JPH0244585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は自動車用フロアカーペツトの固定構造
に係り、特にエンジンをフロントシートの下部に
載置した自動車におけるリアフロアカーペツトの
前端中央部の固定構造に関するものである。

「従来技術と問題点」 一般にエンジンがフロントシートの下方に載置
されている自動車においては、第５図に示される
如くドライバー側のフロントシートａと助手席側
のフロントシートとの間にセンターコンソールボ
ツクスｂが設けられている。各フロントシートは
リアフロアｄの面より高所に設けたエンジンカバ
ーｃ上に載置されている。上記エンジンカバーｃ
とリアフロアｄとはその段差部に該当するヘツダ
メンバｅで仕切られている。

外観の向上及び遮音、遮熱のため車室内の適所
にはフロアカーペツトが敷かれる。例えばリアフ
ロアｄを覆うリアフロアカーペツトはヘツダメン
バｅの後面を経て更にヘツダメンバｅの上面を覆
つている。従つてリアフロアカーペツトの前端部
はヘツダメンバｅの上面においてボルトやホツク
等によつて固定されることになる。このような自
動車用カーペツトの敷設構造の一例は実開昭56−
9931号公報に記載されている。従つてヘツダメン
バ上面においてボルトやホツクを取り付け得る部
分ではリアフロアカーペツトの先端部の固定は支
障なく行われるが、その中央部にはシートベルト
ｆの取付部があり、ボルトやホツクを取り付ける
スペースを確保することが難しい。そのためリア
フロアカーペツトの前端部の中央部分は従来完全
な固定が行われていなかつたため、めくれ上がる
等の問題を呈していた。この点上記中央部以外の
リアフロアカーペツト前端部では、少々めくれ上
がつてもフロントシートａの後端がその上にかぶ
さつていたり、又はフロントシートの下に敷いた
センターカーペツトで覆われているため目立つこ
とはないが、上記のようなリアフロアカーペツト
前端中央部はセンターコンソールボツクスｂに対
応した部分で、その上にカーペツト等を被せるこ
ともできないため、上述のようなめくれ上がりの
問題を解消することができなかつたのである。

「考案の目的」 従つて本考案が目的とするところは、リアフロ
アカーペツトの前端中央部における確実な固定構
造を提供することである。

「考案の構成」 上記目的を達成するために本考案が採用する主
たる手段は、エンジンをフロントシートの下部に
載置した自動車のリアフロアカーペツト前端中央
部を固定するための構造において、バツクルの取
付部を備えたセンターコンソールボツクスの後部
に受け台を形成すると共に、上記リアフロアカー
ペツトに上記バツクルを挿通させる貫通孔及びこ
の貫通孔に接続されたスリツトを設け、上記取付
部を上記リアフロアカーペツトにより覆うように
して上記受け台にリアフロアカーペツトの前端中
央部を係止部材を用いて固定した点である。

「実施例」 続いて第１図乃至第４図の添付図面を参照して
本考案を具体化した実施例につき説明し、本考案
の理解に供する。ここに第１図は本考案の一実施
例に係る取付構造を含むヘツダメンバ部の斜視
図、第２図は同取付構造の一例を示す側断面図、
第３図は同取付構造の部分的拡大斜視図、第４図
は同取付構造の一部を構成するリアフロアカーペ
ツト前端部の斜視図である。

第１図において１はリアフロアカーペツトで、
その後端部はリベツト等によつてリアフロアに固
定され、リアフロアからヘツダメンバ２の後面に
沿つて貼り付けられ、その上端部１ａはクリツ
プ、ホツク３等によつてヘツダメンバ２の上面に
固定されている。リアフロアカーペツト１の前端
部４は上記上端部１ａから更に前方へ突出し、リ
アフロアカーペツト１の幅方向中央部に設けられ
ており、その端部にはホツクやクリツプ、ボルト
等を装着するための取付孔５，５が穿設され且
つ、この取付孔５より若干後方部にはヘツダメン
バ２の上面より引き出されるバツクルを構成する
シートベルト６を挿入するためのベルト孔７，７
（貫通孔）が穿設されている。このベルト孔７，
７はシートベルト６の先端に設けたバツクル８の
通過を可能とするため第４図に明らかな如くスリ
ツト９により連結されている。

一方センターコンソールボツクス１０の後端部
には第２図及び第３図に示す如く受け台１１が形
成され、この受け台１１の上面にリアフロアカー
ペツト１の前端部４を受け台１１上に固定するた
めのクリツプやホツク等の係止部材１３を嵌入す
る取付孔１２，１２が形成されている。第２図に
示した１４はセンターコンソールボツクス１０を
固定するボルト１５を挿入するための穴であり、
ボルト１６はシートベルト６の端部をヘツダメン
バ２の上面に固定して上記バツクル８を取り付け
るためのもので、このボルト１６の上面の高さと
受け台１１の上面の高さとを一致させておくこと
によりリアフロアカーペツト１の前端部４を平面
的に構成して外観を良くすることができる。

リアフロアカーペツト１を取り付けるにはまず
その後端部をリアフロアに固定した後、中間部を
ヘツダメンバ２の後面に沿つて敷設し、更にその
上端部をクリツプ、ホツク等の係止部材３によつ
てヘツダメンバ２の上面に固定する。

引き続き、上記バツクル８及びシートベルト６
を上記ベルト孔７及びスリツト９から挿通させ
る。

最後にリアフロアカーペツト１の前端部４を前
方へ引つ張つて該リアフロアカーペツト１により
上記ボルト１６の頭部を覆うようにしてその先端
４′をクリツプやホツク等の係止部材１３によつ
て受け台１１の上面に固定する。

その結果、リアフロアカーペツト１は確実に固
定されると共に、バツクル８の取付部を構成する
ボルト１６が該リアフロアカーペツト１により覆
われて見栄えが向上する。更に上記バツクル８を
構成するシートベルト６とベルト孔７との係合に
より、上記リアフロアカーペツト１のずれ防止を
図ることもできる。

「考案の効果」 本考案は以上述べた如く、エンジンをフロント
シートの下部に載置した自動車のリアフロアカー
ペツト前端中央部を固定するための構造におい
て、バツクルの取付部を備えたセンターコンソー
ルボツクスの後部に受け台を形成すると共に、上
記リアフロアカーペツトに上記バツクルを挿通さ
せる貫通孔及びこの貫通孔に接続されたスリツト
を設け、上記取付部を上記リアフロアカーペツト
により覆うようにして上記受け台にリアフロアカ
ーペツトの前端中央部を係止部材を用いて固定し
たことを特徴とするフロアカーペツトの固定構造
であるから、センターコンソールボツクスの一部
を利用して、従来取り付け状態が不安定であつた
リアフロアカーペツトの前端部を完全に固定する
ことができ、この前端部のめくれ上がりや波打ち
等を防止することが可能となつた。

更に、バツクルの取付部が該リアフロアカーペ
ツトにより覆われて見栄えが向上し、上記バツク
ルと上記貫通孔との係合により、上記リアフロア
カーペツトのずれ防止を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る取付構造を含
むヘツダメンバ部の斜視図、第２図は同取付構造
の一例を示す側断面図、第３図は同取付構造の部
分的拡大斜視図、第４図は同取付構造の一部を構
成するリアフロアカーペツト前端部の斜視図、第
５図は一般的なキヤブオーバタイプの自動車のフ
ロントシート部を示す部分的斜視図である。 符号の説明、１……リアフロアカーペツト、２
……ヘツダメンバ、４……前端部、６……シート
ベルト、７……ベルト孔（貫通孔）、８……バツ
クル、９……スリツト、１０……センターコンソ
ールボツクス、１１……受け台、１３……係止部
材、１４……穴、１６……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンをフロントシートの下部に載置した自
   動車のリアフロアカーペツト前端中央部を固定す
   るための構造において、バツクルの取付部を備え
   たセンターコンソールボツクスの後部に受け台を
   形成すると共に、上記リアフロアカーペツトに上
   記バツクルを挿通させる貫通孔及びこの貫通孔に
   接続されたスリツトを設け、上記取付部を上記リ
   アフロアカーペツトにより覆うようにして上記受
   け台にリアフロアカーペツトの前端中央部を係止
   部材を用いて固定したことを特徴とするフロアカ
   ーペツトの固定構造。