JPH0239947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液体用容器の再封止可能な注出口部
の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、お酒やジユースなどの液体を収納した紙
容器（例えば、ゲーベルトツプ型の紙容器があ
る）において、注出口には、実公昭58−37828号
公報に示されているように、容器本体から突出し
た状態で取付けられた注出口具をキヤツプで覆つ
てなる注出栓が設けられており、前記注出口具内
の封止フイルムを破つて内容物を注ぎ出すことが
でき、またキヤツプにて再封止できるようにした
構成のものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記した従来の注出栓において
は、上述したように容器本体から突出しているこ
とから、容器の積み重ね時や容器を取扱う際に、
注出栓が他の容器などに接触して注出口部が損傷
し易いという問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記した従来の問題点を考慮してな
されたもので、中央片の下部にヒンジを介して連
続した下端片が容器本体に接着し、かつ中央片の
両側にヒンジを介して連続した翼片を有して容器
本体の注出口を再封止可能に覆う注出口具と、前
記注出口具の翼片それぞれを引き出し自在に格納
する左右のカバー部を有しカバー部間から注出口
具を引き起し可能にしたカバーとを備え、前記カ
バー部それぞれの開口側端縁に、翼片下端に係止
する突条を設けたことから、従来の問題点を解消
するものである。

〔作用〕

本考案においては、容器本体から注出口具を引
き起すことにより容器本体の注出口を開放すると
ともに、引き出した注出口具を樋状にして内容物
が確実に注ぎ出るようにし、また前記注出口具を
注出口側に倒すことによつて注出口が封止され、
この封止時には注出口具が偏平になつて容器本体
から突出しないようになる。

〔実施例〕

つぎに、本考案を第１図から第８図に示す実施
例に基づいて詳細に説明する。

図中１はお酒やジユースなどを収納するゲーベ
ルトツプ型の液体用容器で、この液体用容器１の
上部傾斜面１ａに内容物を注ぎ出す注出口部２が
位置している。

上記注出口部２は、第２図に示すように、上部
傾斜面１ａに位置する注出口１ｂに対応する注出
口具３と、この注出口具３を覆うように上方から
取付けられたカバー４とからなるもので、注出口
具３が対応する注出口１ｂは、破断容易な封止フ
イルム５で容器本体の内方から封止されている。
そして前記注出口具３は柔軟な合成樹脂材から成
形されたもので、長方形状の中央片３０の下部に
ヒンジ３０ａを介して下端片３１を連設するとと
もに、左右両側にヒンジ３０ｂを介して扇状の翼
片３２を連設している。

またカバー４は上記注出口具３の翼片３２に対
応する扇状のカバー部４０をステー部４１を介し
て一対有するとともに、カバー部４０間が中央片
３０に対応する部分が切り欠いた状態で開放され
ていて、カバー４の側端縁４ａと下端縁４ｂが側
方に張り出たフランジとともに上部傾斜面１ａに
接着固定され、カバーまわりがシールされている
のである。そして第３図に示すように、前記カバ
ー部４０と上部傾斜面１ａとの間に翼片の格納部
ａを形成して、翼片を覆うようにして引き出し自
在に格納している。

上記注出口具３の下端片３１は、上部傾斜面１
ａに接着固定されていて、そして中央片３０に対
応するカバー部４０間が開放されていることか
ら、ヒンジ３０ａを中心として中央片３０が揺動
可能となつている。またヒンジ３０ｂを介して連
設された翼片３２それぞれが、カバー部４０内に
引き出し自在に格納されていることから、注出口
具３はカバー４のカバー部４０間を通して引き起
しと押し戻しができるように回動可能に支持され
る。

上記注出口具３を引き起す際、封止フイルム５
が中央片３０に接着されていることから、封止フ
イルム５が破断して注出口１ｂが開放され、容器
本体内の内容物を注ぎ出すことができるととも
に、カバー部４０側から引き出された翼片３２が
中央片３０の両側で起立して注出口具３が樋状を
呈して、確実に内容物を注ぎ出すことができる。
また引き出された注出口具３を押し戻すと、翼片
３２それぞれがカバー部側に格納されるとともに
中央片３０が注出口１ｂを覆い、注出口具３が上
部傾斜面から突出することなく偏平な状態となつ
て再封止する。

上記注出口具３において、翼片３２それぞれの
下縁には、翼片より厚肉の突条３３を備えヒンジ
３０ｃを介して楔形状を呈する基部３４が連設さ
れており、この突条３３がカバー部４０の開口側
端縁に沿つて設けられた突条４２に係止して、注
出口具３の引き起し時に翼片の抜けを防止する。

また基部３４の先端に、側方に突出してなる突
起３５を一体に設け、この突起３５がカバー部４
０の側端縁内方上端に位置する凸部４３に係止す
るようにして、突起３５にても翼片の抜けが防止
できるようにしてよい。

第７図に示すように、カバー部４０の側端縁上
端近傍からステー部側に向けて、また下端近傍か
らステー部側に向けて、前記突条３３が係脱自在
に係合する凹溝４４を設け、注出口具３の引き出
し時（注出口の開時）および押し戻し時（注出口
の未開放時、注出口の閉時）に翼片３２を位置決
めして仮固定し、他の物との接触や不用意な力に
よつて注出口が動かないように設けてもよい。

注出口具３とカバー４とを同一素材（例えばポ
リエチレン）から成形する場合は、第８図に示す
ように、注出口具３の下端片３１とカバー４のス
テー部４１とをヒンジ３０ｄを介して連設して注
出口具３とカバー４とを一体に形成し、前記ヒン
ジ３０ｄで折り合わせて上部傾斜面１ｂに組み付
けるようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、注出口
部は、ヒンジを介して連続した下端片が容器本体
に接着し、両側にヒンジを介して連続した翼片を
有して容器本体の注出口を再封止可能に覆う注出
口具と、この注出口具の翼片を引き出し自在に格
納する左右のカバー部を有しカバー部間から注出
口具を引き起し可能にしたカバーとを備え、カバ
ー部それぞれの開口側端縁に、翼片下端に係止す
る突条を設けたことから、注出口具を引き起すと
いう簡単な操作で注出口が開放され、容器本体か
ら内容物を注ぎ出すことができるとともに、翼片
が位置決め固定されて立ち注出口具が樋状となつ
て内容物を飛散させることなく注ぎ出せる。また
注出口を塞ぐ場合には、注出口具を注出口側に押
し戻すという簡単な操作で注出口が栓の代りとな
つて封止できるとともに、前記注出口具が容器本
体に沿つて偏平となり、容器の取扱いに際して邪
魔にならず損傷を受けることがないなど、実用性
にすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る液体用容器の注出口部構
造の一実施例を示す説明図、第２図は一実施例の
注出口部を分解して示す説明図、第３図は第１図
−線部を断面で示す説明図、第４図は第１図
−線部を断面で示す説明図、第５図は注出口
部の開時を示す説明図、第６図はカバーを裏面側
から示す説明図、第７図はカバーの他の例を裏面
側から示す説明図、第８図は注出口具とカバーと
を一体にした状態を示す説明図である。 １……容器本体、１ｂ……注出口、２……注出
口部、３……注出口具、３０……中央片、３１…
…下端片、３２……翼片、３３……凸条、３４…
…基部、３５……突起、４……カバー、４０……
カバー部、４２……凸条、４３……突起、４４…
…凹溝、５……封止フイルム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中央片の下部にヒンジを介して連続した下端
   片が容器本体に接着し、かつ中央片の両側にヒ
   ンジを介して連続した翼片を有して容器本体の
   注出口を再封止可能に覆う注出口具と、前記注
   出口具の翼片それぞれを引き出し自在に格納す
   る左右のカバー部を有しカバー部間から注出口
   具を引き起し可能にしたカバーとを備え、前記
   カバー部それぞれの開口側端縁に、翼片下端に
   係止する突条を設けたことを特徴とする液体用
   容器の注出口部構造。 (2) 上記注出口具は、容器本体の注出口を覆う破
   断容易な封止フイルムに接着している実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の液体用容器の注
   出口部構造。 (3) 上記翼片は下端側部に突起を有し、該突起
   が、カバー部内方の側周縁上端に係止する実用
   新案登録請求の範囲第１項または第２項のいず
   れかに記載の液体用容器の注出口部構造。 (4) 上記翼片の下端が係脱可能に係合する凹溝
   を、カバー部に設けた実用新案登録請求の範囲
   第１項から第３項のいずれか一項に記載の液体
   用容器の注出口部構造。