JPH0241543Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本考案は、発電プラントにおける給水加熱器や
脱気器等の熱交換器内における飽和水のレベルを
検出するフロート型レベルスイツチの配管構造に
関する。 〔従来技術及びその問題点〕 一例として、火力発電プラントにおいて急激な
負荷軽減を行うと、熱交換器内の圧力が急激に下
がり、それに連結されたレベル測定用計器のバラ
ンス管やレベルスイツチ内に蒸気流が発生する。
すると、その蒸気流によりレベルスイツチのフロ
ートが持ち上がつて該スイツチが誤動作する。そ
のため、警報出力や抽気逆止弁或いは入口弁等が
強制的に閉鎖され、不安定な動作を発生させるこ
とがある。これらの現象は、熱交換器内の急激な
圧力低下により該ドレンのフラツシユ及びボイル
現象が生じるためと考えられる。 〔考案の目的及び構成〕 そこで、本考案は各種実験の結果、計器用連絡
管にバイパス管を兼ねたヘツダー連絡管を取付け
ることにより上記欠点を解決できることを見つけ
たものである。それにより、ドレンのフラツシユ
に基づくフロート型レベルスイツチの誤動作を防
止することを目的とし、その構成は次の通りであ
る。 即ち、上部ヘツダー管７と下部ヘツダー管８と
を夫々互いに離間して水平に配設すると共に、両
管７，８の管径とほぼ同径の複数の垂直な互いに
離間したヘツダー連絡管５，５の両端を上部及び
下部ヘツダー管７，８に連通する。そして、該ヘ
ツダー連絡管５に上下に夫々離間し、夫々水平で
且つヘツダー連絡管５の管径より小なる管径の計
器連絡管２，３の一端を夫々連通する。それと共
に、該計器連絡管２，３の他端をレベルスイツチ
等のフロート型計器１の上部及び下部に弁９，９
を夫々介して連通する。そして、上部ヘツダー管
７及び下部ヘツダー管８を給水加熱器等の熱交換
器４の上部及び下部にそれぞれ連通したことを特
徴とする。 従つて、本考案によれば、ドレン配管内のフラ
ツシユ及びボイル現象に基づく蒸気流が、計器連
絡管２，３のバイパス部を兼ねたヘツダー連絡管
５に流通し、計器連絡管２，３には流れないか
ら、該蒸気流により計器のフロートが持ち上がる
ことがなく、それによる各種機器の誤動作も防止
できる。 〔考案の実施例〕 次に、図面に基づいて本考案の実施例につき説
明する。 第１図は給水加熱器における本考案のフロート
型計器１の配管構造を説明する斜視図であり、第
２図は同要部を説明する立面図である。 第１図に示す如く、この実施例では熱交換器４
が給水加熱器の場合を示し、この熱交換器４が上
記タービンの抽気等を加熱源とする。そして、こ
の熱交換器４の上部及び下部と上部ヘツダー管７
及び下部ヘツダー管８とが設置現場において鎖線
の如く連通される。そして、鎖線以外の大径の管
部分はすべて工場において組立られる。即ち、上
下に夫々水平に離間した上部ヘツダー管７、下部
ヘツダー管８とそれらの管を互いに離間して垂直
に連結する一例として３本のヘツダー連絡管５及
び各ヘツダー連絡管５に設けられた複数のテイー
Ｔが工場において組立られる。これらの配管径
は、一例として直径50mmのものからなる。そし
て、設置現場において各ヘツダー連絡管５の上下
に離間した一対のテイーＴから夫々弁９を介し計
器連絡管２，３の一端部が連通される。それと共
に、その他端部がレベルスイツチからなるフロー
ト型計器１の上部及び下部に連通される。この計
器連絡管２，３はヘツダー連絡管５に比べて小径
の（一例として直径25mm）の管により構成され、
下側の計器連絡管３の弁９は運転状態において絞
られており、計器連絡管２の弁９はフルポートに
開放されている。又、前述の如く上部ヘツダー管
７、下部ヘツダー管８及び３本以上のヘツダー連
絡管５を組立工場で組立られた枠状の配管構造
は、構造が丈夫でその輸送途上において捩等によ
るトラブルを発生することがない。そして、この
ような配管組立体を現場において設置することに
より配管工事を容易迅速に且つ正確に行うことが
できる。 なお、第３図は従来型のフロート型計器１の配
管構造を示し、第１図に示す本考案のものとの違
いは、フロート型計器１に並列してバイパス部６
が存在しないことである。 次に、従来型配管構造と本考案の配管構造との
作用の相違につき、実験的に確認したのが下表で
ある。 〔実施例〕 第１図に示す本考案の配管と第３図に示す従来
型配管とにつき、夫々フロート型計器１としてＮ
社製とＦ社製とのレベルスイツチにつき、夫々圧
力降下率を違えて該レベルスイツチのチヤタリン
グの有無を実験した結果、下表の通りの実験結果
を得た。

〔考案の効果〕

本考案の配管構造は以上のような構成からな
り、次の効果を有する。 (1) 本構造は大径の垂直なヘツダー連絡管５に上
下に離間し、夫々水平で且つ小径の計器連絡管
２，３の一端を連通し、他端をフロート型計器
１の上部及び下部に連通したものであるから、
熱交換器４内の急激な圧力降下の際に発生する
ドレンのフラツシユ及びボイル現象によるフロ
ート型計器１の誤動作を防止できる。即ち、フ
ラツシユ等に基づく蒸気流は小径で水平な計器
連絡管２，３には流れず、大径で垂直なヘツダ
ー連絡管５に流通する。従つて、フロート型計
器１の誤動作に基づく警報出力や抽気逆止弁並
びに入口弁等の強制閉鎖、その他の不安定な動
作を防止できる。そして、安定した発電プラン
ト等の運用に寄与し得る効果がある。 (2) 又、本構造は上部ヘツダー管７及び下部ヘツ
ダー管８の間が複数の同径の垂直なヘツダー連
絡管５，５で連通されたものであるから、この
大径管部分を工場内でユニツト化し得る。しか
も、このようなユニツト化された大径配管は構
造が丈夫で運送途上の捩等によるトラブルの発
生がない。それと共に、現場においてそれを容
易迅速に設置することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の配管構造の一実施例を示す斜
視略図、第２図は同要部立面図、第３図は従来型
配管構造の要部説明図、第４図は従来型配管構造
におけるレベルスイツチのチヤタリングの状況を
時間に対して表示したもの。 １……フロート型計器、２，３……計器連絡
管、４……熱交換器、５……ヘツダー連絡管、６
……バイパス部、７……上部ヘツダー管、８……
下部ヘツダー管、９……弁、Ｔ……テイー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに離間し夫々水平に配設される上部ヘツダ
   ー管７及び下部ヘツダー管８の間を両管７，８の
   管径と略同径の互いに離間した複数の垂直なヘツ
   ダー連絡管５，５で連通し、該ヘツダー連絡管５
   に上下に離間し夫々水平で且つ該連絡管５の管径
   より小なる管径の計器連絡管２，３の一端を夫々
   連通し、他端をレベルスイツチ等のフロート型計
   器１の上部及び下部に弁９，９を夫々介して連通
   し、前記上部ヘツダー管７及び下部ヘツダー管８
   を給水加熱器等の熱交換器４の上部及び下部に
   夫々連通したことを特徴とする給水加熱器等の熱
   交換器用フロート型計器の配管構造。