JPH0242560B2 - - Google Patents

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JPH0242560B2
JPH0242560B2 JP58091000A JP9100083A JPH0242560B2 JP H0242560 B2 JPH0242560 B2 JP H0242560B2 JP 58091000 A JP58091000 A JP 58091000A JP 9100083 A JP9100083 A JP 9100083A JP H0242560 B2 JPH0242560 B2 JP H0242560B2
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wastewater
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Activated Sludge Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は石炭液化プラント、石油精製プラント
より廃出する廃水の活性汚泥処理方法に関するも
のである。 有機化合物などの汚濁物を含む産業廃水、たと
えば石炭液化プラント廃水、石油関連工業廃水、
パルプ工業廃水、農産物、蓄産物および水産物の
加工廃水、都市下水などは、活性汚泥法により浄
化処理されている。 これらの廃水に含まれている汚濁物の種類、PH
などは廃水の種類によつて異なり、前述の廃水を
同じ活性汚泥処理条件によつて処理することは困
難であり、このため産業廃水の活性汚泥処理は経
験に基づいて処理することが多い。 このため、産業廃水の活性汚泥処理、特に活性
汚泥(バクテリヤ)の機能を阻害する物質を含む
廃水、たとえば石炭の液化プラント、石油工業関
係のプラントなどから排出する廃水の活性汚泥処
理は多くの問題点を包含している。 これらの廃水の活性汚泥処理の問題点を列記す
ると、次の通りである。 これらの廃水の活性汚泥処理は原因不明の処
理不調が発生しやすく、処理水質の悪化を招く
が、処理不調を未然に防止する対策技術が確立
していない。 また、この処理不調は、たとえば原因が明確
で処理不調の原因を取り除いても、処理が正常
状態に回復するのに1〜6箇月以上の長期間を
要することがある。 産業廃水の多くは活性汚泥の栄養になるリン
化合物を含有していないため、活性汚泥処理の
慣例にしたがつて、たとえば産業廃水の生物化
学的酸素要求量(BOD)100重量部に対して無
機リン酸化合物の1重量部(リンとして)を栄
養源として添加しているが、従来の無機リン化
合物の添加方法では活性汚泥のリンの有効利用
率が低く、このため添加したリン化合物の多く
は処理水に流出する。 次に、これらの問題点についてさらに詳細に説
明する。 まず、前述の廃水の活性汚泥処理において原因
不明の処理不調が発生しやすい理由について説明
する。石炭液化プラント、石油工業関係のプラン
トなどから排出する廃水は、シアン化合物およ
び/または硫化物など、活性汚泥の機能を阻害す
る物質をかなり高濃度に含有している。しかも、
これらの有害物質の廃水への排出量は石炭、石油
などの産地、ロツトおよびプラントの操業条件な
どによつてかなり変動する。このため、活性汚泥
処理に供給される原水のシアン化合物および/ま
たは硫化物などの濃度はかなり変動する。一方、
これらの有害物の活性汚泥に対する影響は発明者
らの研究によると、活性汚泥処理の供給原水のシ
アン化合物および/または硫化物の濃度が約10
mg/l以上になると処理不調を招き、安定した処
理を行うためにはこれらの化合物の濃度を2〜3
mg/l以下にする必要がある。 これらのことから、これらの廃水を活性汚泥処
理法により処理する場合、供給原水のシアン化合
物、硫化物などの活性汚泥の機能を阻害する物質
を2〜3mg/l以下に除去する必要がある。しか
し、これらの物質を2〜3mg/l以下にすること
は、石炭、石油などの産地、ロツト、プラントの
操業条件などによつて排出される廃水のシアン化
合物および/または硫化物などの有害成分の濃度
がかなり変動するため、かなり困難である。この
結果、活性汚泥処理にシアン化合物および/また
は硫化物などの有害成分の濃度が高い廃水が供給
され、処理不調を招くケースが多い。 このようにして起こつた処理不調を正常な状態
に回復させる方法は、一般に次のようなものであ
る。 まず、処理不調の原因、たとえば供給原水のシ
アン化合物、硫化物など活性汚泥に対して有害な
成分を取り除き、さらに活性汚泥処理のPH、温
度、DO(溶存酸素濃度)などを適正な条件に管
理する方法がある。 しかし、活性汚泥は各種のバクテリヤの集合体
であり、各バクテリヤの性状がかなり異なつてい
る。たとえば、石炭液化プラントから排出する廃
水に含まれているロダン化合物を分解するロダン
資化菌は増殖速度が非常に遅く、同じ廃水に含ま
れているフエノール系化合物を分解するフエノー
ル資化菌と比べると約1/40である。したがつて、
増殖速度などの性状が異なる資化菌(バクテリ
ヤ)の集合体である活性汚泥が廃水の有害成分に
よつて機能阻害を受けると、前述の一般的な活性
汚泥処理の不調回復法では資化菌の自然回復を期
待するしかなく、このためロダン資化菌のように
増殖速度の遅い資化菌が活性汚泥に存在すると処
理不調が回復するのに1〜6箇月以上の長期間を
要する。 また、産業廃水の活性汚泥処理の多くは活性汚
泥の栄養源としてリン酸、リン酸アンモンなどの
無機リン酸化合物を用いるが、その使用量は一般
的に供給原水のBOD100重量部に対してリン化合
物1重量部(リンとして)である。この添加比は
慣習的なもので、発明者らの研究によると活性汚
泥の無機性リン酸化合物の利用効率は20〜60%と
低い。このため無機リン酸化合物の使用コストが
高く、また未使用のリン化合物が活性汚泥処理水
に流出するなどの問題点がある。 一方、このような問題点を解決するため、無機
リン酸化合物の添加量を減らすと処理水のリン化
合物の濃度は低下するが、廃水のCOD成分の分
解不良、活性汚泥のバルキングなどの活性汚泥処
理の不調が発生し、処理水質の低下を招くため、
リン化合物の添加量を減少することには制約があ
る。 発明者らは前述の本発明が対象とする廃水の活
性汚泥処理のこれらの問題点を解決するため、活
性汚泥処理による廃水のBOD成分の分解機構を
検討した結果、活性汚泥の代謝にADP(アデノシ
ン、2−リン酸エステル)、ATP(アデノシン、
3−リン酸エステル)などの有機性リン酸化合物
が関与していることが判明した。このことから、
ADP,ATPに類似の有機性リン酸エステルを活
性汚泥に添加すれば前述の問題点、すなわち、
原因不明の処理不調の発生、処理不調の回復の
長期化、活性汚泥によるリン化合物の低利用率
および処理水へのリン化合物の流出などを全て解
決できると考えた。 そこで、各種の有機性リン化合物について検討
した結果、ADP,ATPと構造が類似し、有機性
リン酸エステルであるフイチン酸(C6H6
(OPO3H26)またはフイチン酸塩、たとえば水
溶性フイチン酸塩であるナトリウム塩、アンモニ
ウム塩などを活性汚泥処理装置の曝気槽に添加す
ると、前述の問題点が全て解決できることが判明
した。 さらに研究を進めた結果、フイチン酸、フイチ
ン酸塩の代わりにこれらを含む物質、たとえば米
ヌカ、フスマ、トウモロコシ殻、および大豆油、
ゴマ油などの植物油のしぼりかすなどがフイチン
酸、フイチン酸塩と同等の効果があることが判明
した。特に米ヌカはフイチン酸の含有量が約4〜
7%と高く、またフイチン酸以外に活性汚泥の活
性度向上に効果があるビタミン、酵素などを含有
しており、さらに安価に、大量に、しかも容易に
入手でき、また取扱いなどが簡単である。したが
つて、米ヌカはフイチン酸またはフイチン酸塩を
単独に使用する場合よりも、またフスマ、トウモ
ロコシ殻または大豆油、ゴマ油などの植物油のし
ぼりかすなどを使用する場合よりも効果が顕著で
あり、さらに経済的にも有利であり、このため本
発明において米ヌカを使用するのが最も有利であ
る。 さらに、フイチン酸もしくはフイチン酸塩また
はこれらの含有物の1種または2種以上(以下、
「フイチン酸等」という)を用いると同時に産業
廃水の活性汚泥処理装置の曝気槽および活性汚泥
の沈降槽の酸化還元電位(ORP)を管理する。 下水、産業廃水等の活性汚泥処理は、曝気槽の
溶存酸素濃度を指標にして曝気量を管理、制御す
るのが一般的である。しかし、これらの活性汚泥
処理において曝気槽のORPが下水、産業廃水等
に含まれているBOD,CODによつて標示される
汚濁物の分解性、硝化反応性、活性汚泥の沈降性
等の処理性能と密接な関係があるので、ORPを
指標にして曝気量を管理、制御することにした。 曝気槽のORPは廃水の種類によつて適正値が
異なる。すなわち、活性汚泥によつて比較的分解
されやすい汚濁物を含む下水、食品廃水等は曝気
槽の酸化度が低い状態、つまりORPが低い状態
で汚濁物が活性汚泥処理によつて容易に分解され
るので、適正なORP値は+220〜320mV(水素電
極基準)である。一方、コークスを製造するコー
クス工場、石炭液化プラント、石油精製プラント
等から排出される廃水はフエノール、高分子量の
有機物、ロダン化合物等の難分解性物質を含有し
ている。このため、これら廃水の活性汚泥処理
は、これらの汚濁物を円滑に分解するため曝気槽
の酸化度を高く、すなわちORPを高く維持する
必要があり、石炭液化プラント、石油精製プラン
トから排出される廃水の活性汚泥処理の適正な
ORP値は+400〜480mV(水素電極基準)である。
この適正ORP値は、この値より低いと廃水の汚
濁物の分解性が低下し、またこの値より高いと廃
水に含まれているアンモニア性化合物が酸化さ
れ、亜硝酸化合物、硝酸化合物を正成する。この
亜硝酸化合物は活性汚泥の機能を阻害する作用が
あり、また亜硝酸化合物および硝酸化合物により
曝気槽のPHが低下し、その結果活性汚泥の機能が
阻害される。このように、曝気槽のORP値が適
正値から外れると廃水の汚濁物の分解性が低下
し、処理水質の悪化を招く。 次に、本発明の方法により前述の廃水の活性汚
泥処理の問題点を解決することについて、まず廃
水の活性汚泥処理の不調を未然に防止することに
ついて説明する。 この方法は、活性汚泥処理装置の曝気槽にフイ
チン酸等を常時添加し、活性汚泥の活性度を向上
させて活性汚泥に廃水に含まれている有害成分、
たとえばシアン化合物、硫化物などに対する耐久
性を向上させる。それと同時に曝気槽のORPを
活性汚泥に対して適正な範囲に維持できるように
曝気量を制御する。 すなわち、フイチン酸等を曝気槽に添加する
と、その添加量によつても異なるが、曝気槽の
ORPは10〜200mVも低下するので、活性汚泥の
活動に最適なORP値に回復させるために曝気量
を増し、適正値〜適正値−50mVの範囲内に管理
する。 石炭液化プラント、石油精製プラント等から排
出される廃水の活性汚泥処理の適正なORP値は、
先に説明したように+400〜480mV(水素電極基
準)である。このような廃水の場合、曝気槽の
ORPが著しく低下すると汚濁物の分解性が著し
く低下し、処理水質の悪化を招く。このため、フ
イチン酸等の添加により曝気槽のORPが低下し
た場合、適正値〜適正値−50mVの範囲内に回復
させる必要がある。この場合、適正値よりも
50mV超低下した期間が長くなるほど生物相の変
化等が起こり、処理水質の悪化が長期間になり、
回復しにくくなる。したがつて、曝気槽のORP
を適正値〜適正値−50mVの範囲内に速やかに回
復させる。 低下したORPは曝気量の増加により容易に回
復する。ORPの自動制御を行つている場合は急
激なORPの低下が起こると回復しないことがあ
るが、この場合、自動制御を手動制御に切り替え
て曝気量を増すと容易に回復する。 次に、フイチン酸等の曝気槽への添加量は、廃
水の活性汚泥処理の処理不調を未然に防止する場
合、フイチン酸またたフイチン酸塩は曝気槽1m3
当り1日に1〜10g、好ましくは1〜5gであり、
またフイチン酸またはフイチン酸塩を含む物質を
添加する場合には10〜50g、好ましくは20〜30g
である。 このように、廃水の活性汚泥処理の曝気槽にフ
イチン酸等を常時添加すると、活性汚泥の活性
度、たとえば酸素消費速度(QO2)が著しく向上
する。発明者らの実験によると石炭の液化プラン
トから排出する廃水の活性汚泥処理の場合、フイ
チン酸等を添加しない従来法における曝気槽の活
性汚泥のQO2は100〜150mgO2/活性汚泥1g・1
時間であるが、フイチン酸等を常時添加すると添
加開始10〜20日目頃からQO2が向上し、最終的に
は300〜700mgO2/活性汚泥1g・1時間にも達し、
活性炭が著しく向上することが判明している。 したがつて、フイチン酸等を曝気槽に添加する
ことによつて処理不調を未然に防止できるのは、
曝気槽の活性汚泥の活性度が著しく向上し、その
結果廃水に含まれているシアン化合物、硫化物な
ど活性汚泥の機能を阻害する物質に対する耐久性
が向上するためと思われる。 しかし、フイチン酸等によつて活性汚泥の活性
度が著しく向上しても、活性汚泥処理の曝気槽に
供給される廃水に活性汚泥の機能を阻害する物質
が高濃度に含まれていると処理不調を招く。した
がつて、廃水の活性汚泥処理の不調を完全に抑制
するには、前記方法により活性汚泥の活性度を向
上させるとともに廃水に含まれている活性汚泥の
機能を阻害する有害成分を10mg/l以下に除去す
るのが望ましい。つまり、前述の廃水に含まれて
いる活性汚泥の機能を阻害する物質は主にシアン
化合物、硫化物などなので、活性汚泥処理装置に
廃水を供給する前に廃水に常法により第1鉄塩な
どを添加し、これらの有害成分を不溶化、沈澱除
去し、10mg/l以下にした後、活性汚泥処理の曝
気槽に供給するのが望ましい。 次に、フイチン酸等を添加して廃水の活性汚泥
処理の不調を短時間に回復させる方法について説
明する。 廃水の活性汚泥処理に起こる不調は、現象的に
は廃水のBOD成分の分解不良、活性汚泥の沈降
性不良(バルキング)、曝気槽に亜硝酸イオンが
大量に生成することによるBOD成分の分解不良、
活性汚泥の汚泥沈降槽における浮上流出などであ
る。これらの処理不調の現象は単独に起こつた
り、複数の現象が同時に起こつたりする。これら
の処理不調は、廃水に含まれている有害成分によ
り活性汚泥の機能が阻害されること、あるいは
BOD負荷量が不適正であつたり変動が著しいこ
と、また曝気槽のORP、PHが不適当なことなど
が主な原因である。 従来の処理不調の回復法は、これらの処理不調
原因を取り除き、さらに活性汚泥処理の条件を適
正範囲に管理維持し、その後は活性汚泥の自然増
殖を持つしかない。このため、先に説明したよう
にロダン資化菌のように増殖速度が遅い資化菌は
処理不調が回復するのに長期間を要する。さらに
面倒なのは、バルキング状態で沈降性不良にな
り、処理水に活性汚泥が流出する処理不調は決定
的な回復技術がなく、自然回復を待つしかなく、
このため1〜6箇月以上の長期間を要することで
ある。 発明者らは、このような廃水の活性汚泥処理の
不調を短期間に回復させるために資化菌の増殖を
促進する方法および活性汚泥のバルキングを短期
間に回復させる方法について検討を行つた。その
結果、ビタミン、酵素およびフイチン酸等は活性
汚泥の増殖を著しく促進する作用があることが明
らかになつた。特にフイチン酸等は、活性汚泥の
増殖を促進する他に、バルキング状態になり全然
沈降しない活性汚泥の沈降性を短期間に回復さ
せ、沈降性が良好な活性汚泥に改質する作用があ
る。また、フイチン酸等はビタミン、酵素などに
比べて安価であり、実設備などにおいて大量に使
用する場合には経済的にも有利である。 フイチン酸等を廃水の活性汚泥処理の不調を短
期間に回復させるために使用する場合、活性汚泥
処理装置の曝気槽に添加すれば良く、その添加量
は、前述の活性汚泥の活性度を向上させる場合に
比べて5〜10倍程度である。したがつて、曝気槽
1m3当りの1日の添加量はフイチン酸およびフイ
チン酸塩の場合、軽度の処理不調では20〜30g、
重度の処理不調では50〜100g程度必要であり、
またフイチン酸またはフイチン酸塩含有物質の添
加量は100〜500g程度が適切である。 また、処理不調になると曝気槽のORPが適正
値より50〜200mVも低下し、曝気量を増加して
も回復しないことがある。このような場合、フイ
チン酸等を上記したように添加し、さらに曝気槽
に亜硝酸イオン、硝酸イオンなどが5〜10mg/l
以上にならないように曝気量を制御し、ORPを
徐々に適正値に回復するのが良い。なお、フイチ
ン酸等を添加するとORPが急激に低下する場合
があるが、このような場合は、先に説明したよう
に曝気量の増加によりORPを適正値〜適正値−
50mVの範囲内に回復させる必要がある。 次に、活性汚泥処理水のリン化合物濃度の低減
方法について説明する。先に説明したように、活
性汚泥の代謝に有機リン酸化合物であるADP,
ATPが関与していることとフイチン酸等を活性
汚泥処理の曝気槽へ添加すると活性汚泥の活性度
が向上することから、フイチン酸等と活性汚泥処
理の栄養として一般に用いられている無機リン酸
化合物とを併用すれば、活性汚泥の無機リン酸化
合物の利用効率が向上し、その結果無機リン酸化
合物の使用量の削減、さらに処理水の無機リン酸
化合物濃度の低減などに効果があることが予想さ
れた。 このような考えにもとづき発明者らは、本発明
が対象とする廃水の活性汚泥処理にフイチン酸等
を先に説明した活性汚泥の活性度を向上させる方
法にしたがつて添加し、有機性リン化合物の活性
汚泥による有効利用率を測定した結果、ほぼ100
%利用していることが判明した。 さらに、フイチン酸等と無機リン酸化合物とを
併用すると、無機リン酸化合物自体の活性汚泥に
よる有効利用率も約78〜83%に向上することを見
出した。 また、処理水のリン化合物濃度を低減する方法
として活性汚泥処理で使用するリン化合物の量を
低減する方法の他に、活性汚泥処理装置の汚泥沈
降槽のORPを管理すると有効であることを見出
した。 すなわち、好気性活性汚泥処理は曝気槽は好気
性環境であるが、汚泥沈降槽は嫌気性環境であ
る。好気性活性汚泥(バクテリヤ)は、好気性環
境においてはリン化合物を細胞内に取り入れる
が、嫌気性環境においては細胞内のリン化合物を
放出する傾向がある。 このことは、活性汚泥のリン化合物の濃度を測
定すると、曝気槽の活性汚泥のリン化合物の濃度
は汚泥沈降槽の活性汚泥よりも高い傾向があり、
しかも活性汚泥の汚泥沈降槽における滞留時間が
長いほど汚泥沈降槽の活性汚泥のリン化合物の量
が低下し、逆に処理水のリン化合物の濃度が高く
なる傾向があることから説明できる。 これらのことから、活性汚泥沈降槽が嫌気性に
なることを防げば活性汚泥からのリン化合物の放
出を抑制することができる。この活性汚泥沈降槽
の嫌気性、好気性の管理指標としてORPを管理
するのが最適である。 発明者らの研究によると活性汚泥によるリン化
合物の放出が低下するORPは約+100〜200mV
(水素電極が基準)以上であることが判明した。
また、好気性活性汚泥処理において、曝気槽と汚
泥沈降槽とのORPの差異は約100〜200mVであ
り、曝気槽を高いORP、すなわちより好気性
(酸化性)環境に維持すればそれに伴つて汚泥沈
降槽のORPも高くなる。したがつて、本発明が
対象とする廃水の活性汚泥処理の場合、曝気槽の
ORPを400〜480mVに常時管理すれば汚泥沈降槽
のORPは活性汚泥がリンを放出しにくい条件に
維持することができる。 したがつて、本発明が対象とする廃水の活性汚
泥処理は、曝気槽のORPを400〜480mVの範囲に
管理し、さらに汚泥沈降槽のORPを+100〜
200mV以上にそれぞれ管理すれば、活性汚泥は
リン化合物を放出しにくくなり、処理水のリン化
合物の濃度を低減することができる。 この結果にもとづき、本発明が対象とする廃水
の活性汚泥処理において、処理不調を事前に予防
し、さらに処理水のリン化合物の濃度を1mg/l
(リンとして)以下に維持する条件を検討した結
果、COD容積負荷量1〜3Kg/m3・日の産業廃
水の活性汚泥処理の場合、曝気槽1m3当り1日に
フイチン酸もしくはフイチン酸塩を1〜5gまた
はフイチン酸もしくはフイチン酸塩を含む物質を
10〜50gと無機リン酸化合物を3〜10g(リンとし
て)連続的に添加し、活性汚泥処理装置の曝気槽
のORPを400〜480mV、汚泥沈降槽のORPを100
〜200m以上に管理すれば処理不調を未然に防止
でき、処理水のリン化合物濃度を低減できること
が判明した。 なお、フイチン酸等を使用しない場合、無機リ
ン酸化合物の使用量はCOD容積負荷量1〜3
Kg/m3・日の場合、約10〜30g/日(リンとし
て)で、処理水のリン化合物の濃度は10〜20mg/
l(リンとして)である。 この結果、本発明の方法を用いると実施例にお
いて説明しているように処理水のリン化合物の濃
度は1mg/l(リンとして)以下で、しかも無機
性リン酸化合物の使用量を従来の活性汚泥処理よ
りも約2/3に削減できる。 従来の産業廃水の活性汚泥処理において、この
無機リン酸化合物の使用量を減少させると、前述
したように処理水のリン化合物の濃度は減少する
が、活性汚泥のバルキング、産業廃水のBOD成
分の分解不良などの処理不調が発生する。 本発明においても処理水のリン化合物の濃度が
0.2mg/l(リンとして)以下になると処理不調が
発生しやすくなるので、処理水のリン化合物の濃
度が0.2〜0.5mg/l(リンとして)に維持できる
ように無機リン酸化合物の添加量を制御すると安
定した処理が可能である。 以上説明したように、石炭液化プラント、石油
精製プラントより排出する廃水の活性汚泥処理の
曝気槽にフイチン酸等を添加して無機リン酸化合
物と共存させ、これにともない曝気槽のORPを
管理することにより活性汚泥処理の不調を未然に
防止し、また、たとえ処理不調が生じても短期間
に回復することができる。さらに、これに加え、
無機リン酸化合物の添加量の制御および汚泥沈降
槽のORPの管理により無機リン酸化合物の使用
量を大幅に削減でき、また処理水のリン化合物濃
度を1mg/l(リンとして)以下に抑制する。 実施例 1 石炭液化プラントから排出した表1の廃水から
サワウオターストリツピングにより硫化水素、シ
アン化合物と遊離アンモニア化合物の大部分を除
去した後、API油水分離機および加圧浮上装置に
より廃水中のタール状油分の大部分を除去した。
【表】
【表】 この廃液をPH7.5±0.5に調整した後、海水と淡
水により約10倍に希釈し、これにリン酸を供給原
水に対して10mg/l(リンとして)添加し、表2
に示す条件で活性汚泥処理を行つた。
【表】 実験方法は、本発明の方法、すなわちフイチン
酸を含む物質として米ヌカを活性汚泥処理の曝気
槽に1m3当り1日に20〜30g添加した。一方、比
較の従来の方法は、米ヌカを添加せず活性汚泥の
栄養としてリン酸だけを供給原水に30〜100mg/
l(リンとして)常時添加した。なお、本発明の
方法は、曝気槽のORPは+450±10mVに管理し、
曝気槽のORPが+400mV未満になつたら曝気量
の増加によつて曝気槽のORPを+400〜+450mV
の範囲に回復させた。その結果、汚泥沈降槽の
ORPは+220〜270mVに維持できた。一方、従来
の方法はORP制御を行わず、曝気量は曝気槽の
溶存酸素濃度が1〜4ppmの範囲におさまるよう
に制御した。 本発明の方法と従来法とを比較した結果を表3
にまとめて示す。
【表】 本発明の方法は、表3に示したように、従来の
リン酸のみ添加した方法に比べて著しく優れてお
り、従来の方法はロダン化合物(SCN-)がほと
んど分解しない処理不調が発生しやすい。 また、活性汚泥の性状は、本発明の方法の活性
汚泥濃度が約10000±100mg/l、活性汚泥の沈降
性の指標であるSVIが55〜80と沈降性が良好なの
に対して、従来の方法は活性汚泥濃度が2400〜
8600mg/lと低く、またSVIが65〜410と高く、
完全なバルキング状態になつた。 本発明の方法は従来の方法に比べて処理不調が
起こりにくく、処理水質、活性汚泥の性状などが
優れており、安定した処理ができる。 なお、米ヌカを曝気槽に添加するとORPが
400mV(水素電極基準)以下に低下することがあ
り、低下したORPを適正値(この場合+450mV)
に回復させないで米ヌカの添加を継続するとロダ
ン化合物の分解性が低下し、処理水のSCNが高
くなることがある。 実施例 2 石炭液化プラントから排出した表4の廃水から
サワウオターストリツピングにより硫化水素、シ
アン化合物と遊離アンモニア化合物の大部分を除
去した後、API油水分離機および加圧浮上装置に
より廃水中のタール状油分の大部分を除去した。 この廃水をPH7.5±0.5に調整した後、海水と淡
水により約15〜17倍に希釈し、これにリン酸を供
給原水に対して10mg/l(リンとして)添加し、
さらに供給原水とは別系統によりフイチン酸を活
性汚泥処理の曝気槽に1m3当り1日に約5g連続
的に添加し、表2に示す管理条件で活性汚泥処理
を行つた。 石炭液化プラント廃水の活性汚泥処理結果を表
4にまとめて示す。
【表】 石炭液化プラント廃水は、硫化水素の含有量が
非常に高いため、硫化水素の除去を十分に行わな
いと処理不調が発生しやすく、このためフイチン
酸を添加しない従来の方法は処理不調が多発した
が、フイチン酸を添加した本発明の方法は処理不
調が発生せず、処理水質が良好であり、安定した
処理ができた。 実施例 3 表5に示す石油関連工業のプラントより排出し
た廃水に蒸気を吹き込み、揮発性の硫化水素、遊
離アンモニア化合物およびシアン化合物の大部分
を除去した。 このストリツピング後の廃水は可溶性の硫化物
の濃度が50mg/l以上と高いので、塩化第2鉄を
添加して不溶性硫化物に変換し、さらに分散して
いるタール状油分を塩化第2鉄により凝集沈澱さ
せ、アンスラサイトにより濾過処理を行つた。 この濾過水を海水と工業用水により2〜5倍に
希釈し、これにリン酸を30〜50mg/l添加し、こ
の廃水を活性汚泥処理装置の曝気槽にCOD容積
負荷量が1.5〜2.0Kg/m3日になるように供給し、
活性汚泥処理を行つた。なお、活性汚泥処理の管
理条件は、曝気槽のORPを470±10mV、PHを7.0
±0.2に制御した。 まず、曝気槽にフイチン酸等を添加しない従来
の方法により活性汚泥処理を行つた。この方法で
は、活性汚泥の沈降性が不良になるバルキングが
容易に発生し、また、供給原水の硫化物濃度が5
〜10mg/l(S2-として)以上になると廃水の
COD成分の分解性が低下し、処理水質が悪化す
るなどの処理不調が発生しやすかつた。 一方、本発明の方法は、表5に示したように、
フイチン酸を曝気槽に常時添加することにより処
理水質が良好で、また処理水のリン化合物の濃度
は1mg/l(リンとして)以下と低く、安定した
処理ができ、また活性汚泥の栄養として用いるリ
ン酸の使用量を5〜10mg/lに減少しても良好に
処理でき、その使用量を大幅に削減できた。
【表】
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 有機化合物と活性汚泥の機能を阻害する物質
    を含有する石炭液化プラント、石油精製プラント
    より排出するいずれかの廃水を活性汚泥処理する
    に際して、活性汚泥処理装置の曝気槽にフイチン
    酸もしくはフイチン酸塩またはこれらの含有物の
    1種または2種以上と無機リン酸化合物とを共存
    させ、フイチン酸もしくはフイチン酸塩またはこ
    れらの含有物を曝気槽に添加することによつて低
    下した酸化還元電位を曝気量の制御により適正値
    〜適正値−50mVの範囲内に管理すると同時に、
    活性汚泥処理水のリン化合物の濃度(リンとし
    て)が1mg/l以下になるように曝気槽への無機
    リン酸化合物の添加量を調整することを特徴とす
    る廃水の活性汚泥処理方法。
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