JPH0236724B2 - Yukinoryusohaishutsusochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はとくに豪雪地域において設備使用する
ジエツト噴射流体力による雪の流送排出装置に関
する。

〔従来の技術〕

排雪又は除雪手段として一般的に実施されてい
る道具としては、スコツプ等の手道具、シヨベ
ル、ロータリーブロワー等の機械装置、流送に適
した勾配のある流雪溝に大量の水を流しながら雪
を投入して流送する設備等があり、更には特定の
市街地域から貯雪場へのトラツク輸送、温水、融
雪剤等を使用した融雪手段等が実施されている。
又雪と水とを混ぜてこれを回転動若しくは往復動
ポンプで輸送する水力輸送が提案され研究もされ
ているようであるが、実用化には程遠い現状であ
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

スコツプ、シヨベル等を用いた手段では、排雪
量が極めて少なく豪雪地域においては狭い生活圏
の確保すら充分に出来ないし、トラツク等を用い
る輸送手段では輸送通路の確保が困難であるうえ
に連続的排雪ができないため、前者に比べれば排
雪若しくは除雪量は多いが、経済的効率の面で効
果的な排雪手段とは言い難いものである。又流雪
溝を使用する手段では、大量の水を必要とすると
共に流雪のための大きな勾配を取らなければなら
ないことから、下水管等の既設のものの使用がで
きず、従つて回転動ポンプ等を用いて高所へ上げ
たものを自然流下させることの繰り返しにより流
送距離を確保しなければならず、その設備費は膨
大となり、どこででもこの流雪手段が採用できな
い欠点がある。更に又、雪と水とを混ぜて回転動
ポンプ等の一次ポンプでもつて流送する未完成の
手段は、ポンプの羽根への雪塊の付着や雪中に含
まれる土石類、ビニール袋、紐等の引つ掛かり、
ポンプ輸送効率を低下させるのみでなく、前記物
により詰まりを生じて運転不可能となる他、雪水
混相流内において雪塊相互が付着結合して大きく
成長してこれが詰まりの原因ともなり、実用性の
面で不十分なものであつた。

本発明は、水を利用する点で、提案されている
雪と水とを混合流送のものと基本的に共通する
も、一次ポンプを直接使用することなく、従つて
羽根への雪の付着とゴミの絡みもなく又流送管路
内での雪塊相互の結合固化等を生じることなく極
めて経済的且つ効率的な排雪ができる雪の流送排
出装置を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

水を利用して雪を流送排出するものにおいて、
プランジヤーポンプ等の高圧水供給源に配管接続
されたジエツト噴射部の水ジエツト用ノズルを、
大気に開放された集雪容部の空間部を挟んで流送
通路管の始端部に対峙させ、搬送機器若しくは粉
砕移送機器等により排出すべき雪を集雪容部内の
前記対峙間へ直接供給するようにしたことを特徴
とする雪の流送排出装置を要旨としている。

〔実施例〕

第１図はベルトコンベヤー６を排出すべき雪の
搬送機器として用いたものであつて、集雪容部１
は、ホツパー２の底部に雪供給用空間３を形成し
た構成となつている。また、水ジエツト用ノズル
４はその先端が前記雪供給用空間３内へ臨出して
おり、流送管通路５の始端部も同様に雪供給用空
間３内へ突出して、その対峙間が雪供給口部とな
るよう構成されている。この対峙間は、水ジエツ
ト用ノズル４の先端が流送管通路５の始端部内へ
臨出する場合には形成されないが、この場合に
は、流送管通路５の始端部をラツパ状にして、水
ジエツト用ノズル４の先端部周囲に雪供給用空間
３を形成する必要がある。Ｐは高圧水供給源を示
す。（以下同じ） 第２図はロータリーブロワー７と結合させた例
であつて、ロータリーブロワー７の排出口８の延
長線上に、集雪容部１の側壁９を横たわらせ、前
記ブロワー７により粉砕して吹き飛ばされた雪を
前記側壁９に衝突させて集雪容部１内へ落下させ
るようにした構造であつて、水ジエツト用ノズル
４と流送管通路５の始端部との関係は第１図の実
施例と同じである。なお、ロータリーブロワー７
への雪の供給は、コンベヤーベルト、スクリユー
コンベヤー、トラツク、パワーシヨベル等により
おこなう。図面ではスクリユーコンベヤーを示し
ている。又流送管通路５の途中には、逆流用のス
トツプバルブ１４や逆流用ジエツト１５及び流送
補助ジエツト１６を介在させている。

第３図は水ジエツト用ノズル４と流送管通路５
の始端部との対峙を、溝１０の対向側壁間におい
て行い、水ジエツト用ノズル４を負圧作用による
空気導入構成を具備した混気用ジエツトノズル４
１と通常ジエツトノズル４２を同一軸線上に配し
た構造のものを示している。

この場合、溝１０は既設の流雪溝を利用するこ
とがこのましく、溝１０への雪の供給は傾斜面等
を利用すると共に該傾斜面から溝に至る間でジエ
ツト水又は一次ポンプ装置等で生ずる熱気のジエ
ツト１１を噴射する場合もある。

第４図は第２図の装置を小型化して家庭に常備
できるようにしたものであつて、自走ロータリー
ブロワー７１の排出口８２に左右首振りを許容す
る蛇腹管１２を介して流送管通路５に相当する放
出筒５１の始端部を結合すると共に、この放出筒
５１の中心へ向けて水ジエツト用ノズル４を装備
させ、放出筒５１の径方向左右と自走ロータリー
ブロワー７１の本体とを、油圧伸長する二本のシ
リンダー１３でもつて結合した構成である。これ
は二本のシリンダーの伸長量によつて、放出筒５
１の先端を上下方向又は左右方向に動かし、通常
のロータリーブロワーでもつて吹き飛ばし処理よ
り遠く広い面積上へ排雪処理するのに適してい
る。

尚、流送管通路５が、吐出方向に往くにつれて
順次大口径管とした段設構造として流送効果を高
めたり、チユーブ膨張構造のチユーブジヨイント
を用いて流送管通路５の長短の設定を行う構造を
付加する場合もある。

又水ジエツト用ノズル４の中心は、流送管通路
５始端部の吐出方向中心に一致させることが好ま
しく、必要に応じて中心ジエツトの周囲に或いは
周囲のみに補助ジエツトを噴射する構成として、
粉砕機能を分担させると良い。更に、供給する流
送管通路５の一部又は全部を屈曲自在管とするこ
とが排雪場所の任意選択を容易にする上で最適で
ある。さらに又、高圧の水ジエツト用ノズル４は
流送管通路５の所定位置において吐出方向に噴射
分力を有する角度で取りつける場合もあり、ま
た、高圧の水ジエツト用ノズル４が、流送管通路
５中心の周囲であつて且つ流送管内壁面に沿う円
周複数個である場合もあり、これらは、流送管通
路５の材質、口径、距離等により決定されるもの
とする。又各実施例に示した構成は、部分的に他
の実施例の構成に適宜組合わせて使用出来ること
は言うまでもない。

〔発明の作用及び効果〕

上記本発明装置は、一次ポンプ等で高圧化され
た高圧水を水ジエツト用ノズルへ供給すると共に
開放された雪供給用空間内へ、搬送された雪を直
接供給落下させると、水ジエツト用ノズルと流送
管通路の始端部の対峙間へ落下した雪が、水ジエ
ツト用ノズルから噴射される水ジエツトにより粉
砕されながら流送管通路内へ吹き飛ばされる状態
で押し込まれる。この時雪と一緒に空気も入り込
んで、流送管通路内にはジエツト水の中に雪が浮
遊すると共に空気層部の介在された状態の流送物
が存在することになり、流送管通路内における細
かい雪の塊は、その性質上相互に吸引結合しよう
とするが、ジエツト流速と介在した空気層の脈動
等によつて撹乱阻止され、流送管通路内で平均的
に浮遊流動して順次排出口方向へ圧送されるよう
になる。

本発明装置は、開放状態にある、集雪容部の底
部に落下した雪を同時に破砕しながら流送管通路
内へ圧送するものであるから、単に定置された集
雪容部へ各種手段で集雪されたものを投入するだ
けで、極めて能率的且つ遠方所定の場所への雪の
流送排出を達成することができる。

また本発明装置においては、プランジヤーポン
プ等を用いた高圧水供給源から供給される高圧水
を、開放状態にある集雪容部の底部空間からジエ
ツトとして流送管通路内へ突入させる構造である
から、ジエツト噴流の衝突及び吸引と圧入の共同
作用によつて、流送管通路の始端部において流送
管通路径以下の雪塊に破砕しつつ極めてスムーズ
に流送管通路へ入り込み、従つて、雪はポンプ内
を通過することなく流送管通路を通つて圧送され
るようになる。このため、排雪流送勾配等を必要
とせずまた、吸引する雪の中に土石類やビニール
袋、縄、紐等のゴミが入つていても、雪吸引通路
の管径以下の大きさである限り、全く支障なく圧
送をすることができると共にポンプ体の可動部分
に雪が付着固化したり前記ゴミ等が絡まつて運転
効率を低下若しくは運転不可事態を招来すること
が解消され、連続的に多量の雪の排除処理が達成
される。

更に、水ジエツト用ノズルと配管体及び単純構
成の集雪容部との結合による簡単な構造であるか
ら、装置コストが安価となるだけでなく、配管設
備等も容易となるので、地域毎の排雪装置の設置
が可能となり、毎年繰り返される豪雪地域での雪
公害の解消に大きく貢献する効果がある。

更に又、流送管通路に屈曲自在管を使用し且つ
順次連結する場合には、雪排出場所を自由に変更
することが出来るために極めて使い勝手が良いも
のとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は、本発明装置の実施例の構
成略図であり、第４図は自走式装置例の略図であ
る。 １……集雪容部、２……ホツパー、３……雪供
給用空間、４……水ジエツト用ノズル、５……流
送管通路、６……ベルトコンベヤー、７……ロー
タリーブロワー、８……排出口、９……側壁、１
１……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水を利用して雪を圧流送排出するものにおい
   て、プランジヤーポンプ等の高圧水供給源に配管
   接続されたジエツト噴射部の水ジエツト用ノズル
   を、大気に開放された集雪容部の空間部を挟んで
   流送通路管の始端部に対峙させ、搬送機器若しく
   は粉砕移送機器等により排出すべき雪を集雪容部
   へ供給するようにしたことを特徴とする雪の流送
   排出装置。 ２ 搬送機器が、スコツプ、トラツク、パワーシ
   ヨベル、ベルトコンベヤー、スクリユーコンベヤ
   ー、流雪溝のいずれかである特許請求の範囲第１
   項記載の雪の流送排出装置。 ３ 粉砕移送機器が、多数ジエツト噴射手段、ロ
   ータリーブロワー、回転粉砕機のいずれかと特許
   請求の範囲第２項記載の搬送機器との結合である
   特許請求の範囲第１項記載の雪の流送排出装置。 ４ 水ジエツト用ノズルが複数であつて各々の噴
   射軌跡が流送通路管の始端部内へ向かう構成であ
   る特許請求の範囲第１項記載の雪の流送排出装
   置。 ５ 流送管通路が、流送用噴射ノズルを流送方向
   に向けて管壁に取りつけた構成である特許請求の
   範囲第１項記載の雪の流送排出装置。 ６ 流送管通路が、吐出方向に往くにつれて順次
   大口径管とした段設構造である特許請求の範囲第
   １項記載の雪の流送排出装置。 ７ 流送管通路の段設構造が、チユーブ膨張構造
   のチユーブジヨイントを用いたものである特許請
   求の範囲第６項記載の雪の流送排出装置。 ８ 水ジエツト用ノズルの中心が、流送管通路始
   端部の吐出方向中心に一致している特許請求の範
   囲第１項記載の雪の流送排出装置。 ９ 流送管通路の一部又は全部が屈曲自在管であ
   る特許請求の範囲第１項記載の雪の流送排出装
   置。