JPH0242752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、地下鉄や地下共同溝などの洞道に設
けられた換気孔を通気自在に閉鎖しているグレー
テイングを換気孔内より入力で容易に開閉できる
ようにした押上げ装置に関する。

「従来の技術」 通常地下洞道には数百メートルに１個所の割合
で換気孔が設けられて居り、換気の他、作業者の
出入や資材の搬入等の用に供されている。この換
気孔にはグレーテイングが取付けられているが、
このグレーテイングは１個あたり数十Kg以上の重
量がありその開閉には相当の労力を要するため、
開閉操作力を軽減するための押し上げ装置が用い
られている。

第４図ａ，ｂは従来型の１例を示す構造図で、
第４図ａは側面図、第４図ｂは底面図（断面図）
である。

何れもグレーテイング開状態を示し、点線で閉
状態の位置を表してある。

図において、それぞれ一端が閉鎖している外筒
１と内筒２の各開口部を対向させてはめ込み、そ
の内部に圧縮ばね３が挿入してある。

内筒２の閉鎖側先端には調整ネジ２ａが一体に
形成されて居る。グレーテイング４の固定部４ａ
に固着されている支え５には止めボルト５ａによ
り軸受６が回動可能に取付けてあり、前記調整ね
じ２ａ部を適宜寸法だけ貫通させ、軸受６の両面
からロツクナツト７で固定してある。

外筒１の閉鎖側先端にはカツプリング１ａが固
着されている。

グレーテイング４は固定部４ａに対しヒンジピ
ン４ｂにて回動可能に支持されると共に、支持部
付近にはレバー４ｃが固着されている。

レバー４ｃの先端はピン８によつて前記カツプ
リング１ａと回動自在に連結されている。

このような構造において、グレーテイング４を
実線で示す開位置から点線で示す閉位置まで自重
を利用して倒すと、レバー４ｃを介して外筒１が
図示右方向へ押される。

ところが内筒２の右端は調整ネジ２ａにより軸
受６に固定され、支え５により支持されているた
め、外筒１は圧縮ばね３を圧縮して停止する。

閉状態に倒れたグレーテイング４は、任意の方
法でロツクされ閉状態を保持する。

グレーテイング４を開くには、まずロツク（図
示略）を外してからグレーテイング４を押上げ
る。このとき、圧縮ばね３の復元力により外筒１
は図示左方へ押され、レバー４ｃを介してグレー
テイング４を開方することになる。

「考案が解決しようとする問題点」 今までに説明した従来方法では、内筒を外筒内
に摺動させる部分や調整ねじの部分など加工の面
倒な部品が多く、コスト高の原因となつていた。

「問題点を解決するための手段」 本考案では面倒な加工部分を減らすことを目的
とし、ばねを収納する筒を内筒、外筒に分けずに
１体とするとともに、ばねの強さの調整をピンの
挿入位置変更のみで容易に出来るようにした。

「実施例」 つぎに本考案の実施例を第１図ａ，ｂおよび第
２図について説明する。ここで第４図ａ，ｂの従
来例と同一構造部分については同一符号を付し、
重複する説明は省略する。

第１図ａ，ｂは本考案の構造を図示したもの
で、第１図ａが側面図、第１図ｂが底面図（断面
図）を示す。何れもグレーテイング開状態を示
し、点線で閉状態の位置を表わしてある。なお、
第２図は第１図ａ，ｂの筒のレバー側先端部分の
詳細図である。

グレーテイング４のヒンジピン４ｂ部下部に取
付けたレバー４ｃの先端に可動側ピン８を取付け
筒９の先端と可回転的に連結してある。

該筒９の支持端にガイド溝９ａを設けて別に設
けた１０により固定されたガイドピン１１を挿入
し、筒９を回転および軸方向にスライド可能に支
えるとともに、該ガイドピン１１で筒９内に収納
した圧縮ばね１２の一端を止め、圧縮ばね１２の
他端を止める止めピン１３を筒９先端部に設け、
第２図に拡大して示すように該止めピン１３装着
用の複数個の調整穴１４，１４′，１４″…を筒の
長手方向にａ間隔もたせるとともに隣接の調整穴
を互いに筒の円周方向にθ角度だけずらせて設け
てある。

ここでａおよびθは任意の寸法および角度でよ
いが、隣接する調整穴が接近しすぎないような適
宜の数置を選定する。

なお、筒９の左端に設けたピン穴９ｂは可動側
ピン８を挿入してレバー４ｃに対し筒９を回動可
能に支持するためのものである。

筒９の外周に調整穴を設ける代りに第３図に示
すように筒９内部の止めピン１３部に前記と同じ
思想の調整穴１５，１５′，１５″…を明けた調整
カラー１６を嵌設し、外側の筒９は止めピン１３
用の穴１個のみとしても同じ効果が得られる。ま
たこの場合、外筒にも複数個の調整穴を設けた両
者を併用すれば、さらに微調整の必要な場合にも
対応が可能となる。

「作用」 止めピン１３によりばね力が調整されたグレー
テイング４を第１図ａの実線で示す開位置から閉
じるには、自重を利用してグレーテイング４を図
示左方へ倒す。グレーテイング４の回動と連動し
て筒９は図示右方へ動き、支え１０のガイドピン
１１がガイド溝９ａを左方へ滑つて圧縮ばね１２
を圧縮するので、筒９が点線で示す位置まで移動
して圧縮ばね１２にエネルギーが貯えられる。

グレーテイング４は任意の装置により閉位置に
ロツクされる。

閉位置からグレーテイング４を開くには、まず
ロツク（図示略）を解除し、グレーテイング４を
軽く押上げれば、圧縮ばね１２のエネルギーによ
り筒９は急速に図示左方へ動く、このためレバー
４ｃを介してグレーテイング４は図示時計方向へ
回転して開放される。

「考案の効果」 グレーテイング押上げ装置はばねばかりの如
き高精度のばねの微調整は必要でなく、装置の
製作誤差等によるばね力の過不足を或る程度修
正出来る粗い調整で十分であり、従来例の如き
調整ねじ等による微調整構造は必要でない。

本案によればばねの調整ピツチを止めピン穴
（調整穴）の直径寸法より小さい値としたい場
合でも円周方向に各々θだけずれているため穴
と穴とが重なることなく微調整に近い寸法設定
が可能となる。

複数個の穴を明けても穴の位置や方向が分散
しているためばね力により筒が破損変形しない
強度を持たせることも可能である。

止めピンの装着はグレーテイング開状態で行
なうので、グレーテイング重量モーメントがほ
ぼ０の個所でありばね力が最も小さく、止めピ
ンの調整はきわめて容易である。

部品点数が極めて少く経済的で製作納期も短
縮出来る。

長い圧縮ばね方式特有の座屈も従来方式（外
筒、内筒の摺動方式）に比して起こりにくく動
作が円滑である。

同じ強度（長さのばねでもレバー取付部と支
え取付部の間隔が短くて良い。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案の実施例を図示したもの
で、第１図ａは側面図、第１図ｂはが底面図（断
面図）。第２図は第１図ａ，ｂの筒のレバー側先
端部分の詳細図。第３図は第２図に対する別の構
造例を示す図。第４図ａ，ｂは従来型の１例を示
す構造図で、第４図ａは側面図、第４図ｂは底面
図（断面図）である。第１図・第４図ａ，ｂと
も、実線でグレーテイング開状態、点線で閉状態
の位置を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. グレーテイングのヒンジピン部下部に取付けた
   レバーの先端に可動側ピンを取付けて筒の先端と
   可回転的に連結し、該筒の支持端にガイド溝を設
   けて別に設けた支えにより固定されたガイドピン
   を挿入し、筒を回転および軸方向にスライド可能
   に支えるとともに、該ガイドピンで筒内に収納し
   た圧縮ばねの一端を止め、圧縮ばねの他端を止め
   る止めピンを筒先端部に設け、該止めピン装着用
   の複数個の調整穴を筒の長手方向に任意間隔持た
   せるとともに隣接の調整穴を互いに筒の円周方向
   に任意角度だけずらせて設けたことを特徴とする
   グレーテイングの押上げ装置。