JPH0242739B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、加圧された内容物の包装容器に関す
る。

加圧された内容物、例えば、ビールまたは炭酸
飲料の使い捨て包装容器は、加圧されない内容
物、例えば果汁またはミルクの包装容器よりも著
しく複雑かつ高価である。この理由は、内圧に耐
える加圧内容物用包装容器の性能に対する要求が
異なりかつ高度なばかりでなく、包装容器の作成
材料に対して非常に高度な気密性が要求されるこ
とに基づく。非加圧内容物の包装容器は、充填と
同時に簡単に製造可能であり、簡単な４面体また
はクツシヨン状にすることができるのに対して、
加圧包装容器は、機械的な強度と高度の気密性と
の両者の要求を満足させる受容可能な材料を見つ
け出すことが難かしいために、複雑な形状にしな
ければならず、所望の気密性を持たせるために幾
つかの異なる材料、例えば、樹脂とアルミニウム
との積層材料とから製造され、所要の機械的な強
度を持たせるために外側を繊維質材料にする必要
がある。

従つて、この型式の公知の包装は、積層された
紙材料のケーシングで大部分を包囲される樹脂材
料の液密かつ気密の容器から成る。液密容器の自
由端部は、高い内圧のため、厚い樹脂材料で作ら
ねばならないけれども、残りの容器部分すなわち
積層ケーシングで包囲される容器部分を該積層ケ
ーシングが内容物による圧力負荷を吸収して容器
の壁の応力を軽減するので、薄い樹脂で作つても
よい。これは、材料の点で経済的ではあるが、そ
の代りに包装容器は、その構造と製造とが比較的
複雑になる。

従つて、加圧内容物用包装容器は、その形状が
出来るだけ簡単で、その構成材料の点で複雑でな
く経済的であることが望ましい。これらの要請は
包装容器をクツシヨン状にすることによつて十分
に満足されるが、生じ得る内圧に耐えるように充
分な機械的強度を該包装容器に与えることは今日
まで不可能であつた。

本発明の目的は、従来公知の包装容器の欠点を
有せずその作成材料を最適な態様で利用する加圧
内容物用包装容器を提供することである。

本発明の別の目的は、密封性および強度に関す
る要求を満足させると同時に材料と費用との点で
経済的な構造の加圧内容物用包装容器を提供する
ことである。

これ等およびその他の目的は、本発明の加圧内
容物用包装容器が、相互に或る距離に位置する２
つのシール用フインを有する液密容器を備え、該
フインが該容器の外側に折り重ねられるとともに
外側の補強要素によつて一体に結合されることに
よつて達成される。

本発明の包装容器の好ましい実施例は、本願特
許請求の範囲第２〜１５項によつて明白であろ
う。

両端が平坦化されるとともに一体的にシールさ
れた互に平行なシール用フインを形成する可撓管
から液密容器を成形することにより、最少の材料
を使用した単純なクツシヨン形状の容器が得られ
る。包装容器の壁は容易に高い内圧負荷に耐える
が、クツシヨンの両端部に形成されるシール用フ
インは、容器の残部に等しい高い内圧が作用する
ように或る形態の補強を必要とする。この補強
は、本発明によれば、両シール用フインが容器の
外側に折り重ねられ、この折り重ねられた状態に
ある各フインの外側に外部補強要素を取付けるこ
とによつて相互に結合されることにより達成され
る。従つて、この細長い補強要素は、容器の一側
の全体に沿つて延びる引張り応力を吸収するバン
ドとして作用する。前記補強要素は主として２つ
の機能、即ち、第１に、シールの外側に接触する
容器のシール用フインを保持し、第２に、内圧で
生じる応力の大部分を吸収する。

次に、本発明の包装容器を２つの実施例につい
て図面を参照して詳細に説明する。

本発明の包装容器は、液密容器１と、該容器１
の一側上に延びる補強要素２とを備えている。液
密容器１は、互いに離隔する２つのシール用フイ
ン３を形成するように両端が平坦にされかつシー
ルされた可撓管で構成される。従つて、ほぼクツ
シヨン状の容器の上端および下端に延びるシール
用フインは相互に平行であり包装容器の外側に折
り重ねられる。このシール用フインは、補強要素
２の助けでこの折り重ね位置に保持される。特
に、２つのフイン３の各々は、折り重ね状態にあ
るとき、補強要素２の夫々の端部領域にその外側
で結合され、従つて、フインが容器の軸線方向と
整合する最初の「自然」状態に復元するのを阻止
する。

図面から明らかなように、補強要素２の端部領
域は、同一方向へ折り重ねられるとともに重ね継
手によつてシール用フイン３に結合される。シー
ルの両フイン間の補強要素２の応力吸収部分すな
わち活性部分は補強要素が容器１の内圧で生じる
軸線方向の引張り応力を吸収する長さを有してい
る。かかる応力吸収は補強要素２の活性長さが折
り重ねられた両シール用フイン３間の距離に等し
いかまたは該距離よりも短ければ達成される。こ
のため、該距離は充填された容器１の側部、即
ち、補強要素の側部に沿つて測定される。更に、
該補強作用を確実にするには、補強要素を容器１
の製造材料のもの同一かまたは小さい線膨脹係数
を有する材料または該材料の組合わせから製造す
ることが肝要である。

容器は、補強要素と同様に、熱可塑性の延伸材
料の層から成ることが好ましく、これは該材料が
その重量に比較して多きい強度を有しているから
である。容器１は、例えば、２軸延伸アクリロニ
トリル材料または任意のその他の熱可塑性の延伸
材料から作られてもよい。また、容器１は、気密
性と強度とを与えるように異なる層を有する積層
材料で作られてもよい。考えられる材料はポリエ
ステルとアルミニウム箔との層、またはポリエチ
レンとアルミニウム泊との層を含む積層材料であ
る。また、別の材料の組合わせも勿論考えられる
が、これ等は、当該技術分野では周知であり、従
つて、この点について説明を要しない。

本発明の包装容器の好適実施例によると、容器
１はウエブ状材料から所望の直径の管に製造され
る。この過程で、管は長手方向継ぎ目（図面には
示されない）が形成され、該継ぎ目は強度上の理
由で所望の巾の重ね継ぎ目の形態のものである。
容器が製造される材料または組合わせ材料は総て
が熱可塑性材料の層を有しているため、長手方向
継ぎ目が熱シールされ、即ち、該材料は、包含さ
れる熱可塑性材料が軟化する温度に加熱されると
ともに該材料の２個の重ね継ぎ目を押し合せると
該材料の層が液密シールを形成するように一体に
溶接される。

予定強度の材料から製造されるとともに好適な
巾と強度の継ぎ目を有するクツシヨン状容器はそ
の液密性を失うことなく半径方向の比較的大きな
応力に耐え得る。しかしながら、クツシヨン状容
器の両端のシールは容器の残部と同一の内圧に耐
え得る強度を与えられないので問題である。その
主な理由は、管状からクツシヨン状の容器にする
時に、クツシヨン端部の内面間がシールされ、即
ち、管が横方向の領域で平坦化されて熱シールさ
れもつて、上述のシール用フイン３を形成する点
にある。この型式のシール、即ち、内面間シール
は、重ねシールのように丈夫に作り得ないが、管
をクツシヨン状容器にシールするために使用する
のに適当な唯一のシール型式である。重ね継ぎ目
とフイン継ぎ目すなわち材料の内面間シールとの
間の強度の差異は、主として、前者の場合にシー
ルを破断しようとする力がシール面に垂直に作用
し、後者の場合にシール面の平面内に作用するこ
との結果である。従つて、クツシヨン状容器の２
つのシール用フインでは、内圧で生じる力は、包
装容器の内側に向つて折り曲げられた端縁に沿つ
てシール領域に作用し、これは、比較的適度な応
力の下でも、分離（分裂）の危険を大きくする。

本発明によると、クツシヨン状容器の端部と、
全体としての包装容器とは、材料の押圧によつて
シール用フインを互いに結合させる代りに、包装
容器の内圧と、該内圧で生じる力とを利用するよ
うにして形成される。これは、シール用フインを
容器の外側に折り重ね、該折り重ね状態のシール
用フインの外側を補強要素２へ結合させることに
よつて得られる。本発明の包装容器の上部の断面
を示す第３図は、補強要素２が折り重ねられたシ
ール用フイン３の外側材料層に重ね継ぎ結合され
る仕方、およびこの材料層の連続部、即ち、容器
側部４が補強要素２と共に全体の包囲された容器
体積のまわりに延びて内圧で生じる応力を吸収す
る仕方を明示する。この構造によれば、内圧が補
強要素２を伸張状態に維持し、従つて、シール用
フイン３がその初期位置に復元するのを防止する
ばかりでなく、シール用フインと、該フイン内に
位置する容器壁部分とを補強要素の方向へ押圧
し、もつて、容器内の圧力上昇が、フインの保持
力を増加させることが容易に理解されよう。かく
して、フイン３の内面間シールは完全に応力が軽
減され、発生する応力が補強要素２とシール用フ
インの外側（即ち、容器側部４）との間にある重
ねシールに伝達されるが、該重ねシールは応力に
耐えるに充分丈夫に簡単に形成され得る。補強要
素２と容器側部４とは包装容積のまわりに延びる
「バンド」として作用し、もし補強要素２の活性
部分を適当な長さに選定するならば、前記バンド
は補強要素２の下側に位置する容器壁、従つて、
シール用フインに引張り応力が作用するのをほぼ
完全に除くことができる。

補強要素２は、幾つかの種々の方法で形成する
ことができ、また、幾つかの異なる材料から作る
ことができる。前述したように、補強要素の作成
材料は容器自体を作る材料の組合わせと同一かま
たは小さい膨脹係数を有することが肝要であり、
もしそうでなければ、シール用フインが応力を受
けよう。補強要素は、第１図に示すように、巾広
端部と巾狭中間部とを有してもよく、その全長に
沿つて均等な厚さを有するものでもよい。補強要
素の特別な変形が第４図に示されており、補強要
素は比較的巾広であり、繊維質材料の層を有する
剛性の積層で作られる。この様にして、補強要素
は包装容器の取扱いに際して把持部材すなわち握
りとして作用可能である。更に、第４図から明ら
かなように、補強要素は包装容器の下端において
支持面を形成する。特別な実施例では、補強要素
は該要素自体の下端と共に包装容器の支持面を形
成する折りたたみ式支持要素５を有している。該
補強要素は以下に詳細に説明する横方向シール６
によつて結合される２つの別個の部分から製造さ
れる。

また、本発明の包装容器は、引剥しカバースト
リツプ７で閉鎖された注出用開口部８の形式の開
口装置を上端部に備えている。注出用開口部は、
材料中に設けられた１またはそれ以上の打抜き孔
の形式のものでもよい。カバーストリツプ７は、
補強要素と同様に、容器材料に結合可能な材料で
作られるとともに、その反対端部に、開口後包装
容器から分離できないように包装容器に固定され
うる掴持可能な自由端を有している。カバースト
リツプ７は、例えば、補強要素２の上端の下側へ
延びて補強要素とシール用フイン３との間に固定
されてもよい。

本発明の包装容器は、容器１の製造用材料のウ
エブを包装機に送給するようにして製造される。
該材料は、ロールの形態で供給され、前記包装機
を連続貫通する時に、液密の長手方向の重ね継ぎ
目を形成するように相互に熱シールされた長手方
向重ね端縁により連続的に管状に形成される。次
に、該液密管は内容物を充填され、管上を横方向
へ延びる領域を反復して平坦化することにより個
個のクツシヨン状容器に形成される。当該材料の
軟化温度へ加熱し、前記領域における管材料を押
圧することにより、管を横切る液密シールが形成
され、該シールの切断後、クツシヨン状の完全に
充填された容器が形成される。次に、突出するシ
ール用フインが容器の外側に折り重ねられ、容器
の外側に付着されかつ２つのフインに結合される
補強要素によつてその位置に固定される。補強要
素の特に重要な態様は補強要素が２部分から成
り、その各々が夫々のシール用フインにシールさ
れたものである。補強要素を夫々のシール用フイ
ンへシールすることは、シール用フインがその初
期位置即ち、折り重ねられる以前に、行われても
よく、これは、作業を著しく改善しかつ容易にす
る。補強要素の夫々の部分をシール用フインに取
付けた後、該フインが補強要素の下側、即ち、補
強要素と容器壁の間に位置するように前記補強要
素の前記２部分が容器の外側にあるように折り重
ねられる。次に、補強要素の前記２部分は、補強
要素が初期張力を与えられるように相互に向つて
伸長され、このとき、前記２部分は横方向シール
６によつて互いに結合される。補強要素の初期張
力を包装容器の内圧に適合させることにより、下
側の容器側部上の引張り応力は、所望の程度まで
低減可能であり、その結果、シール用フインの応
力も軽減される。補強要素の初期張力は、該要素
の効果的位置では容器の外側にあり、容器の内圧
で生じる軸線方向の引張り応力の大部分を吸収す
るものが適している。しかしながら、初期張力
は、過大であれば、下に横たわる容器側部がしわ
になり、従つて、容器が変形外観を与えられるの
で、過大であつてはならない。また、補強要素が
その端部を除く残部に沿つて容器壁に固定されれ
ば、不均等に応力を受けて容器側部にしわが形成
されるので、補強要素の端部のみが、容器（即
ち、フイン）に結合されることは重要である。

上述の包装容器は、約200mmの高さと、約50mm
の直径とを有し、即ち、１：４の直径対高さの比
を有している。この比は、勿論、包装の所望の寸
法および形状に依存して変更されてもよい。ま
た、本特許請求の範囲内で、補強要素の配向性と
共に包装容器の寸法変更が可能である。例えば、
包装容器の両方のフインが垂直方向へ延びるとと
もに該フインを包装容器の高さにほぼ相当する巾
を有する補強要素によつて結合させることは可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明の包装容器の一実施例
のそれぞれ背面図および側面図、第３図は第２図
の包装容器の上部の拡大断面図、第４図は本発明
の包装容器の幾分変更された実施例の斜視図であ
る。 １……液密容器、２……補強要素、３……シー
ル用フイン、５……支持要素、７……カバースト
リツプ、８……注出用開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相互に離隔する２つのシール用フイン３を有
   する液密容器１を備え、該２つのフインが、該容
   器１の外側に折り重ねられ、外部の補強要素２に
   よつて互いに結合されることを特徴とする加圧内
   容物用包装容器。 ２ 前記液密容器１が、両端を平坦化され前記相
   互に平行なシール用フイン３を形成するようにシ
   ールされた可撓管で構成され、該各フインが、そ
   の外側を折り重ねられて前記補強要素２の端部領
   域に結合されることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の包装容器。 ３ 前記補強要素２の端部領域が前記シール用フ
   イン３に重ね継ぎされることを特徴とする特許請
   求の範囲第２項記載の包装容器。 ４ 前記補強要素２のうちの前記２つのシール用
   フイン３間の活性部分は、該補強要素が、前記容
   器１の内圧で生じる軸線方向の引張り応力を吸収
   する様な長さを有することを特徴とする特許請求
   の範囲第１項から第３項までのいずれか一つの項
   記載の包装容器。 ５ 前記補強要素２の活性長さが、前記容器１の
   外側に沿つて測定された前記折り重ねシール用フ
   イン３の間の距離に等しいかまたは僅かに短いこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第４項記載の包装
   容器。 ６ 前記補強要素２が、前記容器の作成材料に等
   しいかまたは小さい線膨脹係数を有する材料から
   製造されることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項から第５項までのいずれか一つの項記載の包装
   容器。 ７ 前記容器１および前記補強要素２が熱可塑性
   の延伸材料の層から成ることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項から第６項までのいずれか一つの
   項記載の包装容器。 ８ 前記補強要素２が掴み要素として作用する硬
   い部分を有することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項から第７項までのいずれか一つの項記載の
   包装容器。 ９ 前記補強要素２が前記包装容器の下端に支持
   面を形成することを特徴とする特許請求の範囲第
   ８項記載の包装容器。 １０ 前記支持面が、前記補強要素２の下端と該
   補強要素に取付けられた折りたたみ式支持要素の
   下端とで形成されることを特徴とする特許請求の
   範囲第９項記載の包装容器。 １１ 前記包装容器が、引剥がし用カバーストリ
   ツプ７によつて閉鎖される注出用開口部８の形態
   の開口装置を上端に備えることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項から第１０項までのいずれか一
   つの項記載の包装容器。 １２ 前記カバーストリツプ７はその一端部が前
   記包装容器に固定されることを特徴とする特許請
   求の範囲第１１項記載の包装容器。 １３ 前記カバーストリツプ７の前記一端部が前
   記補強要素２の下側に延入することを特徴とする
   特許請求の範囲第１２項記載の包装容器。 １４ 前記注出用開口部８が幾つかの孔を有し、
   該孔の少くとも１つが前記シール用フイン３に隣
   接して前記容器１の上方面に位置することを特徴
   とする特許請求の範囲第１１項記載の包装容器。 １５ 前記支持要素が握りとして作用することを
   特徴とする特許請求の範囲第１０項記載の包装容
   器。