JPH0237959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜考案の利用分野＞ この考案は、例えば原子力発電所の建設におけ
るように多量のコンクリートを広範囲に搬送打設
するために使用する伸縮ブーム式コンベヤ装置に
関するものである。

＜従来の技術＞ 一般に、コンクリート構造物の建設に使用する
コンクリート打設設備として、コンクリートポン
プ車によるホース圧送、シユートによる流し込
み、タワークレーンを用いたバケツト搬送、タワ
ークレーンを用いたポンプ車によるホース圧送等
が知られているが、いずれも大規模な設備費を要
したり、打設するコンクリートが高スランプ、富
配合の高価なものに限定されたり、また施工面に
おいて圧送ホースの閉塞や施工速度が遅いなどの
問題があり、相当の工期、工費を要しているのが
現状である。

そこで、従来油圧シリンダ等により伸縮するテ
レスコピツク構造の伸縮ブームを移動車両に旋回
及び俯抑自在に設置し、伸縮ブームのブームフレ
ーム上に固定コンベヤ及びこれに対してスライド
自在な移動コンベヤを設置し、伸縮ブームの伸縮
に応じて移動コンベヤを前後に進退させるように
したコンベヤ装置も知られている。

しかしながら、上記従来のコンベヤ装置では別
個の固定及び移動コンベヤ装置とそれぞれの駆動
装置及び移動コンベヤの複雑な移動走行機構を要
すると共に、伸縮ブームを作動する複数のシリン
ダ等を要し、全体的に構造及び操作が極めて複雑
で、高価なものとならざるを得ない等の問題があ
つた。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案は前記従来の課題を解決するために、
低スランプで貧配合の安価なコンクリートでも搬
送打設できると共に、広範囲な現場に機動性を持
つて迅速に搬送打設可能な伸縮ブーム式コンベヤ
装置、特に伸縮ブームの伸縮に伴つて伸縮自在と
した無端ベルトコンベヤを備え、しかもチエーン
及びワイヤーロープによる簡単かつ安価な伸縮作
動機構で確実な作動を期待できる装置を提案する
ものである。

＜実施例＞ 以下この考案を図面に示す実施例について説明
すると、移動車両１にはモータ等の駆動装置によ
り旋回するカウンターウエイト付き旋回台２が設
けられ、これにブラケツト３を支点としてシリン
ダ４により俯仰作動する伸縮ブーム５が設置され
ている。

伸縮ブーム５は、第１図に示す三段式等多段テ
レスコピツク構造の先端乃至後端ブームフレーム
５ａ，５ｂ，５ｃを伸縮自在に連結して成り、各
ブームフレーム５ａ，５ｂ，５ｃには無端コンベ
ヤベルト６がブーム５の伸縮に伴つて伸縮自在に
一連に連結配置されている。

即ち、第２図に示すように先端ブームフレーム
５ａには、その先端にヘツドプーリ７及び後端下
部にベンドプーリ８が設けられ、また中間ブーム
フレーム５ｂにはその前後端下部にベンドプーリ
９，１０が設けられ、更に後端ブームフレーム５
ｃにはその先端下部にベンドプーリ１１及び後端
にモータにより回転駆動するテールプーリ１２が
設けられ、コンベヤベルト６はその前後部をヘツ
ドプーリ７及びテールプーリ１２に巻掛けてその
上側走行部をコンクリート搬送面とし、下側走行
部は順次各ベンドプーリ８，９，１０，１１にジ
グザグ状に一連に巻掛けて伸縮作動機構を構成し
ている。

従つて、伸縮ブーム５が第２，３図のように伸
縮すると、コンベヤベルト６はこれに伴つてその
上側走行部が伸張収縮する長さに逆比例して下側
走行部の各ベンドプーリ８，９間及び１０，１１
間の長さを収縮伸張し、緊張状態を保持しながら
伸縮できるようになつている。

伸縮ブーム５には、第４図に示すワイヤーロー
プ等からなる作動索１３，１３′及びチエーン１
５による伸縮作動機構が構成されている。

作動索１３はチエーン１５と共に伸縮ブーム５
を伸縮作動するもので、その先端を先端ブームフ
レーム５ａの後端部に連結し、その中間部分を中
間ブームフレーム５ｂの先端部に設けたシーブ１
６に屈曲状に巻掛け、後端を後端ブームフレーム
５ｃの適当な部分に連結して張設されている。

チエーン１５は中間ブームフレーム５ｂの前後
端部に両端を連結し、その中間部分を後端ブーム
フレーム５ｃに回転自在に設けた左右一対の従動
スプロケツト１７，１７及びこれらの間の下方に
おいてモータにより左右に駆動回転する送り用駆
動スプロケツト１８にＵ型状を成して巻掛けられ
ている。

作動索１３′はチエーン１５と共に伸縮ブーム
５を伸縮作動するもので、その先端を先端ブーム
フレーム５ａの後端部に連結し、その中間部分を
中間ブームフレーム５ｂの後端部に設けたシーブ
１６′に屈曲状に巻掛け、後端を後端ブームフレ
ーム５ｃの適当な部分に連結して張設されてい
る。

先端ブームフレーム５ａの先端にはトレミーホ
ツパー２２が取付けられている。

＜考案の作用＞ 以上の構成において、いま伸縮ブーム５を伸張
作動させるときは、駆動スプロケツト１８を第４
図において右回転させると、チエーン１５は順次
先端方向に送り出され、これによつて中間ブーム
フレーム５ｂは先端方向に前進する。この前進に
伴つて作動索１３はシーブ１６を介してしごき出
され、これによつて先端ブームフレーム５ａはそ
の後端部を中間ブームフレーム５ｂの先端方向に
引寄せられて順次前進する。このとき、作動索１
３′は作動索１３と反対のしごかれ方をするため
伸縮ブーム５全体が伸張される。

また、逆に伸縮ブーム５を収縮作動するとき
は、駆動スプロケツト１８を第４図おいて左回転
させると、チエーン１５は順次後方向に送り出さ
れ、これによつて中間ブームフレーム５ｂは後端
方向に後進する。この後進に伴つて作動索１３′
はシーブ１６′を介して後進方向にしごき出され、
これによつて先端ブームフレーム５ａは、その後
端部を中間ブームフレーム５ｂの後端方向に引寄
せられて順次後進する。このとき作動索１３は、
作動索１３′と反対のしごかれ方をするので、伸
縮ブーム５全体が収縮される。

そして、伸縮ブーム５の伸縮に応じて無端コン
ベヤベルト６は自動的に伸縮し、伸縮ブーム５の
伸縮長さに拘りなく緊張状態を保つて円滑に回転
駆動させることができる。

＜考案の効果＞ 以上の通りこの考案によれば、複数のブームフ
レームをテレスコピツク構造に連結してなる伸縮
ブームを移動車両上に旋回及び俯仰自在に設置
し、前記先端ブームフレームの先端部及び後端ブ
ームフレームの後端部に設けたプーリに無端コン
ベヤベルトの前後端を巻掛け、前記無端コンベヤ
ベルトの下側走行部を各ブームフレームの後端部
及び先端部に先端部に設けたベンドプーリにジグ
ザグ状に巻掛けてなるので、ブームフレームの設
置数に拘らず一基のベルトコンベヤとして極めて
単純な一体構造とすることができ、しかも伸縮ブ
ームの伸縮に応じて一連のコンベヤを任意の長さ
に自動的に伸縮させて一体に回転駆動させること
ができる。

また、先端ブームフレームの後端部及び後端ブ
ームフレームに両端を連結した作動索を中間ブー
ムフレームの先端に設けたシーブに屈曲状に巻掛
け、前記中間ブームフレーム前後端に両端を連結
したチエーンの中間部を後端ブームフレームに設
けた送り用駆動スプロケツトに巻掛け、又、先端
ブームフレームの後端部及び後端ブームフレーム
に両端を連結した作動索を中間ブームフレームの
後端に設けたシーブに屈曲状に巻掛けてなるので
極めて単純な伸縮機構で安価な構造とすることが
でき、しかも送り用駆動スプロケツトを回転させ
る単純な操作で伸縮ブームを円滑かつ確実に伸縮
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す側面図、第２
図及び第３図はこの考案に係るコンベヤベルトの
構成並びに伸縮作動状態を示す概略側面図、第４
図はこの考案に係る伸縮ブームの構成並びに伸縮
作動状態を示す概略側面図である。 １……移動車両、５……伸縮ブーム、５ａ，５
ｂ，５ｃ……ブームフレーム、６……無端コンベ
ヤベルト、７〜１２……プーリ、１３，１３′…
…作動索、１５……チエーン、１６，１６′……
シーブ、１８……送り用駆動スプロケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のブームフレームをテレスコピツク構造に
   連結してなる伸縮ブームを移動車両上に旋回及び
   俯抑自在に設置し、前記先端ブームフレームの先
   端部及び後端ブームフレームの後端部に設けたプ
   ーリに無端コンベヤベルトの前後端を巻掛け、前
   記無端コンベヤベルトの下側走行部を各ブームフ
   レームの後端部及び先端部に設けたベンドプーリ
   にジグザグ状に巻掛けると共に、前記先端ブーム
   フレームの後端部及び後端ブームフレームに両端
   を連結した作動索を中間ブームフレームの先端に
   設けたシーブに屈曲状に巻掛け、前記中間ブーム
   フレーム前後端に両端を連結したチエーンの中間
   部を後端ブームフレームに設けた送り用駆動スプ
   ロケツトに巻掛け、前記先端ブームフレームの後
   端部及び後端ブームフレームに両端を連結した作
   動索を中間ブームフレームの後端に設けたシーブ
   に屈曲状に巻掛けてなることを特徴とするコンク
   リート搬送用伸縮ブーム式コンベヤ装置。