JPH0235648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばビール、清涼飲料水、日本酒
等を詰めた比較的高さのあるびんを収容するびん
用紐結束式運搬具に関するもので、きわめて簡単
な構造のびん収容具と結束機による紐結束によつ
てがた付きがないように確実に梱包でき、而も空
荷のときは嵩張らずに小スペースで空荷運搬具の
多段積みができるようにしたことを目的とする。

〔従来の技術〕

一般に上記の各種びんを収容する、容器・コン
テナー類として、例えば実開昭51−155219号及び
実公昭42−2710号並びに実公昭40−10302号の考
案が知られている。

そして前記第１の考案は、箱内に敷く底敷材に
びんの胴部を入れる穴と、その穴の下方でびん底
を受ける受け底とを複数の切込みとブリツジで形
成しした脚片によつて一体に設け、底敷材の縁辺
に脚片と同じ高さの脚部を設けたものである。

また第２の考案は、電気製品等の包装用部材に
おいて、四辺に側辺を有する基板の中央を切り目
にて区画された抜出し部とし、該部の一部分を連
続部によつて基板へ連続させておくと共に、この
連続部の根元及びそこから少し離れた位置の二個
所へ夫夫平行に折り目を設け、両折り目間の間隙
を上記側片の幅よりも小ならしめてなるものであ
る。

さらに第３の考案は、瓶挿入枠を有する底板と
上枠を設け、金属線で形成された支持枠を上記底
板の嵌合部と上枠の嵌合部に嵌合一体に構成した
ものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが前記従来の技術において第１の考案
は、底敷材だけではびんを収容すると底が抜けて
しまうので必ず別体の箱に納めて使用することが
構成上の条件となる。そのため、前記箱の分だけ
材料が余計に必要となり、而も空荷時においても
底敷材と中ぶたを入れたままでは、箱を折り畳む
ことができないので保管するときに嵩張るという
問題があつた。

また第２の考案においても、基板だけで電気製
品を収容するに用をなさず、必ず別体の包装箱を
使うことが条件になる。従つて、前者同様に箱の
分だけ材料を余分に使う必要があり、また基板を
入れたままでは箱を折り畳むことができず、やは
り空荷時には嵩張るという問題があつた。

そして第３の考案は、上枠のます目が瓶の最大
径部と嵌合できる大きさに設定されているから、
瓶収容時において、上枠の四隅を底板に対して金
属線の支持枠で支えていなければ、底板から一定
の高さ位置を確保することができない。さらに底
板及び上枠共に瓶の最大径部を挿入し、且つその
径より多少大きめに設定してあるので、がた付き
が起こつて運搬中に破損したり、騒音が生じるお
それがある。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案は、従来の問題点を解決し、且つ
考案の目的を達成するためにびん用紐結束式運搬
具において、基板の周囲にびん底受け部の高さ
と、支持枠が納まる高さに設定した起立縁辺を形
成し、基板の平面上に列設するびんの底部を嵌合
して位置決めするびん底受け部と、前記びん受け
部に対応する基板外底にびんの口部を挿入するび
ん口受け部を成形し、びん底受け部に載置したび
んの最大径部より小さい孔を有する板状の支持枠
をびんの口部から挿入して肩部に掛止し、びん底
受け部の基板と支持枠とを紐体で結束するもので
ある。

〔作用〕

上記の手段において、びんＢの収容工程ないし
作用を説明する。まず、基板の平面上に複数列に
成形したびん底受け部にびんを落とし込んで嵌合
且つ位置決めをし、さらに支持枠の孔をびんの口
部から挿入して肩部に掛止し、結束機により紐体
を繰り出して基板の底から支持枠の平面にわたつ
て掛け回して結束する。

そして、びんを紐で結束した本考案の運搬具を
多段積みする場合は、前記の結束したびんの口部
に上位の運搬具の基板外底のびん口受け部を合致
させて載置する。

なお、びんを収容しない空荷時ないし不用時に
おいては、支持部材を基板上に載置して多段に積
み置いておく。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する
と、１は複数本のびんを縦横に配列して位置決め
させるための基板、２は基板１の平面上に複数列
に成形したびんＢの底B₁を嵌合して位置決めす
るびん底受け部で、その高さは10〜20mmに設定す
る。

３はびんＢの口部B₂に挿通して肩部B₃に掛止
する孔４を設けた板状の支持枠、５は前記びん底
受け部に対応する基板外底に成形したびんの口部
B₂に嵌合するびん口受け部である。

前記の基板１は、びん底受け部２を例えば１列
当たり４本若しくは６本入りを３列に、又は１列
に５本入りを４列等にそれぞれ成形し、その基板
周囲に起立縁辺６を形成する。その起立縁辺内の
高さｈは、びん底受け部２の高さに加えて支持枠
厚さｔが納まる程度に設定する。

支持枠３は、その孔をびん底受け部２の位置と
対峙させ、且つ支持枠周囲を基板１の起立縁辺６
の内側に納まる大きさに設定する。そして、基板
１と支持枠３は、プラスチツク成形又は堅固な段
ボール等で製作するものとする。

また、前記基板外底のびん口受け部５は外底面
にリブ５₁を成形して設けるが、前記外底面を窪
ませて設けることも可能である。

前記基板と支持部材との結束方法は、市販品と
して公知である紐結束専用の結束機を用いて基板
１及び支持枠３の縦横に紐ｒを掛け回して結束す
るものである。

〔考案の効果〕

本考案は上記の構成であるから、基板平面上に
複数列に成形したびん底受け部にびんを落とし込
んで嵌合且つ位置決めをした後、支持枠の孔をび
んの口部から挿通するとその肩部に掛止すること
により、あとは結束機により繰り出した紐体を基
板と支持枠とにわたつて掛け回すだけでの簡単な
構造と操作手順で確実に結束ができるので、びん
のがた付きがなく、而も振動等に対してもびんの
損傷や騒音を防止する。

のである。

また、前記の支持枠の孔は、びんの最大径部よ
りは小さいが、びんの肩部に掛止する大きさであ
るから、これがびんの口部から嵌合する際、その
孔がびん口よりはるかに大きいことにより、多数
本の収容びんでも支持枠が引つ掛かることなく簡
単確実に装着することができる。

そして、びんを結束した本考案の結束式運搬具
において、びんの口に他の運搬具の基板外底のび
ん口受け部を合致させて置くことにより２段以上
に安定して多段積みすることができる。

さらに、びんを収容しない空荷時ないし不用時
にあつては、支持枠を高さがきわめて低い基板の
起立縁辺内に収容して置くことができるので、箱
型に比べて嵩張らず小スペースに多量の保管がで
き、輸送効率を高め、且つ輸送コストの低下が図
れる。

その上、四隅に金属線で支柱として上枠を支持
するのに比べて収容するびんの安定性に優れてい
ると共に、部品点数が少なくて保管・管理に便利
であり、この種のびん用紐結束式運搬具としてき
わめて実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るびん用紐結束式運搬具の実
施例を示すもので、第１図は支持枠のみを鎖線で
示した平面図、第２図はびん口部に上位の空荷の
運搬愚を載置した第１図の２−２線に沿う縦断面
図、第３図は底面図、第４図は斜視図である。 １……基板、２……びん底受け部、３……孔付
きの支持枠、４……支持枠の孔、５……びん口受
け部、６……基板の起立縁辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板１の周囲にびん底受け部２の高さと、支持
   枠３が納まる高さｈに設定した起立縁辺６を形成
   し、基板１の平面上に列設するびんＢの底部B₁
   を嵌合して位置決めするびん底受け部２と、前記
   びん受け部に対応する基板外底にびんの口部B₂
   を挿入するびん口受け部５を成形し、びん底受け
   部２に載置したびんの最大径部より小さい孔４を
   有する板状の支持枠３をびんの口部B₂から挿入
   して肩部B₃に掛止し、びん底受け部の基板１と
   支持枠３とを紐体ｒで結束することを特徴とする
   びん用結束式運搬具。