JPH0240807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、食堂などで使用されるテーブルの下
方に、椅子の収納部を有するテーブルに関する。

（従来の技術） 食堂、会議室、講習室等では、通常、数多くの
テーブルや椅子が人数や使用形態に応じて使用さ
れるが、椅子の収納に関して配慮がなされたテー
ブルはほとんどない。

通常のテーブルと椅子の組合せの場合において
は、それぞれの脚にキヤスターを設け移動に都合
よくし、部屋の清掃時や椅子の使用時にはテーブ
ルの下に一時的に椅子を移動し、収納するもので
あつた。

椅子の収納の目的を持つたテーブルではわずか
に可動椅子付テーブルや実公昭53−15147号に記
載されている椅子の整理棚附机等が見出されるだ
けである。この可動椅子付テーブルは、食堂等で
使用されているテーブルの脚の各々に、脚を一本
だけ有する椅子を連結杆を介して回動自在に取り
付けて構成したものである。

このテーブルは、椅子の不使用時には椅子の脚
に設けられたコイルバネによつて椅子は床より浮
き上がり、かつテーブルの脚に設けられたコイル
バネによつて椅子が回転しテーブルの下に自動的
に収納される構成である。

椅子に腰掛ける際には、テーブルの下からテー
ブルの脚を中心に椅子を回転するように引き出し
て腰を掛ければよい。また、実公昭35−15147号
記載の机においては、机の天板下面に固定されて
いる整理棚に椅子をただ単に載置可能としたもの
である。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように、通常のテーブルと椅子の組合せ
においては、部屋の清掃時にテーブルの下の床面
の清掃が十分に出来なかつたり、あるいはテーブ
ルや椅子を移動したり片付けたりする必要がある
ときにもテーブルと椅子がそれぞれ独立している
ため移動や収納が非常に不便で、多くの人手を要
していた。

また、上記の可動椅子付テーブルは、席を立て
ば自動的に椅子がスプリングの作用でテーブルの
下に収納されるため、椅子を片付ける手間やスペ
ースの必要がなく便利であるが、可動部があるた
めに、全体的に機構が複雑で重量のあるものとな
り、そのために保守の必要性が生じる上に、椅子
が不必要になつてもテーブルより取り外すことが
出来なかつた。またこの椅子は１本足で立脚し、
かつ連結杆を半径とした円周上にのみ座る位置が
限定されるため、床が痛みやすく、またデザイン
的にも制限があるために、学生食堂等に用途が限
定され、家庭やオフイス等で広く使用されるまで
には至つていないのが現状である。さらに、実公
昭35−15147号記載の机に椅子を載置した場合、
この机の整理棚には椅子のぐらつきや脱落を防止
するための構成がないため、移動運搬の際に振動
等により椅子の脚部がぐらついたり、整理棚より
落下したりすることがあつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の不便さを解消するためになされ
たものであつて、椅子の底面を載置するための収
納部を、テーブルの天板の下方に棒状体材質によ
つて構成し、この収納部の両端には椅子の脚を安
定させるための湾曲部を有する安定部を構成する
と共に、上記安定部の両端を両脚にテーブルの両
脚に支持する一方、安定部を延長しその他端をわ
ずか上方に折曲して、その両端部を連結して椅子
の底部を載置するための受部を形成することによ
り達成される。

（作用） 椅子とテーブルは別体に構成され、同時または
別々に使用される。椅子を収納するときは、椅子
をテーブルの下方に入れる。この時、テーブルの
下方に設けられた収納部のうち、受部はテーブル
の前方に向かつて張出しているため、椅子はその
裏面の少なくとも３点を収納部に接触させること
ができ、かつ受部が上方に持ち上げて構成されて
いるため、椅子は常時わずかにテーブルの内側に
向かつて傾斜した状態で支持されるので、椅子の
収納時には、椅子は収納部に確実に支持されぐら
ついたり、脱落したりせず安定した状態で椅子を
テーブルの下方に収納することができる。また収
納部の両側には安定部が設けられていて、収納さ
れる椅子の脚は安定部に入るため、椅子は天板の
下方の十分な位置で安定して収納される。

そして、テーブルの収納部に載置収納された椅
子は、テーブルと一体になつているため、テーブ
ルを移動すれば容易に椅子の移動を行うことがで
きる。

（実施例） 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第１図は本考案のテーブルの斜視図であつて、第
２図乃至第４図はテーブルのそれぞれ正面図、底
面図、側面図である。

本実施例では、後述のようなバードチエア型の
椅子を収納するバードチエアテーブル１について
説明するが、椅子の形状はバードチエアに限らず
任意に選択できる。

略長方形の天板２の下面に２本の脚３，３を垂
設し、この脚３，３の下端には下面にキヤスター
を取り付けた腕木５，５の両端にそれぞれ設け
る。さらに脚３，３は下端部において補強杆４に
よつて連結されている。

上記テーブルの構成は本考案において、特に限
定するものではなく任意な形式を採用できる。

本実施例で使用される椅子９は通常バードチエ
アと称されるもので、その構成は、背もたれがパ
イ製で低く、後方にやや反るように設けられてい
るため２脚のバードチエアを重ねた際に、下のチ
エアの背もたれが上のチエアの背もたれに当らな
い。また脚は下方に向かつて前後に広がつている
ため、同様に重ねた際に上のチエアの脚が下のチ
エアの脚の上に重なり収納に都合がよいのであ
る。

収納部７は、テーブル１の脚３，３間に架設さ
れる。この収納部７の形状は、収納部７の両端部
を後方に湾曲し、いわゆるＪ字型の安定部７ａ，
７ａを形成し、かつ収納部７の中間部たる受部７
ｃはテーブル１の前方側に張出すように構成し、
前記安定部７ａ，７ａと受部７ｃをフレーム７
ｂ，７ｂで連結してなり、収納部７は全体として
は略コ字状を形成してなる。また両側のフレーム
７ｂ，７ｂの先端をわずかに上方に折曲している
ため、受部７ｃは上方にやや持ち上がつている。

また収納部７は１本の剛性を有する棒状体を曲折
した構造よりなるため、弾性を生じるに至つてい
る。さらに湾曲した安定部７ａの先端の内径はバ
ードチエア９の脚８の太さよりも若干大きめであ
るように構成されている。

次にこのように構成したバードチエアテーブル
１について２脚のバードチエア９，９を収納する
場合の作用について説明する。

まず、２脚のバードチエア９，９を重ねてから
バードチエア９の座席の先端を収納部７の受部７
ｃに載置し、次にバードチエア９の脚８を収納部
７の両側の安定部７ｂ，７ｂに沿つて挿入してい
く。このとき、安定部７ｂ，７ｂの後端が湾曲部
を構成しているため、バードチエア９の脚８は安
定部７ｂ，７ｂの最奥端に当接して安定する。そ
のためテーブル１の移動中に、載置されたバード
チエア９の脚８が安定部７ｂ内でずれることな
く、チエア９が移動中に左右にずれるを防止する
ことができる。

また収納部７の受部７ｃは上方にやや曲折した
構造であり、かつ収納部７全体が一本の剛性棒状
体で作られていて弾性を有しているため、収納部
７に載置されたバードチエア９，９はテーブル１
の移動の際に上に揺れても、その振動が収納部７
によつて吸収されるため、チエア９が収納部７か
らずり落ちる虞れはない。

また該バードチエア９をテーブルの下面に収納
した状態においてはバードチエア９下方に収納し
た状態のままでテーブルだけ使用することも可能
である。

本実施例では、収納部７を脚に固定としたが、
収納する椅子の数によつて収納部７を上下に移動
できるように、例えばノブ付きのボルトで脚に固
設するようにしてもよい。

（考案の効果） 上述の如く、本考案のテーブルによれば、テー
ブルを載置しているスペースに、テーブルと別体
に構成した椅子も同時に収納することができ、椅
子を収納するためのスペースを省略できる。ま
た、収納の後はテーブルと複数の椅子を同時に運
搬することができるので省スペースと省力化を同
時に計ることができるのである。

さらに収納時に脚部がぐらついたり、運搬時等
に振動で椅子が収納部より脱落しないという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は斜視図、第２図は正面図、第３図は底面図、第
４図は右側面図、第５図は使用状態を示す斜視図
である。 １……テーブル、２……天板、３……脚、７…
…収納部、９……椅子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板の下方に、椅子を載置するための収納部を
   剛性の棒状体材質で構成し、この収納部の両端に
   は、収納した椅子の脚を安定させるために湾曲部
   を備えた安定部を構成すると共に、上記安定部の
   両端をテーブルの両脚に支持する一方、安定部を
   延長しその他端をわずか上方に折曲して、その両
   端部を連結して椅子の底部を載置するための受部
   を構成した椅子収納部を有するテーブル。