JPH0242618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はテイシユペーパ収納箱に関し、さらに
詳細には、テイシユペーパ束が残り少なくなつた
場合において、取出しを容易にするために、底部
に切起し可能な屈折片を形成したテイシユペーパ
収納箱に関する。

〔従来の技術〕

一般に、テイシユペーパ収納箱は、その中に折
畳み状態で重畳されたテイシユペーパを収容し、
使用に際して上部取出し口よりテイシユペーパを
１枚ずつ連続的に取り出せるようになつている。
ところが、使用とともに収納箱中のテイシユペー
パの枚数が減り、残部が少なくなると、取り出し
口から連続的にテイシユペーパを取り出すことが
できなくなる。この場合、通常テイシユペーパ収
納箱の取出し口は非常に狭く形成されているの
で、取出し口から手を差し込んで箱の底部にある
テイシユペーパを引き出す作業は非常に困難であ
り、箱を破損してしまうことも多く、また取出し
を容易にするために箱を故意に切開して使用する
など、残り枚数が少なくなつた時点ではテイシユ
ペーパ収納箱に本来与えられている機能を発揮し
得なくなるのが現状である。

そこで、たとえば実開昭56−62981号公報、実
開昭56−113677号公報において、テイシユペーパ
収納箱の底部に切起し可能な屈折片を形成してお
き、テイシユペーパの残部が少なくなつた時に屈
折片を収納箱内部に切り起してテイシユペーパを
持ち上げるようにしたテイシユペーパ収納箱が提
案されている。

前者の実開昭56−62981号公報記載の構造を詳
細に述べると、第１図に示すように、テイシユペ
ーパ収納箱１の底部２に略Ｓ字状の裂開部３を形
成しておき、裂開部３を裂開して内部に折曲させ
た時に屈折片４が裂開部３の突出部分３ａの肩で
相互に係合して、重ね合わせテイシユペーパ束を
支持するようにしたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕 かかるテイシユペーパの押上げ機構のものは、
後者の実開昭56−113677号公報のものと比較し
て、裂開部３の裂開線が曲線で形成され滑らかな
ので、裂開が容易である利点がある。

ところが、第２図のように、屈折片４，４によ
り形成される支持構造は、上部に載るテイシユペ
ーパの重みによつて常に突出部分３ａの肩での係
合が解かれる方向に力がかかり、いつたん突出部
分３ａの肩での係合が解かれるとたちまち解体し
てしまう問題がある。

したがつて、本考案の課題は、屈折片の裂開が
容易かつ正確に行ない得る条件の下で、特にテイ
シユペーパの荷重がかかるほどに強固に保持で
き、屈折片の解体を防止できるようにすることに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題は、テイシユペーパ収納箱の底部に起
立可能な２個の相対する屈折片を包含し、平行な
２本の起立折目の各端を結ぶとき平行四辺形をな
し、かつその一つの仮想対角線が前記折目と直行
する位置において前記２本の折目は折目端を有
し、２本の折目の各鋭角折目端から相手側の鈍角
折目端に向つて外側ミシン目によりそれぞれ繋が
れ、２本の折目の各鈍角折目端は前記対角線を横
切るＳ字状の１本の共通ミシン目によつて繋が
れ、各鈍角折目端付近において共通ミシン目と各
外側ミシン目とは曲率中心が屈折片内に位置して
曲線状に連続していることで解決できる。

〔作用〕

本考案では、屈折片の輪郭を連続ミシン目曲線
で構成したので、容易かつ正確に屈折片を切り起
すことができる。また、本考案では特にその屈折
片は切起し時にその頂点折目端で接するように形
成されており、自らの復元力で支え合う構成とな
つているので、荷重がかかるにつれて強固とな
り、屈折片の伏倒による解体を防止できる。

〔実施例〕

次に、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第３図は本考案に係るテイシユペーパ収納箱１
０の底面を示す。テイシユペーパ収納箱１０の底
面２０には、切起し可能な屈折片４０Ａ，４０Ｂ
が、外側ミシン目３０Ａ，３０Ｂおよび共通ミシ
ン目３１により形成されている。３２Ａ，３２Ｂ
は平行な２本の起立折目で、これらの各端３３Ａ
〜３３Ｄを結ぶとき平行四辺形をなし、かつその
一つの仮想対角線Ｌが前記折目３２Ａ，３２Ｂと
直交する位置において前記２本の折目３２Ａ，３
２Ｂは折目端３３Ａ〜３３Ｄを有し、２本の折目
３２Ａ，３２Ｂの各鋭角折目端３３Ａ，３３Ｄか
ら相手側の鈍角折目端３３Ｃ，３３Ｂに向かつて
外側ミシン目３０Ａ，３０Ｂによりそれぞれ繋が
れ、２本の折目３２Ａ，３２Ｂの各鈍角折目端３
３Ｂ，３３Ｃは前記対角線Ｌを横切るＳ字状の１
本の共通ミシン目３１によつて繋がれ、各鈍角折
目端３３Ｂ，３３Ｃ付近において共通ミシン目３
１と各外側ミシン目３０Ａ，３０Ｂとは曲率中心
が屈折片４０Ａ，４０Ｂ内に位置して曲線状に連
続している。

屈折片４０Ａ，４０Ｂの形成される位置は、テ
イシユペーパ収納箱底部２０の中央部であつて、
収納箱上部に設けたテイシユペーパ取出し口１１
に対向する位置が望ましい。

第４図および第５図は、本考案に係るテイシユ
ペーパ収納箱の屈折片４０Ａ，４０Ｂを切り起し
た状態を示すもので、第４図はその斜視図、第６
図は断面側面図である。これらの図面からも明ら
かなように、本考案の屈折片４０Ａ，４０Ｂは第
６図のように、両手の親指などで屈折片４０Ａ，
４０Ｂを押し付け、外側ミシン目３０Ａ，３０Ｂ
および共通ミシン目３１において裂開し、切起し
た場合において、第５図において明確に示されて
いるように、各折目端３３Ｂ，３３Ｃにおいて相
互に接し、各屈折片４０Ａ，４０Ｂの折目３２
Ａ，３２Ｂの復元力で相互に持ち合つて、テイシ
ユペーパ支持構造を形成するものである。そして
上からの荷重は両屈折形４０Ａ，４０Ｂにくさび
状に配分される。このようにテイシユペーパ支持
構造は屈折片の復元力で支えられるので、荷重が
かかる程に構成が強固となり、テイシユペーパ束
を有効に持ち上げ続けることができ、使用中に支
持構造が不用意に解体してテイシユペーパが底部
に落ちることはほとんどない。また屈折片相互
が、これらを持ち上げたとき自動的に頂点相互が
係合するので、きわめて操作性がよい。

第７図、本考案の他の実施態様を示すもので、
起立折目３２Ａ，３２Ｂをテイシユペーパ収納箱
の側辺と角度をなす方向に形成したほかは、実質
的に第３図に示すものと同じである。

〔考案の効果〕

上記したように、本考案によれば、屈折片の輪
郭を連続ミシン目曲線で構成したので、容易かつ
正確に屈折片を切り起すことができる。また、本
考案の屈折片は切起し時にその頂点折目端で接す
るように形成されており、自らの復元力で支え合
う構成となつているので、荷重がかかるにつれて
強固となり、またテイシユペーパ支持構造の解体
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の屈折片を有するテイシユペーパ
収納箱の底面図、第２図はその使用状態斜視図、
第３図は本考案によるテイシユペーパ収納箱の底
面図、第４図は屈折片の切起し状態を示す一部破
断斜視図、第５図は横断面図、第６図は切起し使
用状態斜視図、第７図は本考案の他の実施例によ
るテイシユペーパ収納箱の底面図である。 １，１０……テイシユペーパ収納箱、２０……
底面、３０Ａ，３０Ｂ……外側ミシン目、３１…
…共通ミシン目、３２Ａ，３２Ｂ……起立折目、
３３Ａ〜３３Ｄ……折目端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テイシユペーパ収納箱の底部に起立可能な２個
   の相対する屈折片を包含し、平行な２本の起立折
   目の各端を結ぶとき平行四辺形をなし、かつその
   一つの仮想対角線が前記折目と直行する位置にお
   いて前記２本の折目は折目端を有し、２本の折目
   の各鋭角折目端から相手側の鈍角折目端に向かつ
   て外側ミシン目よりそれぞれ繋がれ、２本の折目
   の各鈍角折目端は前記対角線を横切るＳ字状の１
   本の共通ミシン目によつて繋がれ、各鈍角折目端
   付近において共通ミシン目と各外側ミシン目とは
   曲率中心が屈折片内に位置して曲線状に連続して
   いることを特徴とするテイシユペーパ収納箱。