JPH024318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、角筒状の外側管内に摺動自在に嵌挿
された角筒状の内側管を所望の位置に固定する三
脚の脚体固定装置に関する。

［従来の技術］ 従来の三脚の脚体固定装置は、角筒状の内側管
内に摺動自在に嵌挿された角筒状の内側管の平面
部を押圧部材で押圧して、内側管を押圧固定して
いた。

［解決すべき問題点］ 上盾記の如く従来技術では、内側管の平面部を
押圧していたため、内側管の平面部は強度が弱い
ことから、押圧固定によつて内側管の平面部が内
方に凹陥するように変形し、内側管の固定が弱く
なるという問題点があつた。

本考案は上記従来技術の有する問題点に鑑みて
なされたものであり、内側管の強固な固定を可能
とする三脚の脚体固定装置を提供することを目的
とする。

［問題点の解決手段］ このために本考案では、角筒状の外側管内に摺
動自在に嵌挿された角筒状の内側管を所望の位置
に固定する三脚の脚体固定装置において、一端に
カムを有する操作レバーを操作レバー保持部材を
介して上記外側管の角部に水平方向に回動自在に
設け、上記操作レバーのカムと上記内側管の角部
との間に押圧部材を介在させて設け、上記押圧部
材は一面に内側管の角部に当接する角部の形状に
相応した曲面状の当接面を有し、他面に操作レバ
ーのカムが押圧摺動するカムの輪郭に沿つた摺接
面を有し、上記操作レバーのカムは、徐々に変位
置が増える輪郭を形成した押圧面を有し、回動に
より内側面の角部に押圧部材を漸次押圧付勢する
という構成を採用することにより、前記目的を達
成しようとするものである。

［実施例］ 以下本考案の一実施例を第１図ないし第５図に
基づいて説明する。

カメラ用三脚２は、第５図に示すように角筒状
の脚体１０と、該脚体１０の拡開角度を調整する
ステー５０と、各脚体１０の端部を支承する基台
５２とエレベータ杆５４と、該エレベータ杆５４
を昇降するハンドル５６等からなつており、エレ
ベータ杆５４の上に雲台６０とカメラ７０が搭載
できるようになつている。

上記脚体１０は角筒状の外側管１２と、この外
側管１２に摺動自在に嵌挿された角筒状の内側管
１４と、この内側管１４に摺動自在に嵌挿された
角筒状の内側管１６と、内側管１４を押圧固定す
る固定装置２０と、内側管１６を押圧固定する固
定装置３０等からなる。なお、上記内側管１４は
内側管１６との関係では外側管である。

上記外側管１２の下端部には、固定装置２０が
それぞれ取付けてあり、この固定装置２０は第１
図ないし第４図に示すように外側管１２に固定さ
れた操作レバー保持部材２２と該操作レバー保持
部材２２に軸支された操作レバー２６と内側管１
４を押圧固定する押圧部材２４等からなる。

外側管１２は第１図及び第２図に示すように断
面略四角形状に角部１２Ａを形成しており、この
外側管１２の外周面を覆うように上記操作レバー
保持部材２２が設けてある。操作レバー保持部材
２２は、外側管１２の角部１２Ａに外側へ突出し
た２つの操作レバー保持片２２Ａ，２２Ａをその
両端に形成して、この操作レバー保持片２２Ａ，
２２Ａの間に空間部２３を設けている。この空間
部２３には、上記押圧部材２４が遊嵌して設けて
ある。また、この押圧部材２４を押圧すべく、操
作レバー保持片２２Ａ，２２Ａの間に操作レバー
２６がカム軸２８によつて回動自在に支承してあ
る。このように、外側管１２の角部１２Ａに操作
レバー２６を設けたので、従来のように平面部に
設けた場合に比べ、平面部から外側垂直方向への
突出度が少なくなつている。

上記外側管１２は、内周面に沿つてライナー１
８を取付けている。このライナー１８は内側管１
４の滑りをよくすると共に、内側管１４の摺動に
よる内側管１４と外側管１２の傷付き防止を図つ
ている。このライナー１８と外側管１２には、第
３図に示すように上記空間部２３に沿つて切欠き
部２１が形成してあり、空間部２３に内側管１４
の角部１４Ａを臨ませている。

内側管１４は断面略四角形状に、第３図ｂに示
すように曲面部１４Ｂとその両側面１４Ｃとから
なる角部１４Ａを形成しており、空間部２３側の
角部１４Ａを押圧すべく上記押圧部材２４が内側
管１４に対向するように、前記のごとく空間部２
３内に遊嵌して設けてある。即ち、押圧部材２４
は、操作レバー２６の一端に形成されたカム２７
と内側管１４の角部１４Ａとの間に介在して設け
てある。

押圧部材２４は一側面に当接面２４Ａを有して
おり、該当接面２４Ａは内側管１４の角部１４Ａ
に当接するように角部１４Ａの形状に相応して曲
面状に形成してある。即ち、押圧部材２４は内側
管１４の角部１４Ａを押圧するので、角部１４Ａ
は強度があることから変形することがなく、した
がつて強固に内側管１４を押圧固定することがで
きる。

一方、上記当接面２４Ａに対向する他側面に
は、上記操作レバー２６のカム２７が押圧かつ摺
接するようにカム２７の輪郭に沿つた摺接面２４
Ｂを形成している。

操作レバー２６は、上記押圧部材２４を段階的
に押圧するカム２７を一端に有すると共に、他端
に握持部２６Ａを有しており、押圧部材２４を介
して上記内側管１４の角部４Ａに上記カム２７が
対向するように、また押圧部材２４の摺接面２４
Ｂにカム２７が対向するように、操作レバー２６
が操作レバー保持片２２Ａ，２２Ａ間にカム軸２
８によつて回動自在に支承してある。そして、操
作レバー２６は外側管１２の側面方向角部に水平
方向に回動し固定できるようになつており、外側
管１２の平面部から外側垂直方向への突出度が少
なくなつている。

カム２７は第１図に示すように偏心位置に軸孔
２７Ｂが形成してあり、またカム２７は操作レバ
ー２６が第３図に示すように矢印Ａ方向に押下げ
られる場合に、徐々に変位量が増えるような輪郭
を形成した押圧面２７Ａを有している。したがつ
て、操作レバー２６が押下げられると、カム２７
の変位量の増加に伴つて、内側管１４の角部１４
Ａに上記押圧部材２４が漸次押圧付勢される。一
方、操作レバー２６が押上げられると、カム２７
の変位量の減少に伴つて、押圧部材２４の押圧が
解除される。

なお、図示せぬが、操作レバー２６の押下げが
終了する付近で、カム２７の変位量が若干減るよ
うな輪郭を押圧面２７Ａに形成すれば、操作レバ
ー２６をスムーズに押下げることができる。

ところで、上記操作レバー２６は射出成形等に
よつて一体成形しているが、カム２７を別体に形
成し、操作レバー２６に設けてもよい。

上記内側管１４は、第４図に示すように上端に
止め部材１９を有しており、ライナー１８によつ
て支持されることで内側管１４の抜けを防止して
いる。

なお、上記内側管１６を押圧固定する固定装置
３０も、上述した固定部材２０と同様の構成をし
ている。

次に上記実施例の作用を説明する。

内側管１４を所望の位置に引出し摺動させた
後、操作レバー２６を押下げると、カム２７の押
圧面２７Ａが押圧部材２４の摺接面２４Ｂを徐々
に押圧し、これに付勢して内側管１４の角部１４
Ｂに押圧部材２４の当接面２４Ａが圧接し、内側
管１４が押圧固定される。一方、操作レバー２６
を押上げると、カム２７の押圧が解除され当接面
２４Ａの圧接がなくなり、内側管１４の摺動が可
能となる。

上記実施例によれば、操作レバー２６の回動動
作によつて内側管１４を押圧固定できるようにし
たので、ワンタツチに内側管１４の位置固定をす
ることができる。

なお、本考案は上記実施例で説明した内側管１
４の角部１４Ａを押圧することに限定されるもの
ではなく、押圧部材２４が押圧する角部１４Ａは
内側管１４に曲面部１４Ｂのみでよいし、また曲
面部１４Ｂを除いたその両側面１４Ｃのみでもよ
い。

内側管１４の曲面部１４Ｂを除いたその両側面
１４Ｃのみを押圧する場合でも、押圧力が両側面
１４Ｃに分散されるので、内側管１４が変形する
ことはない。

また、本考案は上記実施例で説明したカム２７
の形状に限定されるものではなく、カム２７は変
位量が増える輪郭を有してればよく、三角状のカ
ムであつてもよい。

［考案の効果］ 以上のように本考案によれば、内側管の角部を
押圧部材によつて押圧するようにしたので、角部
は強度があることから内側管の肉厚を厚くした
り、補強構造にしたりしなくても変形することが
なく、したがつて押圧力を強めて強固に内側管を
押圧固定することができる。また、押圧部材の角
部への当接面は内側管の角部の形状に相応させて
曲面状としているので、押圧部材を内側部材の角
部に面状に密着させて、角部全体を強固に押圧固
定することができる。

しかも、外側管の角部に押圧部材及び操作レバ
ーを設けたので、外側管の平面部から外側垂直方
向への突出度が少なくなり、横断面の大きさを小
さくすることができ、これによつて携帯が容易と
なる。

更に、操作レバーを外側管の角部から水平方向
に回動可能に取付けたので、外側管の平面部から
外側垂直方向への突出度が一層少なくなり操作レ
バーが邪魔になることがない。

そして更に、カムの押圧面を徐々に変位量が増
える輪郭とし、押圧部材のカム摺接面をカムの輪
郭に沿わせて形成したので、スムースな押圧動作
が得られることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は固定部材の一部切欠斜視図、第２図は
固定部材の斜視図、第３図ａは第２図の横断面
図、第３図ｂは第３図ａの一部を拡大した横断面
図、第４図は第２図の縦断面図、第５図はカメラ
用三脚の全体斜視図である。 １２：外側管、１２Ａ：外側管の角部、１４，
１６：内側管、１４Ａ：内側管の角部、２２：操
作レバー保持部材、２４：押圧部材、２４Ａ：当
接面、２４Ｂ：摺接面、２６：操作レバー、２
７：カム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 角筒状の外側管内に摺動自在に嵌挿された角筒
   状の内側管を所望の位置に固定する下記要件を備
   えてなることを特徴とする三脚の脚体固定装置。 (イ) 一端にカムを有する操作レバーを操作レバー
   保持部材を介して上記外側管の角部に水平方向
   に回動自在に設ける。 (ロ) 上記操作レバーのカムと上記内側管の角部と
   の間に押圧部材を介在させて設ける。 (ハ) 上記押圧部材は、一面に内側管の角部に当接
   する角部の形状に相応した曲面状の当接面を有
   し、他面に操作レバーのカムが押圧摺動するカ
   ムの輪郭に沿つた摺接面を有する。 (ニ) 上記操作レバーのカムは、徐々に変位置が増
   える輪郭を形成した押圧面を有し、回動により
   内側管の角部に押圧部材を漸次押圧付勢する。