JPH0236511Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、主として長く病床に付いていると
き、身体の床にあたる部分がすれてただれる床擦
れを防止しようとするとともにマツサージにより
血行を促進させるエアーマツトに関するものであ
る。

［背景技術］ 従来、エアーマツトにおいては、単機能のもの
であり、重症、回復期などの患者の状態に応じて
最適な使用状態を選択することができないという
問題があつた。又、空気室を膨張収縮させてマツ
サージ作用を行うエアーマツトとしては第５図に
示すように、隣接する空気室Ｅ，Ｆを交互に膨張
収縮させて体重を支える箇所を変更することによ
つて、マツサージを行うものであり、このように
隣接の空気室Ｅ，Ｆを交互に膨張収縮させたとき
の収縮している側においてはクツシヨン性が全く
なくなり、エアーマツトの機能が低減され、痛さ
を感じることがあるという問題があつた。

［考案の目的］ 本考案はこのような問題に鑑みたなされたもの
であり、その目的とするところは、種々の使用形
態を選択することができ、例えば隣接の空気室が
交互に膨張収縮を繰り返してマツサージ効果を充
分に発揮させるものでありながらクツシヨン性を
低下させることがなく、又、マツサージ作用を抑
え充分なクツシヨン性を得て重症者に対応でき、
又、回復期の患者にも好適に対応でき、患者の状
態に応じて最適な使用状態を選択することができ
るエアーマツトを提供することにある。

［考案の開示］ 本考案は、中央シート１と上シート２との間に
第１空気室３と第２空気室４とを別系統に構成す
るとともに、第１空気室３から延出された第１空
気室部分３ａと第２空気室４から延出された第２
空気室部分４ａとを交互に配設し、中央シート１
と下シート７との間に１系統の下空気室５を形成
し、上記第１空気室３、第２空気室４及び下空気
室５とを各々独立させてエアー供給排出手段６に
接続させて成るエアーマツトにかかるものであ
り、このように構成することによつて、上記目的
を達成できるに至つた。つまり、エアー供給排出
手段６のコントロールにより、例えば下空気室５
を常時膨張させながら、第１空気室３及び第２空
気室４を交互に膨張収縮させることにより、体重
を支持する箇所を変更させることができ、収縮し
た第１もしくは第２空気室３，４の下方には常時
膨張している下空気室５があり、第１もしくは第
２空気室３，４の交互の収縮にかかわら良好なす
いクツシヨン性を維持することができ、又、エア
ー供給排出手段のコントロールにより、第１空気
室３、第２空気室４及び下空気室５の全てのもの
を膨張させることで、重症の患者に対してマツサ
ージ作用をなくすとともにクツシヨン性を増すこ
とができ、又、エアー供給排出手段のコントロー
ルにより、下空気室５へのエアー供給を断つて下
空気室５を収縮させるとともに第１及び第２空気
室３，４を交互に膨張収縮させることにより、ク
ツシヨン性のないマツサージを行うことができ、
リハビリテーシヨンを行つている患者には好適と
なり、このように患者に応じた最適な使用形態を
選択することができるようにしたものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

エアーマツト本体８は合成樹脂シートのように
可撓性を有する中央シート１、上シート２及び下
シート７とで構成されている。上シート２と中央
シート１とは第１図の実線で示す溶着ライン９に
沿つて溶着されていて、第１図の上方において第
１空気室部分３ａが分岐して略櫛歯状となる第１
空気室３と下方において第２空気室部分４ａが分
岐して略櫛歯状となつて第１空気室３に噛合する
第２空気室４との二系統に構成してある。第１空
気室３にはエアー供給及び排出用の第１配管口１
０を導出し、そして第２空気室４にはエアー供給
及び排出用の第２配管口１１を導出してある。こ
のような第１及び第２配管口１０，１１は第３図
のように第１電磁弁１２及び第２電磁弁１３介し
てエアーポンプ１４に接続してある。しかして第
１及び第２電磁弁１２，１３の交互の開閉作動に
より、第１及び第２空気室３，４を交互に膨張収
縮させて、体重の支持位置を変更することで、マ
ツサージ作用を行うことができるようにしてあ
る。

中央シート１と下シート７とは第１図に鎖線で
示す溶着線１５に沿つて溶着してあり、中央シー
ト１と下シート７との間に蛇行する一本の下空気
室５を形成してある。下空気室５には専用の第３
配管口１６を導出してある。第３配管口１６は第
３電磁弁１７を介してエアーポンプ１４に接続し
てある。しかして第３電磁弁１７を開いて下空気
室５にエアーを送り込んでおくことで下空気室５
を常時膨張させておくことができるようにしてあ
る。

このような構成によれば、第１、第２及び第３
電磁弁１２，１３，１７を開いて第１及び第２空
気室３，４並びに下空気室５にエアーを供給し
て、全ての空気室３，４，５を膨張させること
で、充分なクツシヨン性を発揮させて、重症者に
対応するのであり［第２図ａ参照］、そして、こ
のように下空気室５を膨張させながら、第１電磁
弁１２及び第２電磁弁１３の交互の開閉制御によ
り、第１空気室３及び第２空気室４を交互に膨張
収縮させて、下空気室５によるクツシヨン性を維
持しながら体重の支持点を変更するマツサージ作
用を行うのであり［第２図ｂ，ｃ参照］、又、電
磁弁１２，１３，１７の制御により、下空気室５
を収縮させた状態で第１及び第２空気室３，４を
交互に膨張収縮させることにより、クツシヨン性
のないマツサージ作用を行つて、リハビリテーシ
ヨン中の患者に応じることができるものである
［第２図ｄ，ｅ参照］。尚、第１、第２及び第３電
磁弁１０，１１，１７、並びにこれらのコントロ
ーラをエアー供給排出手段６と総称するが、この
ようなエアー供給排出手段６は種々設計変更可能
である。そして、電磁弁１０，１１，１７を制御
するエアー供給排出制御手段としてのコントロー
ラは電子回路装置を用いたものやリレーなどを使
つた自動切換装置など種々のものがある。

ところで第４図ａ，ｂ，ｃのような３状態のみ
の切換を可能に構成しておくことによつて、常に
下空気室５を膨張させた状態で第１及び第２空気
室３，４の交互の膨張及び収縮並びに両者の膨張
によつて、常にクツシヨン性を維持しながらマツ
サージを行うことができるものである。

又、上述したエアーマツトは上下反転して使用
してもよいものである。

［考案の効果］ 以上要するに本考案は、中央シートと上シート
との間に第１空気室と第２空気室とを別系統に構
成するとともに、第１空気室から延出された第１
空気室部分と第２空気室から延出された第２空気
室部分とを交互に配設し、中央シートと下シート
との間に１系統の下空気室を形成し、上記第１空
気室、第２空気室及び下空気室とを各々独立させ
てエアー供給排出手段に接続させてあるから、エ
アー供給排出手段のコントロールにより、例えば
下空気室を常時膨張させながら、第１空気室及び
第２空気室を交互に膨張収縮させることにより、
体重を支持する箇所を変更させることができ、収
縮した第１もしくは第２空気室の下方には常時膨
張している下空気室があり、第１もしくは第２空
気室の交互の収縮にかかわら良好なずクツシヨン
性を維持することができ、又、エアー供給排出手
段のコントロールにより、第１空気室、第２空気
室及び下空気室の全てのものを膨張させること
で、重症の患者に対してマツサージ作用をなくす
とともにクツシヨン性を増し、又、エアー供給排
出手段のコントロールにより、下空気室へのエア
ー供給を断つて下空気室を収縮させるとともに第
１及び第２空気室を交互に膨張収縮させることに
より、クツシヨン性のないマツサージを行うこと
ができ、リハビリテーシヨンを行つている患者に
は好適となり、このように患者に応じた最適な使
用を選択することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図
ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅは同上の使用状態の説明図、
第３図は同上のエアー供給排出手段を示す概略説
明図、第４図ａ，ｂ，ｃは同上の他の実施例の作
用説明図、第５図ａ，ｂは従来例の作用説明図で
あり、１は中央シート、２は上シート、３は第１
空気室、３ａは第１空気室部分、４は第２空気
室、４ａは第２空気室部分、５は下空気室、６は
エアー供給排出手段、７は下シートである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中央シートと上シートとの間に第１空気室と
   第２空気室とを別系統に構成するとともに、第
   １空気室から延出された第１空気室部分と第２
   空気室から延出された第２空気室部分とを交互
   に配設し、中央シートと下シートとの間に１系
   統の下空気室を形成し、上記第１空気室、第２
   空気室及び下空気室とを各々独立させてエアー
   供給排出手段に接続させて成るエアーマツト。 (2) 第１空気室と第２空気室とを交互に膨張収縮
   させるとともに下空気室を常時膨張させるエア
   ー供給排出制御手段を設けて成る実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のエアーマツト。