JPH0238362B2 - Sementokeiseikeihinatsushukuseikeisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は上下金型の一方が脱水成形面を有し、
他方が中型とその中型の周囲に中型に対して摺動
自在に設けた型枠を有するセメント系成形品圧縮
成形装置に関するものである。

〔従来の技術〕

かかる装置は例えば特公昭54―20209号公報に
おいて知られている。この装置は真空吸引式で上
型から脱水している。脱水は下型よりするものも
ある。脱水側は通常脱水布に接しているので離型
は比較的良好である。これに対してその反対側の
金型成形面は離型の問題があり、通常離型剤を塗
布する。この方の型は通常型本体と型枠からなつ
ており、型枠は鋳鉄の本体の内周面に焼入鋼の耐
摩耗性ライナーを張設したものを使用し、中型は
これに対応して焼入鋼製のものを使用していた。
しかし成形品の材料が金属繊維等を混入し強度を
持たせるものである場合には、その金属繊維を成
形中成形品において均質に分散させるためには粘
結剤等の使用が必要とされ、これら充填剤を混入
すると材料が通常のものより粘性を増し、また粒
子の細かい材料が使用されることになる。このよ
うな材料を耐摩耗性の高い金属に供給して成型す
る場合、離型が悪いことが判つた。これは粘性が
大きい材料がプレス圧により移動するときに離型
剤を外側へ押やつてしまうからであると考えられ
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

そこで本発明の目的は、粘性の高いセメントモ
ルタル成形品の製造に当り、耐久性がありかつ型
離れが良い高速自動化可能なセメントモルタル成
形品製造装置を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

図面によると、本発明は上型１及び下型の内、
上型１が水切鉄板１６、金鋼１７、脱水布１８か
らなる濾過ユニツト１４を設けた脱水成形面４を
有し、下型が中型２とその中型２の周囲にこれに
対して上下に摺動自在に設けた型枠３を有するセ
メントモルタル成形品製造装置が示されており、
中型２の周囲の少くとも上部に取付用ボルト２７
によつて耐摩耗性ライナー２４を取付け、また型
枠３の内周面にはやはり取付用ボルト２２によつ
て耐摩耗性ライナー１９を取付ける。８は濾過ユ
ニツト１４を通過する水洗用パイプ、１２は搾水
を促進し又離型を助けるために使用する空気の導
入通路、６は真空吸引による圧搾吸引通路、７は
真空吸引用ブロワに連通する圧搾集水管、１５は
濾過ユニツト１４を上型１の周囲に取付けるボル
トである。

〔作用及び効果〕

本発明の装置は、型枠３の内周面と中型２の外
周面の少くとも上部に耐摩耗性、例えば焼入鋼製
のライナー１９，２４をボルト止め等の固定手段
により張設してあるので粘着力の比較的高い材料
を使用しても中型２の成形面の大部分を占める鋳
鉄あるいはダクタイル鋳鉄が表面粗さと析出した
カーボン粒子を持つているため離型剤が材料のプ
レス時の移動により押のけられないで離型性を維
持すると共に、中型６と型枠７の相対的摺動面を
精密加工してその間に間隙をなくせば材料費を比
較的節約しながら耐久性の高いこの種の成形装置
が得られる。

〔実施例〕

本発明のその他の諸特徴を更に詳述する。

上下動するプレスピストン（図示せず）の下端
に設けられた上型１は、中型２とその周囲にピス
トン・シリンダ装置で上下動するようにに摺接さ
れた型枠３からなる下型を垂直方向に整合してい
る。もちろん下型が主に上下動するように基台に
設けたシリンダを上下動するピストンのピストン
ロツドの上端に下型を取付け上型は上下動しない
ような方式も考えられる。上型１の下面すなわち
成形面４にはその全面に縦横に整列分布する搾水
吸引口５を設け、この搾水吸引口５は搾水吸引通
路６を介して集水管７に連通される。この集水管
７は真空ブロワなどの真空源に連結される。搾水
吸引通路６は水洗用パイプ８に連通し常時水洗さ
れる。また上型成形面４には上記搾水吸引口５の
間に、例えば１つ置きに適宜配分された空気供給
口９を設けてもよい。これは例えば２つの搾水吸
引通路６の間に挿入配列して穿設した空気分配通
路１０に接続し、空気導入用電磁弁１１を介して
空気供給源に連結された空気導入通路１２が連結
孔１３によつて該空気分配通路１０と連結し成形
時成形面に空気を供給し、真空吸引させる搾水を
搬送せしめる。

上型１の成形面４は直接成形品に接することな
く、濾過ユニツト１４がその外周縁において取付
ボルト１５によつて成形面４に取付けられてい
る。この濾過ユニツト１４は上から順に水切鉄板
１６、金鋼１７及び脱水布１８から構成されてい
る。水切鉄板１６は場合によつては省くこともで
きる。これら濾過ユニツトは、搾水時の材料の流
出を極度に押える役割を果すものであるが、成形
時結合する上下の型の間の接合面は吸引力を働か
すための空気導入の役割をし、この濾過ユニツト
がかかる空気導入間隙を提供している。そこで、
この濾過ユニツトがかかる役割を十分に果す場合
には、上述の空気供給口９及びこれに関連する空
気分配通路１０等は不要である。

中型２は基台（図示せず）に固定配置され、中
型２の周囲には作動シリンダ（図示せず）に固定
されて上下動する型枠３が摺接して設けられてい
る。そして型枠３の内周面は型枠ライナー９を張
設し型枠３に設けたボルト孔２０とライナー１９
に設けたボルト孔２１に挿入した取付ボルト２２
によつて型枠本体３に固着される。一方中型２は
その外周の全部あるいは少なくともその上部にラ
イナー収容部２３を設け、中型ライナー２４を相
互に整合するボルト孔２５，２６に挿入される取
付ボルト２７によつて固定される。中型２及び型
枠本体３の材料としては鋳鉄あるいはダクタイル
鋳鉄を用い、中型ライナー２４と型枠ライナー１
９は耐摩耗性の焼入鋼製とする。中型２の上面は
鋳鉄の性質である表面の凹凸により離型剤が成形
時に比較的均質に成形面に保持され、材料が粘着
性の場合にも離型剤の均等分配が維持されて離型
効果が害されない。また材料の中に極めてこまか
い微粒の成分があると中型と型枠の摺動面に侵入
し摩耗を激しくする傾向があるが、この部分に耐
摩耗性の材料を使用するので金型全体の寿命が長
くなるし、また取換えもきく。金型全体のコスト
も節減できる。

中型ライナー２４を収容する収容部２３は、中
型の高さの全体に及ぶよりは、下部を残して上半
分あるいは2/3、または3/4程度にする方がライナ
ー２４の中型２への取付けが確実であり、中型下
部の外周面に取付けたライナー２４の外周面すな
わち型枠２のライナー１９に摺接する面よりも内
側に引込めるとこの部分の摩耗も生じないしライ
ナーを内型に正確に位置決めする支持面を提供す
るので好都合である。

ライナーは断面方形の鋼材４本を持つて構成さ
せることができるので製造が極めて簡単である。

添付図面で示す実施例は圧縮成形時に真空吸引
により材料の搾水を行う方式でしかもこの真空吸
引力を成形後の搬送受渡しにも利用できる好適な
実施例であるが、本発明は、従来の単に圧縮のみ
による搾水の方式で下型から搾水する場合にもそ
の上型の成形面にほどこすことができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は、本発明による成形品製造
装置の金型の１実施例を示すもので、第１図は第
２図の―線における断面図、第２図及び第３
図はそれぞれ第１図の―線及び―線にお
ける断面図、第４図は中型の斜視図である。 １……上型、２……中型、３……型枠、１９…
…型枠ライナー、２２……ライナー取付ボルト、
２４……中型ライナー、２７……ライナー取付ボ
ルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下金型の一方が脱水成形面を有し、他方が
   中型とその中型の周囲に中型に対して摺動自在に
   設けた型枠を有するセメント系成形品圧縮成形装
   置において、中型の外周面の少くとも上部に耐摩
   耗性のライナーを設けたことを特徴とする該圧縮
   成形装置。 ２ 中型を鋳鉄又はダクタイル鋳鉄製とし、耐摩
   耗性のライナーを型枠内周面と同様の焼入鋼製と
   したことを特徴とする前記特許請求の範囲第１項
   記載の圧縮成形装置。