JPH024289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば本管工事等で断水したよう
な場合でも、配管末端に設置された水槽等の内部
の水が、本管側に逆流するのを防止する、逆流防
止弁に関するものである。

従来の逆流防止弁は弁箱の内壁を案内とし、弁
箱の内壁あるいは弁体に深溝を設けて水の流路と
したものが一般的だつた。この種の逆流防止弁
は、長年使用していると弁室の底に細かい土砂等
が沈澱し、案内の機能が損われ、逆流防止弁の用
をなさなくなるという欠点があつた。

本考案は前述のような欠点を除去することを目
的としたもので、その基本的な構成は以下のとお
りである。

すなわち、本考案は、流入口、流出口を有する
弁箱内に所容される弁体の中心から、軸が流出口
側に伸び、両端が弁箱の内壁の中心を挾んでいる
線材の弾性によつて弁箱の内壁に係止される複数
個のクリツプリングを案内とし、弁箱の内壁の中
心に沿つた往復動のみ許容された弁体により、流
入口から流出口への順方向の水の流れを通し、逆
方向の水の流れを遮断するものである。

以下、本考案を図面に掲げる実施例に即して説
明する。

第１図において、１は弁箱で、流入口２、流出
口３を有し、流入口２には弁座４が形成されてい
る。５は流出口３側に伸びる軸６を中心に有する
弁体である。７及び８は両端が弁箱１の内壁の中
心を挾んでいる線材の弾性によつて弁箱１の内壁
に係止される二個のクリツプリングであり、第２
図はその正面図を示している。

第１図の弁体５の位置は順方向の流れの場合
で、水は流入口２から弁箱１へと入り、弁体５を
弁座４から離してクリツプリング７へ押圧し、流
出口３から弁箱１を出ていく。

この状態から、本管工事等によつて断水する
と、配管末端に設置された水槽等の内部の水が本
管側に逆流しようとするが、その場合は弁体５が
弁座４に当接して直ちに流路が遮断され、それに
よつて本管側への水の流れが防止される。

以上のようにして、順方向の水の流れを通し、
逆方向の水の流れを遮断するが、本考案はこれに
限定されるものではない。たとえば流入口２にシ
リンダを形成して弁体５にリング状パツキンを装
着し、リング状パツキンがシリンダに当接して逆
流を防止したり、あるいはそれとは別に、順方向
の流れのない場合にバネによつて弁体５を軽く弁
座４に押圧し、弁の封止効果を向上させる等、本
考案の要旨を逸脱しない設計変更は自由である。

以上に述べたように、本考案によると、弁箱の
内壁あるいは弁体に深溝を設ける必要がなく、従
つて加工が容易で、水の流れによる抵抗も少な
く、細かい土砂等が沈澱しても案内の機能が損わ
れることがなく、長期間の使用に耐えるという効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図であり、
第２図はクリツプリングの正面図である。 １……弁箱、２……流入口、３……流出口、４
……弁座、５……弁体、６……軸、７，８……ク
リツプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流入口、流出口を有する弁箱内に収容される弁
   体の中心から、軸が流出口側に伸び、両端が弁箱
   の内壁の中心を挾んでいる線材の弾性によつて弁
   箱の内壁に係止される複数個のクリツプリングを
   案内とし、弁体が弁箱の内壁の中心に沿つた往復
   動のみ許容されたことを特徴とする水道用逆流防
   止弁。