JPH0236228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 この考案は例えば旋回台を有する産業機械や建
設車輛、特に車輛に搭載しブームの長さ及び方向
が変化するトラツククレーン車や高所作業車にお
ける角度情報の発生ならびに信号伝達を行う角度
センサ付ロータリブラシに関する。 〔従来の技術〕 例えばトラツククレーン車や高所作業車などの
旋回台を有する建設車輛において、車輛に搭載し
たブームの先端に作業室を設けそのブームの方
向、仰角及び長さなどを制御して作業室を適切な
位置に移動し作業を行う高所作業車は、作業時に
は停止してアウトリガを伸縮して作業車を固定
し、作業時の転倒防止などの安全性を計つてい
る。この安全性の範囲は作業車の形状、構造など
により一般にブームの方向によつて異るので、ブ
ームの長さを制御するときその方向を識別してモ
ーメントリミツトの限界内でブームの制御を行な
うよう実施している。 また作業車のブームの先端に設けられた作業室
から作業者がブームの方向、仰角及び長さを遠隔
制御するとき操作室と通信を行うためロータリブ
ラシを経由して作業室と操作室との間の制御信号
の伝達を行なう構造になつている。 第７図は例えば従来のロータリブラシの断面
図、第８図は第７図に示すロータリブラシの底面
図である。図において、１はスリツプリング、２
はスリツプリングと摺動するブラシ、３は各ブラ
シの一端を固定するホルダ、４はスリツプリング
１を多層に積層し樹脂にて絶縁した回転体、５は
回転体４の回転軸、６はホルダ３を固定する取付
板である。 上記のように構成されたロータリブラシにおい
て、回転体４に設けられたスリツプリング１には
それぞれボルダ３に固定されたブラシ２が摺動し
複数の接続回路を形成している。旋回台に取付け
られた回転軸５と車輛に固定された取付板６によ
り車輛に設けられた操作室と旋回台に取付けられ
ブームの先端に位置する作業室間の制御信号の伝
達がこのロータリブラシを経由して行うことがで
きる。 従来の角度センサは全方位の分割区劃に応じて
数量が増加する凸起をもつた回転円板に各分割区
劃毎の信号を発生する個別のマイクロスイツチを
併設し、回転円板の回転によりこの凸起に感応し
てマイクロスイツチが動作し分割区劃信号を発生
する構造になつている、この構造の角度センサで
は回転円板の寸法が大きく分割区劃と同数のマイ
クロスイツチを用いるので、更に分割区劃数が増
すと角度センサの寸法が益々大きくなりロータリ
ブラシの内部に配置することが不可能となり、角
度センサを使用するときはロータリブラシの外部
に設けなければならないので、従来角度センサを
付属したロータリブラシは実用されていない。 〔考案が解決しようとする問題点〕 上記のような従来の角度センサは凸起をもつた
複数個の回転円板と分割区劃と同数のマイクロス
イツチにて構成され、寸法が大きいためロータリ
ブラシの回転軸に直接取付けることができないの
で実用された製品はなかつたという問題点があつ
た。 この考案はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので、ロータリブラシの回転軸に後に記述
する「角度センサ」を同心状に装着し、角度信号
の発生と制御信号の伝達ができると角度センサ付
ロータリブラシを得ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 この考案に係る角度センサ付ロータリブラシは
多段に積層されたスリツプリングとブラシよりな
るロータリブラシと、半周面に板状マグネツトを
固着した円板に感応する磁性スイツチよりなる角
度センサにおいて、スリツプリングと円板を同心
状に形成した回転体と、ブラシを固定したホルダ
に装着した磁性スイツチより構成された固定体と
を互に係合するように設けたものである。 〔作用〕 この考案においては半周面に板状マグネツトを
固着した円板の周囲に複数個の磁性スイツチを配
置して成る小形の角度センサを使用することによ
り、スリツプリングとブラシより構成されたロー
タリブラシと、回転軸を共用し同心状に角度セン
サを装着できるので角度センサとロータリブラシ
を一体構造にすることができる。 〔実施例〕 第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は第１図に示す実施例の底面図であり、１〜
３，５，６は上記従来のロータリブラシと全く同
一のもので、ロータリブラシに本考案者が先に発
明し特許出願を行つた角度センサを一体構造に形
成したものである。第３図は角度センサの一例を
示す上面図、第４図は第３図に示す角度センサの
側面図である。図において１５は周面に幅をもち
回転体４に取付けられた円板、１６は円板１５の
半周面90゜〜270゜の角度に固着した板状マグネツ
ト、１７，１８は円板１５の分割区劃線180゜及び
270゜位置に板状マグネツト１６に感応して動作し
固定体７のホルダに取付けられた磁気抵抗素子を
用いた第１及び第２磁性スイツチ、１９は円板１
を回転させる回転軸、２０は分割区劃線を示して
いる。 上記のように構成された角度センサにおいて
は、例えば円板１５は全方位を４等分に分割さ
れ、0゜〜90゜の分割区劃をＡ，90゜〜180゜の分割区
劃をＢ，180゜〜270゜の分割区劃をＣ，270゜〜360゜
の分割区劃をＤとし、円板１５の半周面90゜〜
270゜の範囲に互つて接着された板状マグネツト１
６は例えば内面がＳ極、外面がＮ極となる磁石を
形成しており、磁気抵抗素子を用いた磁性スイツ
チ１７，１８は板状マグネツトの発磁体が接近す
るとこれに感応してスイツチ動作を行い「１」の
信号を発生し、離れるとスイツチ動作が解除され
て「０」の信号を発生する。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したとおり、角度センサを
ロータリブラシ内の回転軸に同心的に取付けると
云う簡単な構造により、角度センサとロータリブ
ラシは回転体４と固定体７の構造となり同時に動
作を行うことができるので、操作室及び作業室の
２個所から通信や制御信号の伝達が行なえ、更に
正確なブーム位置の分割区劃情報が取得できるの
でトラツククレーン車や高所作業車などのブーム
の方向、仰角及び長さなどの制御の安全性が著る
しく向上し、また角度センサは磁気に感応する作
用を行なうのでロータリブラシに近接して配置し
たのに係らず、ロータリブラシの発生する静電雑
音の妨害に対する影響もなく安定して動作すると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は第１図に示す実施例の底面図、第３図はこ
の考案に係る角度センサの一例を示す上面図、第
４図は第３図に示す角度センサの側面図、第５図
は本考案の応用例を示す高所作業車の上面図、第
６図は高所作業車の側面図、第７図は従来のロー
タリブラシの断面図、第８図は第７図に示すロー
タリブラシの底面図である。 図において、１はスリツプリング、２はブラ
シ、３はホルダ、４は回転体、５は回転軸、６は
取付板、７は固定体、１５は円板、１６は板状マ
グネツト、１７，１８は磁性スイツチである。な
お、各図中同一符号は同一または相当部分を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータリブラシを構成する多段に積層されたス
   リツプリングに半周面に板状マグネツトを固着し
   た円板を同心状に積層成形してなる回転体と、前
   記スリツプリングに摺動する複数個のブラシを保
   持するホルダに前記円板に固着した板状マグネツ
   トに感応する磁性スイツチを備えてなる固定体と
   より構成された角度センサ付ロータリブラシ。