JPH0239026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、冷蔵シヨーケース等においてカバー
や扉を閉鎖位置に的確に保持すると共に、該扉の
開放操作時には扉を緩やかに開放駆動する装置に
関するものである。

（従来の技術） 庫本体等の固定枠体に対するカバーや扉の錠止
を手動操作で解くとカバーや扉がバネの弾発力に
よつて自動的に回転して開放される機構は、扉の
開放操作を簡略化する点で好ましいものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この機構では前記バネの弾発力
によつて扉が勢い良く回転するため、冷蔵シヨー
ケース等のように正面開放型の扉であつて錠止手
段が操作者の腰部以下にある場合などには、操作
者の退避が遅れると操作者の手や顔が扉の回動先
端部で打撃される危険がある。

従つて本考案の目的は、バネの弾発力を扉の閉
鎖状態の保持と開放駆動の双方に利用しながら、
扉の開放速度を緩やかに留め、使用上の安全性を
高めた扉開閉装置を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と、本考案の扉開閉装置は固定枠体１に固着され
る本体ケース２と、本体ケース２の長さ方向に沿
つて本体ケース２に固着されたシリンダ３と、シ
リンダ３の先端部３ｂから突出したピストンロツ
ド４と、扉５に固着される可動板６と、本体ケー
ス２の一方端部２ａの長さ方向の案内スロツト７
に摺動自在に嵌挿され、可動板６の基端部６ａを
前記ピストンロツド４の突出先端部４ｂに連結す
る枢軸８と、前記枢軸８に平行な枢軸９によつて
基端部１０ａを本体ケース２の他方の端部２ｂ側
に連結され、先端部１０ｂを前記枢軸８に平行な
枢軸１１によつて可動板６の中間部６ｂに連結さ
れた連動リンク１０と、前記ピストンロツド４の
基端部４ａに固着されたピストン１２と、該ピス
トン１２とシリンダ先端部３ｂ間に挿入され、ピ
ストンロツド４をシリンダ３内へと引込み付勢す
る圧縮コイルバネ１３とから成り、前記ピストン
１２に開口面積の比較的大きな透孔１４と開口面
積の小さな貫通孔又は切欠１５を設け、ピストン
ロツド４がシリンダ３内へ引込まれてピストン１
２がシリンダ３の基端部３ａに接近するとき前記
透孔１４を閉止する一方、ピストン１２がシリン
ダ３の先端部３ｂに接近するとき前記透孔１４を
開放する逆止弁１６をピストン１２に設け、可動
板６を扉５の閉鎖位置に移動させたとき、前記枢
軸１１が前記枢軸８と枢軸９を結ぶ線分を本体ケ
ース２側に越えるものである。

（作用） 第１図に示したように扉５が固定枠体１に当接
した閉鎖位置にあるときには、第４図に示したよ
うにピストンロツド４はシリンダ３から最も突出
した位置にあり、枢軸８は案内スロツト７の再先
端部７ａにある。ピストンン１２はシリンダ３の
中間部付近にあり、圧縮コイルバネ１３は最も圧
縮されている。枢軸１１が前記枢軸８と枢軸９を
結ぶ線分を本体ケース２側に越えた位置にあるた
め、圧縮コイルバネ１３の弾発力は枢軸１１を本
体ケース２側に接近させる方向に作用しており、
扉５は該閉鎖位置に強固に保持されている。

ここで、扉５を少しだけ開放方向に回動させる
と、前記枢軸１１が枢軸８と枢軸９を結ぶ線分を
扉５側に越えた瞬間に、圧縮コイルバネ１３の弾
発力の作用方向は、枢軸１１を扉５側に押し遣る
方向に反転し、扉５は該弾発力によつて自動的に
開放駆動される。

扉５が開放回転するとき、ピストンロツド４が
圧縮コイルバネ１３の弾発力によつてシリンダ３
内に引込まれ、ピストンがシリンダ基端部３ａに
向つて移動するのであるが、このとき前記逆止弁
１６はピストン１２とシリンダ基端部３ａ間の空
間Ａに充満している空気や油等の流体の圧力によ
つて押され、透孔１４を直ちに閉止する。そのた
め、該流体は開放されたままの前記貫通孔又は切
欠１５よりピストン１２とシリンダ先端部３ｂ間
の空間Ｂに流入する。

この貫通孔又は切欠１５の開口面積は小さいも
のであるため、前記流体の単位時間当りの流入量
も当然小さく、ピストンロツド４の退入速度は遅
いものとなる。その結果、ピストンロツド４に連
動した扉５が緩速開放されることになる。

第５図に示したように扉５が全開位置にあると
き扉５を手動操作で閉めると、ピストン１２がシ
リンダ先端部３ｂに向つて移動するのであるが、
このとき前記逆止弁１６は前記空間Ｂに充満して
いる流体圧力によつて押され、透孔１４を直ちに
開放する。そのため、該流体は前記貫通孔又は切
欠１５と透孔１４の双方を通つて前記空間Ａに流
入する。

この透孔１４の開口面積は比較的大きいもので
あるため、前記流体の単位時間当りの流入量も当
然大きく、ピストンロツド４の突出速度は比較的
速いものとなる。そのため、扉５の閉鎖時の流体
による抵抗は小さく留められ、扉５の閉鎖操作が
比較的軽快になされる。

（実施例） 図示の実施例では、シリンダ３は前記枢軸８と
平行な枢軸１７によつて基端部３ａを本体ケース
２に連結されており、扉５の開閉に伴なうピスト
ンロツド４とピストン１２の作動が無理なく円滑
に行なえるようになつている。連動リンク１０は
ベルクランク状に構成したが、これは直線状リン
クであつてもよい。

また、逆止弁１６は球状弁体を透孔１４のテー
パー状内壁面１４ａに着座させるようにしたが、
逆止弁の構造はこれに限定されるものではない。
本例ではピストン１２の外周面の一部を直線的に
切除して切欠１５を設けたが、ピストン１２の本
体部分に透孔１４と平行又は傾斜した小径の貫通
孔を設けてもよい。

（考案の効果） 以上のように構成された本考案の扉開閉装置で
は、圧縮コイルバネ１３の弾発力を扉５の閉鎖状
態の保持と開放駆動の双方に利用しながら、シリ
ンダ３のピストン１２に設けた逆止弁１６付き透
孔１４と貫通孔又は切欠１５の開口面積の差異に
よつて、扉５の開放速度を緩やかに留め、また、
扉５の閉鎖時の抵抗を小さく抑制したものであ
り、使用上の安全性と操作の軽快性に優れている
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は扉閉
鎖状態における扉開閉装置の正面図、第２図は同
扉開閉装置の平面図、第３図は同扉開閉装置の右
側面図、第４図は第２図におけるＡ−Ａ線断面図
である。第５図は扉開放状態における扉開閉装置
の正面図、第６図は前記扉開閉装置に組込んだピ
ストンの左側面図である。 １……固定枠体、２……本体ケース、３……シ
リンダ、４……ピストンロツド、５……扉、６…
…可動板、７……案内スロツト、８，９，１１…
…枢軸、１２……ピストン、１３……圧縮コイル
バネ、１４……透孔、１５……切欠、１６……逆
止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定枠体１に固着される本体ケース２と、本体
   ケース２の長さ方向に沿つて本体ケース２に固着
   されたシリンダ３と、シリンダ３の先端部３ｂか
   ら突出したピストンロツド４と、扉５に固着され
   る可動板６と、本体ケース２の一方端部２ａの長
   さ方向の案内スロツト７に摺動自在に嵌挿され、
   可動板６の基端部６ａを前記ピストンロツド４の
   突出先端部４ｂに連結する枢軸８と、前記枢軸８
   に平行な枢軸９によつて基端部１０ａを本体ケー
   ス２の他方の端部２ｂ側に連結され、先端部１０
   ｂを前記枢軸８に平行な枢軸１１によつて可動板
   ６の中間部６ｂに連結された連動リンク１０と、
   前記ピストンロツド４の基端部４ａに固着された
   ピストン１２と、該ピストン１２とシリンダ先端
   部３ｂ間に挿入され、ピストンロツド４をシリン
   ダ３内へと引込み付勢する圧縮コイルバネ１３と
   から成り、前記ピストン１２に開口面積の比較的
   大きな透孔１４と開口面積の小さな貫通孔又は切
   欠１５を設け、ピストンロツド４がシリンダ３内
   へ引込まれてピストン１２がシリンダ３の基端部
   ３ａに接近するとき前記透孔１４を閉止する一
   方、ピストン１２がシリンダ３の先端部３ｂに接
   近するとき前記透孔１４を開放する逆止弁１６を
   ピストン１２に設け、可動板６を扉５の閉鎖位置
   に移動させたとき、前記枢軸１１が前記枢軸８と
   枢軸９を結ぶ線分を本体ケース２側に越える扉開
   閉装置。