JPH0244626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自転車のクランク軸を左右から突合せ
状で、互に係脱自在として一体又は別体とするこ
とができるようにし、各軸にクランクギヤを設け
て夫々の軸で後輪を駆動可能とし、回転式にも踏
込式にも切替自在であるようにした自転車に関す
るものである。

（従来技術） 従来一般に使用されている自転車はクランクギ
ヤを有する一本のクランク軸に一対のペダルが設
けられ、該クランクギヤと後輪のフリーホイール
との間にチエーンが巻掛けられており、ペダルを
両足で廻すように踏んでクランク軸を回転させる
ことにより後輪が駆動されるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記の自転車は脚が不自由であつ
てペダルを踏込むことはできても回転させること
のできない人には乗りこなすことができなかつ
た。

そこで踏込式の自転車を用意すればその置場の
スペースが必要になり、又脚の具合がよくなつた
場合には不要となるので邪魔になり、不経済でも
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の状況に鑑み、提案された自転車
であつて１台の自転車を回転式と踏込式との兼用
可能とし、脚の不自由な人も健常者にも使用でき
るようにするために、自転車のクランク軸が左右
から突合せ状の二本の軸１，１′によつて構成さ
れ、一方の軸１の端部１ａを他方の軸１′の端部
１ａとが係脱自在とされ、該両軸１，１′には
夫々ペダル２及びクランクギヤ３が取付けられ、
該クランクギヤと対応し、後輪４と連係させたフ
リーホイール５との間に巻掛したチエーン６を介
して後輪４を駆動可能とされている構成とした。

（作用） 上記の自転車は回転式とする場合には二本のク
ランク軸１，１′を夫々のペダル２がクランク軸
１，１′の軸線に対して対向する位置にあるよう
に係合させて一体とすれば通常の自転車と同様な
ペダル操作によりチエーン６が回転して後輪４へ
回転を伝え走行することができる。

又、踏込式とする場合には二本のクランク軸
１，１′の係合を外して左右の足を交互に踏めば
後輪４が連続して回転し、自転車が走行する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例について図面により説
明する。

図面は後輪４が二輪となつている二輪車であつ
て、クランク軸が左右から突合せ状の二本の軸
１，１′よりなつており、該軸１，１′には夫々ペ
ダル２及びクランクギヤ３が取付けられると共に
一方の軸１の端部１ａが稍先細り方柱状となつて
おり、他方の軸１′の端部１′ａには前記端部１ａ
が係合する断面方形の係合孔が設けられ、軸１は
左右に摺動可能となつている。又、ペダル２には
上面に足係止具２ａが設けられ、該止具２ａによ
り足が甲部で固定されるようになつている。

フレーム７には軸１を摺動させ軸１′と係脱さ
せるための切替レバー８が枢着され、一端８ａを
軸１の回転と無関係状に軸１に係止され、他端８
ｂを揺動させて、軸１，１′を別体として踏込式、
一体として回転式に切替えるようになつている。

９は軸１，１′に嵌装されたベアリング、１０
は蓋板を示す。

又、フレーム７は通常の自転車と略同様であつ
て、チエーンステー７ａには中間軸１１か軸支さ
れ、左右両側にフリーホイール５と左側端部にス
プロケツト１２が取付けられており、前記軸１，
１′の夫々のクランクギヤ３と該フリーホイール
５との間に夫々チエーン６が巻掛けされている。
更に、スプロケツト１２と後輪軸１３に取付けた
スプロケツト１４間にはチエーン１５が巻掛され
ている。従つて軸１，１′の係合を外した場合は
足を足係止具２ａによつてペダル２に固定し、交
互にペダルを踏込んで自転車を走行させ、係合し
た状態では回転式として通常の自転車のように使
用できる。

第５図は他の実施例であつて前端にフツク１７
を有し、チエーン６上面に沿つた前後方向のコイ
ルばね１６が後端１６ｂをフレーム９へピン１８
により揺動自在に枢着され、後端７ｂの枢着部上
部に連結したワイヤー１９を弛めることによつて
フツク１７が下りチエーン６のピンと係着し、ワ
イヤー１９を引くことによつてフツク１７が上り
チエーン６との係着が外れるようになつている実
施例を示すものであり、前記ペダル２の所要角度
位置でチエーン６を係着することができるように
なつており、通常ペダル２が軸１，１′の軸線を
含む水平面から約90゜上方位置にあるようにし、
軸１，１′の係合を外した状態とすることにより
踏込式となる。

回転式の場合はワイヤー１９を引きフツク８を
チエーン６から外すと共に前記切替レバー１０を
揺動させ、一対のペダル２が軸１，１′の軸線を
挾んで互に反対側となるようにして軸１，１′を
一体とすることにより回転式とすることができ
る。

（効果） 本考案に係る回転、踏込式兼用自転車は前記の
ように構成されているので簡単に回転式と踏込式
とに切替ができる。

従つて脚が不自由でペダルを回転させることが
困難な人には踏込により走行し、通常の健康な人
はペダルを回転させて走行することが一台の自転
車の切替えでできるので便利であり置場スペース
も１台で済むので邪魔となることが少い。又、踏
込角度も体力に応じて適宜に変えることができ、
踏込の深浅も適宜変えられるので病後のリハビリ
テーシヨンにも最適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は同駆動装置の構成図、第３図はクランク軸部
分の拡大断面図、第４図は足係止具付ペダルの斜
視図、第５図は他の実施例のチエーン係着用コイ
ルばね部分の側面図である。 １……軸、２……ペダル、３……クランクギ
ヤ、４……後輪、５……フリーホイール、６……
チエーン、７……フレーム、８……切替レバー、
９……ベアリング、１０……蓋板、１１……中間
軸、１２……スプロケツト、１３……後輪軸、１
４……スプロケツト、１５……チエーン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自転車のクランク軸が左右から突合せ状の二本
   の軸によつて構成され、一方の軸の端部と他方の
   軸の端部とが係脱自在とされ、該両軸には夫々ペ
   ダル及びクランクギヤが取付けられ、該クランク
   ギヤと対応し、後輪４と連係させたフリーホイー
   ルとの間に巻掛したチエーンを介して後輪を駆動
   可能とされていることを特徴とする回転、踏込兼
   用自転車。