JPH0245236B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ノズルの出口における菌の増殖を防
止した、衛生ノズル装置に関するものである。

〔発明の概要〕

本発明は、各種飲料等が出るノズルの先端部近
傍に複数の発光ダイオードを配設し、これよりの
光線でノズル先端部を照射することにより、菌の
増殖を防止して、光源の占有空間を縮小しなが
ら、ノズルの出口を衛生的な状態に保つようにし
たものである。

〔従来の技術〕

従来、カツプ自動販売機において、各種の飲料
を供給するノズルの内部に殺菌灯を設けたものが
知られている。（実開昭56−159893号公報等照）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、殺菌消毒に紫外線ランプが使用され
る場合、小容量で、例えば直径が12mm、長さが約
120mm程度と比較的小型のものは、ランプの寿命
が連続点灯で2000〜3000時間、点滅点灯ではその
半分と極めて短く、より小形のランプの寿命は更
に短いという維持・管理面での問題があつた。

また、紫外線ランプを使用する場合は、ランプ
やソケツト等の大きさに制約されて、光源全体が
大きくなり、通常径のノズルの内部に収容できる
程度の小型化はきわめて難しいという問題があつ
た。

したがつて、本発明は、長寿命で小型の光源に
より菌の増殖を防止して、ノズル出口を衛生的な
状態に保持しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、衛生的な状態に維持すべききノズル
１の先端部２の近傍に複数の発光ダイオード４を
配設し、この発光ダイオードからの光線によりノ
ズルの少くとも先端部を照射して、ノズルの出口
における菌の増殖を防止するようにした衛生ノズ
ル装置である。

〔作用〕

ノズル先端部が、発光ダイオードからの光線に
照射されて、菌の増殖が抑えられ、衛生状態に保
たれる。

〔実施例〕

第１図は本発明の第１の実施例を示すもので、
同図Ａは外観図、同図Ｂはその要部を示す断面
図、同図Ｃはその変形を示す断面図である。これ
らの図において、１は飲料水や無菌水が出るノズ
ル、２はノズルの先端に嵌合した円筒状リング、
３は絶縁基板、４は基板に配列された発光ダイオ
ード、５はリード線を示す。円筒状リング２は、
例えば透光性の材料で、基板３、発光ダイオード
４と一体に形成する。リード線５は、適当な電源
に接続する。発光ダイオード４には、適当な保護
皮膜が施してある。円筒状リング２の長さを長く
して第１図Ｃに示すようにパイプ状とし、発光ダ
イオード４をかようなパイプの外周に取付けるよ
うにしてもよい。このようにノズル１に取付けた
リングやパイプ２は、新たにノズル先端部を形成
する。

また、発光ダイオード４の数は、発光出力の大
きいものは少数でよく、発光出力の小さいものは
多数用いることになる。

本例では、発光ダイオード４として、レーザ発
振により、例えば800nｍ程度の波長の近赤外線
を発光するレーザダイオードが使用される。後述
のようなパルス発振の場合、各レーザダイオード
の光出力は、例えば40〜50ｍＷ程度になる。

発光ダイオードは個々の大きさが小さいので、
多数使用の場合でも、光源の占有空間を小さくす
ることができる。

本発明は、発光ダイオードが発する可視光線や
赤外線でも菌の増殖を防止する作用がある点に着
目してなされたものである。

周知のように、レーザ光は指向性がよく、適宜
の光学系により所要部分をスポツト的に照射し
て、光エネルギーを高密度に集中することができ
る。

菌がこのスポツト照射を受けた場合、菌細胞内
の吸収物質による吸光で温度が上昇し、蛋白質の
凝固などの熱損傷が発生して、増殖バランスがく
ずれる。

菌の増殖周期は、例えば、最も短い種類の一つ
である大腸菌でも30分程度であることが知られて
おり、上述のスポツト照射のためには、比較的長
時間が許容されることになる。このため、前述の
ように比較的小出力の半導体レーザを用いても、
照射部分の菌の増殖を抑えることができる。可視
光を発生する半導体レーザを使用する場合も同様
である。

これにより、光源を小形かつ長寿命として、ノ
ズルに簡単に取り付けることができて、自動飲料
販売機等を小形かつ廉価に構成することができ
る。

なお、本例では、発光ダイオード４に対向する
位置に受光素子を設け、その出力を適当な見易い
位置の表示器（ランプ等）に導き、実際に発光中
であることを確認できるように構成しうる。

また、各発光ダイオードの出力を例えば振幅の
大きなパルス発振によつて大きくできるので、発
光ダイオードの数を適宜に少なくしうる。

更に、基板３に熱拡散のよいセラミツク基板を
用いれば、連続発光させてもよい。

第２図は、本発明の第２の実施例を示す断面図
である。同図において、第１図と対応する部分に
は同一の符号を付してある。６は基板３及び発光
ダイオード４と一体に構成されたキヤツプ、７は
上述のような確認認用色付き発光ダイオードであ
る。この例では、キヤツプ６は透光性である必要
はないが、ノズル１の先端部分に透光性のノズル
口２を取付けている。このノズル口２は、多数の
小孔を有するシヤワー板のように形成することも
できる。

第３図は、本発明の第３の実施例を示す斜視図
である。同図においても、上記実施例と対応する
部分には同一の符号を付してある。本例は、縦長
の透光性ノズル１に実施したもので、逆コツプ状
の基板３′の内側に発光ダイオード４を配列した
ものを適当な手段でノズル１の先端部に取付けて
ある。本例では、ノズル１の出口だけでなく、そ
の上方部及び下に置いたコツプ８の開口周辺や内
側をも照射することができる。

なお、上述の実施例は代表的な例にすぎず、本
発明は、特許請求の範囲において種々の変形・変
更が可能である。例えば、透光性ノズルの先端部
を螺旋状又はジグザグ状に形成し、その部分全体
を第３図のような方法で照射するようにしてもよ
い。また、第１図のものにおいて、ノズル先端部
２の出口を閉塞して発光ダイオードを閉塞面に設
け、ノズルの不使用時にノズル１の先端に嵌入し
て使用するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したとおり、本発明によれば、複数の
発光ダイオードの使用により、光源を小形かつ長
寿命とすることができ、各種の飲料を供給するノ
ズル出口を、菌の増殖を抑えて、衛生的な状態に
保つことができる衛生ノズル装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の各種の実施例を
示す図である。 １はノズル、２はノズル先端部、４は発光ダイ
オードである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 衛生的な状態に維持すべきノズルの先端部の
   近傍に複数の発光ダイオードを配設し、 この発光ダイオードからの光線により上記ノズ
   ルの少くとも先端部を照射して、上記ノズルの出
   口における菌の増殖を防止するようにした衛生ノ
   ズル装置。