JPH0236607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は各種車輌のギヤボツクス等に装着され
るマグネチツクフイルターに係るものである。

（従来の技術） 本考案者は曩に実願昭62−53485号において、
ねじ栓の螺桿部の先端に軸方向に設けた凹窩に、
横断面の直径方向両端に磁極を有する桿状の永久
磁石片を、前記螺桿部先端面より軸方向に突出す
るように嵌着するとともに、前記永久磁石片と前
記凹窩内周面との間に非磁性体を介装したマグネ
チツクフイルターを提案した。

（考案が解決しようとする問題点） 前記マグネチツクフイルターはねじ栓の螺桿部
の凹窩に嵌着された桿状の永久磁石片の横断面に
おける直径方向両端に磁極を設けて、同永久磁石
片の周方向に流れる磁束を形成するとともに、同
永久磁石片を螺桿部先端面より突出させることに
よつて実質有効表面積を増大せしめることによつ
て吸着鉄粉の保持力を増大させるという優れた効
果を発揮するものである。

しかしながら前記永久磁石片の表面積を更に増
大し鉄粉吸着力をより向上せしめるために、前記
永久磁石片の直径を増大しようとしても、前記螺
桿部のねじ径より大きくすることができないた
め、自づと永久磁石片の表面積に制約が加わる。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたものであつて、ねじ栓の螺桿部の先端に
軸方向に設けた凹窩に、横断面の直径方向両端に
磁極を有する桿状の永久磁石片を前記螺桿部先端
面より軸方向に沿つて突出するように嵌着してな
るマグネチツクフイルターにおいて、前記永久磁
石片外周面に同片母線方向に沿つて前記凹窩に対
する嵌入部にまで延びるスリツトを設け、同スリ
ツトの下端部内に前記螺桿部の周壁をかしめつけ
てなることを特徴とするマグネチツクフイルター
に係るものである。

（作用） 本考案においては前記したように前記ねじ栓の
螺桿部に設けた凹窩に、同螺桿部の先端面より軸
方向に沿つて突出するように嵌着された永久磁石
片に、その母線方向に沿つてスリツトが設けられ
ているので、前記永久磁石片はほぼ前記スリツト
による割截面の表面積分だけ実質有効表面積が増
大し、鉄粉吸着効果が増大する。

また本考案に係るマグネチツクフイルターをギ
ヤボツクス等に装着したとき、同ボツクス内の鉄
粉を含む油の流れが、前記スリツトを介して永久
磁石片の内部を流れ、永久磁石片はその内側から
も鉄粉を捕捉し、鉄粉の吸着効果がより増大す
る。

更にまた本考案においては永久磁石片に設けた
スリツトが、同磁石片のねじ栓における螺桿部に
設けた凹窩に対する嵌入部にまで延び、同嵌入部
におけるスリツトの下端部に、前記凹窩の周壁が
かしめつけられているので、前記永久磁石片の凹
窩から突出する部分を同凹窩に対する下端嵌入部
より大径に形成し、永久磁石片の表面積をより大
きくし、鉄粉吸着効果をより向上できる。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

１はねじ栓で、その頭部２より突設された螺桿
部３の先端に、軸方向に亘つて設けられた凹窩４
に、横断面の直径方向両端に磁極Ｎ，Ｓを有する
桿状の永久磁石片５が、前記螺桿部２の先端面よ
り突出するように嵌着されている。

更に同永久磁石片５には、その先端面の直径に
沿つて開口し、且つ同磁石片５における前記螺桿
部３からの突出部５ａと、同螺桿部３の凹窩４に
嵌着する凹窩４の内径と等しい外径を有する小径
の下端部５ｂとに亘つて延びる、前記永久磁石片
５を２分割するスリツト６が設けられている。

更に前記永久磁石片５における小径の下端部５
ｂのスリツト６の下端部内に、螺桿部３における
凹窩４の周壁を符号７で示すようにかしめつけ
て、同凹窩４に永久磁石片５を固着するものであ
る。

図示の実施例によれば前記したように、永久磁
石片５がねじ栓１の螺桿部２より突出した長尺の
円筒形の桿体に形成されているので、表面積が大
となり鉄粉の吸着力が増大し、また横断面の直径
方向両端部に磁極Ｎ，Ｓが配設されたことによつ
て、磁束が永久磁石片５の周方向に沿つてほぼ均
一に流れるので、鉄粉の保持力が大で、永久磁石
片５の上下両端に磁極を設けた場合にみられる磁
束が発生しないポールギヤツプが非常に少なくな
り、鉄粉吸着力が更に増大する。

更に前記永久石片５にスリツト６が割截されて
いるので、ほぼ同スリツト６による割截面の表面
積分だけ実質有効表面積が増大し、鉄粉吸着効果
がより増大する。

即ち前記スリツト６を挾んで対向する永久磁石
片５の割截面にＳ極とＮ極とがあらわれ、全体と
して４極永久磁石が構成され、実施例に示すマグ
ネチツクフイルターがギヤボツクスに装着された
とき、同ボツクス内の鉄粉を含む油が前記スリツ
ト６を通過する際、同スリツト７に臨む割截面に
鉄粉が吸着捕捉され、永久磁石片５の内側部にお
いても鉄粉吸着効果が発揮されるものである。

また前記永久磁石片５は前記凹窩４に嵌入する
小径の下端部５ｂにおけるスリツト６の下端部内
に、凹窩４の周壁がかしめつけられることによつ
て、同凹窩４に永久磁石片５が固着されるので、
同凹窩４より上方に突出する永久磁石片５の上端
突出部５ａの径を前記凹窩４の内径に制約される
ことなく、大径に形成することができ、永久磁石
片５の表面積がより増大し、鉄粉吸着効果がより
増大する。

なお第６図は本考案の他の実施例を示し、永久
磁石片５のスリツト６によつて割截された一双の
割截面の直径方向の各一端部を夫々Ｎ極に、各他
端部をＳ極にした場合を示す。

第７図乃至第１０図は本考案の他の実施例を示
し、永久磁石片５にスリツトの代わりに上部突出
部５ａと小径の下端部５ｂとに跨つて、縦長の窓
孔６′を永久磁石片５の直径方向に沿つて貫通す
るように穿設し、前記下端部５ｂにおける窓孔
６′の下端部に螺桿部３の凹窩４の周壁を符号７
で示すようにかしめつけたものである。

なお本実施例の作用、効果は前記実施例と実質
的に同一であるから説明を省略する。また図中前
記実施例と均等部分には同一符号が附されてい
る。

（考案の効果） このように本考案に係るマグネチツクフイルタ
ーにおいては、ねじ栓の螺桿部に設けた凹窩に、
同螺桿部先端面より軸方向に沿つて突出するよう
に嵌着された永久磁石片に、同磁石片の母線方向
に延びるスリツトを設けることによつて永久磁石
片の実質有効表面積を増大し、鉄粉の吸収効果を
増大させることができ、また前記スリツトによつ
て永久磁石片は鉄粉を含む油をその内側部を流過
せしめ、永久磁石片の内側部においても鉄粉を吸
着、捕捉し、鉄粉の吸着効果をより向上せしめる
ものである。

更に本考案によれば、前記永久磁石片に設けた
スリツトが、同磁石片のねじ栓における螺桿部に
設けた凹窩に対する嵌入部まで延び、同嵌入部に
おけるスリツトの下端部に前記凹窩の周壁部がか
しめつけられているので、永久磁石片の前記螺桿
部に対する取付が容易に行なわれるとともに、永
久磁石片の凹窩から突出する部分を、同凹窩に対
する下端嵌入部より大径に形成して永久磁石片の
表面積をより大きくし、鉄粉吸着効果をより向上
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマグネチツクフイルター
の一実施例を示す平面図、第２図はその側面図、
第３図はその縦断側面図、第４図は永久磁石片の
側面図、第５図はその平面図、第６図は本考案の
他の実施例を示す永久磁石片の平面図、第７図は
本考案に係るマグネチツクフイルターの他の実施
例を示す側面図、第８図はその縦断側面図、第９
図は第８図のＡ−Ａ線に沿つて截断した横断平面
図、第１０図は永久磁石片の側面図である。 １……ねじ栓、２……頭部、３……螺桿部、４
……凹窩、５……永久磁石片、５ａ……突出部、
５ｂ……下端部、６……スリツト、６′……窓孔、
７……かしめつけ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ねじ栓の螺桿部の先端に軸方向に設けた凹窩
   に、横断面の直径方向両端に磁極を有する桿状の
   永久磁石片を前記螺桿部先端面より軸方向に沿つ
   て突出するように嵌着してなるマグネチツクフイ
   ルターにおいて、前記永久磁石片外周面に同片母
   線方向に沿つて前記凹窩に対する嵌入部にまで延
   びるスリツトを設け、同スリツトの下端部内に前
   記螺桿部の周壁をかしめつけてなることを特徴と
   するマグネチツクフイルター。