JPH0243385A - 防食用電極 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、各種金属や合金類の防食用電極、特に土中に
埋設された金属並びにコンクリート中の鉄筋や鉄骨等の
陰極防食に使用するガス抜きに優れた防食用陽極に関す
る。

（従来技術とその問題点） 近年、土中及びコンクリート中等にある金属部材や金属
配管の腐食を防食塗装により防止する方法に換えて、防
食すべき金属を卑に分極させることにより安定化させる
電気防食法が採用され一ζいる。該電気防食は大別して
、流電防食と陰極電気防食の２種類があり、後者の陰極
電気防食は不溶性陽極を使用して被防食金属との間に直
流電源を接続し通電を行うことにより前記被防食金属を
卑に維持して安定化させるものである。該陰極電気防食
は通電を停止しない限り防食作用が継続するという長所
があり設備的に大がかりになるという欠点を有するにも
かかわらず広く採用されている。

この陰極電気防食では、陽極表面で発生するガスが土中
に十分放散しないと該陽極表面にガス層を形成して通電
を困難又は不能にして短時間の使用で電圧上昇を来して
しまうことがある。これを回避するために、本発明者ら
は前記電極を穴明パイプ状として発生ガスを中空の前記
電極内に導き外界に放散させる方法及び該電極の周囲に
形成したバックフィル材中にガス抜き用空間を形成して
該空間を通して外界に放散させる方法を提案した（特願
昭６２−１）９５６８号）。しかし該方法は、電極が無
孔パイプ状や棒状の場合、あるいはバックフィル材を使
用しない場合には適用することができない。

（発明の目的） 本発明は、軟土の問題点を解決するために為されたもの
で、ハックフィル材を使用しないパイプ状又は棒状電極
を防食電極として使用する場合の発生ガスを円滑に外界
に放散させて、ガス層の形成により通電が困難又は不能
になる事態を回避できる防食用電極を提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、可撓性の導線と接続されかつ該接続部を外界
に対して封入した棒状又はパイプ状の不溶性金属電極の
近傍に、一端が外界に連通したガス抜き用パイプの他端
を位置させたことを特徴とする防食用電極である。

以下本発明の詳細な説明する。

本発明における不溶性金属電極は、棒状又はパイプ状特
に無孔パイプ状の基体上に電極活性物質を被覆して形成
する。該不溶性金属電極は設置現場において粗雑に取扱
われがちであるため、該取扱に耐え得る材料で形成され
る必要がありかつ十分な耐食性を要求されるので、例え
ばチタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル等の弁金属
又はこれらの金属を主成分とする合金を使用することが
好適である。前記電極活性物質としては例えば白金族金
属及び／又はその酸化物つまりＰｔ、Ｉｒ、Ｏｓ、Ｐｄ
、Ｒｕ、Ｒｈ又はこれらの酸化物とすることが好ましく
、これらは金属電極である基体金属と同等の堅牢性を有
するとともに電極としての耐久性が極めて優れているの
で、従来から使用されているフェライトその他の電極材
料と仕較して這かに安定で十分な耐久性を有する。

本発明では、該不溶性金属電極に給電するための可撓性
の導線を適宜の接続部を介して前記不溶性金属電極に接
続する。該接続部は短絡や電流の漏れ、あるいはその損
傷を防止するために土中等の外界に対して封入されてい
ることが必要である。

該封入は例えば絶縁材を前記接続部の周囲に充填するこ
とにより行う。

前記不溶性金属電極の近傍には、一端が外界に連通した
ガス抜き用パイプの他端を位置させ、通電により該電極
表面に発生するガスを該パイプを通して外界に誘導して
放散させる。該パイプの外界側の端部はどこに位置させ
てもよいが、前記導線と一体化させることが取扱上望ま
しい。該ガス抜き用パイプの材質はポリ塩化ビニル等の
耐食性の良好な可撓性材料とすることが好ましい。又該
パイプは１本のみ設置してもよいが、好ましくは前記他
端例の高さを異ならせた複数のパイプを設置することも
できる。

前記不溶性金属電極が棒状である場合には、該電極表面
に軸方向の溝又は螺旋状の溝を刻設してガス移動をより
円滑にすることができ、又パイプ状である場合には該パ
イプ状電極に小孔を穿設した前述した通り電極内へのガ
スの誘導を併用して更に円滑にガス放散を行うことがで
きる。

以下添付図面に示す具体例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。

図面は、本発明に係わる防食用電極の具体例を示す縦断
正面図である。

縦方向に延びる導線１は、多数の小径の銅線、アルミニ
ウム線等を束ねた芯線２と該芯ｖＡ２の周囲に被覆した
合成樹脂等の可撓性の絶縁用材料３から成り、該導線１
の下端部において前記絶縁用材料３はその一部が円周方
向に全て除去されている。該芯線２の下端部は、棒状の
不溶性金属電極４の上端に上向きに形成された突出部５
にボルト６及びナツト７により締着されて接続部を形成
し、該接続部は粉状の絶縁材８が充填され上面が開口し
前記電極４の上端に嵌合された接続ケース９内に収容さ
れている。該接続ケース９の上部開口には天板１０が嵌
合されている。

該不溶性金属電極４の縦方向のほぼ中央には、一端が前
記接続ケース９を貫通して前記導線１と一体化されたガ
ス抜き用パイプ１）の他端が近接して位置している。

このような構成から成る本実施例の防食電極に導線１か
ら接続部を経て通電すると、不溶性金属電極４が陽極と
して機能し被防食金属の電位を卑に維持して該金属の防
食を行う。該通電に伴って前記電極４１ではガスが発生
し、該ガスは近くに位置するガス抜き用パイプ１）中に
進入し、該パイプ１）により外界に誘導され、前記電極
４表面にガス層が形成されることを防止する。

なお前記ガス抜き用パイプ１）の他端側を前記導線１と
一体化しておくと、該パイプ１）を導線１とともに取扱
えるため、該パイプ１）を有しない場合の防食電極と比
較してその取扱が煩雑になることがない。

次に本発明の防食電極を使用した防食方法の実施例を記
載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。

（実施例１） 図示した形状を有する直径１ｃｍ長さ１）ｃ＋＊の酸化
イリジウム被覆チタン製棒状電極の端部に銅の導線を接
続し、該接続部をエポキシ樹脂及び塩化ビニル樹脂で被
覆し、前記棒状電極のほぼ中央部にポリテトラフルオロ
エチレン製のガス抜き用パイプの一端を近接させ、該ガ
ス抜き用パイプの他端部を前記接続部を貫通させて前記
導線と一体化させ、防食用電極とした。

（実施例２） 前記棒状電極の換わりに、軸方向に沿って溝を形成して
ガス抜き用空間とした棒状電極を使用して実施例１と同
様の防食用電極とした。

（実施例３） 実施例１の棒状電極の換わりに、複数の微細な孔を有す
るパイプ状電極を使用して同様の防食用電極とした。

上述した計３種類の防食用電極をそのまま深さ１．５ｍ
の土中に埋設し、対極として直径８０ｍｍ長さ２０ｍの
鉄配管を前記電極より約１０ｍ隔てて設置し、それぞれ
電源に接続して防食試験を行った。電極の電圧を３０Ｖ
とし、電流変化及び対極の電位変化を追跡していったと
ころ、開始時より電極基体には約ＩＡ／ｄｍ”の電流が
流れ、対極電位は−０，９５〜−０，８０Ｖであった。

各実施例においてこの状態は約半年以上継続して変動が
なく、ガス抜きが十分に行われていることが確認された
。

（発明の効果） 本発明に係わる防食用電極は、通電用導線と不溶性金属
電極が予め一体的に接続されかつ該接続部が外部に対し
て封入され、しかも前記不溶性金属電極の近傍に、一端
が外界に連通したガス抜き用パイプの他端を位置させる
ようにしている。

従って第１に、通電に伴って前記不溶性金属電極で発生
するガスが前記ガス抜き用パイプを通して円滑に外界に
放散するため、通電を困難にしたり不能にしたりするガ
ス層が前記不溶性金属電極表面に形成されることがなく
なり、被防食金属の防食を長期間に亘り、安定した状態
で行うことができる。

第２に、損傷を受は易い前記接続部の耐久性を向上させ
、これにより電極全体の寿命を延ばすことができるため
、土中等に埋設される本防食用電極の交換の回数を大幅
に減少させることができ、保守管理に要する人員や費用
を低減することが可能になる。

第３に、不溶性金属電極と導線が一体化し規格化されて
いるため、工場で接続部に問題が生ずることのないよう
大量生産することができ、又施工現場では通常の導線と
同様に取扱うことができるため、特に現場での作業効率
が大きく向上する。

第４に、導線が可撓性であるため設置する場所の状況に
かかわらず対極の形状等に応じて最適な配置とし、これ
により陽極と陰極が可能な限り近接し両極間の抵抗が小
さくなり印加する電圧も減少し省エネルギー化が可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係わる防食用電極の具体例を示す縦断
正面図である。 １・・・導線　４・・・不溶性金属電極９・・・接続ケ
ース １）・・・ガス抜き用パイプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）可撓性の導線と接続されかつ該接続部を外界に対
   して封入した棒状又はパイプ状の不溶性金属電極の近傍
   に、一端が外界に連通したガス抜き用パイプの他端を位
   置させたことを特徴とする防食用電極。
2. （２）ガス抜き用パイプの一端側を導線と一体化した請
   求項１に記載の防食用電極。