JPH0238361B2 - Konkuriitonijiseihinnoshiitokaizaishikipuresuseikeisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、正面部に凹凸模様のある擁壁構築用
ブロツク等のコンクリート二次製品をプレス成形
するのに適したシート介在式プレス成形装置に関
するものである。

（従来の技術） 従来の擁壁構築用ブロツクにおける正面部の模
様形成方法には、二つのブロツクを正面部を接合
して向かい合せに一体成形し、養生硬化後に中央
部より二つに割ることによつて凹凸模様をブロツ
ク正面部に造出するスプリツト方式と、面パレツ
トの表面に所要の模様を彫込むか模様形成用プレ
ートを取付け、正面部用モルタルを盛付けた該面
パレツトを未硬化成型体に被せ、控部コンクリー
トと正面部モルタルを接合一体化する面パレツト
方式がある。

しかしながら、スプリツト方式では機械設備に
多額の投資を要すること、及び割裂時の不良品発
生率が高い点で問題がある。

また、面パレツト方式では、大掛りで高価な割
断機械の設備は必要としないが、工場の日産量に
見合つた多数の模様付き面パレツトを準備しなけ
ればならないと共に、模様形成用型面へのコンク
リートやモルタルの入り込み付着が不可避であ
り、翌日以降に面パレツトを硬化製品から取外し
て再使用するに当つては、付着したコンクリート
やモルタルの除去清掃に多大な労力と手間を必要
とする。

（発明が解決しようとする問題点） プレス板に模様形成用型面を設ければ、工場の
日産量に見合つた多数の模様付き面パレツトを準
備する必要はなくなるが、この方式では前記面パ
レツト方式と同様に、模様形成用型面へのコンク
リート入り込み付着が不可避であり、プレス成形
の度にプレス板に放水等して付着コンクリートを
洗い落す必要がある。

更に本方式では、コンクリートが未硬化の状態
でプレス板を引上げるため、未硬化成型体正面部
のコンクリートがプレス板に付着して引張られ、
製品正面部に予想外に深くて大きな凹み痕跡を残
す恐れがある。

また、本方式では、プレス板の模様形成用型面
がコンクリートを直接押圧するため、模様形成用
型面がコンクリートで摩耗され、プレス板の補修
交換サイクルが短くなつてコストが割高となる。

コンクリートのプレス板への付着を防ぎ、模様
形成用型面の清掃作業を不要とし、成形用型面の
摩滅問題を解決するため、プレス成形時に成形用
型面とコンクリート材料との間にビニールシート
等を介在させることが有効であるが、薄くて柔軟
なシート類を手作業によつて的確かつ迅速にプレ
ス板や型枠開口部に正確に装填することは容易で
なく、シート装填工程の付加はプレス成形全体の
進行を遅延させる恐れがある。

従つて本発明の目的は、プレス板へのシート装
填工程を自動化し、プレス成形全体の進行を遅延
させることなく、所要の模様を付したコンクリー
ト二次製品を能率良く成型できるシート介在式プ
レス成形装置を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と、本発明のコンクリート二次製品のシート介在
式プレス成形装置は、コンクリート材料２が投入
される型枠１と、該型枠１に対して移動し、コン
クリート材料２をプレス成形するプレス板３と、
シート４を載せて型枠１とプレス板３の間で移動
するシート移送手段５と、プレス成形前にシート
４をシート移送手段５からプレス板３の成形用型
面６に吸引するシート吸引手段７とを備え、プレ
ス成形後にシート４の吸引を解除して、シート４
をコンクリート二次製品８のプレス成形面８ａに
残すようにしたものである。

（実施例） 図示の実施例では、成形対象のコンクリート二
次製品８は正面部に凹凸模様を付した擁壁構築用
ブロツクであり、一度に２個ずつプレス成形され
る。機枠９の上部に縦型配置された２本の流体圧
操作シリンダー１０のピストンロツド１１の下端
にはプレス板取付枠１２が固着され、該プレス板
取付枠１２の下面には左右２枚のプレス板３が固
着されている。凹凸模様形成用の成形用型面６は
合成樹脂材料や金属等によつて製作され、プレス
板３の本体部分の下面にボルト等によつて固着さ
れている。

シート移送手段５は、機枠９の中段部に横型配
置された流体圧操作シリンダー１３と、該操作シ
リンダー１３のピストンロツド１４に接続され、
機枠９の中段部の水平レール１５に沿つて走行す
る台車１６と、該台車１６の水平枠４６の端部上
面に上下動自在に装備されたシート載せ台１７
と、シート載せ台１７と固定ベース板１８との間
に装備されたエアリフター１９とで構成されてい
る。

シート載せ台１７に垂直に固着された案内ロツ
ド４２は前記水平枠４６の縦孔４３に挿通され、
その先端には抜け止め円板４４が取付けられてい
る。エアリフター１９は電磁弁３１を介してコン
プレツサー３４に接続された空気バネ袋体で構成
されている。前記操作シリンダー１３は電磁弁５
０を介してエアコンプレツサー３４に接続されて
いる。

シート吸引手段７は、プレス板３と成型用型面
６を上下に貫通した透孔２０と、該透孔２０の上
面開口部４７に電磁弁５１を介して接続された真
空ポンプ２１とで構成されている。この真空ポン
プ２１は成型装置の運転中、連続回転している。

プレス板取付枠１２には振動機２２が装備さ
れ、機枠９の下部には型枠振動用モータ２３が装
備され、型枠１の左右両側には振動機２４が装備
されている。機枠９の上部には、水平枠４６の上
面に転接して台車１６の浮き上がりや傾斜を押え
る案内ローラ２５が装備されている。

型枠１の上面開口部に対して水平方向に進退す
る移動ホツパー２７の前面板には、電磁弁４８を
介して水中ポンプ４９に接続されたシヤワー型散
水器２８が装備されている。

（作用） 製品８より剥離可能なビニールシート等のシー
ト４は、複数枚重ねてシート載せ台１７に載せら
れ、舞上がり落下しない程度に額縁状の長方形押
え枠体２６でシート載せ台１７に押え付けられて
いる。プレス板３の成形用型面６には、前回の成
形サイイクルでシート４が１枚既に吸着保持され
ている。

ここで、本成形装置の操作ボタンを押すと、移
動ホツパー２７が型枠１の上面空間に前進し、振
動機２４による型枠振動が開始される。タイマー
で型枠振動を停止した後、移動ホツパー２７が待
機位置へと後退する。この移動ホツパー２７の後
退開始と同時に前記電磁弁４８が開放作動し、型
枠１内に投入されているコンクリート材料２に対
して散水器２８からシヤワー状に散水が開始され
る。

移動ホツパーの後退端直前のリミツトスイツチ
２９によつて電磁弁４８が閉止作動して散水が停
止され、その後、移動ホツパーの後退端のリミツ
トスイツチ３０によつて移動ホツパー２７の後退
が終了する。ここで、プレス板３が操作シリンダ
ー１０に駆動されて下降し、振動機２２によるプ
レス板振動が開始される。プレス板３が下降し切
つてから、振動機２４による型枠振動が再開さ
れ、これと同時に、成型用型面６へのシート４の
吸引を中止するため前記電磁弁５１が開放され
る。

タイマーで型枠振動を停止し、プレス板３が操
作シリンダー１０の逆作動によつて上昇する。こ
のとき、シート４はプレス板３の成形用型面６か
ら離れ、未硬化成形体の上面に残される。プレス
板３の上昇途中又は上昇端で次回のシート吸引の
ため電磁弁５１が作動し、シート移送手段５の到
来を待つ。プレス板３の上昇後、手作業又は自動
装填手段によつて面パレツト３２が型枠１に装填
される。

ここで成形装置の操作ボタンを押すと、前記電
磁弁５０が開放してシート移送手段５の台車１６
が操作シリンダー１３に駆動されて前進し、シー
ト載せ台１７がプレス板３の下方空間に到来す
る。このときリミツトスイツチ３３が押されるた
め、前記電磁弁３１が開放してエアリフター１９
の空気袋内に圧搾空気が送り込まれ、シート載せ
台１７が台車１６の水平枠４６から上昇して、最
上層のシート４がプレス板３の成形用型面６に押
付けられ又は成形用型面６に近接した位置に来
る。そして、前記真空ポンプ２１の吸引作用によ
つて最上層のシート４は成型用型面６に吸着保持
される。

吸引確認用圧力スイツチ３５が作動してから、
エアリフター１９が大気に開放され、シート載せ
台１７が自重下降して、内部の空気が放出され
る。このようにしてシート４をプレス板３に搬送
した後、台車１６は操作シリンダー１３の逆作動
によつて待機位置へ後退し、台車後退端リミツト
スイツチ３６を押して１サイクルを完了する。

他方、上記操作ボタンを押すことによつて、型
枠１の上端隅部に装備した小型の流体圧操作シリ
ンダー３７が作動し、ピストンロツドの先端で面
パレツト３２が型枠１に固定保持される。その後
型枠１が反転操作され、機枠９の下部からエレベ
ータ３８が上昇して来る。該エレベータ３８で面
パレツト３２を支持してから、脱型振動を行な
い、前記操作シリンダー３７による面パレツト３
２の拘束を解く。

その後、エレベータ３８が下降して、製品８が
型枠１から脱型され、エレベータの下降端リミツ
トスイツチ３９が作動する。これによつてオート
プツシヤー４０が作動して、面パレツト３２に支
持された製品８が成形装置から搬出用コンベヤ４
１に押し出され、また、型枠１がコクリート材料
投入位置へと正転する。そして、オートプツシヤ
ー４０が戻つて１サイクルが完了する。

製品の正面部８ａに付着しているシート４は、
必要に応じて出荷時や施行後等、どの段階で剥が
してもよく、シート４の引き剥がし時期を施工後
又は完工検査後とすれば、その間の製品表面の汚
損や退色、変色等を的確に防止できる。

尚、本実施例では、移動ホツパーが前進してコ
ンクリート材料が投入される前の段階でシートが
プレス板に吸引保持されていたが、これとは違え
て、多少能率は低下しても、コンクリート材料を
型枠に投入した後であつて、プレス板がプレス成
形位置に下降する前の段階でシートをプレス板に
吸引保持するようにしてもよい。

上記実施例では、シート載せ台１７は水平方向
に直線移動してから、プレス板３へと直線的に上
昇移動したが、これとは違えてシート載せ台を水
平面内で旋回するアームの先端部に装備し、該ア
ームの回転によつてシート載せ台がプレス板に下
方に来たとき、シート載せ台を直線的に上昇移動
させることもできる。また、垂直面内で回転する
アームの先端部にシート載せ台を装備し、シート
載せ台がプレス板の真下に来るまでアームを旋回
させてもよい。シート載せ台の上昇移動や旋回移
動は、最低限、真空ポンプ２１で造出される負圧
が作用する範囲内に最上層のシート４が位置する
ようにすれば足り、シート４が成形用型面６に密
着する位置まで来させなくてもよい。そのため、
前記水平回転式アームを用いる場合、最後のシー
ト載せ台の直線的上昇移動を省略することもでき
る。

本発明は、１個取り型の装置でも、また、複数
個取り型の装置でも適用でき、成形個数には限定
がないが、上記実施例のように各シート載せ台を
空気バネ等の上昇駆動手段によつて別個独立的に
上昇させると、シートの積層枚数に差があつて
も、各シート載せ台からのシートの吸引が的確に
なされる。

（発明の効果） 以上のように本発明のプレス成形装置は、シー
ト４を載せて型枠１とプレス板３の間で移動する
シート移送手段５と、プレス成形前にシート４を
該シート移送手段５からプレス板３の成形用型面
６に吸引し、プレス成形後にシート４の吸引を解
除してシート４をコンクリート二次製品８のプレ
ス成形面８ａに残すシート吸引手段７を備えてい
るので、本成形装置では、コンクリート材料２と
プレス板３の成形用型面６とが直に接触すること
がなく、コンクリート材料２は成形用型面６との
間にシート４を介在させた状態でプレス成形され
る。

そのため、成形用型面６へのコンクリートの入
り込み付着はシート４によつて確実に阻止され、
プレス板３の毎回の清掃作業が全く不要であり、
労力コストの大幅な節減が可能である。また、プ
レス板３の成形用型面６がシート４で被覆防護さ
れているため、コンクリートによる成形用型面６
の摩耗が回避され、プレス板の補修交換のサイク
ルを長くすることができ、この面でもコスト節減
が可能である。

特に本発明の成形装置では、シートの装着作業
が機械化され、前記シート移送手段５とシート吸
引手段シート吸引手段７によつて自動的に行なわ
れるため、手作業で型枠やプレス板に装填するの
と異なり、作業能率が良く全成形工程を滞りなく
円滑に進められる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例に係るコンクリート二
次製品のプレス成形装置を示し、第１図は該成形
装置の概略的な正面図、第２図は該成形装置の概
略的な左側面図である。第３図は該成形装置のシ
ート載せ台部分の拡大縦断面図、第４図は該成形
装置のプレス板部分の拡大縦断面図である。第５
図は該成形装置のシート吸引手段の回路図、第６
図は該成形装置の散水器の回路図、第７図は該成
形装置のシート移送手段の回路図である。第８図
は該成形装置の移動ホツパーと型枠部分の概略断
面図、第９図は該成形装置で成型された製品の縦
断面図である。 １……型枠、２……コンクリート材料、３……
プレス板、４……シート、５……シート移送手
段、６……成形用型面、７……シート吸引手段、
８……コンクリート二次製品、９……機枠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コンクリート材料２が投入される型枠１と、
   該型枠１に対して移動し、コンクリート材料２を
   プレス成形するプレス板３と、シート４を載せて
   型枠１とプレス板３の間で移動するシート移送手
   段５と、プレス成形前にシート４をシート移送手
   段５からプレス板３の成形用型面６に吸引するシ
   ート吸引手段７とを備え、プレス成形後にシート
   ４の吸引を解除して、シート４をコンクリート二
   次製品８のプレス成形面８ａに残すようにした、
   コンクリート二次製品のシート介在式プレス成形
   装置。