JPH0243566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は低温溶融金属等を鋳造する分野に於い
て、鋳造工程で随時又は定期に鋳造等消費量に従
いその消費量を補充して、その鋳造機の金属溶融
ポツト内へ一定量の溶融金属を維持させ、安定し
て物品を鋳造するために利用される溶融金属補給
装置に関するものである。

〔従来の技術〕

溶融された金属湯は、大気中の酸素と反応をお
こして表面酸化をなして、その酸化金属はスラツ
ジ化をしスラツジを生成する。それら酸化金属等
スラツジ又は原材料から混入していたスラツジ等
は、製品の品質低下、装置の溶融金属通路を閉塞
させ装置の故障、等を誘発し敬遠されている。こ
れらの悪現象を避けて、溶融金属の補給装置は大
気中の酸素に成るべく触れ無い様にした構造にし
て機構を複雑にしたものが多い、しかし、前記し
たスラツジは鋳造時間の累積に伴いながら溶融金
属内に混入されて来て、それがやがて、その装置
内部の溶融金属の通路パイプや制御弁等に付着堆
積して装置の故障を引き起こしている。特に装置
が複雑な場合は、かかるスラツジ等の付着堆積に
よる故障の修復は多大な時間とコストがかかりそ
のメンテナンスのために時間のロスが大きく稼働
時間の損失は免れ得なかつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記した様に溶融金属は大気中の酸素と反応を
起こして酸化金属、スラツジ等を生成する。該ス
ラツジ又は原材料から混入していた不純物等は、
溶融金属の通路に付着し易い等の特性があるの
で、従前の装置では、溶融金属の酸化防止を基調
とした構造でパイプ、制御バルブ、等を組み込み
機構を複雑に無し密閉方式を採用している等の場
合があつて、一度回路に閉塞など故障が発生する
と、それら装置を分解してスラツジ等で閉塞した
部分を修復するためにオーバーホールなどしての
修理が必要となつていたのである。そして、その
メンテナンスに多大な時間とコストが費やされて
いたのである。そこで、仮に装置通路へスラツジ
等が付着堆積があつても極めて容易に、それらス
ラツジを装置から除去できる構造にして、メンテ
ナンスの極めて楽な構造にして、且つ運転操作を
含め取り扱い楽な構造のものにしなければならな
い問題がある。

〔問題点を解決しようとする手段〕

溶融金属を鋳造機の溶融金属ポツトへ補給する
過程で、溶融金属を完全に大気に触れることの無
い様に装置を密封方式にしても、溶融金属の溶解
する前にインゴツトとして仕入た段階で既に微量
ながらその酸化金属は含まれていて、運転時間の
増大経過と共に、それら酸化金属はスラツジ化が
進み、前記した様に装置の故障の原因となつてい
ること、及び鋳造する原材料にそのスラツジ化の
原因が潜在しているので密封方式の複雑な装置は
必ず前記した様な故障は免れないこと、等からし
て溶融金属を取り扱う以上は前記したスラツジ化
現象は防ぎ切れないことを前提にして、スラツジ
を可能な限り減少させ、本考案は次ぎに述べる手
段を構じて問題を解決している。即ち、鋳造機へ
溶融金属を補給する装置のメンテナンスを極めて
楽に行える様に従前の溶融金属ポツト内に構成し
ているポンプおよびこれに付随するパイプ通路を
改めて摺動部分側壁を欠除したカツプで汲み上げ
方式にし、溶融金属汲み上げ機構、溶融金属移転
搬送機構、インゴツトを溶解する機構、制御機構
等に分割してこれに拘わる装置ブロツク毎に取り
まとめて、ネジ組立固着の部分を可能な限り省
き、金属溶融該ポツトからそのカツプ装置等各ブ
ロツク毎に全の付着堆積したスラツジ等を容易に
除去可能にして、再度短時間で運転再開を速やか
に可能にし且つ構造そのものを単純にし装置通路
回路をも極めて単純に構成した。

〔実施例〕

本考案を一実施例の図面によつて詳細に説明を
する。第１図は本考案一実施例の主要部分の斜景
図であり、溶融金属ポツトの中に浸漬されてい
る。上下移動するカツプ１はエアーシリンダーの
プランジヤー２に連結し摺動受板３に対して押圧
レバー４によつて常に密に摺接していて、汲み上
げた溶融金属を漏らさず摺動受板３の開口部５ま
で移動させて保温ヒーター６付樋７へ移転させ
る。第２図は本考案一実施例の構成を示す略側面
断面図である。溶融金属８を汲み上げるカツプ１
は、エアーシリンダー９の上下移動をするプラン
ジヤー２とカツプ１を常に摺動受板３へ押圧させ
ている押圧レバー４とに連結して、摺動受板３へ
摺動摺接している。エアーシリンダー９を載置し
ている固定部材１０は、摺動受板３とカツプ１の
押圧レバー４の押圧力を発生させている押圧ロー
ラー装置１１，１２とを結合し設けている。固定
部材１０の蓋１３に溶融金属８の温度管理をする
温度センサー１４と溶融金属８の量を管理するレ
ベルセンサー１５と溶融金属８にするシーズヒー
ター１６とを設けている。エアーシリンダー９は
制御装置１８に接続されていて、制御装置１８は
隣接した鋳造機１９の溶融金属８の消費量を計測
しているレベルセンサー２０の信号を受けてエア
ーシリンダー９を駆動させカツプ１を作動上下移
動させて溶融金属８をポツト１７から汲み上げ
て、鋳造機１９の溶融金属８の消費量を補充管理
をする。カツプ１で金属溶融ポツト１７から汲み
上げられる溶融金属８は、その汲み上げ移動中、
押圧レバー４によつて常にカツプ１を摺動受板３
へ密に摺接しているので漏れることなく引き上げ
られ且つポツト１７の上面空間部の酸素との接触
は極めて微少で従前のメンテナンスのコストに比
して微細な損失に止まつている。ポツト１７の上
に於いて、固定部材１０と蓋１３は取り外し自在
に構成していて、更に固定部材１０と蓋１３とは
自在に分離可能で且つ摺動受板３と樋７とは自在
に分離可能に構成してある。エアーシリンダー９
はこれに限らず電気ソレノイド、電動機、油圧式
シリンダー等動力に置き換えは自在である。

〔考案の効果〕

以上の一実施例によれば、仮に酸化金属等スラ
ツジが前記した様に各装置へ付着堆積しても極め
て楽に而もスピーデイーに取り除くことが出来る
が本装置そのものはパイプ等の溶融金属の通路は
無いので、通路の閉塞は殆ど無く、従前の装置に
比して極めて長期間連続運転に支障無く稼働でき
る事、及びメンテナンスが極めて楽に出来て構造
をシンプルに構成している等の特徴を有している
ので、その生産性は極めて大きい特徴を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図…本考案の一実施例の主要部分の斜景
図。第２図…本考案の一実施例の側面断面図。 １……カツプ、２……プランジヤー、３……摺
動受板、４……押圧レバー、５……開口部、６…
…保温用シーズヒーター、７……樋、８……溶融
金属、９……エアーシリンダー、１０……固定部
材、１１，１２……押圧ローラー装置、１３……
蓋、１４……温度センサー、１５……レベルセン
サー、１６……金属溶解用シーズヒーター、１７
……溶融金属ポツト、１８……制御装置、１９…
…鋳造機、２０……レベルセンサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶融メタル供給装置に於いて、エアーシリンダ
   ーを制御する制御装置に供給先の溶融金属消費量
   センサーを設け、該エアーシリンダーを載置した
   固定部材にカツプ摺動受板とカツプ押圧用ローラ
   ー装置とを有し設け、蓋に温度センサーと溶融金
   属レベル検知センサーとシーズヒーターとを有し
   設け、該カツプにシリンダーのプランジヤーとカ
   ツプ押圧レバーとを連結し設け、該押圧レバーは
   前記ローラー装置へ摺動挿入し設け、該カツプは
   摺動受板に面する側壁を欠除し摺動受板上部開口
   部に連通可能に摺動し設け、該開口部は保温ヒー
   ター付の溶融金属移転用樋を有し設け、これらを
   組立構成したことを特徴とした溶融メタル自動供
   給装置。