち、経口用固形製剤を調製する場合は主
薬に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、
滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常
法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセ
ル剤などとする。 賦形薬としては、例えば乳糖、コーンスター
チ、白糖、ブドウ糖、ソルビツト、結晶セルロー
ス、リン酸水素カルシウム、合成ケイ酸アルミニ
ウムどが、結合剤として例えば、ポリビニルアル
コール、ポリビニールエーテル、エチルセルロー
ス、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガン
ト、ゼラチン、シエラツク、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリ
ビニルピロリドンなどが、崩壊剤としては例え
ば、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロー
ス、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエ
ン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム等が、滑沢剤
としては例えば、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレング
リコール、シリカ、硬化植物油等が、着色剤とし
ては医薬品に添加することが許可されているもの
が、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハツカ脳、
芳香酸、ハツカ油、竜脳、桂皮末等が用いられ
る。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン
衣、その他必要により適宜コーテイングすること
はもちろんさしつかえない。 注射剤を調製する場合には、主薬に必要により
PH調整剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、可溶化剤
などを添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内
用注射剤とする。 次に、本発明の製剤例を示す。 製剤例 1錠剤 硝酸イソソルビド 5mg 結晶セルロース 29mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 5mg トウモロコシデンプン 5mg ステアリン酸カルシウム 1mg 乳 糖 55mg 上記の処方にて常法により錠剤とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、硝酸イソソルビドおよびメタプロテレ
ノール投与前と投与後のRrs値の変化を示す。図
2は、硝酸イソソルビドおよびメタプロテレノー
ル投与前と投与後のVC値の変化を示す。図3は、
硝酸イソソルビドおよびメタプロテレノール投与
前と投与後のFEV1値の変化を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次の化学構造式 で表わされる1,4:3,6―ジアンヒドロ―D
    ―グルシトールジニトレートを有効成分とする気
    管支喘息治療・予防剤。
JP57122174A 1982-07-15 1982-07-15 気管支喘息治療・予防剤 Granted JPS5925322A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57122174A JPS5925322A (ja) 1982-07-15 1982-07-15 気管支喘息治療・予防剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57122174A JPS5925322A (ja) 1982-07-15 1982-07-15 気管支喘息治療・予防剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5925322A JPS5925322A (ja) 1984-02-09
JPH0245603B2 true JPH0245603B2 (ja) 1990-10-11

Family

ID=14829400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57122174A Granted JPS5925322A (ja) 1982-07-15 1982-07-15 気管支喘息治療・予防剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5925322A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63150030A (ja) * 1986-12-15 1988-06-22 松下電器産業株式会社 電気湯沸器
TWI312687B (en) * 2005-04-21 2009-08-01 Kao Corporatio Skin lotion and wrinkle improving agent
WO2011003223A1 (zh) * 2009-07-10 2011-01-13 杏辉天力(杭州)药业有限公司 治疗或预防心肌缺血引起的心绞痛或心肌梗塞的药物组合物
CN105012287A (zh) * 2015-06-17 2015-11-04 青岛市市立医院 硝酸异山梨酯在制备治疗急性心肌梗死的药物中的应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5925322A (ja) 1984-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kennedy et al. Human pharmacological and clinical studies on salbutamol: a specific β-adrenergic bronchodilator
Kaufman Anæsthesia in Dystrophia Myotonica [Abridged]—Anæsthesia of the Hazards of Anæsthesia: Registrar's Prize Essay
WO2011130181A1 (en) Methods for treatment of sleep-related breathing disorders
Ferguson et al. Ventilatory failure in myasthenia gravis.
US5418219A (en) Pharmaceutical composition for treatment of adult respiratory distress syndrome containing human ANP
Petty et al. Objective functional improvement in chronic airway obstruction
Tashkin et al. Double-blind comparison of acute bronchial and cardiovascular effects of oral terbutaline and ephedrine
JPH07508722A (ja) 肺および気管支疾患におけるウロジラチン(urodilatin)の使用
JP2501033B2 (ja) D―フェンフルラミン含有うつ病用医薬組成物
Simonsson et al. Double‐blind trial with increasing doses of salbutamol and terbutaline aerosols in patients with reversible airways obstruction
JP2001522891A (ja) 睡眠時無呼吸を治療するためのミルタザピンの使用
Matthay et al. Grand mal seizure induced by oral theophylline.
JPH0245603B2 (ja)
HIRSHLEIFER et al. Nitrites in the treatment of bronchial asthma
WO1992001448A1 (en) Remedy for sleep apnea
Stone et al. Effect of adrenergic stimulation and inhibition on human airways.
Bone Treatment of respiratory failure due to advanced chronic obstructive lung disease
Svedmyr Effects of Oral Theophylline Combined with Oral and Inhaled β2‐Adrenostimulants in Asthmatics
Choo-Kang et al. Salbutamol by intermittent positive pressure ventilation in status asthmaticus
Funahashi et al. A study of a new bronchodilator: Carbuterol
JPH0517358A (ja) 睡眠誘起性無呼吸症治療剤
JPH0374329A (ja) 胃炎治療剤
CN113662930B (zh) 二蒽酮类化合物在制备预防和/或治疗心肌缺血性疾病及其相关病症的药物中的应用
Dyson et al. Is indoramin useful in the treatment of bronchial asthma?
EP0075029B1 (en) Agent for treating chronic obliterative lung disease