JPH0237439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、暖房便座又はそのコントロールボツ
クス等を便器の後部上面へ取り付けるためのボル
トへ暖房便座等のコードを導入するようにした技
術に関するものである。

〔従来の技術〕

最近の便器には、第５図及び第６図に示す如
く、便座１の内部へヒータ２を配置して使用時に
身体が冷えるのを防止するようにした暖房便座を
備えたものや、使用後に人体の局部を温水で洗浄
するようにした洗浄装置（図示せず）を備えたも
の、更には温風を吹き出して洗浄後の局部を乾燥
させるようにしたもの等がある。なお、第５図の
暖房便座１を備えた便器４は、コントロールボツ
クス３を便器４の後部上面へ載置固定し、該ボツ
クス３へ暖房便座１及び便蓋５を回動自在に枢着
支持すると共に、ボツクス３内へヒータ２の制御
機構（図示せず）を組み込んでいる。また第６図
の暖房便座１を備えた便器６は、便座内のヒータ
２をトイレ室壁面７等へ取り付けた制御装置８に
よつて制御するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、前記最近の便器４及び６等にあつて
は、暖房便座１のヒータ２へ電流を流すためのコ
ード９が、コントロールボツクス３及び暖房便座
１の側面等から直接露出している。特に暖房便座
１及びコントロールボツクス３等の部分は、ヒー
タ２等の制御を行う必要上、便器使用者が注意深
く見るところであり、前述の如く、コード９が暖
房便座１等から直接露出すると外観上の見栄えが
非常に悪いという印象を与える欠点があつた。ま
たコード９の露出状態が暖房便座１等の側面から
出ているので、露出部分のコード９が水平横方向
へ伸びて湾曲し、その撓み代（空中での撓み代）
が大きくなる。このため、トイレ室等の掃除を行
う場合等に邪魔になつたり、コード９を引掛けて
該コード９を損傷させたり、コンセントを引き抜
いたりする等の事故があつた。これは、洗浄装置
を備えた便器及び乾燥装置を備えた便器のコード
であつても同じである。

〔考案の目的〕

本考案は従来の便器の前記欠点に鑑みてこれを
改良除去したものであつて、暖房便座及びコント
ロールボツクス等から直接コードが露出すること
のない便器構造とすることのできる便器へのコー
ドの導入ボルトを提供せんとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決する本考案の要旨は、暖房便
座又はそのコントロールボツクス等を便器の後部
上面へ取り付けるためのボルトであつて、ボルト
の内部に軸方向へ貫通する孔を形成し、暖房便座
のヒータ又はコントロールボツクス内に装着され
た洗浄装置等のコードを前記ボルトの貫通孔へ挿
通して便器後部の側方寄り下面へ引き出すことを
特徴とする便器へのコードの導入ボルトである。

〔作用〕

第１図乃至第４図の実施例で明らかな如く、コ
ントロールボツクス１５を便器２０の後部上面２
０ｂへ載置固定するためのボルト１１の貫通孔１
２へ暖房便座２２等のヒータ１８のコード１９を
挿通し、該コード１９を便器後部の側方寄り下面
から引き出している。このコード１９の露出する
部分は、便器使用者の注意の届かない所であるの
で、外観上の見栄えが悪いという印象を与えるこ
とはない。またコード１９の露出状態が、便器後
部の側方寄り下面から直接トイレ室床面へ伸びて
おり、便器２０の側面及びトイレ室床面に沿わせ
てコンセント等の電源で接続することが可能であ
る。すなわち、コード１９が空中で側方に撓んだ
状態とつて清掃作業者等の障害となることはな
い。

以下に本考案の構成を図面に示す実施例に基づ
いて説明すると次の通りである。

〔実施例〕

第１図は本考案に係るボルト１１の半縦断面
図、第２図は同平面図である。同図に示す如く、
このボルト１１の内部には軸方向へ貫通する孔１
２が形成されており、また上端面１１ａよりやや
下の位置には平面視した状態で四角形の鍔１３が
形成されている。１４は前記鍔１３の下部側外周
面に刻設された螺子部である。

第３図はコントロールボツクス１５を備えた暖
房便座２２へ、前記ボルト１１を適用した場合の
一部縦断面側面図である。ボルト１１は、先ず第
４図に示す如く、暖房便座２２内に取り付けられ
たヒータ１８等のコード１９の一端側をボルト１
１の貫通孔１２へ挿通して使用される。そして、
挿通したコード１９の先端側をコントロールボツ
クス１５の底板１６に形成した取付孔１７よりコ
ントロールボツクス１５内へ導入する。尚、コー
ド１９はこの実施例の場合、コントロールボツク
ス１５内でコネクタ１９ａ及び１９ｂにより暖房
便座２２側のヒータ１８と接続されており、ヒー
タ１８を制御器（図示せず）を介して電気的に接
続している。然る後は、前記取付孔１７の広い挿
入部１７ａへボルト１１の鍔１３を嵌め込み、鍔
１３の下面が底板１６の上面を通過した状態でボ
ルト１１を幅の狭い固定部１７ｂへ移動させる。
そしてこの位置で便器２０の後部載置台部２０ａ
に形成したボツクス固定用の孔２３へ前記ボルト
１１の螺子部１４を挿通する。最後に、前記載置
台部２０ａの下面側からナツト２１をボルト１１
の螺子部１４へ螺合させ、コントロールボツクス
１５を便器後部の載置台部上面２０ｂへ固定すれ
ばよい。尚、第３図及び第４図において、２４は
便蓋、２５は洗浄水貯溜用のタンクである。

このようなコード１９のコントロールボツクス
１５への導入構造であれば、ボルト１１の下端面
１１ｂからコード１９がが露出することになり、
第５図及び第６図に示す従来例のように暖房便座
１やコントロールボツクス３の側面側からコード
が露出することはない。前記コード１９が露出す
る位置は、便器後部に形成した載置台部２０ａの
下面側という便器使用者にとつて最も見え難い場
所である。従つて、便器使用に際し、前記コード
１９が見えることはなく、コントロールボツクス
１５及び暖房便座２２の見栄えが良くなることは
勿論、便器全体としての見栄えも良い。しかも、
コード１９の露出状態は、コード１９を便器２０
の側面に沿つてトイレ室床面へ案内することがで
きるものであり、従来のように水平横方向へ突出
して空中での撓み代が大きくなるということはな
い。更にはコード１９を便器側面の下部からトイ
レ室床面に沿つてコンセント等へ接続することが
可能である。従つて、清掃作業者等が手等に引つ
掛けてコード１９を損傷させたり、コンセントを
引き抜いたりする等のことはない。

ところで、本考案は前述の実施例に限定される
ものではなく、適宜の変更が可能である。例え
ば、暖房便座２２及び便蓋２４はコントロールボ
ツクス１５へ取り付けるようにしたが、コントロ
ールボツクス１５を省略し、ボルト１１を介して
便器２０の後部上面２０ｂへ直接取り付けるよう
にすることも可能である。また前記コード１９
は、人体の局部洗浄装置や温風乾燥装置等のもの
であつてもよいことは当然である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案にあつては、暖房便
座及びコントロールボツクス等から直接コードの
露出がなく、便器使用者にとつて最も見え難い場
所の一つであるところの便器後部の側方寄り下面
から露出している。しかも、コードの露出状態が
トイレ室床面へ真つ直ぐに伸びていることから、
コードを便器の側面に沿わせて配線することが可
能であり、結果として暖房便座やコントロールボ
ツクスの見栄え及び便器全体としての見栄えが良
い。また前記コードが従来のように水平横方向へ
突出して大きく撓むことがないので、トイレ室清
掃作業者等の障害となることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例に係るもの
であり、第１図はボルトの半縦断面図、第２図は
ボルトの平面図、第３図は暖房便座を便器へ取り
付けた状態を示す一部断面側面図、第４図は暖房
便座を底面から見た斜視図、第５図は従来例を示
す便器の斜視図、第６図は他の従来例を示す便器
の側面図である。 ２２……暖房便座、２０……便器、１５……コ
ントロールボツクス、２０ｂ……後部上面、１１
……ボルト、１２……貫通孔、１９……コード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 暖房便座又はそのコントロールボツクス等を便
   器の後部上面へ取り付けるためのボルトであつ
   て、ボルトの内部に軸方向へ貫通する孔を形成
   し、暖房便座のヒータ又はコントロールボツクス
   内に装着された洗浄装置等のコードを前記ボルト
   の貫通孔へ挿通して便器後部の側方寄り下面へ引
   き出すことを特徴とする便器へのコードの導入ボ
   ルト。